『贈り狼の話』


PC1:巳六 針助(ミロク・シンスケ)(キャラシート)PL:カムリ
PC2:矢鳴 ヤモリ(ヤナリ・ヤモリ)(キャラシート)PL:おばけら
PC3:遊火丸 クヲン(スサビマル・クヲン)(キャラシート)PL:鳩麦
PC4:黒戸 三四(クロド・ミヨ)(キャラシート)PL:ガントス

メインログ雑談ログ

目次


プリプレイ

 

昼と夜の境の、僅かな隔てのように。
人と獣の境の、幽かな違いのように。
表と裏の境の、刹那を歩く者がいる。

不確かな道を探り、祈り、血を流す。
そして、得たものをまた次へと贈る。

──ああ、贈られた者も刹那に落ちていくのだ。

現代忍術バトルRPGシノビガミ『贈り狼の話』

GM:====
GM:ではまず、PC紹介から始めていきます!
GM:今回PC1は初めてだから番号逆順にしましょう……PC4、黒戸さんカモン!
GMキャラシート
GM:自己紹介と……流派とか構成を簡単に伝えてくれると助かるぜ!
黒戸 三四:は~い!
黒戸 三四:黒戸三四(くろど・みよ)。斜歯忍軍・御釘衆の忍びです。
黒戸 三四:人懐こく、目上だろうが歳下だろうがオナイだろうが馴れ馴れしく接っしてます。
黒戸 三四:チャームポイントはくせっ毛と八重歯です。よろしくね。
GM:チャームポイントを自分で言っちゃうのもかわいいぜ!
黒戸 三四:へっへっへ。ありがとね~
黒戸 三四:喜怒哀楽が極端に激しく、テンションも常に高め。着いてこいよ、私のスピードに。
GM:リードされたいですね!
黒戸 三四:キャラシ上では記載していなかったですが、おそらく宇賀品高校の2年生。
黒戸 三四:衛生委員を勤めているそうです。
GM:※宇賀品高校……『私立宇賀品学院』。セッションの舞台となる繁華街と同じ地域に存在する、忍者養成機関の学校。
GM:衛生委員! 消毒液の匂いがする……
黒戸 三四:それもそのはず、忍びの中でも人体を巡る気……経絡に精通した医療忍者の顔も持ち合わせているためですね。
黒戸 三四:鍼師としての腕は突出しているものの、治療がちょっと信じられないくらい痛いと評判なのであんまり頼られないです。
GM:リンパを流していきますので……
黒戸 三四:痛かったら手を上げてくれるかな? うんうん、バタバタしてかわいいね~♡
黒戸 三四:性能。火力的にはイマイチですが、【雷電】や【武器破壊】、【点禊】を活かしじわじわ嬲る戦法に特化した害悪忍者となってます。
GM:いやらしいですわ
黒戸 三四:どれもコストが重いので、【気骨】でそれを補ってるカンジですね。ぐだぐだ長引いてほしい。もっと楽しもうよ。
GM:変異暴走:加虐か?
黒戸 三四:あとは弱点背景・【異端】を取得しているため、ドラマシーン内における感情判定で-2がデフォでついています。厳しい。友達少ないのかな。
黒戸 三四:私からはそんなかんじ~
GM:弱点背景だ! きっとみんな恥ずかしくて目を合わせられないんだよ
黒戸 三四:照れなくてもいいのにな~
GM:ありがとうございます! そんな黒戸さんのHOはこちら!

・PC4の【使命】
学院の転校生であり、隠忍の抜け忍であった少女、憂野ユチカ。
学院の衛生委員であるあなたは、病弱なユチカを時折気にかけていた。
いつもと変わらない様子であった彼女は、しかし突如失踪してしまった。
最後の目撃情報は、繁華街に繋がる道であったという。
生徒会による捜索の要請を受け、あなたは繁華街へと足を踏み入れる。

【使命】憂野ユチカを保護する。

黒戸 三四:憂野く~ん! どこへ行こうというのかね!
GM:憂野ユチカという女の子と仲良く学生生活を送っていたら消えてしまいました
GM:健全な学生生活を取り戻せ! 針などで!
黒戸 三四:先っちょだけ! 先っちょだけでいいから!な?
GM:痛そう……
GM:ではよろしくお願いします!
黒戸 三四:よろ~!

GM:続いてはPC3、遊火丸さん、よろしくお願いします!
GMキャラシート
遊火丸 クヲン:はーい
遊火丸 クヲン:遊火丸クヲン(すさびまる-くをん)、ハグレモノで不知火の一族です
GM:デコ出し赤アンダーリムお姉さん!?
遊火丸 クヲン:見た目は若いですが齢90近い婆さんで、普段はキャバクラとかで働いてます
GM:キャバクラとかで働いてるの!?
遊火丸 クヲン:水商売って書いてるだろ!
GM:そ、そんな……
GM:アフターどうですか……?
遊火丸 クヲン:まだOPも始まってないんだぞ
遊火丸 クヲン:忍びの世界で歳を重ねてるだけあって、性格は気が強くて我儘
遊火丸 クヲン:ですが、その人生経験からか意外と諦めが早い部分もあります
遊火丸 クヲン:性能的には業火で火力を確保して範囲と単体攻撃を使い分ける感じ
遊火丸 クヲン:従者を連れまわす事で、火力確保のハードルを下げています
GM:範囲火力持ち! 対多数でも強そうです
松来 嘉平(従者):従者です
GM:あっどうも
松来 嘉平(従者):お世話になります
GM:いえいえ、よろしくお願いします
遊火丸 クヲン:こっちからは取り敢えずこんな感じで!
GM:はーい!
GM:背景の【気まぐれ】の効果で、感情を結ぶときはプラスとマイナスがランダムになってしまう点は注意ですね!
GM:キャバレーのお姉さんの気を引けるかどうかは……運しだいってコト!
遊火丸 クヲン:その辺はもうダイスに任せるぜ…
GM:ではそんな遊火丸さんのHOはこちら!

・PC3の【使命】
あなたは繁華街の顔役となっている自警団組織『伏竜会』の依頼を受けた忍びである。
依頼の内容は、裏街に流通しはじめているというドラッグ『ライカン』の出所を突き止めることだ。

繁華街ではこのところ、凄惨な殺人事件など事件が多発している。『ライカン』の使用者によるものなのではないか、というのが『伏竜会』の見立てだ。
しかし、どれほど捜索しても『ライカン』の売人は尻尾を掴ませず、ついに忍びであるあなたが動くことになった。

【使命】『ライカン』の出所を突き止める。

GM:繁華街に出回っているという危険ドラッグ『ライカン』を売ってるヤツを突き止めよう!
GM:繁華街の顔役である自警団直々の以来なのでがんばってください!
遊火丸 クヲン:キャバ嬢に依頼するなんて…ヤクザも堕ちたもんじゃないか…
GM:キャバ嬢じゃなくて忍びだし、自警団はヤクザじゃないです!
GM:街の平和を守るために善意の支援をちょっともらっているだけです
遊火丸 クヲン:なら安心!
GM:松来さんと一緒に気を付けて捜査してください! よろしくお願いします!
遊火丸 クヲン:よろしくお願いします!

GM:ではPC2! 矢鳴さん、自己紹介お願いします!
GMキャラシート
矢鳴ヤモリ:はいよー
GM:立ち絵が……!
GM:かわいい!
矢鳴ヤモリ:あんがとねー
矢鳴ヤモリ:矢鳴ヤモリ(やなり・やもり)だよー、流派は鞍馬神流のバヨネット。
矢鳴ヤモリ:妖魔狩りでその日暮らしの生活してるよー。
GM:その日暮らしで!?
矢鳴ヤモリ:ちょっと無茶しがちだけど、まあ、不思議と死んでないのでおっけーじゃないかな。
矢鳴ヤモリ:元々は本流筋にあたる鞍馬神流のお家に生まれたんだけど、見込みなしって勘当されちゃったのよね。
GM:厳しい過去
矢鳴ヤモリ:捨てる神あれば拾う神ありってとあるバヨネットの商会に拾われてそこで忍びの技を磨いたりサボったりしてきたってわけ。
GM:やっぱりバヨネットは優しい流派バヨ~
矢鳴ヤモリ:フリーで忍務を請け負うようになってからは、まー刹那的に生きてるので刹那で死んじゃうんだろうなってヤモさんを育てた先生も考えてたらしんだけど。
矢鳴ヤモリ:どっこい生きてるんだよね、不思議だねー。
矢鳴ヤモリ:性能としてはバヨネットらしく遠距離を主体とした構成、兎に角攻撃を命中させたいという半端な必死さが感じ取れるんじゃないかな。
GM:安定した命中率ですね!
矢鳴ヤモリ:流派ブックで追加された断打弾によってあわよくば接近戦攻撃を与えて優位に立ちたがってるらしいよ、まーそんな感じ、よろしくねー。
GM:なんて刹那的なんだ……
GM:体の前面に特殊忍具「弾倉」が二つもついてるんだよな……
GM:よろしくお願いします!
矢鳴ヤモリ:自動的に2つ手に入っちゃうからねー、そういうわけ。
GM:ではそんな矢鳴さんのHOはこちら!

・PC2の【使命】
あなたは妖魔ハンターの浦内獅子雄とともに、妖魔を追っている忍びだ。
浦内は単身で妖魔「人狼」を追っていたが、狡猾な「人狼」は一人では捕えられなかった。
協力を要請されたあなたは、浦内と二人がかりで「人狼」を繁華街に追い詰め、そして討伐した。

しかし、任務はそれでは終わらなかった。「人狼」による新たな被害者が発見されたのだ。
あなたたちは標的の正体を、あらためて突き止めなくてはならない。

【使命】「人狼」を討伐する。

GM:「人狼」という妖魔をとっちめよう! いつも通り、狩って終わりの任務のはずだったが……?
矢鳴ヤモリ:えー?どゆこと~~
GM:わからないです!
矢鳴ヤモリ:まー、もっかい殺せばおっけーだよね。
GM:理解が早くて助かります!
GM:どうぞよろしくお願いします……!
矢鳴ヤモリ:あいよろしくねー。

GM:それでは最後! PC1、巳六くんお願いします!
GMキャラシート
巳六針助:しゃあ!
巳六針助:巳六・針助(みろく・しんすけ)。流派はハグレモノ、下位流派は一応影絵座って所になってるらしいです。
GM:流派……? ハグレ……?
GM:一体何を言っているのか……
巳六針助:黒戸さんと同じ17歳、ぴちぴちの宇賀品高校二年生!やけにサークル活動が活発な学校だけどそこそこ平凡でそこそこ楽しい学生生活を享受しているぜ!
GM:そこそこ! 平凡が一番ですね
巳六針助:両親は既に他界しており、洋裁店を営む厳しい祖母の下で育てられました。その影響で物持ちがよく、『物が壊れる』ということに対しては強い忌避感を見せますが
巳六針助:それ以外の性格は至って楽観的かつ能天気。しまりのない口元からも解るように結構アホです。
GM:ものを大切にするいい子だね
巳六針助:宇賀品高校では男子唯一の部員として手芸サークル『なみぬい』に所属していますが
巳六針助:あまりにアホすぎる言動のために女性からは異性として全く意識されていない!
GM:マスコットですね 手芸部にぴったり
巳六針助:根明で素直でアホな男子として忍者の世界を満喫していきたいと思います。まさか冒頭から死んだりとかせんやろ……
GM:どうなってしまうのか……!
巳六針助:性能としては至ってシンプル。
巳六針助:【頑健】で持久戦を耐え抜き、【飢渇】【痛打】【黒絃】のコンボで高射程高打点をチクチク与えるだけのぶっ放し型です。
巳六針助:おばあちゃんから教えて貰った裁縫技術を活かして……忍びの世界を勝ち残りたい!
GM:もし忍びになることがあればそのような構成になるかもしれませんね……
巳六針助:忍者って何だろう やっぱり忍術動画撮ってばずったりするのかな
GM:ちなみに背景の【不忍】は同じシーンに登場したキャラクターに【居所】がバレてしまうという効果だ!
GM:バズリ野郎は住所を特定される 当然だね
巳六針助:こちらからはこんな所です!住所特定にも負けずに命を懸けて戦います!
巳六針助:まあこっちには【切り札】があるからな……フフフ
GM:☆【切り札】とは一体……!?
GM:ではそんな巳六くんのHOはこちら!

・PC1の【使命】
あなたは妖魔に遭遇する。突然のことだった。
身体を切り裂かれ、視界が霞む。
あなたが最後に知覚したのは、問いかけの言葉と、一筋の銀閃。
意識が暗転する。

そして次に意識を取り戻した時、疵は嘘のように塞がっていた。
枕元に立っていた奇妙な人物──鬼衆ヤツルは、あなたに告げる。
「お前には、一人前の忍びになってもらう」

【使命】忍者になるか、ならないかを決める。

GM:化け物に出会って死にます。
巳六針助:死んでんじゃねーか!
巳六針助:楽しい忍びライフはどうなってんだよ
GM:でも忍びに覚醒して……!?
GM:この世界の忍びはやたら耐久力もあるのできっと大丈夫だよ
巳六針助:クソ~~~ッ 許せねえ
巳六針助:こうなったら命を懸けてヤツルさんとイチャイチャしてやる!よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!
GM:ではOPに入っていきます!

【目次へ戻る】

【OP:巳六針助①】

GM:──██市・篠伏町。
GM:──夜道。
GM:肌の感覚のみならず、月光の透明さが、空気が冷たくなったことを伝えている。
GM:表通りには橙色の、南瓜を模した灯籠が所々に飾られている季節。
GM:暖色の光から離れた理由は、特に深いものでは無い。少しばかりの近道であったためだ。
GM:想像以上の冷え込みに、あなたは暗がりを──ほとんど人通りの無い道を──選択した。
GM:靴音が反響している。
巳六針助:「さぶぶぶぶぶぶぶ」
巳六針助:余りの寒さに携帯カイロをお手玉している。
巳六針助:針仕事をする身としては、祖母から常に手先に血を巡らせておけと固く言い付けられていた。
巳六針助:ぽん、ぽん、と何度か手の内にカイロを弾ませている内に
巳六針助:何となく楽しくなり、もう一つ、二つ、と携帯カイロを開封し、更にお手玉の個数を増やす。
巳六針助:「うおおお」
巳六針助:「うおおおおおお!!!」無人の路地に迫真の絶叫が木霊する。一つ、二つ、三つ。既にカイロの熱量は拡散している。
巳六針助:「……満足した」体が十分に暖まったので、使い終わったカイロをいそいそとバッグの中にしまう。中の鉄粉は針を研ぐのに使えるし、カイロのフィルタはパッチワークの素材のアクセントとしていい味を出すからだ。
GM:無人の道とは言え、彼に叫び声をあげて闊歩せしめたのは、不慣れな夜道が気分を高揚させたためかもしれない。
巳六針助:「……早く帰んないとな。ばーちゃん心配させるし」今日はクラスの同級生の制服のほつれを繕っていたらすっかり遅くなってしまった。
巳六針助:普通はもう少し手際よく修理を終わらせるのだが、今回はサービスで丈も直してあげたのだ。みんな成長期だし。
GM:陽が落ちる時間帯は、知らずのうちにすっかり早くなっていた。
GM:より手早い修繕が必要になるだろうか──そんなことを思いながら、裏通りを進んでいると
人影:向こうから人影が歩いてくる。
巳六針助:「んお」
人影:表通りの暖かな光が逆光になっているためか、表情は窺えない。
人影:距離が縮まり、人影はあなたに一瞥をおくる。
巳六針助:(……こんな夜道で、人気のない道)
巳六針助:(そんな所で、オレをチラチラ見てる……)
巳六針助:「……申し訳ないっス。オレの溢れる魅力が隠せないのはよく解るんスけど」
巳六針助:「スカウトとかは絶対詐欺だからやめとけってばーちゃんに言われてるんスよね」
人影:「……」
人影:会釈し、あなたの横を通り過ぎる。
巳六針助:「あっ、お客さんとしてならいつでも歓迎するんで! お洋服に困った時は、篠付町に代々続く巳六洋裁店まで!どうぞご贔屓に!」慌てて人影を見送りながら宣伝する
巳六針助:「フー……」
巳六針助:「スカウトの誘いをいなしながら宣伝もこなす」
巳六針助:「何て出来た孫をばーちゃんは持ってしまったんだ……」
巳六針助:やれやれ、という調子で、首を振りながら、再び帰路につこうとする。
人影:「スカウトか」
GM:あなたの後ろで声がする。
GM:振り返ると、数歩先で人影が立ち止まっていた。
人影:「スカウトか、スカウトか」
巳六針助:「……え?」
巳六針助:流石に怪しいと思い、振り返る。愛用のイヤホンがぽろりと落ちた。
巳六針助:「ス……スカウト、じゃ、ない?」
人影:ぶつぶつと呟いている。あなたに話しかけているようでもあり、何も見ていないようでもあった。
人影:いや、それ以上に奇妙な点がある。
人影:すれ違った時、この人影は”仮面”をつけていただろうか?
人影:「スカウトか。スカウト……スカウト……」
人影:白黒の歪な仮面の奥から声が響く。異常事態であると直感が働く。
巳六針助:(あれ?何だこの人……あんなもん、別に顔に……)
巳六針助:「ちょ……調子、悪いっスか? 病院とか、行きます……?」
巳六針助:くつくつと笑う人影に、じりじりと後ずさりながら、携帯を取り出す。
GM:携帯電話を取り出そうとした時には。
人影:人影が膨張する。繊維の裂ける音が聞こえた。

巳六針助:「んな」
巳六針助:脳髄に電撃が走ったように硬直する。
妖魔:その音が、目の前で突然変形した怪物から発せられたのか。
巳六針助:(ちょ、え、待て、動物?)
GM:弾け飛んだ、携帯電話を握った右腕から発せられたのかは、判断できなかった。
巳六針助:(ダメだ、他の人が危ない、保健所に電話、とか)
GM:熱が右腕に宿る。
巳六針助:「――あ」
巳六針助:燃えるような痛み。
巳六針助:「っう、ぅぎ、い、があっ」
妖魔:振りぬかれた妖魔の鉤爪が、右腕を引き裂いたのだと理解するにはもう数瞬がかかった。
巳六針助:「お、俺の、腕……」
巳六針助:「ふ……ざ、けんな、ッのヤローっ、痛ぇっ」
巳六針助:右腕を抑えてじたばたとのたうち回る。
妖魔:「スカウっ、ふっ、スカウトか」
妖魔:言葉を繰り返している。しかしそれは獣の唸り声だ。
巳六針助:「ばーちゃん、からっ……教えて貰った、仕事……全部、あの腕の中にっ」
妖魔:「スカウトか?」
妖魔:にやりと笑ったように見えた。
妖魔:一撃。
妖魔:腹部に衝撃が走る。壁まで弾き飛ばされる。
GM:どろりとした、何か熱を持ったものがこぼれる感覚がある。
巳六針助:(あ)
巳六針助:脳が縮むような恐怖。それを感じた時には、既に配賦が押しつぶされるような鈍痛が。
巳六針助:(まずい)
巳六針助:(まずいまずいまずい)
巳六針助:(大腸……?小腸……どっちだっけ。これ、流石に縫えないな……)
GM:熱が失われていく。残った左腕も……指先から、冷たい空気と混じっていく。
妖魔:逆光になった妖魔があなたの前に立っている。
巳六針助:「ぉ……ま、ぇ」
巳六針助:かひゅ、かひゅ、と、血が口元から流れ出す。
巳六針助:「ほか、の、ひとも」
巳六針助:「こうやって、こわす、のか……」
巳六針助:許せないと思った。
巳六針助:常に袖に仕込んでいる針。腕に力が無くても、僅か一つの動作で取り出せる。左腕に握る。
妖魔:「スカフッ、スカウト、うぅるるる」
妖魔:首をぐりぐりと捻っている。あなたを見つめている。
巳六針助:「う」
巳六針助:「ううううううう」
巳六針助:筋繊維の一本を動かすごとに、残りの命が失われていくのがわかる。この獣は、間もなく自分をその牙にかけるだろう。それでも。
巳六針助:手向かうように、その針を獣に向ける。
妖魔:「カフッ、カフ、こうやって」
妖魔:「こわす」
妖魔:鉤爪を振る。
巳六針助:左腕ごと、壊れた。
巳六針助:もはや叫びもない。
巳六針助:(……くそ)
GM:視界が暗くなる。
GM:表通りの暖色の光が、遠く小さく見える。
巳六針助:(ばーちゃんに縫って貰った制服、破け……破けて)
巳六針助:最後に目に映るのは、怪物と、自分の血だまりの中に糸くずのように転がるイヤホンだった。
巳六針助:(父さん、母さん)
巳六針助:(糸……切れちまった)
巳六針助:(ごめん)
GM:──ィン
GM:闇に閉ざされた視界に、銀の火花が散った。
妖魔:「ぐぅふるるる……!?」
GM:獣が動揺した気配。
GM:足音がする。誰かが血だまりに足を踏み入れている。
巳六針助:(に……逃げろ)
巳六針助:(そいつは、ヤバい――)
巳六針助:警告しようにも声が出ない。
???:「汝は人狼なりや──か?」
GM:再び銀閃。
GM:何か、硬質なものが激突した音がする。
GM:獣の吠え声。金属音。冷気。煙草の匂い。
GM:それらをない交ぜにしたまま、あなたの意識は闇に融けていった。

【目次へ戻る】

【OP:黒戸三四】

GM:──私立宇賀品学院。
GM:忍者生徒を養成する、御斎分校の一。
GM:秋も終盤を迎え、落ち着いた雰囲気で校内が染まっている時期。
GM:冷えと気のゆるみからか、体調を崩す生徒も少なからず存在していた。
GM:転校生である憂野ユチカは、そうした傾向が特に強い一人だった。

憂野ユチカ:「こほ、こほ」
憂野ユチカ:保健室のベッドに腰を下ろし、咳き込んでいる。
憂野ユチカ:「いつもごめんね。黒戸ちゃん」
憂野ユチカ:生来病弱なのだという──この一か月で何度目かの、保健室への付き添えを受けた彼女は、あなたを見て申し訳なさそうに笑う。
黒戸 三四:「なあに、気にすることはない。これも衛生委員の務めなのだからね」
黒戸 三四:片隅に置いてあるパイプ椅子をベッドの傍に寄せて、よっこらせ、と腰を落ち着かす少女がひとり。
黒戸 三四:ややダボついたジャージに、癖っ毛の黒髪。その色合いとは裏腹に、表情は場違いな程に明るい。
黒戸 三四:「先生は……どうやら席を外しているようだ」
憂野ユチカ:「きっと忙しいんだね」
憂野ユチカ:「生徒指導も兼任してるって聞いたよ、ほんと?」
黒戸 三四:「本当だとも。ついこの間なんかね」
黒戸 三四:「忙しいであろう先生の身を案じて。善意で私が生徒達の診察・治療を施してあげたというのに」
黒戸 三四:「こっぴどく怒られてしまった。生徒の本分を超えていることもそうだが」
黒戸 三四:「苦情が絶えなかったらしい。地獄が生ぬるいくらい痛かったって」
憂野ユチカ:「そうなんだ。すれ違いだったんだね」
憂野ユチカ:「私も痛いのは嫌だなあ。せっかく学院に入れたのに」
憂野ユチカ:「辛い思いはしたくないなあ」
憂野ユチカ:「でも、黒戸ちゃんの治療はちょっと受けてみたいかも」
憂野ユチカ:首を傾ける。
憂野ユチカ:捩じくれた、緋色の髪の房が揺れる。妖魔の血が混じり発現した個性。
憂野ユチカ:隠忍の血統であった彼女は、生来の病弱さ故、風当たりの強い生活を送っていたという。
黒戸 三四:「ほほーう」目を爛々と輝かせる。嫌々でなく、自分から治療を志願しに来る患者はもうめっきり居なくなってしまった。
黒戸 三四:「もちろんオッケーだとも!……白状するとね」
黒戸 三四:「君の出自を聞いてからというもの、興味が尽きなかったんだ」
憂野ユチカ:「シュツジ?」
黒戸 三四:「この学院でも、中々珍しいからね。憂野くんのような“力”を備えている子は」
黒戸 三四:「じゃあ、そうだな。ここ数日の咳の頻度と、体調の様子。あとは舌の形も見てみたいなあ」
黒戸 三四:うきうきしながら問診を始めていく。
憂野ユチカ:「えー、ほんとにお医者さんみたい。学生なのに?」
憂野ユチカ:「咳も……そんなに出てないよ」
憂野ユチカ:保健室の窓から外を見ている。
憂野ユチカ:「黒戸ちゃんは、どうして医学を勉強してるの?」
憂野ユチカ:「治したい病気でもあるの?」
黒戸 三四:「ん、んー」懐から取り出したメモに、彼女の症状をさらさらと書き綴りながら。こつこつ、と頭でボールペンをノックする。
黒戸 三四:「私も、ちゃあんと。しかるべき場所で学んだ訳ではないけどね」
黒戸 三四:「けれど、そうだな……」
黒戸 三四:「中医学の考えに、陰陽論というものがある」
憂野ユチカ:「うんうん」
黒戸 三四:「曰く、万物は夜の月と昼の太陽のように、対立した性質を持つ、2つの要素に分けることができる」
黒戸 三四:「これは、ヒトの身体にとっても例外じゃない」
黒戸 三四:「睡眠も、運動もそう。少なすぎても活動に支障を来すし、取りすぎても身体を壊してしまう」
黒戸 三四:「要はね」
黒戸 三四:「偏っている人を見ると、それを正してやりたくなってしまうのかもしれないね。私は」
憂野ユチカ:「ふうん」
憂野ユチカ:「確かに、病気って偏っているのかもね」
黒戸 三四:「何事もバランスが大事なのだよ」
黒戸 三四:「それでいうと君は……」ちらりと彼女の腰回りに目を向ける。
黒戸 三四:「ふふふ。立派なものをお持ちのようじゃないか。ええ?」
黒戸 三四:「ちょっと羨ましいな。私に分けてくんない?」
憂野ユチカ:「ええーっ、そんなことないもん!」
憂野ユチカ:スカートの裾を抑える。
憂野ユチカ:「分けられるなら……分けられるほどないし!」
憂野ユチカ:「そういうこと言うから誰も見せてくれないんだよ、黒戸ちゃん!」
憂野ユチカ:怒りをあらわにしている。
黒戸 三四:「ええ~? いいじゃんかよ。減るもんじゃないし……」ぶつくさ文句を垂れながらメモ帳を閉じる。
黒戸 三四:「よし、問診おわり。どうも気が少し滞っているようだね」
憂野ユチカ:「まあ。どうしたらいいの、先生?」
黒戸 三四:「其処を解してやれば……全快とは言わないが」
黒戸 三四:「数日は快適に過ごせるだろう。さて」
黒戸 三四:「痛いのと、すごく痛いのと」
黒戸 三四:「どっちがいい?」
養護教諭:「どっちもダメです」
養護教諭:いつの間にか戻ってきていた教師が後ろに立っている。
養護教諭:「医療行為は禁止と言ったでしょう、黒戸さん?」
黒戸 三四:「ぎゃっ」
黒戸 三四:手にしていた五寸(約15cm)の針がからん、と音を立てて床に落ちる。
養護教諭:「生徒指導の方が必要なようですね……ついてきなさい」
養護教諭:むんずと黒戸さんの首を掴み、保健室から引きずり出していく。
黒戸 三四:「ちょ、ちょっと待ってくれ! こんな機会中々無いんだよ!」
黒戸 三四:「先生も同じ医を志す仲間なら分かってくれるだろ!」
黒戸 三四:「彼女はとっても貴重な……」
養護教諭:「私の専攻は東洋医学ではありませんし、貴重であっても一生徒であることは変わりません」
養護教諭:「医療倫理の基礎から叩き直してあげましょう」
黒戸 三四:「い、嫌だ! 憂野くん!憂野く~ん!!」
憂野ユチカ:「ふふっ」
憂野ユチカ:息を殺して笑っている。手をひらひらと振る。
憂野ユチカ:(またね)
憂野ユチカ:唇をそう動かして、姿が見えなくなった。
GM:秋の日々は、こうして平凡に過ぎていった。
GM:これまでは、平凡なままだった。
GM:──宇賀品学院・生徒会室。
蕪木リスト:「よく来てくれたね。ああ、楽にしていいよ。紅茶でも飲む?」
GM:秋の日が差し込む生徒会室。
GM:忍者生徒を統べる生徒会、その副会長である蕪木リストとあなたは向かい合っていた。
黒戸 三四:「その心遣いはとっても嬉しいけれど、私、猫舌なんだよね。副会長がふーふーしてくれる?」
黒戸 三四:けらけら笑う。
蕪木リスト:「それならアイスティーにしようか? 出している間に話も終わるよ」
黒戸 三四:じゃそれで、と口にして。背もたれに身体を預ける。
蕪木リスト:「衛生委員のミヨちゃん。君なら聞いてるよね」
蕪木リスト:「転校生。憂野、ユチカちゃん」
蕪木リスト:「無断で欠席していてね。もちろん学生、サボりくらいで目くじら立てたりしないよ」
蕪木リスト:「でも彼女、隠忍の抜け忍でしょう? 追われていた可能性もある」
黒戸 三四:「そのようだね」
黒戸 三四:「でもなあ。彼女、私なんかより、ずっと頭は良さそうに見えた」
蕪木リスト:「念のため、宿舎に人をやって調べてみたけど、もぬけの殻だった」
黒戸 三四:「んん、そうか。追手から身を隠すくらい、彼女にとっては造作もないことだとは思うけど」
黒戸 三四:「他での目撃情報も無し?」
蕪木リスト:「あるよ。ミヨちゃんを呼んだ理由でもあるんだけどね」
蕪木リスト:「町の西側の繁華街。そこで目撃されてるんだ」
蕪木リスト:「品行方正な風紀委員としては、ちょっと踏み込みづらい場所だよね」
黒戸 三四:「は、繁華街って」
黒戸 三四:ごくりと唾を飲む。
黒戸 三四:「この篠伏の西の繁華街? 不良と半グレと自警団面した実質ヤクザが我が物顔で街を闊歩しているあの繁華街?」
蕪木リスト:「悪いドラマの見過ぎだよ、ミヨちゃん」微笑む。
蕪木リスト:「メキシカンマフィアと中華系マフィアがたまにいるくらいのものさ。他の住民はみんな優しいよ」
黒戸 三四:「“優しい”という言葉の定義にもよるだろ……」
蕪木リスト:「というわけで、学生としてでなく”主治医”の黒戸センセイなら、踏み込んだ調査がしやすいと判断しました」
蕪木リスト:「おわかり?」
黒戸 三四:「まともに彼女を治してあげたこと、無いんだけどね」苦々しく笑って。
黒戸 三四:「とはいえ、事情も理解したし。私の方も問題ないよ」
黒戸 三四:「ボロクソにけなしといて何だが。私も買物でたま~に訪れるしね。あそこ」
黒戸 三四:「他の生徒よりは地理地形も把握している。適任だろう」
蕪木リスト:「ふふ、よかった」
蕪木リスト:「停学中の、恋ヶ窪という生徒がいるから」
蕪木リスト:「彼女に連絡を取るといい。少しは力になってくれるだろう」
黒戸 三四:「ん、オッケー。恋ヶ窪くんね」
黒戸 三四:ひらひらと手を振って、踵を返し、扉に向かう。
蕪木リスト:「報告を待っているよ」
GM:指示を鍵代わりに、生徒会室の重厚な扉が閉まった。
黒戸 三四:ふう、と息を吐く。やや、べたついた背中の汗の感触が気持ち悪い。
黒戸 三四:「かくれんぼか。探す方は苦手なんだよなあ」
黒戸 三四:ぼそり、と呟いて。学院の廊下を進み、一段、二段、と階段を降りていく。
黒戸 三四:最後に三段飛ばし。
黒戸 三四:踊り場で鉢合わせた生徒が、びっくりしたような顔でこちらを見た後には。
黒戸 三四:黒々とした影は消えている。

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【OP:遊火丸クヲン】

GM:──篠伏町・呑津鞠温泉。
GM:篠伏町の西端に位置する温泉街だ。繁華街の終点でもあり、かつては町の中心地だった。
GM:繁華街、と呼ぶにはいささか寂れているが……住人は栄えていると信じている。
GM:特に、繁華街の顔役を自称する自警団、『伏竜会』にとっては。
喬烏有:「つまり、我々にとって本拠地」
喬烏有:「そこまで貴方を連れてきた意味を、理解してもらいたい」

喬烏有:険のある表情の男性が、サングラス越しに睨みつけている。
遊火丸 クヲン:「腹を割って話しましょう って?」
遊火丸 クヲン:「悪いけど、そういう仁だの義だのはよく分からないわ」
遊火丸 クヲン:「あ、煙草いい?」
喬烏有:「かまわないが、後で消してくれ」
遊火丸 クヲン:妙に着飾った、年若い見た目の女が、既に煙草を吸いながらそう告げる
喬烏有:「直に来る……そして、俺も仁義の話をしているわけじゃない」
遊火丸 クヲン:「あら、そう」
喬烏有:「生半可な覚悟で臨むべきではない、と伝えたいだけだ」
喬烏有:「俺は、忍びの連中が好きではないのでな」
遊火丸 クヲン:「最近の若い子は、リップサービスも知らないのかしら」くつくつと笑いながら視線を返して
遊火丸 クヲン:左耳を押さえて「ご忠告どうもありがとう。今、抜けていかないように押さえたから」
喬烏有:「チッ……物好きなことだ」
遊火丸 クヲン:「ちゃんと注意するわ」
喬烏有:「ああ……来たぞ、煙草は消してくれ」
遊火丸 クヲン:ジ と、指の腹で煙草の先を押さえつけた
遊火丸 クヲン:火傷一つない指を、濡れタオルで拭う。
GM:ドタドタと廊下を歩く足音がする。襖が開かれる。
恋ヶ窪ヨーコ:「待たせた!」

恋ヶ窪ヨーコ:筋肉質な身体つきに、半纏を纏った少女だ。肩には棒材を担いでいる。
遊火丸 クヲン:「………子供?」
恋ヶ窪ヨーコ:「ちょっと揉め事があって……」
恋ヶ窪ヨーコ:ムッとした表情をする。
恋ヶ窪ヨーコ:「なんだ、年齢が不満か?」
遊火丸 クヲン:「いいえ、年齢を気にする歳でもないし」
遊火丸 クヲン:「単に、ここに子供が居る意味、理由が気になっただけ」
恋ヶ窪ヨーコ:「若く見えるが……喬、説明していなかったのか」
喬烏有:「忍びの情報収集の力を見ようかと。なにせ、そのために呼んだのですから」
恋ヶ窪ヨーコ:「協力を乞う立場だぞ……いやすまない、遊火丸クヲン、さん」
遊火丸 クヲン:「さん付け出来て偉いわね。後でお小遣いをあげる」
恋ヶ窪ヨーコ:「なっ…………恋ヶ窪陽堅、私の父は自警の際の事故で療養中だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「他にもリーダーになる男がいたんだが、いや、聞かなかったことにしてくれ」
遊火丸 クヲン:「はいはい、抜けました」耳を押さえていない
恋ヶ窪ヨーコ:「いまは私、恋ヶ窪ヨーコが自警団長の代理を務めている。責任は果たしているつもりだ」
遊火丸 クヲン:頷いて「意味と理由は分かったわ」
遊火丸 クヲン:「それで、揉め事の件はもういいの?」
恋ヶ窪ヨーコ:「いや、それを説明させてもらいたい」
恋ヶ窪ヨーコ:咳ばらいをする。
遊火丸 クヲン:再び頷いて続きを促す
恋ヶ窪ヨーコ:「概要は聞いていると思うが……この繁華街に、不明なドラッグが流入している」
遊火丸 クヲン:「”ライカン”だったかしら」
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ。『ライカン』という名前で売られていたらしい。だが買った人間が、売人のことを覚えていない」
恋ヶ窪ヨーコ:「流通のルートすら掴めず……これは常人の関わっていることではないと判断した」
恋ヶ窪ヨーコ:「『伏竜会』は荒事には明るいが、謀の類には向かない」
恋ヶ窪ヨーコ:「忍びが関与しているのならば、こちらも忍びの手を借りるべきだろう」
喬烏有:フン、と鼻を鳴らす。
遊火丸 クヲン:「そこで、私に白羽の矢が立った ね」
恋ヶ窪ヨーコ:「要請に応えてくれて感謝している」頷く。
恋ヶ窪ヨーコ:「繁華街の、私たちに関係深い店には話を通しておく。情報収集はしやすいだろう」
遊火丸 クヲン:「あなた達も、こんな近場に忍びが居て良かったわね」と冗談交じりに言って
遊火丸 クヲン:「どうもありがとう。何が何でも突き止めたいって事がよく分かるわ」
恋ヶ窪ヨーコ:「そうか……ああ。生まれ育った土地だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「ただでさえ、メキシカンマフィアだのが我が物顔で歩くのを許している……」
遊火丸 クヲン:「……」
恋ヶ窪ヨーコ:「このうえ薬の一つも捕まえられないとなれば、『伏竜会』の沽券にかかわる」
恋ヶ窪ヨーコ:「できる限りの助力はさせてもらう、一刻も早く『ライカン』の出所を抑えてほしい」
遊火丸 クヲン:「───見返りも期待していいのね?」
喬烏有:「勿論だ」
喬烏有:「信用を裏切るような真似はしない」
遊火丸 クヲン:「そう、ならいい席を一つ空けておいて。」
遊火丸 クヲン:「気が向いたら座ってあげてもいいわ」
喬烏有:「なに……」
遊火丸 クヲン:そう言って、すくっと立ち上がる
遊火丸 クヲン:「話は一通り済んだかしら。着替えて来てもいい?」
遊火丸 クヲン:「肩が凝るのよね、この衣装。ハロウィン企画だかなんだか知らないけど」
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ、すぐに動いてくれるのか」
恋ヶ窪ヨーコ:「衣装……自分で選んだわけじゃないのか……?」
遊火丸 クヲン:オレンジを基調とした、”魔法使い”を彷彿とさせるドレスをこれみよがしに広げて
遊火丸 クヲン:「着せられるのよ、”そういうもの”だから」
喬烏有:「使命に従順、だからな」
遊火丸 クヲン:「忍びへの理解が深くて嬉しいわ」
松来 嘉平(従者):───再び襖が空き、壮年の男が顔を出す
松来 嘉平(従者):手には手提げ鞄
遊火丸 クヲン:それをひょいと手に取って
遊火丸 クヲン:「それじゃ、また後で」
恋ヶ窪ヨーコ:「あっ、ああ」
恋ヶ窪ヨーコ:「そうだ、学生の忍びが一人、繁華街に来ると聞いてる」
恋ヶ窪ヨーコ:「争うことはないと思うが。伝えておく」
喬烏有:「お嬢。そういった話は一度通してください」
遊火丸 クヲン:「ふっ」
遊火丸 クヲン:「世知辛いわね、どこの世界も」
遊火丸 クヲン:ひらひらと手を振り、500円玉を恋ヶ窪に放って、部屋を後にする
恋ヶ窪ヨーコ:「わっ」
恋ヶ窪ヨーコ:「頼んだぞ……おい、お嬢って呼ぶな!」
GM:襖の向こうで言い合いが続いていた。
松来 嘉平(従者):「────お店まで?」
遊火丸 クヲン:「ええ」
松来 嘉平(従者):「通りに車を付けてあります」
遊火丸 クヲン:「そ、ご苦労様」
松来 嘉平(従者):「………」
松来 嘉平(従者):「……少し楽しそうですな、お嬢」
遊火丸 クヲン:「お嬢って呼ぶなってば」
遊火丸 クヲン:襖の向こうの言い合いは、それっきりピタリと止まった

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【OP:矢鳴ヤモリ】

GM:──篠伏町・繁華街。
GM:──通称『新京極』。
GM:──地下トンネル内。
GM:乱雑な落書きが壁一面に施されたトンネル。
GM:ヂカヂカと蛍光灯が明滅し、極彩色を浮かび上がらせては消していく。
GM:混沌を現すような壁面は、しかし『新京極』では珍しくもない光景でしかなかった。
GM:一点、違いがあるとすれば。
GM:スプレーアートを塗りつぶすように、べったりと赤黒い液体が壁を覆い、異臭を放っている点であった。
妖魔:「ごううう……! ごじ、しゅるるる……!」
妖魔:仮面を着けた大型の肉食獣、そのような外見の妖魔が吠える。
妖魔:右の前肢は弾丸によって貫かれ、胴も何発と貫かれている。
妖魔:夥しい出血を撒き散らしながら、トンネルまで逃げてきたのだ。
GM:──何から?
矢鳴ヤモリ:獣が恐れ、逃げ惑うもの。
矢鳴ヤモリ:銃、つまりは猟師から。

矢鳴ヤモリ:「れれ~~~?」
矢鳴ヤモリ:カツン、とブーツの底がひび割れた地下道のタイルを鳴らす。
矢鳴ヤモリ:ラフなファッションに身を包んだ若い女、だがその手に今どきの若者には不釣り合いな無骨なショットガンを携えている。
矢鳴ヤモリ:「近くで見てみると、やっぱそうじゃん」
矢鳴ヤモリ:「複数いるのかと思ってたけど、どうにもぴったり同じに見えるな~~」
矢鳴ヤモリ:「もう死亡確認って報酬貰ってんのにさぁ」
矢鳴ヤモリ:「これだと、もしかしかして……」
矢鳴ヤモリ:「無限に稼げんじゃね?」
矢鳴ヤモリ:言うなり、発砲。
妖魔:「ごふ、ごじっ、五時です」
妖魔:地を蹴る。左後脚が千切れ飛ぶ。
矢鳴ヤモリ:異常の怪物にとっては、緩慢にも見えるであろう銃弾が。
矢鳴ヤモリ:まるで吸い寄せられるように(――怪物の側が、である)命中する。
妖魔:「がああっ」
矢鳴ヤモリ:「あは~~」
矢鳴ヤモリ:「頑張るじゃ~~ん」
矢鳴ヤモリ:「前回のお前ならもう死んでたって、学習してんのかなコイツ」
妖魔:ずるずると脚を引き摺り、距離を取ろうとしている。逃走の構えだ。
妖魔:「五時で、す」
妖魔:ダッと地を蹴り、窪みを残す。
妖魔:トンネルの反対の出口へ。有り余る膂力を持って、逃げ出していく。
矢鳴ヤモリ:「おー、おー、あの脚でよくもまあ」
矢鳴ヤモリ:「ま、悪いが死んでくれやい、明日までに返済しないと利息が追加来ちゃうやつあんだよね」
矢鳴ヤモリ:狙いをつけてるようには見えない無造作な動きで、続けざまに弾をばら撒いていく。
妖魔:「ぎゃぶっ」
妖魔:重要な器官を傷つけられたのだろうか、数度痙攣して、動かなくなる。
矢鳴ヤモリ:「いっちょ上がり~」
矢鳴ヤモリ:「やー、今回も不思議と生き残っちまったぜ」
GM:銃声が静まると、トンネル内に足音が反響する。背後からだ。
浦内獅子雄:「矢鳴さん、「人狼」は……」
矢鳴ヤモリ:「おせーじゃねえか、コンビニで便所でも借りてたんか?」
浦内獅子雄:長髪の男性だ。矢鳴に妖魔「人狼」の討伐を依頼した人物、浦内獅子雄である。

矢鳴ヤモリ:「見ての通りで、ございますヨ」
浦内獅子雄:「申し訳ない、あなたの足にはついていけませんで」
浦内獅子雄:「流石ですね。妖魔を一人で追い捕えてしまうとは」
浦内獅子雄:「私の罠は、あまり役には立たなかったようですね」
浦内獅子雄:トンネルの壁面に触れる。ごく細いワイヤーが仕掛けられており……それを手繰って回収していく。
矢鳴ヤモリ:「いや、立った立った、そう卑下なさんなよ」
矢鳴ヤモリ:「あいつ明らかに罠を避けてたからさ、逆にルートが絞られて楽できたってもんさ」
浦内獅子雄:「そうですか。それなら私も、面目が保てるというものです」
浦内獅子雄:「長く、一人で追い続けて……二人になった途端に妖魔を狩れたのでは。妖魔ハンターとしての腕が疑われましょう」
矢鳴ヤモリ:「それよりさ~~」
浦内獅子雄:「はい。どうしましたか」
矢鳴ヤモリ:「今回、コレなわけだけど」
矢鳴ヤモリ:「追加の形じゃない?そのぉ……」
矢鳴ヤモリ:「前回とおんなじだけ、出るのかなぁ……って……」
矢鳴ヤモリ:愛想笑いを浮かべ、ふにゃふにゃの口調で。
浦内獅子雄:「前回も何も。『「人狼」を討伐する』依頼は終わっていませんよ」
矢鳴ヤモリ:「(え、まだあんの、もしかして三倍額出る??)」
矢鳴ヤモリ:「……??」
浦内獅子雄:「確かにあなたと共に、「人狼」を追い詰め殺したのは、二回目になります」
浦内獅子雄:「しかし、こうして「人狼」は生きている」
浦内獅子雄:「これは一回目の討伐は「取り逃した」と言わざるを得ない。私はそう考えていますが」
浦内獅子雄:「矢鳴さんはいかがでしょう。二回目の討伐が「取り逃し」ではないと現時点で断言できますか?」
浦内獅子雄:妖魔の骸を一瞥する。現世に存在しえない肉体は、欠片を残さずぼろぼろと崩れていく。
矢鳴ヤモリ:「え、それは困る……」
矢鳴ヤモリ:「だってそれだと……」
矢鳴ヤモリ:「もしかして、初回のも返さないといけなく……なったり?」つぅ、と妖魔相手には流すことのなかった冷や汗。
矢鳴ヤモリ:「(ヤバいって、もう手元に残ってないって!)」
浦内獅子雄:「はは、前金はお渡ししたでしょう」
浦内獅子雄:「討伐が長引けば、もちろん”必要経費”は出させていただく予定ですが」
浦内獅子雄:「”成功報酬”は、残念ながら」目を伏せる。笑顔で。
矢鳴ヤモリ:「え"っ……」
矢鳴ヤモリ:「(利息"ッ!)」
矢鳴ヤモリ:「いやいやいや、そりゃないよ」
矢鳴ヤモリ:「見なよこれ、どう見たって死んでるじゃん」
矢鳴ヤモリ:「これ以上どうすればいいワケ?ミキサーにかけて燃やして祈祷する?」
浦内獅子雄:「ええ。一回目もそうでした」
浦内獅子雄:「何かカラクリがあるに違いありません」
浦内獅子雄:「それを探りましょう。なに、複雑なものでは無いはずです」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにできるのは銃撃って、当てて、動かなくする」
矢鳴ヤモリ:「それ以外は専門外だって」
矢鳴ヤモリ:「もう既にじゅうぶん複雑なんだよぉ~~」
浦内獅子雄:「いやあ、申し訳ありません」
浦内獅子雄:「しかし、私としては”妖魔退治”のプロにお願いしたつもりなのでね。撃っても倒せないから帰りますでは……」
浦内獅子雄:「代わりに専門家を連れてきていただけるならまだしも……」
浦内獅子雄:「まあ、報酬の追加はこちらでも検討いたしますよ」
浦内獅子雄:「いずれにせよ、討伐が成功したらの話ですがね」
矢鳴ヤモリ:「……いなかったもん……撃って倒せなかったやつ……今まで(ぼそぼそ)」
矢鳴ヤモリ:「はぁ~~~~」
矢鳴ヤモリ:「しゃあなし、わぁったわあった」
矢鳴ヤモリ:「こっちもプロ名乗ってる以上、やりますよ、やらせてくださいね」
浦内獅子雄:「ありがとうございます、そう言っていただけると信じていました」笑顔で頭を下げる。
矢鳴ヤモリ:「ただ……」
浦内獅子雄:「はい?」
矢鳴ヤモリ:「前借りって……できますかね……ヘヘ……」
矢鳴ヤモリ:揉み手でもしそうな様子で。
浦内獅子雄:「……ふう。致し方ありません」
浦内獅子雄:「ここに行ってください。いくらか蓄えがあったはずです」
浦内獅子雄:懐からメモを取り出す。
矢鳴ヤモリ:「ヘヘ、ありやとごぜやす……えへへ」
矢鳴ヤモリ:「やぁ~~、湧いてきたなぁ、勤労意欲」
GM:簡単な地図だ。目的地には『呑津鞠温泉・恋庵』と記載されている。
矢鳴ヤモリ:「……温泉?」首かしげ。
矢鳴ヤモリ:「まあいいか」無造作にポケットにねじり込む。
浦内獅子雄:「少し縁がありまして……矢鳴さんのおかげで、「人狼」を狩れたのも事実」
浦内獅子雄:「きっといずれ狩りつくせるでしょう。頑張りましょうね」
矢鳴ヤモリ:「頑張っちゃうぞ~~」
矢鳴ヤモリ:「で、さ。旦那」
矢鳴ヤモリ:「肝心なこうなってる理由なのだけどさ」
矢鳴ヤモリ:「心当たりくらいはあるんでしょ、"複雑なものでは無い"なんてああもハッキリ言えるくらいなんだ」
浦内獅子雄:「ふむ」顎に手を当てる。
浦内獅子雄:「勘です」
矢鳴ヤモリ:「あ、そうなの?」
矢鳴ヤモリ:「やー、まいったな」
浦内獅子雄:「長年追い続けてきましたから。「人狼」は狡猾ではあるが、策謀を使ってきたことはありません」
矢鳴ヤモリ:「でもま、いつもみたいにやりゃいいか」
矢鳴ヤモリ:「死ぬまで殺すか、事情通を順に揺すっていけばいい話だ」
矢鳴ヤモリ:「それで駄目なら、運の尽きってね」
矢鳴ヤモリ:「さてさて、今回がとうとうヤモさんの運の尽きどころになるのかしらねぇ」
矢鳴ヤモリ:他人事のように、ケラケラと笑う。
浦内獅子雄:「質問なのですが」
浦内獅子雄:「あなたは自己申告通りの、銃が使えるだけの人間とは思えませんね」
浦内獅子雄:「運以外に頼るものがあるのでは?」
矢鳴ヤモリ:「わぁってないなぁ」
矢鳴ヤモリ:「結局運以外に頼れるものなんてないわけさ」
矢鳴ヤモリ:「それがわかってない忍びってやつが多すぎる」
矢鳴ヤモリ:「まあ。わかっていても"運が悪きゃ"おっ死んじまうだけどさ」
浦内獅子雄:「……なるほど」
浦内獅子雄:「肝に銘じておきましょう。では……」
浦内獅子雄:トンネルを後にする。杖を突く音が反響し、消える。
矢鳴ヤモリ:「……」
矢鳴ヤモリ:一人残された、地下道。
矢鳴ヤモリ:「では……って、ほんとに何のヒントもないのなあ」
矢鳴ヤモリ:「……まあ、とりあえず行くか、温泉」
矢鳴ヤモリ:「期限は待ってくれないからねえ、しっかし今日も何とかなった」
矢鳴ヤモリ:「まったく、ヤモさんは"運が良い"ぜ」
矢鳴ヤモリ:そう言って、踵を返す。
矢鳴ヤモリ:調子外れの鼻歌が隧道の出口を目指し。
矢鳴ヤモリ:地下道には再びの静寂が訪れる。

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【OP:巳六針助②】

GM:──あなたは目を覚ます。
GM:ホテルの一室であるとわかる。質の良いシーツに身体を横たえられ、大きな枕に頭が埋まっている。
GM:午前中の白い光が、窓から室内を埋めていた。
巳六針助:(…………ばーちゃんちの木枕じゃねえ)
巳六針助:(ホテル……?枕がふかふかでクッソ気持ちいい……やっぱりメンズノンノとかにスカウトされたのか?)
巳六針助:「じゃ、ねえ!」
巳六針助:がばりと飛び起きる。
巳六針助:「腕!あとイヤホン!くそっ、あのバケモンどこだッ」
巳六針助:「早く通報しねえともっと大変なことに――」
GM:右腕はくっついており、傷一つない。左腕も腹部もそうだ。
巳六針助:「んお……」憮然とした表情で、身体を眺める。服以外は全て無事だ。
GM:なぜか着ているバスローブから覗く肉体はいつも通りの……健康なそれだった。
巳六針助:(制服が、ねえ……まさか)
巳六針助:「監禁?誘拐?」
???:「おはよう」
巳六針助:「うわっ!すわお前が男子高校生誘拐犯!」
???:声が聞こえた。
???:「第一声から失礼な奴だ」

???:コーヒーカップを片手に、太い三つ編みの女性が歩いてくる。
???:ワイシャツを身に纏っている。ソファに座り、テレビを点ける。
???:「殺人事件か。被害者は会社員か……」
???:「こっちの事件の被害者じゃなかったことを、君は幸運に思うべきだ」
???:コーヒーを啜る。
???:全く持って、いつも通りの優雅な朝という様子だった。
巳六針助:「…………」しばらく、目の前の――美しい容貌と女性らしさに満ちた肢体を備えた、謎の人物を見る。
巳六針助:おもむろに舌を噛む。
巳六針助:「いでええええええ!!!!」
巳六針助:「あ……夢(ふめ)!?じゃない!?よね!?コレ!?」
???:「状況の理解はコミュニケーションから始まる。質問に対して、舌を噛むというのは適切とは言えない」
???:「コーヒーを飲むか? カフェインには覚醒作用がある。眠気覚ましには良いだろう」
巳六針助:「す……スンマセン。頂いても良いっスか」
巳六針助:「オレもちょっと、状況が……良く……」
???:「熱いから気を付けて」腰を上げ、あなたの前へ。カップを差し出す。
巳六針助:「アザっス」しっかりと頭を下げ、それから念入に息を吹きかけてコーヒーを啜る。
巳六針助:ものすごく苦い。梅干しを食べた時のような顔をする。
巳六針助:だが、確かに彼女の言う通り、眠気覚ましにはなった――特に、目の前にYシャツと下着だけを纏った美しい女性がいるような時には、ことさら思考の整理が必要だろう。
巳六針助:「……コーヒー、ご馳走様ッス。今度、ウチから何か手土産とか、持って来るんで」静かにカップを傾け、女性から目を逸らす。
???:「気遣いはいい。洋裁店に戻れるかも、わからないことだ」
巳六針助:「えっ」解りやすくぎょっとしている
???:「巳六針助。学生証を見た」
???:「君は昨晩、妖魔に襲われ、重傷を負った。常人なら死亡している」
???:「だがここは天国や地獄ではない。夢でも」
巳六針助:「……じゃあ、おねーさんが、助けてくれたんスか」
巳六針助:「最後に、人の声聞こえて、それでオレ、逃げろって言おうとしたんすけど……」
巳六針助:「声、出なくて」
巳六針助:ようやく、死の恐怖を思い出したように視線を落とす。
???:「無理からぬことだ。責められることではない」
???:「だが、この先においては別だ」
???:「少々突飛な話をする。よく聞きなさい、巳六針助」
巳六針助:「……解りました、ッス」こくりと頷く。
巳六針助:「オレのこと、助けてくれた人の話なら……」
巳六針助:「信じます」
???:「……君は、『忍び』としての力を開花させるに至った」
???:「私たちが「忍者」と呼ばれる以上『忍び』と呼称しているが、わかりやすく言い換えれば超人だ」
巳六針助:「忍者って……」
???:「君が現在生きているのは、忍びの再生力に依るところが大きい。私の細腕が妖魔を切り伏せることができたのも、その力によるものだ」
巳六針助:頭の中に赤黒い装束を纏った男がヤクザや侍と切り結んでいる姿が浮かぶ。
???:「怪力乱神を操る力を持つ者がいる。人心を意のままに操る者がいる。音を超えて移動する技術などは、忍びなら基本技術と言えるだろう」
巳六針助:「え、じゃあそんな奴らが居たら……オレらが見付けたりしようとしても、絶対無理ってことッスよね」
???:「そうだ。影の世界の住人とも言われる」
巳六針助:「あの怪物みたいな奴らを人知れず狩ってくれてるのも、その忍者……ってコトか」
巳六針助:「え、オレ忍者なんスか?」
???:「正確には、その力を持っているだけだ」
???:「いいかい、巳六針助」
???:「君には、一人前の忍びになってもらう」
???:ぐ、と顔を寄せる。
巳六針助:「ん、おっ!?」
???:「影の世界の説明をしてもいいが、時間が惜しい」
???:「服を着変えなさい。着られるようにはしておいた」
巳六針助:「……解りました、ッス」明らかにクラスメイトとはレベルの違う色香にどぎまぎしながらも、何とかそれだけを返す。
???:「よし。身体で覚えるのが一番早い」
巳六針助:こくこくと頷く。
巳六針助:「……でも、その。服のこととか、助けてくれたこととか、色々」
巳六針助:「ありがとうございます。おねーさん」
巳六針助:「……何て呼べば良いっスか? オレ、一生掛かっても返しますよ」
巳六針助:「自分を助けてくれる人のことは大切にしろって、ばーちゃんに言われてるんで」
巳六針助:置かれた制服の縫い目を、そっとなぞりながら言う。
???:「あまり重い言葉を使われるのは性に合わないが……いや」
???:「いいだろう。忍者とは、忍者のしきたりに従う者のことを言う」
???:「一つ目の教えだ。『自分の信念に従って行動せよ』」
鬼衆ヤツル:「私は鬼衆ヤツル。剣士だ」
鬼衆ヤツル:「君が己の信念に従ったうえで、恩を返したいなら、それを受け止めよう」
巳六針助:(……誰にも縛られずに、自分の信念で……)
鬼衆ヤツル:「それじゃあ、私は先にロビーに降りているから」
巳六針助:「……」
巳六針助:「え!?その格好でッスか!?」
鬼衆ヤツル:「そんなわけがないだろう」
鬼衆ヤツル:瞬き。
鬼衆ヤツル:「音を超えて動くくらいは、基本技術だと言ったはずだ」
巳六針助:「うわッ!?」
鬼衆ヤツル:次に目を開いた時には、コートまでを身に纏っている。
鬼衆ヤツル:「ん……」
鬼衆ヤツル:コートのポケットをまさぐる。何かを掴み、あなたに向けて放る。
鬼衆ヤツル:「拾っておいた。じゃあ下で」
鬼衆ヤツル:部屋から立ち去っていく。
巳六針助:「えっ、あっ、ちょ、ありがとうございますって」
GM:あなたの手には、イヤホンが投げられていた。
GM:一見、様子は変わらないように見えるが。
GM:所々の赤黒い染みは、昨晩までは無かったものだった。
巳六針助:「……」
巳六針助:――『あまり重い言葉を使われるのは性に合わないが……いや』
巳六針助:「……重いに、決まってるだろ」
巳六針助:糸を手繰り寄せるように、ぎゅっと握り締める。
巳六針助:この腕が生えたように、あの腸が癒えたように、彼女が語るように、忍が超人の生命力を持っているとするならば。
巳六針助:一人の死は軽いのか?
巳六針助:そんなわけがない。物が弄ぶように、軽々と人体が損壊されていく。あれが死だ。痛ましかった。
巳六針助:(……忍者のことは、何も解らない。でも、軽い訳がないんだ。そうだろ)
巳六針助:ところどころほつれた制服に着替え、イヤホンを耳に被せ、淡い光の差し込む部屋を踏み出す。
GM:ーーーー
GM:──呑津鞠温泉。
GM:午前の空気が、地熱をはらんでゆったりと流れている。
GM:元より寂れた温泉街だ。日和であっても人の姿は無かった。
鬼衆ヤツル:「『伏竜会』という自警団が存在している」
鬼衆ヤツル:「彼らは忍びとは少し違う組織だが……忍びに任務を与えるのは、えてして裏の世界、犯罪界の住人だ」
巳六針助:口を開けたまま周囲をきょろきょろと見渡している。自分にとって温泉地といえば、家族旅行で来た箱根くらいのものだった。
巳六針助:「それってヤ……」
鬼衆ヤツル:「大きくはないが、この篠伏では古株となる」
巳六針助:「ッス」口を引き結んでまじめに説明を聞くよ
鬼衆ヤツル:「よろしい。情報収集が目的だ」
鬼衆ヤツル:「私もこの町に来て短い。蛇の道は蛇、妖魔のような表から外れた情報は、裏のルートで流れるものだ」
巳六針助:「鬼衆さんマジのプロフェッショナルなんスね。カッコいいなあ……」
巳六針助:「ん、でもこの温泉に来てる忍者って」
巳六針助:「多分オレらだけじゃないっスよね?」
鬼衆ヤツル:「どうしてそう思う?」
巳六針助:「オレアホなんであんま解んないんスけど……ヤツルさんみたいな忍者でも持ってない情報を持ってる奴らがいるって言うなら」
巳六針助:「当然、持ってる奴らもその価値を理解してて」
巳六針助:「その情報で忍者と取引したり、みたいなことはするんじゃないッスか? 滅茶苦茶早く動いて、あんな妖怪ぶっ飛ばす奴らなんて」
巳六針助:「どう考えても勝ち目ないし……」
鬼衆ヤツル:「ふむ」
鬼衆ヤツル:煙草を口から離す。細い煙がたなびく。
巳六針助:「この事件を追ってる忍者が他にもいるなら、皆一回はここに来てるかなって」
巳六針助:「大忍者フェスティバルっス」
鬼衆ヤツル:「いい着眼点だ。忍びが複数いる、という事を前提にして考えているようだな」
巳六針助:「うへへへへ」
巳六針助:口許がだらしなく緩む。
鬼衆ヤツル:「そうだな……もしそうだとして」
鬼衆ヤツル:「巳六針助、君はどうやって取引をするつもりだ」
鬼衆ヤツル:「交換材料となる情報や金は持っていないだろう」
巳六針助:「ウゲ」全く想定していなかった。ゴッドファーザーでしか取引を知らない。
巳六針助:「何か……アル・パチーノが……豚の頭を……」意味不明なことをぶつぶつぼやいている
鬼衆ヤツル:「教えの二つ目だ。『目的のものは、戦って勝ち取れ』」
鬼衆ヤツル:「切った張ったばかりではないが、忍びは常に戦いの中にある」
鬼衆ヤツル:「平和的に解決することだけではない」
巳六針助:「戦うって……」少し眉を顰める。
巳六針助:捥げた腕。零れた内臓。またあれと同じことを、人にも科すのか。
巳六針助:「……でも、ヤツルさんが必要だって言うんなら」
巳六針助:「信じますよ」
鬼衆ヤツル:首を振る。
巳六針助:「あ」
鬼衆ヤツル:「私は君に説法をしているつもりは無い。意味のないことだ」
巳六針助:「……『自分の信念に基づいて行動』?」
鬼衆ヤツル:「『自分の信念に従って行動せよ』」
鬼衆ヤツル:頷く。
鬼衆ヤツル:「君自身の眼で見て、判断するんだ──着いたぞ」
GM:『恋庵』と看板が掲げられた料亭だ。温泉街にあるとは言え、おいそれと入れるような雰囲気ではない。
巳六針助:「の……呪われそう……」
巳六針助:「大丈夫スかここ? 玄関先で身体にクリームと油塗れとか言われないッスよね?」
鬼衆ヤツル:「……」
鬼衆ヤツル:扉を横に開く。
GM:玄関の先には広間がある。
喬烏有:じろりと、上背のある男が二人を睨む。店番には、とても見えない。
巳六針助:(やっぱりヤ……)
喬烏有:「いまは営業はしていない」
鬼衆ヤツル:「知っている。二人だ」
鬼衆ヤツル:「忍びだ。取り次いでくれ」
喬烏有:忍び、という言葉を聞いた途端、眉間の皺が一層深くなる。
喬烏有:「なんだ今日は、次から次へと……」
喬烏有:「……広間に上がっていろ。お前たちは三番目だ」
喬烏有:襖を指さす。
巳六針助:「ッス……」ぺこりと会釈して
巳六針助:心持ち、ヤツルを庇うように前に出る
巳六針助:(よ……余計なことしたかも)
喬烏有:「何だ。早く上がれ」
巳六針助:「ハイッ!有難く上がらせて頂きますッ!ハラショー!」
巳六針助:逃げるように襖を開ける。
巳六針助:(ぜって~~~~カタギじゃねえだろアレ!!)
GM:襖を開く──畳間にはいくつかの座布団が敷かれていた。
GM:先達の視線が、闖入者を品定めする。
遊火丸 クヲン:じろり と襖の先に視線をやる
巳六針助:怖かったのでとりあえずウインクする。
遊火丸 クヲン:「知り合い?」ウインクには反応を示さず、黒戸に向けて質問する。
黒戸 三四:己より更に先達の────女性にちらちらと向けていた視線を、開かれた襖の方へ移す。
黒戸 三四:「ん?」
巳六針助:「んお」
黒戸 三四:「……んん?」
黒戸 三四:ぱちくりと瞬きをした後、首を傾げて。
黒戸 三四:「ミシンくんじゃん」
巳六針助:「ゲーッ!黒戸三四!」
鬼衆ヤツル:「学友か」刀を置き、座布団に腰を下ろす。
遊火丸 クヲン:ため息をついて
巳六針助:「宇賀品の黒い悪夢……!うちの高校の運動サークル部員は、皆黒戸さんの鍼にヤられているなど恐ろしいが」
巳六針助:「コイツ!忍者だったのか!」
遊火丸 クヲン:「こんな子供ばっかり駆り出されて、忍びの世こそどんづまりじゃない」
鬼衆ヤツル:「駆り出したわけではない。必要だった」
黒戸 三四:「悪夢とはとんだ言い草じゃないか。結果的に私の行いで、彼らの運動能力の向上はぐんと伸び、私も生の悲鳴が聞けてハッピー、win-winってヤツじゃんな?」
黒戸 三四:「つーか……」
黒戸 三四:「君、忍びには見えなかったけど……」傍らの女性に目を向けて。
鬼衆ヤツル:「こちらの巳六は『蛹』でな」
鬼衆ヤツル:忍びの力に覚醒前・覚醒してすぐの人間を指す言葉を連ねる。
鬼衆ヤツル:「鍛錬中、といったところだ。成り行きでな」
巳六針助:「何か妖魔?にぶっ殺された所をこのおねーさんが助けてくれたんスよね」
遊火丸 クヲン:「へぇ」
巳六針助:「忍者の卵……そう、今のオレはにんたま」
巳六針助:「忍たま針太郎と呼んでくれ」
巳六針助:「ミシンくんでも良いよ」
遊火丸 クヲン:「貧乏くじ引いたのね、アンタ」
鬼衆ヤツル:「慣れている」
黒戸 三四:「………ふーん、そうか。ご愁傷さま」
黒戸 三四:南無南無、と手を合わせる。
巳六針助:「あっちょっと!?失礼じゃないっスかおねーさん!?」
鬼衆ヤツル:「さて、御覧のとおり右も左もわかっていない」
鬼衆ヤツル:「巳六に目的を教えてもらってもいいか? 私たちは妖魔の情報を追ってここまで来た」
鬼衆ヤツル:「忍びがどういった目的で動くのか、参考にさせてやって欲しい」
巳六針助:(……ここでの目的は、情報収集だったよな)
巳六針助:(今はヤツルさんの邪魔したくないし、後学も兼ねて会話覚えるか)
巳六針助:「改めて、巳六針助っス。不束者ですが、勉強させて貰うッス」ぺこりと頭を下げ正座。
鬼衆ヤツル:「鬼衆ヤツル。鞍馬は廻鴉」
鬼衆ヤツル:煙草に口をつけ、返答を待つ。
黒戸 三四:ごしごし、と頭を触って。
黒戸 三四:「私としては、正直。見知った顔……しかも覚醒仕立ての子を巻き込むのは、何となく良心が憚られるのだけど」
巳六針助:「……」
巳六針助:申し訳なさそうに俯く
黒戸 三四:「ま、頼りになりそうなベテランが脇を構えているなら……いいか。うん」
黒戸 三四:「斜歯忍軍、御釘衆の黒戸三四と言う」
黒戸 三四:「私の目的も。ミシンくんと全くの無関係という事でもないからね」
黒戸 三四:「同じ学園に通っている、“憂野ユチカ”という子が失踪してしまったんだ」
黒戸 三四:「最後に目撃情報を得たのが此処の繁華街」
巳六針助:(……忍者には、おおまかに……”所属”と”サークル”みたいなモンがあんのか)
巳六針助:(鬼衆さんがクラマ、黒戸さんがハスバ……)
黒戸 三四:「私は生徒会の命でその子を探しています。あ、勿論、憂野くんも、生徒会のメンバーもほぼ、忍びだよ」
巳六針助:「ってマジ?」思わず聞き返す。
巳六針助:「リスト副会長忍者なの?」
鬼衆ヤツル:「宇賀品生徒会が関わっているのか。少し予想外だ」
巳六針助:「え、つか憂野さん消えてんのか。心配だな、ソレ」
黒戸 三四:「そも、宇賀品は御伽学園の分校で……いや、長くなるな。これは今度ね」
巳六針助:頷く。
巳六針助:(オレらも手伝えないか、後で鬼衆さんに聞いてみるか)
黒戸 三四:「“恋ヶ窪さん”に力添えを頼むといい、って副会長さんに言われたから、今に至るって感じかな?」
黒戸 三四:ずず、と冷めたお茶を啜る。
巳六針助:「恋ヶ窪さん?」黒戸さんにお茶菓子を分けながら、他の二人の方を向いた。
鬼衆ヤツル:「この料亭の当主だ」
鬼衆ヤツル:「自警団の長ということでもあるがな」
鬼衆ヤツル:瞬きを返す。
遊火丸 クヲン:「そいつが怪我して、今は娘が代理をやってるわ」
巳六針助:「ええっ」
遊火丸 クヲン:そう付け加えて、言葉を続ける
遊火丸 クヲン:「──姓は遊火丸、名はクヲン。不知火一族の忍び。」
遊火丸 クヲン:巳六を一瞥して
巳六針助:(……あれ? さっきみたいな、所属とかないのか……?)
遊火丸 クヲン:「……私達みたいな、大きな流派に名を連ねていない小さなコミュニティは、ハグレモノって呼ばれてる」
遊火丸 クヲン:補足するように付け加えて
巳六針助:「うおおお」
巳六針助:「め……メチャクチャありがたいッス」
遊火丸 クヲン:「別に喜ぶような情報じゃないでしょ」
巳六針助:「うへへへ、それもそッスよね。スミマセン」ニコニコ笑って話の続きを聞く態勢に戻る
遊火丸 クヲン:……はぁ とため息を吐いて「私がここに居るのは、その自警団に雇われてるからよ。」
遊火丸 クヲン:「理由は、長がやられたってのと多分関係してるけど」
遊火丸 クヲン:「最近この辺りで流通してる薬物の売人を突き止める事、自警団の面子を守る為にね。」
遊火丸 クヲン:「本当は自分たちの力でどうにかしたいのに、どうにもならないから、私みたいなのに頼ってきたの。可愛いでしょ」
遊火丸 クヲン:「薬物については、”ライカン”って名前以外正直よく分からないから、説明は省くわ」
巳六針助:外見に似つかわしくない、すさんだ色香に一瞬気圧される。
鬼衆ヤツル:「薬物か。妙に険悪と思っていたが」
鬼衆ヤツル:「伏竜会も手が回っていないらしいな」
黒戸 三四:「殺人事件が多発しているらしいからね、ここ最近」
巳六針助:「……そーいえば、会社員の人も殺されちゃったって」
遊火丸 クヲン:「そ。それに代理の長もあれじゃあね……」
遊火丸 クヲン:「手を回す以前に、目が離せないわ」
巳六針助:(……急に振って湧いて来た重責とか、周りの目とか)
巳六針助:(オレとは比べ物になんないだろな)恋ヶ窪、という女性?のことをわずかに考える。
遊火丸 クヲン:「ま、頑張ってはいるんでしょうけど」
遊火丸 クヲン:「───私からはこんな所よ。何か質問ある?」
巳六針助:「ん~~……あ、そだ」手を上げる。
巳六針助:「さっき、”ハグレモノ”って……色んな寄り合い所帯が集まったところって言ってましたけど」
巳六針助:「オレも”ハグレモノ”ってことになるんスかね? オレのこと育ててくれたばーちゃんち、フツーの洋裁店だし」
遊火丸 クヲン:「アンタが”そのままで居るなら”ね」
遊火丸 クヲン:「まぁでも、話聞く限りは御斎系列の学校みたいだし、何かしらには入ると思うわ」
黒戸 三四:「うん。しかし、ミシンくんがとくに秀でた才を携えているなら」
黒戸 三四:「放っておくはずがない。引き抜きにかかるかもしれないね。色んな、他の流派からも」
遊火丸 クヲン:「何ならうちに来てもいいわよ。過疎ってんのよね、不知火。アンタみたいに若いのなら大歓迎」
黒戸 三四:「あ、抜け駆けなんてずるいじゃないか遊火丸さん。斜歯も捨てたもんじゃないぞ。いっぱい実験た……いっぱい体験できるよ、色んなことを」
巳六針助:「ええッ」急なスカウトにどぎまぎする。縫物の穴を埋めるのは得意でも、自分自身が求められた経験はあまりない。
巳六針助:(っつーか、才能があってスカウトされるってことは)
巳六針助:(”才能がなくて”放逐された奴も……居るのか?)
鬼衆ヤツル:「私は成り行きでいるだけだ」
鬼衆ヤツル:「事件が解決した後の身の振りは、任せる」
巳六針助:「……ッス」ちょっと物寂しいものを感じながらも、素直に頷く。
巳六針助:(オレも、才能無かったら……鬼衆さんとは、すぐ別れることになんのかな)
鬼衆ヤツル:「ともあれ」
鬼衆ヤツル:「早い解決のためにも、御目通し願いたいものだが」
鬼衆ヤツル:襖を見やる。
GM:──次の瞬間。襖が爆ぜた。
GM:内側から蹴破られたのだ。どおん、と一拍遅れて音が響く。
遊火丸 クヲン:チリ と指の先に熱を灯す
GM:ゴロゴロと人が転がってくる。
矢鳴ヤモリ:ゴロゴロゴロ。
GM:ラフな衣装の女性だ。
黒戸 三四:「………大丈夫?」
喬烏有:「お嬢!!」
喬烏有:反対の襖が開く。玄関から駆けつけてきたのだろう、男が顔を覗かせる。
巳六針助:「うおおおお」
巳六針助:「頭おかしくなりそうな状況」
矢鳴ヤモリ:「あ、あっしは……」
矢鳴ヤモリ:「ここに来ればお銭が貰えるって!!」
恋ヶ窪ヨーコ:「はっ、はっ……」
恋ヶ窪ヨーコ:襖の奥の部屋からは、少女が立ちすくんでいる。全身が強張っている様子だ。
遊火丸 クヲン:「──ご機嫌よう、団長代理さん。そんなに慌てて、売人でも見つけたの?」
遊火丸 クヲン:宥めすかすように言葉を投げかける
巳六針助:「あ!じゃああの子が恋ヶ窪さんね。把握したッス」
巳六針助:「いや……何でこんなことになってんの」
黒戸 三四:「停学が長引いても知らないぞお、私」
恋ヶ窪ヨーコ:「遊火丸」ハッとして顔を上げる。
GM:巳六と黒戸は見たことがあるかもしれない。恋ヶ窪ヨーコ。ボランティアサークルに所属する女生徒だった。
巳六針助:「あ~~~……」
恋ヶ窪ヨーコ:「すまない。だが……」
恋ヶ窪ヨーコ:息を吐く。
恋ヶ窪ヨーコ:「今日のところは帰ってくれないか」
恋ヶ窪ヨーコ:絞り出すような言葉。汗が額に流れている。
巳六針助:(そ……そう言えば)
巳六針助:(何故か、ボランティアサークルの首魁は角材を持ったえげつない女だと聞いたことがあるが)
矢鳴ヤモリ:「そんなぁ、わざわざ来たのに!」
矢鳴ヤモリ:「もう金も泊まるとこもないんですよぉ」およよ、と
巳六針助:(それが……何故こんなダメそうな大人と一緒に)
遊火丸 クヲン:「呼び出されて帰れって言われたのは初めてね」
巳六針助:「だ……大丈夫ッスか?」思わず、転がってきた女に声をかける
矢鳴ヤモリ:激しく砕け散った襖とは対象的に、ケロリとしている。
矢鳴ヤモリ:その表情は深い傷を負ったかのように歪んではいるが。
恋ヶ窪ヨーコ:「矢鳴ヤモリ、と言ったな」
恋ヶ窪ヨーコ:「悪いが……浦内獅子雄と、ウチは、何の関係もない」
喬烏有:「浦内……」表情が変わる。
矢鳴ヤモリ:「関係ないこたないでしょお!」
矢鳴ヤモリ:「無けりゃ、この対応にゃあならないですって、お嬢さん、ねえ?」
矢鳴ヤモリ:どこか捨て鉢な笑みを浮かべる。
恋ヶ窪ヨーコ:「うるさい!」
巳六針助:「……」ちらり、と
巳六針助:砕けた襖を見る。
矢鳴ヤモリ:「えへへ、いいんですかい?」
矢鳴ヤモリ:「うちは失うものも無い貧乏人」
矢鳴ヤモリ:「勘違いで厄介なことをもたらす手段に暇はありませんよぉ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……!」
矢鳴ヤモリ:「んなら、丁重に説明してやるのが上等なやり方ってもんじゃアねですかい?」
喬烏有:「おい。それは『伏竜会』の団長代理を脅しているのか」
喬烏有:ざ、と床を踏む。
巳六針助:「……」静かに歩み出る。無謀なことをしているのは解っていた。
巳六針助:「ヤモリさん、でしたっけ」その二人に割って入るように。
巳六針助:「誰にでも、説明出来ないこととか、言いたくないこととか、ありますよ。多分……」
巳六針助:「そういうのって、無理矢理入って、壊しちゃ駄目だ」
黒戸 三四:頭を抱えてため息を吐く。歩み出る彼の肩に手を伸ばすには、とっくのとうに遅すぎた。
矢鳴ヤモリ:「おぉっと、こんな馬の骨の仰ることが"脅し"になるようなとこなんですかい、『伏竜会』ってえのは」
矢鳴ヤモリ:「代理なんて言うにゃ、とことん余裕が無いようでらっしゃる、またそれをあっさり教えちまうことも含めてね」
喬烏有:「貴様……!」
巳六針助:「最初からケンカ腰で行ったら、話したいもんも話したくなくなるッスよ」
矢鳴ヤモリ:「……ん~~?」
矢鳴ヤモリ:その目は、既に喬烏有を見ていない。
矢鳴ヤモリ:「なんでえこのガキャ」
巳六針助:「ガキじゃない。巳六針助」
矢鳴ヤモリ:「随分可愛らしい顔で、えらい純朴なこと言いなさる」
矢鳴ヤモリ:「カタギか?なんでェこんなとこにいらっしゃる」
巳六針助:「……『信念に従って』」
矢鳴ヤモリ:ずかずかと巳六針助に近づき。
矢鳴ヤモリ:その顔にずいと視線を詰める。
巳六針助:「……!」瞳が動揺で揺れるが、退かない。自分よりわずかに身長の高い矢鳴ヤモリを、挑むように見上げる。
巳六針助:「壊れたものは、元には戻らない」
巳六針助:「頑張って直しても、それは別のものなんだ」
矢鳴ヤモリ:「あんなぁ、カタギのキミにゃあわからんかもだけどね」
矢鳴ヤモリ:「うちらにゃうちらのやり方ってものがある」
矢鳴ヤモリ:「乱暴に見えっかもだけど、商談なんだよねぇ」
矢鳴ヤモリ:そう、商談。
矢鳴ヤモリ:これが案外うまくいく。
矢鳴ヤモリ:ヤクザ、マフィアにギャング、連中ってのは得てしてオリジナリティってやつが無い。判を押したように同じような反応が帰ってくる。
矢鳴ヤモリ:だからやりやすい、そのはずだったのだが。
鬼衆ヤツル:「矢鳴」
鬼衆ヤツル:座したまま静観していたが、声をかける。
鬼衆ヤツル:「久しぶり、だな」
矢鳴ヤモリ:「ぞろぞろと珍妙な連中が……」
矢鳴ヤモリ:「って」
矢鳴ヤモリ:「きーやんじゃねえか、どしたん?」
矢鳴ヤモリ:「これ何、飼ってんの?」眼の前の少年の顎を摘む。
鬼衆ヤツル:「そこの巳六針助の連れ添いだ」
鬼衆ヤツル:「鍛えている」
巳六針助:「ひ、人を犬みたいに……」
巳六針助:「オレは猫派なんだぞ!コラ!」
巳六針助:鍛えられているとは思えない言動である。
鬼衆ヤツル:「ここでまとめて出禁にでもされると、こちらも面倒なんだ」
鬼衆ヤツル:カードキーを投げる。
鬼衆ヤツル:「宿なら貸してやる。ここは退け」
矢鳴ヤモリ:「えぇ~~、良いんですかぁ~~??」
矢鳴ヤモリ:「へへ、得るべきものは友だねぇ」
巳六針助:(し……知り合いなのかよ)
巳六針助:(忍者の女の人って皆こうなのか?)
矢鳴ヤモリ:「(おい小僧)」巳六針助の耳にだけ届く小声で。
巳六針助:「!」固まる。
矢鳴ヤモリ:ニヤリと笑う。
矢鳴ヤモリ:「(聞こえてんな?お?)」人間の可聴域、認識速度を圧倒的に超えた喋り。
矢鳴ヤモリ:「(ふぅん、蛹じゃねえか、こんなまたハムスターの赤ん坊より死にやすい生き物をまあ)」
巳六針助:「(え、何? 何で聞こえて……)」周囲の音がスローモーに聞こえる。その中で、矢鳴ヤモリのつややかな唇だけが。
巳六針助:ぞっと背骨が底冷える。
矢鳴ヤモリ:「(とことん貧乏くじが好きな女でらっしゃる)」
矢鳴ヤモリ:「(んで、だ)」
矢鳴ヤモリ:「(ありゃあな、あれで良かったんだよ)」
矢鳴ヤモリ:「(こちらの腕前をちらつかせながらテキトーなタイミングでメンツを立てて、こっちが頭を下げりゃああちらも筋が通る)」
矢鳴ヤモリ:「(不安そうな代理長サマの頼りになるサマも周囲に見せられて、winwinってもんさ)」
矢鳴ヤモリ:「(需要と供給ってやつなわけ)」
巳六針助:「(じ……じゃあ、オレの、やったことって)」
巳六針助:「(……)」
矢鳴ヤモリ:「(こっちの世界にはこっちの世界なりのやり方ってもんがあるわけだ)」
巳六針助:「……」視界の端。絡まるイヤホン。血まみれの手。昔日の光景が、わずかに、幻像のように映っている。
喬烏有:「話がまとまったなら、引き取ってもらおう」
矢鳴ヤモリ:「つまり、そういうわけだ」通常の速度で。
矢鳴ヤモリ:なにか話していたことは他の忍びにはバレているだろうが、その内容まではわからないはずだ。
矢鳴ヤモリ:「だが、悪くなかった」
矢鳴ヤモリ:「新鮮で良いよなあ、ちょっとキュンと来ちまったぜ?」
喬烏有:「話はまた後日、改めて聞こう」
喬烏有:「矢鳴、貴様以外はな」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、申し訳ないことで」
矢鳴ヤモリ:くるりと、そこでようやく喬烏有へ向き直り。
巳六針助:「……」ぐ、と挑むように見据えるが、何も言い返さない。『貧乏くじ』の自分には、まだ何も為すことが出来ない。
矢鳴ヤモリ:「お嬢さん、がんばり屋さんで結構だがねい」
矢鳴ヤモリ:「浦内、ありゃどうも喰わせもんだ」
矢鳴ヤモリ:「こうなることがわかってないとは思えねえ」
矢鳴ヤモリ:「なら、そこになにかの目的がある、違うかい?」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにゃあそれが何かまではわからんが」
矢鳴ヤモリ:「素直にそれに乗っかって、後悔なさんなよ」
矢鳴ヤモリ:「あのときあの女を懐柔して引き入れておけばってなぁ」
矢鳴ヤモリ:「歓迎されてないようだからお暇させてもらうぜ、宿も手に入れたしな」カードキーをひらひらと振る。
喬烏有:「上等な対応というのは、上等な申請への対応として行うものだ」
喬烏有:吐き捨てると、視線を横へ向ける。
喬烏有:「遊火丸、急ぎの報告があったか?」
矢鳴ヤモリ:「可愛ねえ、その調子で守ってやんな」
矢鳴ヤモリ:「そいじゃよ」
遊火丸 クヲン:自分の爪に向けられた視線を外す事も無く
矢鳴ヤモリ:そのまま玄関口へと歩いていく。
遊火丸 クヲン:「いいえ、別に何も。ただ、その子はちゃんと宥めておかなきゃ駄目よ。アンタ達の役目でしょ。」
巳六針助:「……」
巳六針助:過ぎさる後ろ姿を、見送る。
巳六針助:だが、その最中に、
巳六針助:「……(矢鳴ヤモリ)」
巳六針助:「(あんなやり方で、敵だけを増やしてちゃ)」
巳六針助:「(……貴女が可哀想だ)」
巳六針助:減速。放った呟きは、誰に聞きとがめられることもなかっただろうか。
GM:その後、忍びたちは恋庵から追い出される。
GM:少し歩いた先の繁華街には、昼の気だるげな活気が満ちていた。
GM:影の世界の住人にとっては、太陽は眩しすぎる。
GM:それはまるで、巳六針助が未だ”常人”であることの証左のようでもあり。
GM:つるべ落とし。影の世界に向けての短い猶予のようでもあった。
GM:====
GM:オープニングを終了します。
GM:調査可能なハンドアウトを公開します。

・鬼衆ヤツルの【使命】
きしゅう・やつる。
妙齢の女性であり、大太刀を振るう剣士。
妖魔に襲われるPC1を救出し、目覚めた彼を忍びにすると宣言した。
常に冷静で口数少なく、真意は不明である。

【使命】PC1を一人前の忍びになるよう鍛錬する。

・浦内獅子雄の【使命】
うらうち・ししお。
長髪の男。妖魔ハンター。
長期に渡り妖魔「人狼」を追っていたが、取り逃がし続けていた。
PC2と協力することで、ついに「人狼」を追い詰め、討伐した。

しかし、「人狼」が再び現れたという情報を受け、再度狩りに乗り出す。
長年追って仕留めた標的が蘇ったという事態でありながら、その表情に動揺は薄いように思われるが?

【使命】「人狼」を仕留める。

・恋ヶ窪ヨーコの【使命】
こいがくぼ・ようこ。
繁華街の顔役を自称する自警団『伏竜会』の団長代理にして、学院の生徒(停学中)。
父である団長が倒れたため、急遽自警団を預かることとなり、学業を離れて尽力している。
『伏竜会』の面子を保つために、『ライカン』の流入を防ぐことには執心している。部下の反対を受けつつも、忍びであるPC3の力を借りることを決断したのも、一刻も早く事件を解決するためだ。

【使命】『ライカン』の出処を突き止める。

・喬烏有の【使命】
きょう・うゆう。
『伏竜会』の中核メンバー。
『伏竜会』には高い忠誠心があり、二回りも年下である恋ヶ窪ヨーコにも、団長代理として敬意をもって従っている。
強い忍者嫌いであり、『ライカン』の捜索に忍びが関わることにはなおも反対を示している。

【使命】『ライカン』の出処を突き止める。

・憂野ユチカの【使命】
うれいの・ゆちか。
学院の転校生である少女。
隠忍の血統の抜け忍であり、学院で保護を受けている。
生まれながらに病弱であったため、実力主義の隠忍に馴染むことができなかった。学院の下での生活に安らぎを感じていたと言う。

しかし、繁華街で目撃されたのを最後に、失踪してしまった。

【使命】不明。

このハンドアウトは、特定の条件を満たさなければ情報判定・感情判定の目標にすることができない。

GM:以上です。
GM:メインフェイズは3サイクル。都市シーン表などを使用してください。
GM:何か質問はありますか?
矢鳴ヤモリ:いまのとこだいじょーぶ
黒戸 三四:大丈夫……かな?
巳六針助:わかりのしんすけ
遊火丸 クヲン:無いです
GM:ありがとうございます!
GM:では、メインフェイズを開始します。

【目次へ戻る】

【第一サイクル:遊火丸クヲン】

GM:【第一サイクル:遊火丸クヲン】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
遊火丸 クヲン:登場希望は黒戸三四 あと一応従者も出します
遊火丸 クヲン:シーン表
黒戸 三四:でやんでい!
黒戸 三四:出ます
遊火丸 クヲン:CST 都市シーン表(7) > 無機質な感じのするオフィスビル。それは、まるで都市の墓標のようだ。
GM:====
GM:──篠伏町・中心地。
GM:オフィスビルが立ち並ぶ、近年急速な発展を遂げた地域だ。
GM:温泉街の人間には中心地を目の敵にする人間も多い……人の暖かみの無い、墓標だと中傷する人間もいる。
GM:人の感覚がどうあれ、ビルはただそこに立ち、地面に影を落としている。
遊火丸 クヲン:「───ま、寂れるのも自明って感じよね」
遊火丸 クヲン:往来を行き交う人々に視線を向けながら、ズズ と缶コーヒーを啜る
遊火丸 クヲン:「アンタみたいな若い奴なんか、行こうと思わないと行かないでしょ。ああいう温泉地」
遊火丸 クヲン:───偶然かどうかは分からないが、そこに居た黒戸に声をかける
黒戸 三四:「所属柄、確かに。こちらに足を運ぶことは多いですけど」
黒戸 三四:「私個人としては、嫌いじゃないですよ。温泉」音もなく、彼女の隣に並び立っている少女がひとり。
黒戸 三四:「健康に良し、美容に良し、ヒーリングに良し!」
遊火丸 クヲン:「私も、別に嫌いとは言ってないわ。単にスタンスの話よ」
遊火丸 クヲン:「文化だか、格式だか、伝統だか分かんないけど、人気もないような立地にしがみつくぐらいなら、大人しく迎合しちゃえばいいのに」
黒戸 三四:「適者生存ってやつですね。その環境に適したものだけが、後世に名を残し続けていく権利がある」
黒戸 三四:「……それで言うと」
黒戸 三四:「あなたは、とっても興味深いなあ」にっ、と微笑みながら彼女の表情を伺ってみせる。
遊火丸 クヲン:「あら、女性相手の商売はやってないんだけど?」
黒戸 三四:「でも、私以外を相手にした商売はなさっているでしょう」
黒戸 三四:「私は。少しだけ、医術を齧っています」
黒戸 三四:「酒や煙草の習慣がある人間というのは、見ただけで何となくわかるものです」
黒戸 三四:「気の巡りの悪い部分が、表に出てくるので。それは、忍びとて例外じゃない」びっ、と己の目を指して。
黒戸 三四:「けれど、あなたは……」
遊火丸 クヲン:「ふふ、なぁに?健康相談?」と口の端を歪めるように笑い
遊火丸 クヲン:「確かに一時期は、寿命でも縮まないもんかって、馬鹿みたいに吸ってた事もあったけど」
遊火丸 クヲン:「今はもう、仕事の格好してる時しか吸わないわ」
黒戸 三四:「お酒はともかく、喫煙の方は絶って欲しいものですが……」
黒戸 三四:「とはいえ、あなたにはいらぬ相談でしょう」
黒戸 三四:「こんなに“健康”そのものである人を、私は見たことがありません」
遊火丸 クヲン:「……」
黒戸 三四:「はっきり言って、ちょっとビビってます」
遊火丸 クヲン:「”健康は長生きの秘訣”って言葉は」
遊火丸 クヲン:「どこまで行っても正しい ずっと、そんな事を考えながら生きてるわ」
遊火丸 クヲン:「───不摂生による早死にって、どうやったら出来るのかしらね」
黒戸 三四:「常々、理に囚われているようでは。忍びとしては不適格なのだということを痛感する日々ですが」
黒戸 三四:「医を志すもの皆の、永遠の課題すらも克服した……それも、吸血種とか、妖魔の血を引いているわけでもない、“人”を目の当たりにすると」
黒戸 三四:「ちょっと出ないですね。言葉が」はは、と場違いに笑う。
遊火丸 クヲン:「いいえ、意地悪な事を聞いてごめんなさいね」
遊火丸 クヲン:「別に、あなたの知識不足とか、技術不足とかの話じゃないわ」
遊火丸 クヲン:「───理屈じゃないのよ、私の身体は」
遊火丸 クヲン:「………」
遊火丸 クヲン:「正直、もっと享楽的な奴かと思ってたんだけど」
遊火丸 クヲン:「アンタ、学校でもそんな感じなの?」
黒戸 三四:「フッフッフ。そうですとも。これでも宇賀品だと、大層慕われている身でしてね。私への運動部からの感謝の声が絶えません」
黒戸 三四:「後はまあ。目上に対する礼は尽くせと、師に叩き込まれているので、これ位は」
遊火丸 クヲン:「あら、殊勝な心掛けじゃない」と笑って
遊火丸 クヲン:「その…行方不明者?の捜索にアンタが駆り出されたのも、そういうのが関係してんの?」
黒戸 三四:「彼女は……」
黒戸 三四:「元来なのか、その過程で生じたものなのかは、判りかねますが。身体の弱い子で」
黒戸 三四:「時折、目にかけてやって。あわよくば、私が調べてみたいな、と思っている、隠忍抜けの少女です」
黒戸 三四:「それだけ」
遊火丸 クヲン:「ふーん」
遊火丸 クヲン:「心配ね、それは」
遊火丸 クヲン:「私と真逆で、それでも忍びやろうってんだから大したもんだとは思うけど。」
黒戸 三四:「彼女にも譲れないものがあるのでしょう。あの……矢鳴さんに立ち向かっていった、ミシンくんのように」
黒戸 三四:「見てる分には、はらはらものですが」
遊火丸 クヲン:「若いってああいうのを言うのよねー」
遊火丸 クヲン:と、そこまで言って
遊火丸 クヲン:「嘉平」
松来 嘉平(従者):その傍らに、す と人影が現れ
松来 嘉平(従者):「移動ですか?」
黒戸 三四:「こんにちは。………お邪魔でした?私」
松来 嘉平(従者):「いえいえ、私が意見すべき事でもありませんよ。」
遊火丸 クヲン:移動ですか?の問いに頷きを返して
遊火丸 クヲン:黒戸に名刺を渡す
遊火丸 クヲン:白をベースに、少しだけ装飾が施された、”アカリ”と名前が書かれたものだ。
遊火丸 クヲン:「見つかるといいわね、患者さん。」
黒戸 三四:「おお、これがウワサの……」受け取った名刺を手にとって。きらきらと目を輝かせている
遊火丸 クヲン:「アンタの話面白かったから、何か手が要るなら貸してあげてもいいわ」
遊火丸 クヲン:では、ここで感情判定します
遊火丸 クヲン:対象は黒戸三四
GM:どうぞ~ 指定特技は何でしょう!
黒戸 三四:来いや!
遊火丸 クヲン:そうですね、市井に溶け込むカヴァーを利用しているので《潜伏術》で
GM:なるほど! よいでしょう!
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
黒戸 三四:すごすぎ
GM:出目がいい! 感情表をどうぞ~
黒戸 三四:気まぐれの女神!!!! 私にチュウしてくれ!!!
遊火丸 クヲン:ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
黒戸 三四:ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
遊火丸 クヲン:choice[プラス,マイナス] (choice[プラス,マイナス]) > マイナス
黒戸 三四:ギャアア~~~~!!!!!
GM:ああ~~~~!
黒戸 三四:若さに嫉妬するな!!!
遊火丸 クヲン:ぐっ……だが仕方ない……
黒戸 三四:でもな~~~私は特に侮蔑する要素なかったので……
黒戸 三四:忠誠にします。
GM:了解です!
GM:では〆のロールどうぞ
黒戸 三四:「こちらこそ、大事にさせていただきます」ニコニコしながら名刺を懐に仕舞って。
黒戸 三四:「………」
遊火丸 クヲン:「?どうかした?」
黒戸 三四:「今すぐに、何か出来るというわけでもない。ただの戯言と取ってもいいですけど」
黒戸 三四:「もし、本当に。何もかもに疲れて、限界だと感じたのであれば」
黒戸 三四:「私は、いつでもあなたの力になりますよ」
黒戸 三四:「理外のモノすら、己の理に閉じ込めて」
黒戸 三四:「それを正してみせるのが、私のやるべきことだと」
黒戸 三四:「私は、そう思っています」
遊火丸 クヲン:「────そう」
遊火丸 クヲン:ビルの窓に反射した日の光に、少しだけ目を細めるように
遊火丸 クヲン:「じゃあ、期待しちゃおうかしら」
遊火丸 クヲン:吊り上げた口の端が降りるよりも早く、黒戸に背を向け、その場を後にする
遊火丸 クヲン:(…………)
遊火丸 クヲン:(あんたは、そうやって人を救うんでしょうね、これまでも、これからも)
遊火丸 クヲン:(例えそれが、私のような化け物であっても、アンタはこうして救おうとする)
松来 嘉平(従者):「……………しばらく、車で休まれますか?」
遊火丸 クヲン:「構わない」
遊火丸 クヲン:そう言って、傍らの従者を一瞥し
遊火丸 クヲン:(私は、誰一人として救えてないのに)

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【第一サイクル:矢鳴ヤモリ】

GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
矢鳴ヤモリ:PC1と感情を結びたいな―
巳六針助:来たか……出撃します
矢鳴ヤモリ:とりあえず振るか、シーン表
矢鳴ヤモリ:都市にしちゃお
矢鳴ヤモリ:CST 都市シーン表(7) > 無機質な感じのするオフィスビル。それは、まるで都市の墓標のようだ。
GM:オフィスビル好きねえ
矢鳴ヤモリ:オフィスラブというわけね
GM:一応ヤツルもシーン出ますね
巳六針助:やった~~~
GM:====
GM:──ホテル・篠伏フィルパレス。
GM:篠伏町の中心地に位置する高層ホテルである。上階に存在している空中庭園が売りだ。
GM:鬼衆ヤツルはカードキーのスペアを受け取るため、一度ホテルに戻った。
GM:大通りを左ハンドルが通り抜ける。エンブレムが反射する陽光は、影の世界とは異なる意味で、別世界の色を呈していた。
矢鳴ヤモリ:「お」
矢鳴ヤモリ:ロビー向かいのバーで、カードキーを見せチェックアウト払いで好き勝手に酒を飲んでいた矢鳴ヤモリがふたりを目ざとく見つける。
矢鳴ヤモリ:「おかえり~~」ぺたぺたと寄ってくる。酔ってもいる。
巳六針助:「や、矢鳴さん……鬼衆さんの渡したカードキーって、ここのホテルのだったんスね」
鬼衆ヤツル:「次からは後払いができないよう言っておこう」
鬼衆ヤツル:「いいホテルだ。比良坂の息もかかっている」
矢鳴ヤモリ:「やー、健康だねえ、デビューして何日くらい?もう人は殺した?きーやんにひどいことされてない?」赤らんだ顔でぺたぺたと巳六針助を撫で回す。
巳六針助:「どんだけ酔ってんスか! 忍者って特別酒に強いわけでもないでしょ!?」アワアワしながら矢鳴さんの手から逃れようとする。
巳六針助:「いや、ホントに、昨日今日忍者になったばっかで……殺したことはないけど、殺されたことは一回だけ」
巳六針助:「あと、鬼衆さんはよくしてくれるッス」
鬼衆ヤツル:「ひどいことはしていない」頷く。
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんはスイッチのオンオフ上手いからさ~~、オフだとちゃんとふにゃふにゃになれるんだよね~」ぺたぺた。
矢鳴ヤモリ:「へー、ふーん」
矢鳴ヤモリ:「どうするつもりなん?この子、最終的に」
矢鳴ヤモリ:「ボランティアって柄でもないっしょ?」
鬼衆ヤツル:「一人前の忍びにする」
矢鳴ヤモリ:「ま、それは前提条件じゃん?」
鬼衆ヤツル:「任務の一環、と言っておく。そのあとは巳六が決めることだ」
矢鳴ヤモリ:言外にこう含んでいる、そうでなければ死ぬだけだと。
矢鳴ヤモリ:「目論見ちゃんとあるわけねー、それで、今教えるつもりもないと」
巳六針助:「……」
巳六針助:(確かに、何でこの人は……俺を、一人前の忍者にしようとするんだろう)
矢鳴ヤモリ:「そのあとは、とは言うがなー」
矢鳴ヤモリ:「その前でも良いんだぜ~、半人前以前だとはいえ、こうまでしっかり"出来て"んだ」
矢鳴ヤモリ:「きみなー、結構すごいよ、昨日今日目覚めたにしては仕上がりすぎているわけ」
矢鳴ヤモリ:じろじろと舐め回すように見る。
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにしとかない?そこの女の下だと苦労するぜ~」
鬼衆ヤツル:「矢鳴、お前は先入観を持たせすぎる」
矢鳴ヤモリ:「それに、本心も知れたもんじゃないと来た」
巳六針助:「本心……」
矢鳴ヤモリ:「真意の知れない親切心ほど不気味なものはねえ、そうだろぉ?」
巳六針助:「……そうかも知れないッスね、確かに」
巳六針助:「でも」
巳六針助:「コーヒー淹れてくれたんスよ、この人」
巳六針助:「服だって、縫うの大変だったろうに……きちんと玉止めも丁寧にやってくれて」制服を握りしめる。
巳六針助:「オレは、オレ自身の目で、鬼衆さんや矢鳴さんがどんな人かってのを見極めたい」
矢鳴ヤモリ:「へぇ」
矢鳴ヤモリ:すぅ、とその目が細められる。
矢鳴ヤモリ:「やあ、いいなあ、聞いた?」
矢鳴ヤモリ:「新鮮だねえ、こういうの」
矢鳴ヤモリ:「クラクラ来てる?きーやんにもあるのかな、母性本能とかそういう奴」
鬼衆ヤツル:「さて」
鬼衆ヤツル:「不慣れなことをしているという自覚はある」
鬼衆ヤツル:煙草を吸う。
矢鳴ヤモリ:「じゃさ、ちょっとの時間貸してよ、ちゃんと返すからさ、過保護な母親じゃねんだろ?」
鬼衆ヤツル:「……貸した物をよく壊された記憶があるな」
矢鳴ヤモリ:「そだっけ?」ケロリ。
巳六針助:「……鬼衆さん」
巳六針助:「大丈夫だよ。オレ、貴方を『貧乏くじ』退かせたままに、したくないんだ」
鬼衆ヤツル:煙を吐く。
鬼衆ヤツル:「まあ、一人前にするのにつききりでいるわけにも行くまい」
巳六針助:「うん。だから……鬼衆さんの引いた糸、きちんと当たりだったって証明してみせるから」
矢鳴ヤモリ:「お、良いね」
矢鳴ヤモリ:「ちゃんと口挟んできた」
鬼衆ヤツル:「やたらと、口を挟むのは忍びとして優秀とは言えないと思うがな」
矢鳴ヤモリ:「そうそう、もう忍びなんだ、自分の頭で色々判断しねえとなあ」
矢鳴ヤモリ:「ここでただそこの得体のしれねえ女の顔色伺ってるだけのようなら」
矢鳴ヤモリ:「やっぱいいやって言ってたところだぜ」
鬼衆ヤツル:「巳六針助。私は見返りが欲しくて君を助けたわけではない」
鬼衆ヤツル:「しいて言えば、納得のためか」
鬼衆ヤツル:「君の判断を尊重するつもりだ。それが一人前になることにもつながるだろう」
鬼衆ヤツル:「ひとつ忠告しておこう」
巳六針助:「……」唇を引き結ぶ
鬼衆ヤツル:「矢鳴は、何か教えられるような人間じゃないぞ」
鬼衆ヤツル:「恐らく苦労することになる……どちらを選んでも」
鬼衆ヤツル:「それじゃあ、私はフロントに行ってくる」
巳六針助:「……ばーちゃんが言ってました」
鬼衆ヤツル:「……」
巳六針助:「若いうちの苦労は、買ってでもしろって」
巳六針助:「オレは後悔しないッスよ。鬼衆さんに、折角拾って貰った命なんだから」
巳六針助:「でっかくなって帰ってきます」真顔でサムズアップ。
鬼衆ヤツル:「気をつけなさい」
鬼衆ヤツル:「矢鳴は、命を落とさないことにかけては私より上だ」
鬼衆ヤツル:「しかし、それは他者に及ぶようなものではない」
鬼衆ヤツル:灰皿に煙草を押し付け、バーから立ち去る。
矢鳴ヤモリ:「ひひ、言いたい放題だなあ」
矢鳴ヤモリ:「うし、じゃあちょっくら出るか」外へ目を向ける 
巳六針助:「信頼されてんじゃないスか」肩を竦めて付いて行く
矢鳴ヤモリ:太陽光がビル壁を反射し、ふたりを照らす。
矢鳴ヤモリ:それを眩しそうに見上げ。
矢鳴ヤモリ:「300mってとこか」
巳六針助:「んえ、何がスか」
矢鳴ヤモリ:ひときわ高いタワー、展望台付きのそれを見据える。
巳六針助:「……あのビルの高さ?確かにそん位ありそうっスけど」
矢鳴ヤモリ:「キミ、あれのてっぺんまで行こうと思ったらどうするよ?」
矢鳴ヤモリ:「エレベーターなんて、もう遅すぎる」
矢鳴ヤモリ:「階段は、行ったり来たりでロスがあらあな」
矢鳴ヤモリ:「まずは、そういう"認識のタガ"を外さにゃあな」
巳六針助:「うおおお」
巳六針助:「今……物凄い忍者っぽいコトしてます!?」
矢鳴ヤモリ:「好きに登ってきな、別にエレベーターでもいいぜい」
矢鳴ヤモリ:言うなり、駆け出す。
巳六針助:「うえっ!?ちょ、矢鳴さん!?」
矢鳴ヤモリ:常人の目では捉えられぬスピードで一歩、二、三。
矢鳴ヤモリ:四で跳躍、信号機を踏み台に銀行の屋上へ。
巳六針助:「あはは」
巳六針助:「む……ムチャクチャだ」
矢鳴ヤモリ:そのまま建物から建物へ、少しずつ高さは上がりそれはやがてビルからビルへとなる。
矢鳴ヤモリ:最後には建設中の高層ビル、その上部に設置された工事用のクレーンへ。
矢鳴ヤモリ:ワイヤーを振り子のように使って。
矢鳴ヤモリ:まさに、瞬く間に。
矢鳴ヤモリ:その影がタワーの頂点へと消えた。
巳六針助:見よう見まねで、駆け出してみる。幽霊のようにおっかなびっくり歩いて、次に彼女の影を追いかけるように走ってみる。
巳六針助:(……あの人には)
巳六針助:何故か、失望されたくないと思った。
巳六針助:『あの場所へ行きたい』と言う思考が、足の速さに追いついてくる。
巳六針助:音が消え去る。気付けば視界が飴細工のように溶けた。
巳六針助:弾も、光すらも置き去る速度で、気付けばただ自分の影だけが。
巳六針助:袖口から針を取り出す。
巳六針助:『まずは、そういう"認識のタガ"を外さにゃあな』
巳六針助:影から、
巳六針助:糸が、
巳六針助:飛び出す。
巳六針助:(オレなら出来る)
巳六針助:針と結びつく。影が纏われ、鋭い杭のような大きさに。
巳六針助:苦無のように投擲し、影の杭がビルの窓枠の陰翳に『張り付く』。
巳六針助:何も壊すことなく、ワイヤーのように影の糸が伸縮する。先程矢鳴ヤモリが見せた軌道の応用で、振り子のように一気に射出された。
巳六針助:「う、お、おッ」
巳六針助:瞬間、タワーの頂点に居た彼女と、目が合う。
巳六針助:太陽を背負って、影を纏った少年は、確かにその女を見た。
巳六針助:「……最高だ」
矢鳴ヤモリ:「合格。」
矢鳴ヤモリ:そうして、ふたりは今並んで街を見下ろしている。
矢鳴ヤモリ:「やーっぱさ、仕上がってんだよねえキミ」
矢鳴ヤモリ:「ふつーはさ、ちゃんと血を吐くような修行を積んでなるもんだ、忍びってのはよ」
矢鳴ヤモリ:「それがどうだい、どうにももう一定以上の完成度だ」
巳六針助:「……そう、ッスね。フツーは、そうだと思うンすよ」影の糸を、手の中で小さく弄ぶ。
矢鳴ヤモリ:「でもま、異常だが前例のない話でもねえ」
巳六針助:「……そうなんスか?変じゃないッスか?」
巳六針助:「オレ、今くらい裁縫できるようになるのに…ばーちゃんに死ぬほどしごかれたんすよ」
矢鳴ヤモリ:「知ってるわけだな、いっちょ前になるために必要なものってやつを」
巳六針助:「……ヤモリさんは、そうじゃなかったんスか?」
巳六針助:「”異常”って言い方をするってことは、そうなのかなって」
矢鳴ヤモリ:「んーー、ヤモさんはなあ……」
矢鳴ヤモリ:「まあ、普通ではなかったわなあ」
矢鳴ヤモリ:「なので落第して実家を追い出されたわけ」
巳六針助:「オレから見たら、ヤモリさんは」
巳六針助:いつの間にか、名前を呼んでいる。
巳六針助:「眩しく見えるよ」
巳六針助:「……物理的な話じゃないッスよ」
矢鳴ヤモリ:「そうかい、そう見えるかい」
矢鳴ヤモリ:巳六針助を見る目が、眩しそうに細められる。
巳六針助:「多分、オレは能天気なんだろな……」
矢鳴ヤモリ:「ああ、能天気だね」
矢鳴ヤモリ:「それに、隙だらけ」
巳六針助:「え?」
矢鳴ヤモリ:「良いカモにしか見えねえにゃあ」
巳六針助:「うっさいッスよ。壺買わされたの二回くらいッスからね」
矢鳴ヤモリ:「だから、キミにすることにしたわけ、まずは」
巳六針助:「交通安全祈願のヤツダブっちゃって」
巳六針助:「ええ~……」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんこう見えて今結構困っててさ~」
矢鳴ヤモリ:「追ってるものがあるんだが、手がかりなし」
矢鳴ヤモリ:「依頼人に指定された場所に言ってみりゃ、あの扱いと来たもんだ」
矢鳴ヤモリ:「だがしかし、うちの依頼人サマは周到な罠使い」
巳六針助:「う……」交渉を失敗させた負い目がある。
矢鳴ヤモリ:「なら、ありゃ"仕込み"だな」
矢鳴ヤモリ:「あの場に、意味がある」
巳六針助:「……断られるだろうって、見抜いてたってコトっすか?」
巳六針助:「何でそんな、矢鳴さん孤立させるみたいな……」
矢鳴ヤモリ:「いやいや、噛ませたかったんよ、あの場の集まりにヤモさんをな」
矢鳴ヤモリ:「扱いはたぶん、どうだっていい」
矢鳴ヤモリ:「それで、だ」
矢鳴ヤモリ:「あの場の集まりには明らかな"異物"があった、とびきりのな」
矢鳴ヤモリ:そう言って、眼前の少年の瞳を覗き込む。
巳六針助:「……オレ?」流石に冷や汗を掻きながら訊き返す。
矢鳴ヤモリ:「場違いなものは、得てして物事の中心であったりする」
矢鳴ヤモリ:「だから、この小僧にまずは取り入ってやろうと考えたわけだ」
巳六針助:「……取り入るなんて」
巳六針助:「また、敵増やすみたいな言い方」少し頬を膨らませる。
矢鳴ヤモリ:「ひひ、ヤモさんの心配かい?ルーキー以前の素人さんがよ」
矢鳴ヤモリ:「そうさ、そういう奴だ」
矢鳴ヤモリ:「陽だまりの理で生きる、脳天気な少年」
矢鳴ヤモリ:「未だ闇を知らず、畏れを知らず」
矢鳴ヤモリ:「良いねえ、新鮮だ」
矢鳴ヤモリ:「心配どうも、でもこれがヤモさんのやり方だよ」
矢鳴ヤモリ:「打算は当然ある、現にキミはヤモさんにもう心を許してる」
巳六針助:「ゆ……許してない!エッチ!」ばっと身を掻き抱く。
矢鳴ヤモリ:「正直に見えるだろ?ああ、正直に相手してやるぜえ、なるべくな」
巳六針助:「……ヤモさん、悪い女っスか」
矢鳴ヤモリ:「危なっかしくて、身の程知らずに心配のしがいもあるときたもんだ」
巳六針助:「悪い女ッスね!やられた、鬼衆さんが心配してたの、こ~いう所かよ!」
矢鳴ヤモリ:「魅力的に見えるんじゃなあい?キミみたいな奴にゃ」
巳六針助:「あったま来た。そりゃほっとけないッスよ、クソ!」
矢鳴ヤモリ:「なあに、ヤモさんは悪いやつから平和な人々ってやつを守る妖魔ハンターやってんだ」
矢鳴ヤモリ:「庇護対象よ、キミも」
矢鳴ヤモリ:「ちゃんと面倒みてやるって」
巳六針助:「いつまでもルーキーだと思わないことッスよ」そっぽを向く。
巳六針助:「……嬉しかったんスよ、合格って言われて」
巳六針助:「せめて助け合いましょう。ヤモさん」
矢鳴ヤモリ:「なあ針助少年」
巳六針助:「何スか」
矢鳴ヤモリ:「これからキミは途方もなく危険な目に合うだろう、何度も何度もな」
矢鳴ヤモリ:「明日を、いやこのあとの数秒だって生きてられるかわかりゃしねえ」
矢鳴ヤモリ:「向いてるか、向いてないかと言えばキミは忍びにゃ向いてない」
矢鳴ヤモリ:「そりゃそうだ、何も知らねえ、善意を芯に生きる元一般人」
矢鳴ヤモリ:「一般的な忍びたあかけ離れている」
矢鳴ヤモリ:「だけどな、向いてようが、向いていまいが」
矢鳴ヤモリ:「死ぬやつは死ぬ、生きる奴は生きる」
矢鳴ヤモリ:「とどのつまり、運よ」
矢鳴ヤモリ:ニヤリと笑う。
矢鳴ヤモリ:「死ぬな、なんてえ言わねえ」
矢鳴ヤモリ:「そんな難しいことはなァ」
矢鳴ヤモリ:「ただ……ヤモさんが見ているうちは」
矢鳴ヤモリ:「なるべくそのままでいてくれや」
矢鳴ヤモリ:「"良い"んだよ、キミ」
矢鳴ヤモリ:「今までそういうのは周りに居なかったからねえ」
矢鳴ヤモリ:それは、おそらく死ぬな、という事以上に難しいことかもしれない。
巳六針助:「……」普段の言動に似つかわしくなく、無口になる。
矢鳴ヤモリ:「キミが見つけた信念が」
矢鳴ヤモリ:「今と同じ形をしていたならば」
矢鳴ヤモリ:「見たこともねえ忍びになるぜい、きっとな」
矢鳴ヤモリ:「ま、それでも運が悪けりゃあっさり死ぬがな」ケラケラと笑う。
矢鳴ヤモリ:言葉の罠を貼る。
矢鳴ヤモリ:巳六針助の中で、矢鳴ヤモリが大きなものになるように。
矢鳴ヤモリ:それは計略であったが、彼女の言葉が偽りであるかというと……。
矢鳴ヤモリ:それはまだ、――光射す世界の住人知らぬ闇の中。
矢鳴ヤモリ:判定を行います、《罠術》で。
GM:どうぞ!
矢鳴ヤモリ:SG (SG@12#2) > 6[3,3] > 6
GM:成功ですね~ 感情表もどうぞ
矢鳴ヤモリ:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
巳六針助:ET 感情表(2) > 友情(プラス)/怒り(マイナス)
矢鳴ヤモリ:んじゃー、憧憬で。
巳六針助:友情を……選択します……
GM:いい感情ひいたんじゃな~い
GM:では〆のロールをどうぞ。短めでね。
矢鳴ヤモリ:というかもう〆ていいです!
矢鳴ヤモリ:針助くんに特に何もなければ、こっちはおっけーなので
GM:====
巳六針助:じゃあ一言二言だけ!
巳六針助:(……がんじがらめだよな、この人)
巳六針助:そのままで居てね、と。呟かれた言葉に、絡まったイヤホンを小さく握って答える。
巳六針助:(まるで、俺みたいだ)

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【第一サイクル:巳六針助】

GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
巳六針助:感情判定を……そうだな ここは……
巳六針助:黒戸さんに!
黒戸 三四:私じゃない!
黒戸 三四:いいよ~
GM:おお~
GM:ヤツルも結局付き添います
GM:ではシーン表をどうぞ~
巳六針助:SDT
巳六針助:CST 都市シーン表(10) > ビルの谷間を飛び移る。この街のどこかに、「アレ」は存在するはずなのだが……。
GM:====
GM:──篠伏町・中心地。
GM:高層建築物の屋上には、強く風が吹いている。
GM:人が米粒のような大きさに見える……それでも、その一つ一つの相貌を見分けられる。
GM:立っている場所の高さが、そのまま身体の能力の、異質な上昇を示しているようだった。
鬼衆ヤツル:「慣れたか?」
鬼衆ヤツル:コートを風に流しながら、剣士が問うた。
巳六針助:「……オレ、スパイダーマンだったかも」
鬼衆ヤツル:「土蜘蛛だったのか?」片眉を上げる。
巳六針助:「そう……多分 何か土蜘蛛ッス」
巳六針助:「影から糸出てたっスけど」
鬼衆ヤツル:「そうか」
鬼衆ヤツル:紫煙を風に乗せる。
鬼衆ヤツル:「矢鳴と別れて帰って来るなり、連れ出されたのには驚いた」
巳六針助:「ヤモさんが教えてくれたンすよ。術の使い方」
巳六針助:「……自分のものだったみたいに、手に馴染む」
鬼衆ヤツル:「……」
巳六針助:「試運転がてら、とりあえず見て貰おうかなって」
鬼衆ヤツル:「いいんじゃないか」
巳六針助:「でも、技を振るうにもまず信念っスからね!」
巳六針助:「それを教えてくれたのは、鬼衆さんッスから」
巳六針助:ぱしゅ、と針に影を纏わせ、掴む。
巳六針助:「探したい人居るんスよ。手伝ってくれないッスか?」
鬼衆ヤツル:「ああ……誰を?」
巳六針助:「黒戸さん」
巳六針助:「クラスで、結構仲良かったんで。一回話しときたいなって」
巳六針助:「こんなんなっちゃったののちゃんとした説明とかもまだだし、憂野さんのことも心配なんで」
鬼衆ヤツル:「……宇賀品学院は、忍者養成機関としても知られている」
鬼衆ヤツル:「君自身よりも、君の状態の理解はあるかもしれない」
鬼衆ヤツル:「話を聞くのはいい判断だろう」
巳六針助:「やった。褒め上手ッスよね、鬼衆さん」にかっと笑ってVサイン。
鬼衆ヤツル:「……教えの三つ目だ」
鬼衆ヤツル:指を立て、巳六の額を突く。
鬼衆ヤツル:「『疑え』」
巳六針助:「んお、わ」ぐらり、とビルから落ち
鬼衆ヤツル:「黒戸のことでも、私の言葉でもいいが」
鬼衆ヤツル:「少々素直すぎる」続き、身を投げている。
巳六針助:「わ……解りました!疑うッス!本返し縫い並に裏に注意します!」
巳六針助:「アレ!?疑えって言葉も疑えってこと!?」混乱しながら、覚えたての――しかし異様に精度の高い影の投擲で、ビルの合間を跳び縫っていく。
鬼衆ヤツル:その言葉を聞き、目を細める。
GM:二人の忍びの影は、街の陰に溶け、消えた。
GM:ーーーー
黒戸 三四:強いビル風に煽られ、癖のついた黒髪が揺れる。
黒戸 三四:忍びが本気で足跡を隠そうとしたのであれば。例え同じ忍びであっても、それを見つけるのは至難の技。
黒戸 三四:「んん~~。身体に聞いても知らないってんだから、あの子もシロか」
黒戸 三四:針先の血を清潔な布で拭ってから。おや、と首を傾げる。
黒戸 三四:此方に向かって近づいてくる音がある。それも、常人では出し得ない程の速度。
巳六針助:「うおおおおおお!!!!」宙を舞い、カットバック・フリップターンもさながらの大回転を決め
巳六針助:ごき
巳六針助:「ギャアアアアアア!!!!」拳を勢いよくアスファルトに打ち付けて着地し、それと同時に拳が砕けて転げ落ちている。
黒戸 三四:「ウワアアアッッ!!!」
鬼衆ヤツル:壁を蹴り、軽い音とともに着地する。
巳六針助:客観的には襲撃者が自爆したようにしか見えない。
黒戸 三四:眼の前で繰り広げられた凄惨な光景に悲鳴が漏れ出る。
巳六針助:「ギャアアアア!!!ギャアアアア!!!黒戸サンダアアアアア!!!」
巳六針助:拳を抑えながら芋虫のように転げまわり、目的の人物を見付けて歓喜してはまた転げまわるという行為を繰り返している。
鬼衆ヤツル:「『隠密こそを尊しとせよ』……教えの四つ目にしておこうか」
黒戸 三四:「キモ!!!!! 何!? 近づくんじゃない変態……あ?」
黒戸 三四:「ミシンくんと……あー、鬼衆さん?」
黒戸 三四:「何してんの? 自殺の練習?」
鬼衆ヤツル:「黒戸。痛みを止めてやってほしい」
巳六針助:「自殺しないための練習をしてたら死にかけてるんだよおおお……」
巳六針助:「助かります!めちゃくちゃ痛いもん!黒戸さんの鍼治療と僅差だ……!」
黒戸 三四:「えぇ~~~。ったくもう……」ため息を吐きながら彼の傍に。
巳六針助:「待て鬼衆さん!それは全然解決に――」
鬼衆ヤツル:「同じくらい痛いのか」
鬼衆ヤツル:「次は静かに」
鬼衆ヤツル:黒戸さんに頷く。
巳六針助:「えっ あっ えっ?」
黒戸 三四:「男子なんだから我慢我慢。痛かったら手ぇ上げてね。止めないけど」
黒戸 三四:懐から取り出したおよそ五寸ほどの針が、路地から漏れ出る陽の光に照らされて。
黒戸 三四:ひゅ、と風を切る音の間に。掌、肘内側、脹脛。巳六くんの身体の3点に稲妻のような衝撃が走る。
巳六針助:「――」
巳六針助:(ヤバ)
巳六針助:(マジで痛い時って、声出ね~んだな……)
巳六針助:一瞬で気絶と覚醒を五度ほど繰り返して倒れ伏す。
黒戸 三四:「あと5秒ね~。4,3,2,1……3,2,1……うし、終わり」
巳六針助:「あばばばばば」
巳六針助:打ち上げられたカニのように泡を噴きながら、ようやく黒戸さんの方を向いた。
巳六針助:「お……おお、すげぇ……全然痛くねえ」
鬼衆ヤツル:「よく耐えたな」
黒戸 三四:「フツーの人ならともかく。ミシンくんはもう、身体のつくりがフツーと違ってるんだ」
黒戸 三四:「数刻もすれば、砕ける前より頑丈になってるだろうさ。その拳もね」
巳六針助:「痛みを消すのに痛みを味わう必要があるのはニーチェ並の理不尽を感じるが……助かったぜ黒戸さん。センキュー」
巳六針助:「針ってスゲ~んだな。保健室に入り浸ってたのも、やっぱりそのせいなんだろうな……」
黒戸 三四:うんうん、と頷いて。「私の行いに共感を示してくれる人は貴重だからね」
黒戸 三四:「君こそ……」
黒戸 三四:「とても上手くなったようだね。針の使い方が」
巳六針助:「ばーちゃんの仕込みだからな」
黒戸 三四:「ほんとかな?」くすくすと笑って。
黒戸 三四:「で、どしたの、マジで。私、結構忙しい身なんだけど」
黒戸 三四:「それとも、あ。手伝ってくれるのかい? 私の捜し者」
巳六針助:「……」目線を逸らす。
巳六針助:「あの……」
巳六針助:「ぶっちゃけ、そう言うつもりで来たから」
巳六針助:「そっちから言われると立つ瀬がないというか」
巳六針助:「乙女心を解って欲しい。こんな恥ずかしいコト花の思春期男子に言わせないでくれ」
巳六針助:「憂野さんのこと心配だろ。それって友情の危機じゃん……美しきフレンドシップが壊れるの見てらんないぜベイベー」
黒戸 三四:「ふうん」ちら、と。彼の後ろの女性に視線を移して。
黒戸 三四:「お師さんも手伝ってくれるの?」
鬼衆ヤツル:「私は人探しを中心に動くつもりは無い」
鬼衆ヤツル:「しかし、情報収集の経験は忍びになるためには必須のものだ。巳六が必要と判断したならば」
鬼衆ヤツル:「恐らく、彼自身の力になるだろう」
黒戸 三四:「一人前の忍びにってやつかあ、そっか。そうだよなあ……」
黒戸 三四:考え込むように唸る。
巳六針助:「自分の状況、ちょっとは解って来たからさ」
巳六針助:「頑張って……自分で考えて、いろんな人のこと見極めて。ちゃんと確かめたいんだ」
巳六針助:「その先にあるオレの信念が、今のオレと、縫い目が重なるのかどうか」
巳六針助:「だから手伝いたい。黒戸さんの為じゃなくて、オレの為だ」
黒戸 三四:じい、と彼の瞳を見て。
黒戸 三四:「そうだな……うん。こうしよう」ぽん、と手を叩いて。
黒戸 三四:『実は、君を殺したのは私なんだ』戯けるように口にする。
黒戸 三四:『私こそ、この街を騒がす殺人事件の犯人で』
黒戸 三四:『この街を深き絶望に叩き落とすのが私の使命』
巳六針助:表情がみるみるうちに曇って行く。
黒戸 三四:『今すぐ、君の手で傍らの、その女性を殺すのだ!』
黒戸 三四:『さもなくば……君の大切な家族が、私の毒牙に蝕まれるであろう』
巳六針助:「んな……」身体がびたりと止まった。
黒戸 三四:「とまあ」
黒戸 三四:「全部冗談だけどさ」あっけらかんとした顔で。
巳六針助:「あ……あのさあ!」
巳六針助:「オレは全部、疑ってやるからな!そう言うの!」
黒戸 三四:「それでいいよ」
巳六針助:「あっ?」肩透かしを食らったような顔をする。
黒戸 三四:「君が持っている誠意は、美徳だと思うし、素敵なものだと思うけど」
黒戸 三四:「可哀想だとか、顔なじみだとか、クラスメイトだからだとか、私が可愛い女の子だからとかという理由で、協力を願っているなら御免だし……」
巳六針助:「最後のは、確かに黒戸さんは可愛いと思うけど、別に……」
黒戸 三四:「ははは、ありがとう。ともあれ、うん」
黒戸 三四:「一度割った卵はもう殻の中には戻れない」
黒戸 三四:「君はもう、後戻りは出来ないんだ」
黒戸 三四:「考えることを、諦めないでね」
巳六針助:「……」傷一つない手を見る。
巳六針助:感情判定を実行します。
GM:指定特技の宣言をどうぞ!
巳六針助:指定特技は遁走術。先程のビルを飛び移る技術は遁走術の一環のものであると解釈しました。
巳六針助:SG>=5 (SG@12#2>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
黒戸 三四:やるやん
巳六針助:しゃあ!
GM:おお
GM:感情表もどうぞ~
巳六針助:感情表振るぜ~~!!
巳六針助:ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
黒戸 三四:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
黒戸 三四:キャッ!
巳六針助:う
巳六針助:うおおお
黒戸 三四:まあ憧憬スかね
巳六針助:あ……愛情で……
黒戸 三四:ウフフ
GM:アイヨ~
GM:では〆のロールをどうぞ
巳六針助:(……考えることを)
巳六針助:「ばーちゃんと……」ぽつり、と零す。
巳六針助:「ばーちゃんと同じこと、言ってくれるんだね。黒戸」
黒戸 三四:きょとんとした顔で巳六くんを見る。
巳六針助:「何でもないよ」
巳六針助:「俺の話だから。でも……」
巳六針助:「嬉しかった」
巳六針助:イヤホンを外して向かい合う。
巳六針助:「ありがとう、黒戸」
巳六針助:「お前と話せて良かった」
巳六針助:振り返り、立ち去る。歩みは止めない。
黒戸 三四:「お礼を言うんならこっちの方さ」ぼそりと呟く。
黒戸 三四:「針助くん」
黒戸 三四:「おばあちゃん、大切にね」
黒戸 三四:紡いだ言葉は。風に乗って、宛もなく漂って消えた。
GM:====
GM:ある【情報】が更新されました。
GM:====

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【第一サイクル:黒戸三四】

GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
黒戸 三四:巳六くんと遊火丸さんに出てもらおっかな~
黒戸 三四:3人で恋ヶ窪さんに会いにいこう。
遊火丸 クヲン:出るぜ
巳六針助:巳六針助、ガンダムエアリアル、出ます!
GM:はあい
GM:ヤツルは遠くで見守ります
GM:シーン表の希望特になければGMがトラブルシーン表振るね~
黒戸 三四:あらっ!そうでした
GM:いいのかい
黒戸 三四:恋ヶ窪ハウス想定だったんだよな なので都市シーン表とかのがいいかなあ
GM:恋ヶ窪ハウス別に都市ではないから……じゃあ振らなくていいか
GM:====
GM:──呑津鞠温泉。
GM:秋の日は短い。大きく傾いた太陽が、山肌をあかあかと照らしている。
GM:かつての花街である、さびれたといえ、夜が近づくにつれて往来には人の影が見え始めている。
GM:その中でなお、料亭『恋庵』は厳かに佇んでいる。
黒戸 三四:「いや~~~、さっそくお呼び立てしちゃって。申し訳ないです」癖っ毛の目立つ黒髪の少女が、傍らに座る二人に向かってへにゃっと笑う。
遊火丸 クヲン:「別に気にしないわよ。私が言った事なんだから」
巳六針助:「遂に忍者として覚醒したこのオレ――真・巳六針介の力が必要になったと云う事か――」しまりのない表情筋を限界まで強張らせている。
遊火丸 クヲン:「それに」料亭の名前に意識を向けて
遊火丸 クヲン:「人選的にも妥当じゃない?」
黒戸 三四:「そう言ってくれると」ぺこりと頭下げる。
黒戸 三四:「ほんとはね」
黒戸 三四:「あの、矢鳴さんも……ぜひ、改めて面通し、させて頂きたかったんですけど」
黒戸 三四:「これ以上、恋ヶ窪さん……ああ、先輩だったそうで。彼女を刺激するのも……」
巳六針助:「ヤモさんは……ヤモさんなりの考えで動いてるみたいだから。実際、オレもこの面子が正解だと思うよ」
巳六針助:「遊火丸さんも黒戸さんも、かなり”話せる”方だもんね」
遊火丸 クヲン:「代理団長さんも、聡い子ではあるんでしょうけど…理屈と感情はまた別の話よね」
巳六針助:頷く。
黒戸 三四:「ま、今回、私はそれとは別件なので」
黒戸 三四:「私の目的に従って、彼女に話を伺ってみる次第です。お二人とも、もし、何か気になることがあれば」
黒戸 三四:「私に構わず、彼女から情報を得るのもアリですとも」
遊火丸 クヲン:「───そうね」
遊火丸 クヲン:「気が向いたら、ね。」
巳六針助:「……とりあえず、行きます?」妙な間を感じ取ったのか、慌てて敷居をまたぐ。
巳六針助:「たのもー! 恋ヶ窪さんは居られますか!」
GM:襖が開く。
恋ヶ窪ヨーコ:「いるよ、そりゃ。黒戸がアポ取ってるんだろ……」
巳六針助:「人ん家入るときは元気よく挨拶!ばーちゃんの言葉ッス!」
恋ヶ窪ヨーコ:「あっそう…上がってくれ」
恋ヶ窪ヨーコ:上座につく。他の者の気配はない。
黒戸 三四:ふふふ、と一連のやり取りを微笑みつつ見守って。「はい、お邪魔します」
黒戸 三四:下座に腰を下ろす。
恋ヶ窪ヨーコ:「茶は出ないぞ。喬を追い出したら話をできる奴がいないんだ」
遊火丸 クヲン:軽く会釈をして足を踏み入れ、襖のすぐ傍に座る
巳六針助:靴の端を奇麗に揃えて、ついでに他の客の脱ぎ捨てられた草履なども直してから、最後に上がる。
恋ヶ窪ヨーコ:「ふん……まず、先はすまなかった」
恋ヶ窪ヨーコ:目を伏せる。どことなく話しづらそうである。
恋ヶ窪ヨーコ:「冷静さを欠いていた」
黒戸 三四:「いえいえ、お構いなく。先輩の立場ですと、色々としがらみもありましょうとも、ええ」
巳六針助:「オレも突っかかって話ややこしくしちゃったんで、お互い様ッスよ」
遊火丸 クヲン:「むしろ、ちゃんと子供っぽくて安心したわ」
遊火丸 クヲン:「ただ、二回目は止めてよね。矢鳴と鉢合わせる度にああなるんじゃ、こっちも仕事出来ないから」
恋ヶ窪ヨーコ:「ぎ、いや……言うとおりだ。次は無い」
巳六針助:(よく観察してるなあ……忍者がってより、遊火丸さんが特別そうなんだろうな)
巳六針助:感心しながら三人の話を聞いている。
黒戸 三四:「早速ですが……今日、お時間を頂いたのはもちろん、その件ではなく……」
黒戸 三四:懐から一枚の写真を取り出して見せる。
黒戸 三四:やや生気に欠けた様子の、緋色の髪の房が目立つ一人の少女が写ったもの。
遊火丸 クヲン:写真を一瞥し、ふい と視線を戻す
巳六針助:「憂野さん……」眉を顰める。仲が良かったのは学園に居た頃から承知していた。
黒戸 三四:「我々と学び舎を同じとする、彼女、『憂野ユチカ』さんのことなんですけど」
黒戸 三四:「失踪してしまったんです。最後に姿を目撃されたのが、この街の繁華街」
黒戸 三四:「“恋ヶ窪さんなら、力になってくれるかも”、と。副会長からの勧めもあって」
黒戸 三四:「本日、お話を伺いに参りました」
恋ヶ窪ヨーコ:「……」写真を手に取り、睨む。
恋ヶ窪ヨーコ:「蕪木め、恩を着せてくるな」
恋ヶ窪ヨーコ:「わかった、人探しだな。だが……」
恋ヶ窪ヨーコ:「当たり前だが、繁華街に女子高生がいれば目立つ。だがそういった話は聞いていないな……」
恋ヶ窪ヨーコ:「話は回させてもらう。写真預かるぞ」
恋ヶ窪ヨーコ:懐に写真を仕舞おうとして、ふと気づく。
黒戸 三四:「どうかされました?」
恋ヶ窪ヨーコ:「いや……この髪色はどこかで見たような気がした」
遊火丸 クヲン:「特徴的ではあるものね」
巳六針助:「だよな~。結構目立ちますもんね。記憶違いのセンもなさそーだし」
巳六針助:遊火丸さんと一緒にうんうん頷いている。
恋ヶ窪ヨーコ:「私もよく出歩く場所を回ってみよう」
黒戸 三四:感謝の言葉を述べて頭を下げる。
黒戸 三四:「私からは、これ位かな。お二人は? 恋ヶ窪さんに話を聞いてみたいこと、ある?」
巳六針助:「あ!そうだ、『ライカン』とかいうヤバい薬の捜索状況って今どうなってるんスか?」
巳六針助:「や、聞いてみたいことってほどじゃないンスけど……単純にそーいうブツが出回ってるの、あんまり気持ちいいモンじゃないじゃないですか」
恋ヶ窪ヨーコ:「その通りだ」
恋ヶ窪ヨーコ:「だが、私たちでは何の手掛かりも見つけられなかったんだ。だからこそ、遊火丸に依頼したんだよ」
恋ヶ窪ヨーコ:「現状、服用者を見つけては叩く、対症療法だ」
遊火丸 クヲン:「その言い草じゃ、アンタ達の方も特に進展無しって感じね」
恋ヶ窪ヨーコ:「忍びの方でもわからないか」目線を下げる。
巳六針助:「確かに。そーいや最初に遊火丸さんに聞くのがスジだったな……」
遊火丸 クヲン:「いえ、アンタが聞かなきゃ私が聞いてた。手間が省けたわ」
遊火丸 クヲン:「まぁ、まだ本腰を入れてないもの」
遊火丸 クヲン:「色々あるのよ、私にも。」
恋ヶ窪ヨーコ:「まあ……正攻法で見つけられなかったんだ。部下はともかく、私はやり方に文句を言うつもりは無い」
巳六針助:「そっスよね。恋ヶ窪さん達でも正攻法じゃ見付けられないってことは、流してるヤツも忍者だったりしてな~」
巳六針助:「そしたらやっぱ遊火丸さんにしか探せないッスもんね」
黒戸 三四:「医学を齧るものとしては、嘆かわしい事態です。一刻も早い終息を願うばかり」
黒戸 三四:「ミシンくんの言う通り、相手が忍びであれば、遊火丸さんを始めとした忍びこそが適任だ」
黒戸 三四:「もちろん、そちらについても、私の方でも何か判明次第、協力いたしますとも」
恋ヶ窪ヨーコ:「現場を押さえられれば殴りつけてやるのに、卑劣な奴だ」
巳六針助:「オレも手伝えることあったら言って下さいね!」
巳六針助:「ほら、遊火丸さん、人のこと頼るの案外得意じゃなさそうじゃないっスか」
巳六針助:何気ない口調でさらりと失礼なことを言う。
遊火丸 クヲン:「………」
巳六針助:「プレゼント贈ることあっても、贈られたことあんまりないみたいな……」
遊火丸 クヲン:「ふ」渇いた笑い
遊火丸 クヲン:「貢がせるのが仕事の女に何言ってんの、アンタ」
遊火丸 クヲン:「貰ってばっかりよ、そんなの」
遊火丸 クヲン:そう、貰ってばかりだ。
巳六針助:(ど)
巳六針助:(ド正論過ぎる……)
黒戸 三四:「あっはっは。君は忍びとしても、男としてもまだ半人前だねえ、ミシンくん」
巳六針助:「スンマセン黒戸さんの言う通りッスナマ言いました……」平身低頭。
巳六針助:(……)乾いた一瞬の笑いが、頭から離れない。
遊火丸 クヲン:「やめなさいよ。そのぐらいで謝られちゃ、私が悪いみたいじゃない」
遊火丸 クヲン:はぁ と一度ため息を吐いて
遊火丸 クヲン:「…そういえば喬烏有を追い出してるって言ってたけど、彼は彼で仕事してるって思っていいのかしら」
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ。殺人事件だって起きているからな」
恋ヶ窪ヨーコ:「見回りだ。こういうことも自警団としてはやらないとな」
恋ヶ窪ヨーコ:「あいつがいたら話しにくいだろう、お前たちも」
巳六針助:(あの顔は……確かに自衛効果はあるよな……)
巳六針助:「ウッ」
遊火丸 クヲン:「そういえば、アンタと最初に会った時も見回り帰りだったわね」
遊火丸 クヲン:「………まぁ、仕事してるならいいわ」
巳六針助:「そ、そうッスよ……別に顔が怖くても、真面目に仕事してるだけなんだから」
遊火丸 クヲン:「見回りの報告とかは、一度アンタに話が通ると思って良いのね」
恋ヶ窪ヨーコ:「そうだ。団長、だからな」
恋ヶ窪ヨーコ:「よほど、頼りなく見えるか?」自嘲気味に笑う。
遊火丸 クヲン:「……」
遊火丸 クヲン:「”愛されてる”って言い方もあるわよ」
遊火丸 クヲン:彼女が部屋に入る前に、煙草の火を消すように促されたことを思い返して
巳六針助:「……」
巳六針助:(愛されてる、か)
黒戸 三四:「そうですね。私からすると、随分と慕われているなあ、とも思いましたが」
恋ヶ窪ヨーコ:「私が慕われているわけじゃないさ。『伏竜会』がそうさせている」
恋ヶ窪ヨーコ:「まあ、仮にも私がその長だ。お前たちの期待には十二分に応えられる」
遊火丸 クヲン:──”伏竜会がそうさせている”という言葉に、何だか妙に重なるものを感じたが、別に踏み込む話でもないだろう と押し黙る
黒戸 三四:「ふふ。……いや失敬。私がお伝えしたかったのは、そっちではなく」
黒戸 三四:「あの一癖も二癖もある、宇賀品の生徒たちを……実質ひとりで束ねている手腕を備えた女傑、蕪木リストが」
黒戸 三四:「私に、あなたの力添えを勧めてくれたのは。たぶん」
黒戸 三四:「あなたが、伏竜会の仮の長であるから、といった理由だけでは、ないだろうな、という気がしただけ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……」
巳六針助:「そッスよ。ボラ部の活動とかあるじゃないッスか」
巳六針助:「うちの町、お世辞にも治安良いとは言えないと思うンスけど……友達とか、ボラ部が朝出歩いてくれてるお陰で」
巳六針助:「結構助かってる、って言う奴とか。一杯居るんスよ。これマジ」
恋ヶ窪ヨーコ:「はあ、どうも」息を吐く。
恋ヶ窪ヨーコ:「忍びと言えば底意地の悪い連中と聞いていたが、褒められているようでむずがゆいな」
恋ヶ窪ヨーコ:「話は以上か?」
遊火丸 クヲン:「ええ、私は。」
巳六針助:「オレも大丈夫ッス!底意地が悪いのは……確かにそうかも知んないっスけど」
巳六針助:「悪い人ばっかじゃないッスよ。絶対」
黒戸 三四:こくり、と頷いて。
黒戸 三四:「では、恋ヶ窪先輩。憂野さんのこと」
黒戸 三四:「よろしく頼みます」片手を差し出してみせる。
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ」
黒戸 三四:握手を求めるかたち。彼女がそれに応対するその刹那。
黒戸 三四:「(この間、会った時から、なんとなく感づいていたけれど)」同じ忍びである身でしか聞き取れない声で。二人に向かって語りかける。
黒戸 三四:先刻。この場所で。矢鳴ヤモリと、巳六針助が行っていたように。
黒戸 三四:「(ミシンくん。君は、忍びとして。基本的な身体の動かし方は一通り、会得出来たみたいだね)」
巳六針助:「(えっ! た……確かに、何か、ありがたいことに時間も掛けずにスゲー馴染んでる感じはするけど……)」
巳六針助:「(いきなりどうしたのさ。アレで終わる流れじゃなかったの?)」加速した世界の中で、戸惑いながら尋ねる。
黒戸 三四:「(まさか。これから私が君に、感じて貰うのは)」
黒戸 三四:「(底意地の悪さなんて言葉じゃあ、到底済まされないような)」
黒戸 三四:「(ヒトとしての尊厳の、破壊行為に他ならないのだから)」
黒戸 三四:恋ヶ窪ヨーコと握手を交わす寸前に。袖の仕込み針が稼働する。
黒戸 三四:蚊の持つそれより、ずっと細いそれが。
巳六針助:(おい)
巳六針助:(おいおいおい)
巳六針助:「(待、――)」反射的に言い終わるより、遥かに速く。
黒戸 三四:ちくり、と。皮膚を貫いて。彼女の体表を覆う気の流れを乱す。
黒戸 三四:こんなところで判定をしたいと思います。
黒戸 三四:恋ヶ窪さんの秘密を調べたい! 使用特技は《針術》で!
GM:どうぞ~ 感情修正はあるかな?
黒戸 三四:ミシンくんくれるかな~?
巳六針助:グググ 一人前の忍びになるためには……!
遊火丸 クヲン:感情修正を投げる事で判定達成値を+1出来るぞ
黒戸 三四:気まぐれおばあちゃん!ありがとう!
巳六針助:すさびまる姉貴……!ええい!感情修正+1持って行け!
GM:気まぐれおばあちゃんも感情修正していいですよ
遊火丸 クヲン:プラマイ0になっちゃう
GM:ええんか!? 美少女の柔肌に針が突き刺さってもええんか!?
黒戸 三四:座ってて! 肩揉んであげるから
遊火丸 クヲン:すまないねぇ……
巳六針助:肩たたきは得意だぜ
黒戸 三四:というわけでもらうぜ! ありがとミシンく~ん♡
黒戸 三四:では振る!
黒戸 三四:2D6+1>=5 (判定:針術) (2D6+1>=5) > 4[1,3]+1 > 5 > 成功
黒戸 三四:あぶね!!!!
GM:草
巳六針助:うおっ
GM:おばあちゃん~!
遊火丸 クヲン:マジで分水嶺だったじゃん
黒戸 三四:身を持って感情修正の大切さを学べたね
GM:では恋ヶ窪の秘密を送ります。感情共有により巳六くんと遊火丸さんにも共有されます。
巳六針助:自らの身を犠牲に感情修正の重要性を教えてくれるなんて…
黒戸 三四:受け取りました。
遊火丸 クヲン:なるほどね
GM:では〆・ザ・ロールプレイどうぞ
黒戸 三四:はあい
黒戸 三四:恋ヶ窪さんの纏う僅かの気、その一部が。紐のように黒戸の身体へとするりと入り込んで。
黒戸 三四:瞬間。此処に座す、三人の忍びが同時に。
黒戸 三四:ひとりの少女がひた隠しているであろう、もっとも心の柔らかい“それ”が。
黒戸 三四:強烈なイメージとなって、脳髄を犯していく。
巳六針助:「(……何、したの)」
巳六針助:「(今……自分のやったこと、何したのか、解ってんのかよ)」
巳六針助:思わず、黒戸三四に歩み寄る。イヤホンが耳から外れる。
遊火丸 クヲン:「(………)」得た情報を咀嚼しながら、巳六と黒戸の動向に視線を向ける
黒戸 三四:「(忍びは、ヒトとしての枠組みから外れている存在だ)」
黒戸 三四:「(なにもそれは、身体機能に限った話じゃない)」
巳六針助:「(……自分からヒトの道に外れようとしたら、バケモンと何が違うんだよ!)」
巳六針助:「(考えろって、言ったよな。……オレの考え、聞かせてやるよ)」
巳六針助:「(”それ”は……間違ってる……)」
巳六針助:力なく手を落とす。
巳六針助:子供の駄々であると、何より当人が理解していた。
巳六針助:(……俺も、間違ってる)
遊火丸 クヲン:(…”正解”も分からないのに、間違いがどうとかの話はまだ早いわよ、ガキんちょ。)
巳六針助:その言葉に思う所があったのか、ぎくんと歩みを止める。
遊火丸 クヲン:「(……アンタが、人のままでバケモノに勝てるんなら、そもそもこんな所に居ないって事は自覚した方がいいわ。私から言えるのはそれだけ)」
巳六針助:人のままで、化け物に勝てるのなら。
巳六針助:かつて千切られた自分の腕を見た。既に、人のものではない腕を。
黒戸 三四:「(そうだね。君の征く道の正否を決められるのは、君だけだ)」
巳六針助:「(……ごめん)」
巳六針助:「(二人の言う通りだ。何もわかってねーのに、適当言った)」
巳六針助:イヤホンを嵌め直す。減速。ブラックノイズのようにブレていた影が、ばちん!と途切れて合一化された。
巳六針助:「……頭冷やしてくる」
巳六針助:次の瞬間、再び加速している。巳六針助の影だけが残り、それも遅れて消えた。
恋ヶ窪ヨーコ:「どうしたんだ、巳六」
恋ヶ窪ヨーコ:影の名残りを見ている。
遊火丸 クヲン:やれやれ といった様子で目を伏せ
黒戸 三四:「年頃ですからね。色々あるでしょうとも」
黒戸 三四:「では、私たちも、これで」そう言い残して。ゆっくりと襖を開ける。
遊火丸 クヲン:「じゃ、また何かあれば」
遊火丸 クヲン:その後に続くように部屋を出る
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……必要であれば呼んでくれ」
黒戸 三四:恭しく一礼して、襖を閉める。
黒戸 三四:敷居を跨ぐまでに、すぐ後ろを行く彼女に聞こえるように。ぽつりと言葉を紡ぎながら。
黒戸 三四:「嫌われちゃったかな?」
遊火丸 クヲン:「さあね」
遊火丸 クヲン:「嫌うなら、むしろ自分の方じゃない?あの手のタイプは」
黒戸 三四:「う~ん。むしろ、そっちの方が私、罪悪感感じるかもしれないですね」
黒戸 三四:「まだ、この野郎!って。私を詰ってくれた方がラクなんだけど……」
遊火丸 クヲン:「ふぅん」
遊火丸 クヲン:「アンタも意外と気にするのね、そういうの」
遊火丸 クヲン:純白の中に、黒ずみを見付けたような気分になって「……なんだか安心したわ」
遊火丸 クヲン:と笑って、それきり口を閉ざす
黒戸 三四:「ふっふっふ。どうでしょうね」
黒戸 三四:「全部、ポーズかも」
黒戸 三四:相対するように大げさに笑ってみせて。
黒戸 三四:閑静な街に、足音だけが響き、その内消えていく。
黒戸 三四:陽が。沈もうとしていた。

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【第一サイクル:マスターシーン】

GM:【第一サイクル:マスターシーン】
GM:巳六くんの登場になります。
GM:====
GM:──繁華街・廃墟
GM:月光が割れた窓から差し込んでいる。
GM:解体途中で廃棄されたビルだろうか。打ち放しの壁が、灰色の影を長く浮かび上がらせていた。
鬼衆ヤツル:「──力の使い方は思い出したのか」
鬼衆ヤツル:紫煙をくゆらせながら、あなたをここまで連れてきたヤツルがだしぬけに尋ねた。
巳六針助:「ハイ。思い出した、っつか……何か、ホントに馴染むんすよね……元からあった、みたいな」
巳六針助:影の針を、月の光に透かしながら眺めている。
巳六針助:「……ヤツルさんとか、色んな人のお陰だと思うンスけど」
巳六針助:「オレ、全然貰ってばっかで。それなのに、黒戸さんにも八つ当たりしちまって……」
巳六針助:これがこの少年の生来の性根なのだろう。ぽつぽつと、誰に向けるでもない独り言のように言葉が漏れている。
鬼衆ヤツル:「そうか」
鬼衆ヤツル:「少し自意識が強いな、君は」
鬼衆ヤツル:「忍びらしくない」
鬼衆ヤツル:砂埃に、点々と足跡を残していく。
巳六針助:ゆっくりと、壁から身を起こす。踏み潰して、形が変わってしまわないように、彼女の足跡をなぞって歩いていった。
巳六針助:「わかんないンすよ」
巳六針助:「信念と、忍者のやるべきことってのがぴったり縫い合えばいいなって思ってたんスけど……黒戸さんがああしてるのを見て、それも解らなくなった」
巳六針助:「忍者って、ああして皆の平和を守ってるんスよね」
巳六針助:「だから、止めるべきかどうかも……」
鬼衆ヤツル:「大きな質問だ」
鬼衆ヤツル:「忍びとは一つの存在ではない。平和を守ることを信念とする者、革命を起こすことを求める者。ただ自分のみが自由であれば良いという者」
鬼衆ヤツル:「正解を求めているのなら、それは私たち忍びとは最も遠いところに位置する存在だ」
巳六針助:「……」遊火丸クヲンの言葉を思い返す。何が正解かを見極める前に、為すべきことがある。
巳六針助:考えることをやめてはいけない。それは巳六針助から最も遠いことだと、今はそう思う。
鬼衆ヤツル:「教えの五つ目だ。『運命の流れるに任せよ』」
鬼衆ヤツル:「神を信じろということじゃない」
巳六針助:「運命……っスか」矢鳴ヤモリも、最後は”それ”に身を預けているように見えた。
巳六針助:「人事を尽くして的な?」
鬼衆ヤツル:「大局に逆らった者は、どんな超人であろうと潰される。信念を貫くべきときを、見極めるんだ」
鬼衆ヤツル:「やるなら天命が通りかかる直前にやれ、ということだ」
鬼衆ヤツル:「……これを、暫定的に最後の教えにしておく」
鬼衆ヤツル:部屋の前で立ち止まる。
巳六針助:「んお」急に立ち止まられた。バランスを崩して、鬼衆ヤツルの背中にぶつかる。
巳六針助:「最後のって……オレ、まだまだひよっ子スよ。蛹ってやつなんでしょ」
巳六針助:「鬼衆さんが貧乏くじ引いたって言われないくらいに強くなるまで、まだまだ色んなこと……」
鬼衆ヤツル:ぐ、と手を握る。
鬼衆ヤツル:「そうかもな」
鬼衆ヤツル:腰を捻る。巳六を部屋の中へと投げ飛ばす。
巳六針助:「な」
鬼衆ヤツル:動きを見ることはできた。しかし対応できるかは別の話だ。
巳六針助:ど ぐしゃん!闇が浸るような黒室へ、なすすべもなく投げ飛ばされた。
鬼衆ヤツル:がら、と扉が閉まる音がする。
巳六針助:「あっ」イヤホンが外れている。部屋の外に転がっているのだ。
巳六針助:「鬼……鬼衆さん!?」
巳六針助:「っ、どうなってんスか!何かあるなら、頼りないかも知れないけど、オレ力なりますから!」
巳六針助:「こっから出して下さいよ……!せめて、話させて――」
鬼衆ヤツル:「言われなかったか? 覚醒したてにしては習熟が早いと」
巳六針助:「……」
鬼衆ヤツル:「強くなるまで、じゃない。君は強い」
鬼衆ヤツル:「私の教えが必要ではないほどに」
鬼衆ヤツル:「そうでなければ──」
GM:獣の唸り声がする。
鬼衆ヤツル:「やはり、今のが最後の教えだ」
妖魔:「──スカウトか?」
巳六針助:――(『異様に仕上がってるんだよね』)
巳六針助:脳裏で、いつか言われた言葉が反響する。だが、聞こえて来た声はそれだけではなかった。
巳六針助:「……………………鬼衆さん?」
GM:獣の唸り声が、した。
GM:====
GM:メイン戦闘を開始します。
巳六針助:クッソ~~~~~!!!
GM:エネミーは「妖魔」一体です。
GM:生命点は元々4でしたが、ヤツルに傷つけられ1点減少しています。
巳六針助:エッエッ
GM:1ラウンド目の戦闘乱入は不可能とします。
矢鳴ヤモリ:へ~、それ以降はありなんだ
巳六針助:もう終わりや
GM:そういうことだよ
黒戸 三四:どうしよっかな~
矢鳴ヤモリ:その場合って最大ラウンドはどういう扱いなのかな
GM:それも説明いたしますが
GM:今回はメイン戦闘ですが、戦闘終了条件は巳六針助か妖魔の生命点が0になることのみです。
GM:デスマッチだ!
巳六針助:死ぬまでやろう
GM:では妖魔のキャラシを公開します。
GMキャラシート
GM:では、質問がなければ戦闘を開始してみましょう。
GM:====
GM:【第一ラウンド】

 【第一ラウンド】
 ・巳六針助  生命力8/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健2/2
 ・妖魔    生命力3/4

GM:プロットお願いします。
妖魔:プロットOK。
巳六針助:プロット装填!
GM:OK。
GM:カウントダウンで0になったら公開してください。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

→<プロット5>
(巳六、妖魔)

GM:同じプロットですね!
GM:同プロットに二人以上のキャラクターがいる場合「同時攻撃」という処理が発生します。
GM:簡単に言うと、ダメージやファンブル時の逆凪は、同プロットのキャラクター全ての行動が終了するまで適用されません。
GM:まあ今はそういうのがあるんだな~程度で大丈夫です。
GM:では、行動順を決めましょう。1d100でな……
GM:高い方からね
巳六針助:うおおお!!やるぜ!!
巳六針助:1d100 (1D100) > 75
妖魔:1D100 (1D100) > 76
妖魔:僅差!
巳六針助:お前!!!!
妖魔:では行動を宣言。
妖魔:【大咬】を使用。目標は巳六針助。
妖魔:2d6>=6 (2D6>=6) > 3[1,2] > 3 > 失敗
妖魔:失敗!
巳六針助:おっぶね
妖魔:こいつは妖魔なので振り直しなども無し。
GM:では続けて巳六くんの手番!
巳六針助:やあっ~ってやるぜ!
巳六針助:【黒絃】【痛打】を使用して妖魔に攻撃します!
GM:では先に【痛打】の判定をどうぞ。
巳六針助:≪針術≫だから
巳六針助:SG5>=12
巳六針助:あっ違う違う
巳六針助:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
巳六針助:うおおお
GM:おっと、【痛打】の判定は失敗になってしまいましたね
巳六針助:出目!!
GM:でも大丈夫。まだ【黒絃】の判定は可能ですよ。
GM:諦めずに【黒絃】の判定をしてみましょう。
巳六針助:こいつの判定特技は可変……!せめて一発喰らわせてやる!
GM:指定特技を選んでね。
巳六針助:分身術で判定します!
巳六針助:2D6>=5 (判定:分身の術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
GM:おっ成功ですね、お見事!
巳六針助:喰らえ接近戦一点ダメージオラッ
妖魔:回避。《分身の術》は……《怪力》から9。
妖魔:2d6>=9 (2D6>=9) > 4[1,3] > 4 > 失敗
妖魔:出目が!
妖魔:では接近戦ダメージ1点を受けます。
妖魔:ちなみにエネミーは特技分野という概念がありません。特技が消えないので厄介だぞ。
system:[ 妖魔 ] HP:3 → 2
GM:では。全員行動し終わったので、これで第一ラウンドが終了!
巳六針助:俺達鬼殺隊は限られた特技分野で必死に戦ってるんだ 失われた生命点が戻ることもない
GM:プロット値以下の出目を両者とも出しているので、逆凪という状態になっているのですが……同プロットだから特に関係ないね。
GM:では、次ラウンドに移ります。
GM:【第二ラウンド】
GM:戦闘乱入はありますか?
GM:なさそうですね。ではプロットをどうぞ!
矢鳴ヤモリ:あるよ!
GM:おやまあ
GM:では参加するがいい!

 【第二ラウンド】
 ・巳六針助  生命力8/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健2/2
 ・矢鳴ヤモリ 生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・妖魔    生命力2/4

巳六針助:アッ!?
矢鳴ヤモリ:エントリー!
巳六針助:ヤモさん~~!!!!
GM:プロットどうぞ~
妖魔:OK
巳六針助:プロット装填!
矢鳴ヤモリ:ok
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

→<プロット4>
(巳六、妖魔)
<プロット2>
(矢鳴)

GM:おっと、またもプロット4で同値ですね。
GM:では1D100いってみよう
巳六針助:うおおお!!ぜって~~負けねえ!!
妖魔:1D100 (1D100) > 76
巳六針助:1d100 (1D100) > 87
妖魔:なにぃ~っ
巳六針助:ハアッハアッハアッ
GM:では巳六くんどうぞ!
巳六針助:殺してやるぞ天之介
巳六針助:【接近戦攻撃】【痛打】。対象は妖魔に。
巳六針助:まずは痛打の判定します!
GM:どうぞ!
巳六針助:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
巳六針助:よし!
巳六針助:次に…オラッ 接近戦攻撃じゃ!
妖魔:来い!
巳六針助:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
巳六針助:くたばりゃー!!
巳六針助:接近戦2点ダメージ!
妖魔:回避!
妖魔:《針術》は《走法》から10。
妖魔:2d6>=10 (2D6>=10) > 8[3,5] > 8 > 失敗
妖魔:ぐわああああ
妖魔:これで……生命点0! 脱落が確定します。
妖魔:しかし同時行動! このプロット4が終わるまで私は生きている……!
妖魔:【大咬】で巳六針助を攻撃!
巳六針助:お前お前お前
妖魔:2d6>=6 (2D6>=6) > 7[2,5] > 7 > 成功
妖魔:成功! 《兵糧術》で回避せよ!
巳六針助:クソッ 粘りやがるぜ
巳六針助:2D6>=10 (判定:遁走術) (2D6>=10) > 11[5,6] > 11 > 成功
巳六針助:フ…
GM:ええっすごい!
GM:では、妖魔は戦闘脱落。
system:[ 妖魔 ] HP:2 → 0
GM:巳六針助の、勝利……! 戦闘終了します。
GM:今回は特殊な戦闘なので「戦果」は発生しません。
GM:演出に入りましょう。
GM:====
妖魔:「ばはぁぁうっ!」
妖魔:動揺している様を”隙”と見た、獣が吠え猛る。
妖魔:妖魔の肉体は、傷を受けようと動きを阻害されない異常がある。この世ならざる存在ゆえの、悍ましく滑らかな機動。
妖魔:鉤爪が迫る。それは先に、巳六針助の腕を吹き飛ばした。
巳六針助:恐ろしい。
巳六針助:恐ろしい。
巳六針助:恐ろしくてたまらない。
巳六針助:(あの時の)
巳六針助:一度は全てを奪われた。あの時の絶望と無力感に苛まれる。今はもう、『貴方なら出来る』と言ってくれる人たちもいなくなってしまった。
巳六針助:(ここで、死ぬのか――)
巳六針助:そう思った刹那、鉤爪は直前で身体の前を通過した。
巳六針助:「……あ」
巳六針助:あの日一度襲われた故に解る。爪の先が、明らかにあの日よりも欠けて短い。職業上、一度見た物の長さは、大体忘れないからだ。
巳六針助:それが、戦いの末に負った手傷の一つとするならば。「……鬼衆さん?」
巳六針助:名前を口に出すと、何故か落ち着いた。状況としては、裏切られたと言っても差し支えないのに――
巳六針助:そう思えば、身体も動く。袖口の針は影を纏い杭の如く鋭く。
巳六針助:手が恐るべき速度で動く。機銃の如き空気の羽撃きが闇に閃き
巳六針助:「【末離縫】(まつりぬい)」
巳六針助:既に仕立ては完了している。妖魔の掌が、影の糸と針によって縫合されていた。
巳六針助:(……間違いない。俺は)
巳六針助:(こういうことをやってたんだ。誰かと、一緒に……)
妖魔:「かふっ、スカウト、ぐるるる……!」
妖魔:腕を引く。肉と影の糸が引きちぎれる。
巳六針助:「っ、コイツ」
妖魔:妖魔の動きに支障はない。しかし生命力は確かに、傷口から零れ落ちる。
妖魔:「スカ、ウトか? ふぅうぐ……」
妖魔:警戒するように、僅かに距離を取る。
巳六針助:「……うるせえ」
巳六針助:「ばーちゃんはな、オレを跡取りにすんだよ」
巳六針助:「一万回並縫いやって、出直して来い!」
妖魔:「うっ、うお、うお、ううううううう」
妖魔:唸る。脅したてるようなそれではなく。
妖魔:「こわす、こわす」
妖魔:その根底には感情がある。恐れだ。
妖魔:「こう、やって!!!」
妖魔:突進。四足全てを推進力に使い。
妖魔:めきめきと、仮面ごと口蓋が避けて開く。
巳六針助:音速。
弾速。
光速。

巳六針助:脳のギアが、七段変速の自転車のように切り替わる。死地に飛び込み、妖魔と相対する。
巳六針助:(……ああ)
巳六針助:(オレ、バケモノなんだな)
巳六針助:闇に差す月明かりの如く、針の銀が閃いた。
GM:交錯。金属同士が激しくぶつかったような、軋音。
巳六針助:「――【返斯縫(かえしぬい)】」
巳六針助:仮面の妖魔の、その開いた口蓋を編み結んでいる。恐らくは、仮面の奥の頭蓋までを残らず繕って。
巳六針助:しゅぱっ 鋭く影を抜きはらい、針を旋回させて手元に収める。
矢鳴ヤモリ:それに重なるように、窓ガラスが砕け散る。
矢鳴ヤモリ:躍り出るは、矢鳴ヤモリ。
矢鳴ヤモリ:その両手にはバレルを短く切り取った二丁の猟銃、既に狙いはピッタリと。
矢鳴ヤモリ:ピクリ、と動く指先は――結局引かれることはなく。
矢鳴ヤモリ:月明かりを乱反射する硝子片を追い越して、音もなく着地する。
巳六針助:「……」哀し気な表情で、飛び込んできた女を見る。
GM:何か致命的な呪いを与えたのか。それとも仮面が重要な器官だったのか。獣は声を上げずに死んでいる。
巳六針助:高揚などない。ただ、割れた窓のように虚しい虚無感だけがある。
巳六針助:どう繕っても、元の形に戻ることはない。
巳六針助:「ヤモさん」
矢鳴ヤモリ:「よお」ニカリ、と笑う。
巳六針助:「…………どう言ったら、いい、かな」
矢鳴ヤモリ:「やあっぱ正解だったな、釣れた釣れた」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんやっぱ仕事の勘が良いんだよねえ」
矢鳴ヤモリ:「しっかし、カモにしては猛禽みてえな爪を持ってるじゃねえか」
巳六針助:「……ありがとう」倒れ伏した、妖魔の死骸を見る。
巳六針助:(……物を、壊してしまった。命を)
矢鳴ヤモリ:じっと、それらを眺める。
矢鳴ヤモリ:撃たなかったのは事実そうだが。
矢鳴ヤモリ:単純に、テンポが遅れたものもある。
矢鳴ヤモリ:迷ったのだ。
矢鳴ヤモリ:”どちらを撃つのか”を。
巳六針助:闇の中から、蛇のように光る眼だけが、矢鳴ヤモリを見つめる。
巳六針助:「その、ね。鬼衆さんに、いきなりここ連れて来られてさ……」気まずそうな声音だが、目線を外れない。
矢鳴ヤモリ:「なぁ~~」
巳六針助:「……ん」
矢鳴ヤモリ:「キミさ、バケモノの条件って知ってる?」
巳六針助:「……どうだろ」
巳六針助:「最近は色々グチャグチャで、解んなくなってきちゃった」
矢鳴ヤモリ:「教えてあげるね~、今後のためにもさ」
矢鳴ヤモリ:その目が、獲物をみるように細められる。
矢鳴ヤモリ:「それは、ただ単に凶暴だとか、悪意を持ってるとか、危険なちからを持っているかとか」
矢鳴ヤモリ:「そういうのじゃあないわけよ」
巳六針助:「……」
矢鳴ヤモリ:「ただ、単純に世界に害をなすかどうか、ってだけなのさね」
巳六針助:「俺は」
巳六針助:「そんなこと、しないよ……」
巳六針助:返しながらも、声音は弱弱しい。
矢鳴ヤモリ:「ここでの世界ってのは多勢のことさ、お天道様の下で生きるカタギさまのことだよ」
矢鳴ヤモリ:「動物園でタイヤ使って遊んでる熊にだって、人の肉を簡単に腑分けするちからがある」
矢鳴ヤモリ:「それがバケモノになるのは、血の味を知ったその瞬間だ」
矢鳴ヤモリ:「忍びには……そのちからがある」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにだって、な」
矢鳴ヤモリ:「キミは、得体が知れねえ」
矢鳴ヤモリ:「ハッキリ言って、そこで転がってるのよりもさ」物言わぬ異形を銃身で指し示す。
矢鳴ヤモリ:「だから、というか何か」
矢鳴ヤモリ:「前に言ったことだが……そのままでいてくれよ」
GM:がら、と扉が開かれる音がする。
矢鳴ヤモリ:「その善性を、ヤモさんに証明し続けてみな」
鬼衆ヤツル:「──終わったか」
巳六針助:ぬらり
巳六針助:蛇のように立ち上がる。
鬼衆ヤツル:平然とした様子で室内に歩み寄る。
巳六針助:「……」
巳六針助:「心配しました」
巳六針助:「二度と、こんなことしないで下さい」
矢鳴ヤモリ:「……はぁ」ため息。
矢鳴ヤモリ:「善性を証明しろといったばかりで悪いんだけどさあ」
矢鳴ヤモリ:「ちょっとそれはビョーキじゃね?」
巳六針助:「……解ってるよ」小さく呟く。
矢鳴ヤモリ:「食ってかかれよう、あっちも困っちゃうぜ」
鬼衆ヤツル:「私は君を一人前の忍びにする。できる限り、早く」
鬼衆ヤツル:「安全装置は無い。私が必要だと思うことをする」
巳六針助:「じゃあ、一つだけ聞いて良いですか」
巳六針助:「鬼衆さんの『信念』って、なんですか」
巳六針助:呟くように口にする。
巳六針助:「教えてください。これは、貴女の信念に従ったことなんですか」
鬼衆ヤツル:「……」目を細める。
巳六針助:「答えなきゃ、あんたのこと……」
巳六針助:「嫌いになってやる」
鬼衆ヤツル:ため息をつく。
鬼衆ヤツル:「君に嫌われることは想定している、遠からずそうなる」
鬼衆ヤツル:「私の信念は、そう難しいものではない」
鬼衆ヤツル:「人の弱さを、妥協を許さない。それだけだ」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、よく言う」
鬼衆ヤツル:「何かおかしいか」
矢鳴ヤモリ:「いんや、言ってることはなんにも」
矢鳴ヤモリ:言ってるやつは、面白いが。
鬼衆ヤツル:「私も」
鬼衆ヤツル:「駆けつけるなら、お前以外だと思っていたがな」
巳六針助:「……そっか。良かった」くしゃりと笑う。
矢鳴ヤモリ:「元々コレはヤモさんの獲物、仕事のターゲットだってば」
矢鳴ヤモリ:「こんなに勘がハマるた思ってなかったがね」
矢鳴ヤモリ:「黙ってたことは、別に文句言うつもりはねえさ」
矢鳴ヤモリ:「きーやんにも事情ってもんがあるんだろ」
矢鳴ヤモリ:「ただ、今後ヤモさんの引き金は事情を考慮することはない」
矢鳴ヤモリ:「ま、それは言うだけ野暮ってもんか」
巳六針助:「……!」再び鬼衆ヤツルを庇うように、一歩前に出る。
巳六針助:「その時は」
巳六針助:「オレが、何とかするから」
巳六針助:「……オレはヤモさんにも鬼衆さんにも感謝してるんだよ。どっちも傷つかない方法を、なるべく探したい」
巳六針助:「オレはあんたの敵になんかなってやらないからな」
矢鳴ヤモリ:少年の啖呵に答えることはない、まだ対等に相手をする段階に無いとでも言うかのように。
矢鳴ヤモリ:「んでさ、きーやんはヤモさんより事情通っぽいから一応聞いておくけど」
矢鳴ヤモリ:「コレなに?殺し切る方法って知ってる?」言って、"獣"をみる。
鬼衆ヤツル:「死んでるだろう」
GM:この世ならざる妖魔の肉体は、既に壁の染みと混ざりつつある。
矢鳴ヤモリ:「ふーん」つまらなさそうに。
矢鳴ヤモリ:「そういう感じね、じゃあいいや」
鬼衆ヤツル:「ああ」
矢鳴ヤモリ:「んじゃあ」
矢鳴ヤモリ:「コレは?」そう言って、銃口で指し示す、"巳六針助"を。
矢鳴ヤモリ:「いったいなに?」
鬼衆ヤツル:「答えるつもりはない」
矢鳴ヤモリ:「そういう感じ、ね」
巳六針助:「……何だよ。二人して……」
鬼衆ヤツル:「わからないことがあるなら調べればいい」
矢鳴ヤモリ:「聞いてわかるなら、そっちのが楽じゃん」
矢鳴ヤモリ:「教えてくれないことがわかった、これも調べてるって言えるっしょ」
鬼衆ヤツル:「『目的のものは、戦って勝ち取れ』だ」
鬼衆ヤツル:「行くぞ、巳六」
鬼衆ヤツル:一足先に、廃墟から立ち去っていく。
矢鳴ヤモリ:「おう、"また"な」ひらひらと手を振る。
矢鳴ヤモリ:それまでの緊張感が無かったかのように腑抜けた顔。
巳六針助:「……『目的のものは、勝ち取って調べろ』か」
巳六針助:「ヤモさんの調べてるのって、さ」
巳六針助:「『人狼』と、『浦内獅子雄』だよね」
巳六針助:不意に、低く口にする。
矢鳴ヤモリ:「『浦内獅子雄』は、ちがうかな」
矢鳴ヤモリ:「調べてない……というより、"調べたくない"」
矢鳴ヤモリ:「依頼人サマだからね、信用問題ってもんがある」
矢鳴ヤモリ:「でも、どうにもその真実ってやつがこの先の生死にかかわるのなら」
矢鳴ヤモリ:「ついつい調べちまうかもだあな」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんってば、不思議と生き残ってしまうタチなんでね」
巳六針助:「運も実力の内、だよ」
矢鳴ヤモリ:「ばあか、実力の外にあるから運っていうんだ」
矢鳴ヤモリ:「実力の内、なんて言われるような運は最初から実力なんだよう」
矢鳴ヤモリ:「祈ってるぜ針助少年、"運"が良けりゃあまた会えるだろう」
巳六針助:にやりと笑う。
巳六針助:「オレ、裁縫屋の孫だよ」
巳六針助:「実力も運も全部ひっくるめて、女神と一緒に糸車回すのが仕事だ」
巳六針助:「また、会いに行く。ヤモさん」
巳六針助:ふ、と――糸のような影を残して消える。
矢鳴ヤモリ:「かーーーッ」
矢鳴ヤモリ:「カッコいいこと言っちゃって、まあ」
矢鳴ヤモリ:「良いなあ、ずっとそのままでいてくれないかねえ」
矢鳴ヤモリ:そう言って、来たときとはまた別に。
矢鳴ヤモリ:階段をしっかりと、一段ずつに下り建物をあとにする。
矢鳴ヤモリ:あとには、染みすら消え失せ痕跡と言えば割ったガラス窓くらいの静寂に包まれた廃墟の姿。
GM:====
GM:ある【情報】が更新されました。
GM:====
GM:第一サイクルを終了します。
GM:第二サイクルを開始します。

【目次へ戻る】

【第二サイクル:巳六針助】

GM:【第二サイクル:巳六針助】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
巳六針助:じゃあ……はい!黒戸さんとすさびまるさんと一緒に出たいです
GM:おお
黒戸 三四:やん
黒戸 三四:出ますよ~
遊火丸 クヲン:hou
遊火丸 クヲン:出るよ
GM:ではシーン表を振りな~
巳六針助:行くぜ行くぜ
巳六針助:CST 都市シーン表(8) > 古びた劇場。照明は落ち、あなたたちのほかに観客の姿は見えないが……。
巳六針助:げきじょー!
GM:====
GM:──篠伏町・劇場『激情』
GM:繁華街のはずれに建つ、古びた劇場である。
GM:悪ふざけで付けられたとしか思えない名前だが、昔ながらの観劇を愛する住民には親しまれているようだ。
GM:それでも早い時間帯には、清掃員の影すらない。
GM:空調の音が聞こえる。
巳六針助:少年が、最前列の座席に身を沈めている。表情はうかがい知れない。
遊火丸 クヲン:──その斜め後方に浅く腰かけ、肘置きの先にあるボトルケースの縁を指でなぞりながら
遊火丸 クヲン:「───で、要件は?」
黒戸 三四:座席に膝立って、ひょっこりと頭を覗かせている。
黒戸 三四:「デートのお誘いにしては、随分と早い時間帯だね」
巳六針助:「男の子が自分の過ちを顧みるには、丁度いい時間でしょ」
巳六針助:「静かだから色々考える時間もある。夜みたいに眠くならないし」
遊火丸 クヲン:「何?随分と自罰的じゃない。さっきの事まだ引き摺ってるの?」
遊火丸 クヲン:料亭での一件について言っている。
巳六針助:「……正直」
巳六針助:「スゲ~~引きずってる!本当悪かった黒戸さん!」
巳六針助:「……誰にでも、秘密がある。忍者はそれを暴かなきゃ生きてけない。そういう生き物なんだって、今は解る」
巳六針助:「多分、それをどう使うかに『信念』って出るんだろな……」
黒戸 三四:「………」やや呆気にとられて。
黒戸 三四:「ふふふ」からっと笑ってみせる。
黒戸 三四:「いいさ、全然気にしてない。……というか」
黒戸 三四:「ああいう、君の反応が見たくてやってみせた所も無くはないし……」
巳六針助:(……)
巳六針助:(ん~~~~????)若干ドギマギする。
黒戸 三四:「ま、それに」
黒戸 三四:「疑ってかかる、といった君の台詞に。それでいい、と私は返した筈だろう」
巳六針助:「うん。あれ、嬉しかったけど……」
黒戸 三四:「あの時は、君は確かに。私のやり方は間違ってる、と思ってたけど」
黒戸 三四:「今はまた、違った思いが、考えがある。なら、それでいいじゃん」
遊火丸 クヲン:(…………”ポーズ”、ねぇ)先日の会話を反芻する
遊火丸 クヲン:(ま、人の本心なんて、何十年生きてても分かったもんじゃないけど。)
巳六針助:「……ありがとな、黒戸さん」
巳六針助:「そうなんだよなあ。『疑う』って……だって、自分の価値観だって疑わないとズルじゃん、それは」
巳六針助:「聞いてくれよ、オレ、他の人にさ。『そのままで居てね』って言われたんだけど」
巳六針助:「”自分”に何の疑いもなくに、ただボサっと自分のままで居るのって……それって、『疑わない』のと何が違うんだ?」
巳六針助:「だから、オレはさ――」
巳六針助:遊火丸さんの【秘密】を調査するために判定したいです。
遊火丸 クヲン:きたわね
黒戸 三四:なるほどね。
GM:指定特技を宣言してください!
巳六針助:針術で判定。黒戸さんの手口は一度目にしています。
黒戸 三四:ほぉ~~ん。やるじゃないか
GM:なるほどねえ 果たして通用するかな?
GM:感情修正はありますか?
巳六針助:黒戸っち…感情修正…くれないっピ?
黒戸 三四:どうしよっかな~
黒戸 三四:choice[あげる,あげない] (choice[あげる,あげない]) > あげない
巳六針助:アア~~~ッ
黒戸 三四:実力見せてみな!
遊火丸 クヲン:フラれたね…
巳六針助:ンギィ~~~~
巳六針助:惚れ直させてやる!
GM:どうぞー
巳六針助:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
巳六針助:おっぶね
黒戸 三四:ポッ
巳六針助:ヘッ…
遊火丸 クヲン:おのれ~~
GM:えーと、では遊火丸さんの【秘密】が黒戸さんと矢鳴さんにも共有されますので
GM:全体公開ですね。

・PC3の【秘密】
『伏竜会』は影の世界へのコネクションを持っている組織ではない。
それでもあなたが繁華街に訪れ、依頼を受けたのは別に理由があるためだ。
あなたは比良坂機関、麝香会総合病院から、盗み出された「アンプル」を回収する密命を受けている。
何らかの試料を封じた「アンプル」であるらしいが、詳しい内容は知らされなかった。

盗人の名は憂野ユチカ。隠忍の血統に所属し、テロ活動を幾度となく首謀してきた危険人物である。彼女の足跡はこの繁華街で途絶えている。
『伏竜会』の名を借りれば、繁華街の内情をスムーズに調べることができるだろうと踏んだあなたは、彼らの依頼を受けることにしたのである。

あなたの【本当の使命】は、「アンプル」を確保することだ。

██し、追跡の██████チカの策████████████████自身が████████████████。

黒戸 三四:ヒヒヒ
巳六針助:仲良くやろうや
GM:では〆のロールをどうぞ。
巳六針助:「だから、オレはさ――」
巳六針助:影に棲む蛇のように、その挙動がブレる。
巳六針助:ぴ  っ
巳六針助:……座席に座っていた巳六針助――そのように見せかけていたマネキンが、かろ、と音を立てて崩れ落ちた。
巳六針助:経験を積んだ長命の忍び、遊火丸クヲンこそが最も警戒すべき相手だった。故に、最大最初の術を仕掛ける。
遊火丸 クヲン:「───」
巳六針助:「……遊火丸さんを、巻き込むことにしたんだ」
巳六針助:裁縫技術による即席の人形。そして、薄暗い劇場という『地の利』が味方する――影への同化技術を絡めた合わせ技。
黒戸 三四:「驚いたなあ」
黒戸 三四:「君、本当にただの蛹?」くすくすと笑う。
遊火丸 クヲン:「………あら、強欲ね。両手に花じゃ満足出来ない?」
巳六針助:黒戸三四が以前見せた動きを踏襲、改良し、彼女の心の『最も柔らかい部分』に針を共振させた。
巳六針助:「小市民だと思ってたんだけど、案外欲張りなんかも」
巳六針助:「オレはオレのことをどんどん知って行ってる。だからちょっとずつだけど、色んなものが見えてくる」
巳六針助:「その中でオレがオレのままで居るには、やっぱりさ……壊れたものがあると、ダメなんだ」
巳六針助:「皆幸せにならないと」
巳六針助:針を旋回させ、袖口に仕舞う。
遊火丸 クヲン:「ふぅん」
遊火丸 クヲン:「アンタも」
遊火丸 クヲン:「諦めない人なんだ」
遊火丸 クヲン:歯を見せるように笑って、すぐに元の不機嫌そうな表情に戻る
巳六針助:「うへへへ」年相応の表情で笑う。
遊火丸 クヲン:「ま、別にいいわ。バラすなら本当はもう少し」黒戸三四の方を見て
遊火丸 クヲン:「……アンタの事利用してからにしたかったけど」
遊火丸 クヲン:自身の【秘密】について話します
黒戸 三四:「泣いちゃいそうだぜ、全く」
黒戸 三四:「それにしても、うーむ」
巳六針助:「マジか~……」
遊火丸 クヲン:「あら、何か思う所でもあるの?」
遊火丸 クヲン:あると分かっていて聞いている
巳六針助:「ズルい大人だなあ~」苦笑。
黒戸 三四:「幾つかありましょうとも、ええ」ノリノリで答えて見せる。語りたがりなのだ。
黒戸 三四:「アンプルについて、と」
黒戸 三四:「隠忍を抜けた筈の、憂野くんが。わざわざ危険を冒して、それを盗んでみせた理由と」
黒戸 三四:「“ノイズ”ですね」
黒戸 三四:「基本的に、我々のような存在は。秘匿したいと、どれだけ願う情報であっても」
黒戸 三四:「同じ忍び相手に、それが通用するのは難しい」
遊火丸 クヲン:「今私がしてやられたように、ね」
巳六針助:……そうだ。朧気ながら理解できる。本来ならばこの間まで”蛹”ですらなかった忍びが、練達の”不死者”を出し抜けるわけがない。
巳六針助:構造上の欠陥なのだ。忍者と言う存在が、秘密を巡って殺し合うように設計されたかのように。
巳六針助:「”情報収集専門の忍者”ってのが居ないのも、多分それが原因だよな」
巳六針助:「”バレてからが本番”だから」
黒戸 三四:「そういうこと」
黒戸 三四:「しかし、遊火丸さんの話を伺ってみて、どうだった?」
黒戸 三四:「話している本人ですら、要領を上手く得ていないような部分があったろう」
遊火丸 クヲン:「私も、随分とお里に貢献してきた自負はあるのにね」
遊火丸 クヲン:「詳しい事は知らされてないの」
遊火丸 クヲン:自虐するように、鼻で笑いながら
巳六針助:「だからこそ、結びつける縫い代もある。そうでしょ」
遊火丸 クヲン:「まぁね」
遊火丸 クヲン:「よりによってアンタにバレた以上、矢鳴にまで話は行くでしょ。」
巳六針助:「やっぱセットで見られてんだ……」
黒戸 三四:「忍びが縁を結ぶというのは、得てしてそういうものさ」
遊火丸 クヲン:「ま、これである意味私は潔白。もう隠してる事もないしね。」
遊火丸 クヲン:「次に疑うべきなのは誰かしら?」
遊火丸 クヲン:くつくつと笑う
巳六針助:頷く。「憂野さんが”アンプル”を持ってるなら、黒戸さんと遊火丸さんの目的は……少なくとも、一致してるッスよね。それに」
巳六針助:「オレも『ライカン』を追わないといけない事情ができた。詳しくは言えないけど」
黒戸 三四:「“アカリさん”も、これくらい意地悪なのかな」釣られるように笑って。
遊火丸 クヲン:少しむっとして
遊火丸 クヲン:「ちょっと、仕事中じゃないのにその名前で呼ばないで」
黒戸 三四:「失礼しました」ふふふ、と口元は歪めたまま。
黒戸 三四:「表面上は、そうだね」巳六くんの言葉に。ぽつりと言葉を残す。
巳六針助:「それでも、良い」
巳六針助:「オレは疑う。色々考えるよ。だから、黒戸さんは……最後に信じてくれるだけで良い」
巳六針助:「……貴女がそれだけしてくれれば、オレ、頑張れる気がするんだ」
巳六針助:そう言って、耳元に手をやる。そこにあったイヤホンは、もう既に見当たらないだろう。
巳六針助:「二人とも、また連絡する。必ずだよ」
巳六針助:「”運が良ければ”、オレの方から迎えに行く」
巳六針助:くしゃりと笑って、劇場の影に溶ける。
遊火丸 クヲン:座席で頬杖をついたまま、火の粉が散るように、その姿が薄暗い闇の中に消えていく。
黒戸 三四:薄暗い明かりの下、初めからそこに、何も居なかったかのような。その場所をじっと見つめて。
黒戸 三四:「さんざ、考えるのをやめんな、とか。疑ってかかれ、とか。偉そうに講釈垂れてた分際で」
黒戸 三四:「わかった、信じるね。なんて台詞。簡単に言えないよなあ」天井をぼうっと仰ぐ。
黒戸 三四:「でも、ふふ。そうだな。結構、男前は、上がってきてるかもね」
黒戸 三四:「プロとして。遊火丸さんの意見を伺いたかったなあ」
遊火丸 クヲン:パチパチ と、柏手を打つような焼失音だけが、静まり返る劇場に反響していた。

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【第二サイクル:黒戸三四】

GM:【第二サイクル:黒戸三四】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
黒戸 三四:登場希望は遊火丸さん・矢鳴さんで。
遊火丸 クヲン:出るよ
矢鳴ヤモリ:出 出
黒戸 三四:都市シーン表ふるぜ~
黒戸 三四:CST 都市シーン表(4) > 橋の上にたたずむ。川の対岸を結ぶ境界点。さて、どちらに行くべきか……?
黒戸 三四:ほほう
遊火丸 クヲン:橋だ
GM:====
GM:──篠伏町・潜追大橋。
GM:浜に繋がる河に掛かる大橋である。近年修繕された白い肌は、住民の注目を集めている。
GM:急ぐように車が通り抜ける、風のうねりの中に、その忍びは立っていた。
黒戸 三四:橋の縁の上で。一人の少女が虚ろな目で河下を覗いている。
黒戸 三四:風に揺れる黒髪を鬱陶しそうに耳にかけながら。
黒戸 三四:ふ、と吐く溜息は。誰にも聞こえる筈のないものだと思っていたが。
遊火丸 クヲン:「何、ポエミーな趣味でもあんの?アンタ」
遊火丸 クヲン:手にコンビニの袋をぶら下げた女が、相変わらずの口調で声をかける
黒戸 三四:「ぎゃっ」
黒戸 三四:ふらついた足を何とか止め、そっと声の主の方へと降り立ってみせる。
黒戸 三四:「………は、恥ずかしい」
黒戸 三四:「別にいいじゃないですか。私にポエットな趣味があっても」
黒戸 三四:「こうして思案に暮れ、黄昏るやつを、偶にやりたくなるのですよ」
遊火丸 クヲン:「別にどうとも思わないわよ。年頃のガキんちょがやる事なんか」
遊火丸 クヲン:「ただちょっと面白かっただけ」悪戯っぽく笑う
矢鳴ヤモリ:「そなんだ、てっきり魚でも捕まえようとしてんのかと」音もなく、そこにいる。
黒戸 三四:むっ、としつつ。新たな人影の方へと顔を向けて。おっ、と目を輝かせる。
遊火丸 クヲン:「あら、盗み聞き?良い趣味してるわね」矢鳴に向けて
矢鳴ヤモリ:「いやいや、ヤモさんのが先よ先」
矢鳴ヤモリ:そう言ってアーチの頂点を指差す。
矢鳴ヤモリ:「人の流れを見てたんよね~~、したらさ、このお嬢さんがやってきて……うひひ」
黒戸 三四:「………」
矢鳴ヤモリ:「へっへっ」
遊火丸 クヲン:「そう。鞍馬の体術は相変わらずよく分かんないわね」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにもあったなぁ、お腹すきすぎて河川でスズキを狙ったこと……って」
矢鳴ヤモリ:「ボラしかとれなかったんだけど」
遊火丸 クヲン:「じゃあ、今日の釣果は?」
矢鳴ヤモリ:「忍びが二匹」
遊火丸 クヲン:「何の捻りもないわね」橋の欄干にもたれかかるようにして、上部を見上げる
矢鳴ヤモリ:「回りっくどくておしゃれな言い回しはそこのお嬢さんに任せるよぉ、ずっとそういうの考えてたんだろお、お魚じゃなしに」
黒戸 三四:「針を飲ますのは私の分野なんだけど……」こほん、と咳払い。
黒戸 三四:「ともあれ、“恋庵”ぶりですね、矢鳴さん。ご無沙汰しております」
矢鳴ヤモリ:「あいよ、ご無沙汰」
黒戸 三四:「プライベートでお仕事の話を想像させると、やや不機嫌になってしまう遊火丸さんとは。何度かお話させていただいていたんですけれど」
遊火丸 クヲン:おのれ といった目で君をじろりと見つめる
矢鳴ヤモリ:「へ~~」
遊火丸 クヲン:「……はぁ。もう、別にいいわよ。」
遊火丸 クヲン:「どうせ、”それ以外”も筒抜けなんでしょ?」
矢鳴ヤモリ:「こっちがサブなんだ、おねーさん」
矢鳴ヤモリ:「色々波乱万丈をお持ちのようで」
矢鳴ヤモリ:「忍びのしごとなんて結局切った切られたで実際にゃあんまバラエティなんてないものねえ」
矢鳴ヤモリ:「やっぱメインが別にあると良いよねえ」
矢鳴ヤモリ:「お嬢さんも女子高生をメインにして満喫しとくんだぞぉ」
黒戸 三四:「それはもう。退屈とは全く無縁の学生生活を謳歌しています」
黒戸 三四:「気になって止まないクラスメイトも出来ましたしね」
矢鳴ヤモリ:「そうそ、先日はうちの暫定可愛いお弟子が蛹の分際でしっかりと忍びっぽいご迷惑をおかけしたようで」へらへらと遊火丸クヲンに笑いかける。
矢鳴ヤモリ:「お陰で一歩前進てね」
遊火丸 クヲン:「そうね。手が早い所なんか暫定師匠そっくりじゃないかしら」
遊火丸 クヲン:「アンタみたいな節操無しにならない事を祈るばかりよ」
矢鳴ヤモリ:「そんなあ、この通りヤモさん状況を見守るばかりでまだ誰にも手を出せてやしない有様で」
矢鳴ヤモリ:「知ってることがあればもっと色々教えてほしいなー、なんて」
黒戸 三四:「ふふふ、ミシンくんに嫉妬してしまうなあ。鬼衆さんに、あなたのような腕前の忍びを師に持てるなんて」
矢鳴ヤモリ:「え、そこに嫉妬してんの?見る目なあい」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんはともかくきーやんは師匠とか全然向いてない女だぜ」
黒戸 三四:「そうなのですか? 不器用ながらも、真摯に彼を導いているって印象だったけどなあ」
矢鳴ヤモリ:「お使いの材料伝える以前に自分が何食べたいのかすらうまく言葉にできないような奴なんだからさあ」
矢鳴ヤモリ:「店に行き……カゴをとればおのずとわかる……みたいなこと真顔で言うんだぜ」
矢鳴ヤモリ:「少年もヤモさんに目をつけられてほんと運がいいよなー、師がアレだけじゃあ右往左往よう」
遊火丸 クヲン:「今も、どっち向いたらいいのか分かってなかったりしてね」
黒戸 三四:「彼がこの先、“そのまま”で居られるのかどうか」
黒戸 三四:「興味は尽きて止まないし、私も背中を押してあげたいけれど」
矢鳴ヤモリ:「やー、そりゃ無理っしょ」
矢鳴ヤモリ:「"もう"変わってしまったんだし、変化は避けられない、そでしょ?」
矢鳴ヤモリ:「ただ、”そのままであろうとする”ことはできる」
矢鳴ヤモリ:「そうあって欲しいなーって」
矢鳴ヤモリ:「お嬢さんもおんなじだったり?」
遊火丸 クヲン:……別に、その言葉に意外性はない。自分も同じ考えではあるからだ
黒戸 三四:「………」
矢鳴ヤモリ:「期待してるかい、少年に?」
矢鳴ヤモリ:「預けちゃう?何かを?コッソリ、重ねて、託して」
矢鳴ヤモリ:「自分自身への期待は、あるのかなあ……まだ若い身空だってのにあんなぼんやり河なんて眺めちまってさあ」
黒戸 三四:「いいえ」
黒戸 三四:「体やこころは一定の状態を保つことこそが健康である、というのは」
黒戸 三四:「西洋の方の考えですからね。私の学んでいる価値観じゃない」
黒戸 三四:「先ほど、あなたが言葉にしたのと、同様に」
黒戸 三四:「体も、こころも。全てのものは、絶えず変化している」
黒戸 三四:「それが停まってしまったとき」
黒戸 三四:「初めて、人は。病に冒されてしまう」
黒戸 三四:「変化は、成長と置き換えてもいいのかな」
矢鳴ヤモリ:「あは~~~」
黒戸 三四:「期待してるのは、まあ本当ですよ」
黒戸 三四:「でもね。それも、私の目的を害さない範囲でまで、ですから」
矢鳴ヤモリ:「成長ってのは、そんな良いもんかねぇ」
矢鳴ヤモリ:「悪性腫瘍だって、ありゃあ言ってしまえば成長だ、そだろい?」
矢鳴ヤモリ:「そして、"ここ"には毒が満ちている」
矢鳴ヤモリ:「なんもよ、難しいこと考えずにいられるってのは尊いことなんだぜえ、お天道様の下でよお」
矢鳴ヤモリ:「なあ、そうは思わんかね、不知火のおねーさんよう」
矢鳴ヤモリ:「あんた、ずいぶん暗がりに引きずり込んだみてえじゃねえかい」
遊火丸 クヲン:「そうね。現在進行形でね」
遊火丸 クヲン:「でも、だからって何も考えず、アンタに同意を示すつもりも、仔細を話すつもりもない。」
遊火丸 クヲン:「アンタも人の話聞くばっかりじゃ疲れるんじゃない?」
遊火丸 クヲン:「そろそろ自分の事でも話したら?」
矢鳴ヤモリ:「ええ~?んなこと言ったって」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんにあるのは銃と、借金と、依頼くらいなもんでよお」
遊火丸 クヲン:「別にいい事なんてなかったでしょ?」
遊火丸 クヲン:「揚げ足ばっかり取る人生なんて」
矢鳴ヤモリ:「んひひ、怒らせちまったか?」
遊火丸 クヲン:「さぁね、どうかしら」口の端を吊り上げる
矢鳴ヤモリ:「こわいこわい、ささっと退散といきたいところだが」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんも女学生相手に大人気なかったかもだ、教えてやっても良い」
矢鳴ヤモリ:「お嬢さんに”上手に話させる”ことができるならできるなら、だけどよ」
矢鳴ヤモリ:「おっと、おねーさんは無しだぜ」
矢鳴ヤモリ:「百戦錬磨だろ?商売上」
矢鳴ヤモリ:「それにヤモさんの好みは年下だい」
遊火丸 クヲン:あらそう、仕方ないわね とでも言うように肩をすくめる
黒戸 三四:「ふふ。寧ろ、私の下らない蘊蓄を耳にしてくださって。こちらとしては感謝の言葉を述べたいところだったのですけれど」
黒戸 三四:「じゃあ、お言葉に甘えてみようかな」
黒戸 三四:ジャージの内側、腿の辺りに仕込んだ針を抜く。
黒戸 三四:長さにして一寸ほどの毫鍼。慣れた手付きでくるりと回し。
黒戸 三四:己の、眉の内側、攅竹と呼ばれる箇所へと刺していく。
黒戸 三四:眼球がぐるりと回り、瞳孔が開く。
黒戸 三四:矢鳴ヤモリと交わした視線を通じ、奥深く。彼女が確かに視た、“彼の姿”を覗き込む。
黒戸 三四:秘密を調べたいとおもいます。対象は浦内獅子雄さん。
黒戸 三四:指定特技は《記憶術》
GM:どうぞ!
黒戸 三四:やってやるよ!
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:記憶術) (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
黒戸 三四:?
巳六針助:?
矢鳴ヤモリ:刺しどころ悪かったんじゃない?
遊火丸 クヲン:www
GM:ふふ
黒戸 三四:クソッ!もう一回!
GM:何ッ!?
黒戸 三四:悲しいが神通丸を切ります。
GM:いいのかい
矢鳴ヤモリ:なにもなかった、いいね?
黒戸 三四:失敗するにしてもファンブルはちょっとね…
GM:ゆけゆけ
system:[ 黒戸 三四 ] 忍具:3 → 2
黒戸 三四:泣きの一回!
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:記憶術) (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
黒戸 三四:だめだこりゃ
GM:草
矢鳴ヤモリ:ポエミー言われて思いの外動揺してたようだな
矢鳴ヤモリ:だが、きみはそれでいいんだぞ、若いんだからな
黒戸 三四:これが若さか……
GM:では若さの苦みを噛み締めつつ〆どうぞ
黒戸 三四:ばちり、と痺れるような感覚。
黒戸 三四:目元から赤色のものが、どろりと頬を伝う。
矢鳴ヤモリ:「ひひ」
矢鳴ヤモリ:「素直にヤモさんのことだけ知りたがってりゃいいものを」
矢鳴ヤモリ:「あの男は"罠師"だぜ?」
黒戸 三四:「ちょっと驕ってたな」ぺろり、と流れ出たそれを舐めて。
黒戸 三四:「あなたの言った通り」
黒戸 三四:「柄にもなく、深く考えずに直感で選んでみたんですけれど」
矢鳴ヤモリ:「しっかし、だろうなとは思っていたが……仕掛けてあったか、このヤモさんの中にしっかりとよ」
矢鳴ヤモリ:「こうして仕掛けが跳ねるまで全然気づけないたあ驚きだ」
矢鳴ヤモリ:「なあに、いいさいいさ」
矢鳴ヤモリ:「命があるんだ、大抵のこたあ構うことはねえ」
矢鳴ヤモリ:「若いんだ、失敗は経験だと考えるといいさ」
黒戸 三四:「教訓としましょう」
黒戸 三四:「負け惜しみみたいですけれど。この判断は私、間違ったとは思っていません」
黒戸 三四:「浦内さん……あと場合によっては、伏竜会も、になるのかな」
黒戸 三四:「あなたを敵に回すことを考えたら、彼らの方がまだ幾分かマシそうですもの」
黒戸 三四:「余計なやっかみを買って、あなたに追い回されることを想像しただけで肝が冷えます」
矢鳴ヤモリ:「そりゃ買いかぶりってもんよ」笑う。
矢鳴ヤモリ:「ケチな借金を繰り返す、手前の身体一つ満足に動かすことも難しい落ちこぼれ」
矢鳴ヤモリ:「それが矢鳴ヤモリってもんさ」
矢鳴ヤモリ:「さあて、これもお嬢さんが体張って教えてくれた貴重な"情報"にはちげえねい」
矢鳴ヤモリ:「あの男、どこまで信用して良いのやら」
矢鳴ヤモリ:「こんなもん仕込んで、はじめっから対等な依頼のつもりが無かったって言うなら……ヤモさんも身の振り方を考える必要があるのかもねえ」
矢鳴ヤモリ:「本人がここにいない以上、真意は知れねえけどなあ」
黒戸 三四:「ふふ。その際はすぐにご連絡を」
黒戸 三四:「良い待遇を約束しますよ。私、こう見えて結構、懐には余裕があるので」
黒戸 三四:「遊火丸さんほどには、及ばないかもしれませんが」
遊火丸 クヲン:「持て余すのも考えものよ」
矢鳴ヤモリ:「ばあか、ガキにタカるかよ」
矢鳴ヤモリ:「と、言えるような人格してりゃこうも借金は繰り返さねえ」
矢鳴ヤモリ:「そのときゃアテにしちまおっかねえ」
黒戸 三四:「是非に。その気がなくとも、ご飯くらいなら、いつでもご一緒させて頂きますよ」
黒戸 三四:「そういえば、この辺り、丁度美味しいお魚を出す店が────」
矢鳴ヤモリ:「え、何?奢り?いやあ、この辺詳しくなくってさあ!」恥ずかしげもなく。
矢鳴ヤモリ:「いや、流石に高校生に奢らせるのは見た目がよろしくねえか?おねーさんも行きません?ヘヘ」どういう意図かを隠すつもりもなさそうに 
遊火丸 クヲン:「へぇ」
遊火丸 クヲン:「酒でも飲ませれば、何か面白い話が聞けるのかしら」
矢鳴ヤモリ:「ヘヘぇ、ヤモさんはそりゃあもう酒を飲ませれば飲ませるほど色々喋るって評判なモンで」もはや揉み手寸前の手を構え。
黒戸 三四:「ふふふ」おかしくてたまらない、という風に笑って。
黒戸 三四:「私たちみたいな存在にとって。いい事なんて、ある方がずっと珍しいですが」
黒戸 三四:「今日。あなた方とあった、この日は。“よい事”だと」
黒戸 三四:「後で思い返せる日が来ると、いいですね」

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【第二サイクル:遊火丸クヲン】

GM:【第二サイクル:遊火丸クヲン】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
遊火丸 クヲン:登場希望は黒戸さんと従者で
黒戸 三四:むっ! 了解です
遊火丸 クヲン:CST
遊火丸 クヲン:CST 都市シーン表(11) > 見知らぬ天井。いつの間にか眠っていたのだろうか?それにしてもここはどこだ?
黒戸 三四:同衾かな?
遊火丸 クヲン:ヤッたんか?
GM:ヤったな
遊火丸 クヲン:前のシーンで三人と飯食って、矢鳴さんと別れた後みたいなシチュエーションがいいです
GM:了解です。
GM:====
GM:──篠伏町・宿泊所『サラスヴァティ』
GM:繁華街の喧騒から一息つくことができる施設である。料金も安い。
GM:二人用のベッドは清潔な白を湛えているが、どことなく貼りつくような摩擦を感じる。
GM:装飾の凝った天井があなたたちを見降ろしていた。
遊火丸 クヲン:「…………あの女ぁ」
遊火丸 クヲン:ほんのりと紅潮した頬、頭を押さえるようにしてベッドに腰かけている
遊火丸 クヲン:「チッ……潰すつもりだったけど、羽目外し過ぎたわ」
遊火丸 クヲン:忌々しそうに顔をしかめる。根は負けず嫌いだからだ
黒戸 三四:「ははは。あんなに空いた瓶の数々が山を成していくのを見るのは私、初めてでした」
黒戸 三四:その隣のベッドで、足をぶらぶらとさせながら涼しげに笑う。
遊火丸 クヲン:「それでガキんちょに世話されたんじゃ笑えないでしょ」
黒戸 三四:「松来さんが不憫でならなくて……」涙を拭くポーズ。
遊火丸 クヲン:「………別にアンタが気を遣う必要なんてないでしょ」
遊火丸 クヲン:そして、手首を返すように腕時計を見て
遊火丸 クヲン:「まぁ、確かに」
遊火丸 クヲン:「そろそろ戻ってくるかもね」
松来 嘉平(従者):見図ったかのように、部屋の扉が開く
松来 嘉平(従者):じゃあここで判定します
松来 嘉平(従者):対象は黒戸さんの秘密
黒戸 三四:キャッ
松来 嘉平(従者):判定は従者が行います。【潜伏術】で
GM:どうぞ!
松来 嘉平(従者):頼むぞダイス
松来 嘉平(従者):2D6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
松来 嘉平(従者):よし
黒戸 三四:やるじゃないですかあ……
遊火丸 クヲン:そして、従者から情報を受取ります
GM:はあい
GM:送りました
遊火丸 クヲン:はーい
遊火丸 クヲン:なるほどね
GM:ではロールどうぞ
松来 嘉平(従者):「────頼まれていたものです」書類を渡す
遊火丸 クヲン:「ご苦労様、仕事が早くて助かるわ」それを受取る
黒戸 三四:興味深そうにそのやり取りを眺めている。
遊火丸 クヲン:それをザっと眺めた後
遊火丸 クヲン:ボゥ という音と共に、焼却する
黒戸 三四:「ふふふ、ここは火気厳禁ですよ」
遊火丸 クヲン:「コンビニなんかね、普通は私の足で行かないの」手元の袋をこれみよがしにクシャクシャと鳴らして
遊火丸 クヲン:「いつもは、嘉平に行かせてるから」
遊火丸 クヲン:「でも訳あって、少し前から他所に出向してもらっててね」
遊火丸 クヲン:「仕方ないから、私が買い出しに出てたって訳」
遊火丸 クヲン:袋から、手の熱で溶けないタイプのチョコレートの袋を取り出し、一つ口に放り込む
黒戸 三四:「遊火丸さんの仰る通り」
黒戸 三四:「気を遣う必要なんて、なかったかな?」
遊火丸 クヲン:「食べる?」それを、黒戸にも差し出す
黒戸 三四:「いただきましょう」そっ、とひとつまみ取って。特に気にする様子もなく、口に運び入れる。
黒戸 三四:「甘いなあ。チョコレートなんて久しぶりです」
遊火丸 クヲン:「あら、女子高生こそこういうのが好きと思ってたんだけど」
遊火丸 クヲン:と、一息間を開けて
遊火丸 クヲン:「────似てると思わない?アンタと私の立場」
黒戸 三四:もはや灰すら残っていない、そこに記載されていたであろうものが。何についての情報なのか。疑う余地などなく。
黒戸 三四:「表向きならいざ知らず。今は、確かに」
黒戸 三四:「特に、共通しているであろうことは」
黒戸 三四:「何にせよ、私とあなたは。“憂野ユチカ”の足取りを追わなければならないということ」
遊火丸 クヲン:頷く
遊火丸 クヲン:「そして、このままいくと敵に回るのは────」
遊火丸 クヲン:「ま、それも立ち回り次第だけど」
遊火丸 クヲン:「少なくとも、この件に関わっている者の中だと、現状私だけがアンタに直接不利益を与える事が出来る」
黒戸 三四:ふう、と息を吐く。
黒戸 三四:「嫌だ、ってお願いしたら、やめてくれます?」
遊火丸 クヲン:「私の目的が果たせれば、ね。」
遊火丸 クヲン:「───だから」
遊火丸 クヲン:ずいっと、瞳を覗き込むように顔を寄せる
遊火丸 クヲン:「二人で、力を合わせましょう?」
黒戸 三四:この世のものとはとても思えないほど、美しく。爛々と輝く紅い瞳に。
黒戸 三四:濁りきった、己の黒々とした瞳が写っている。
黒戸 三四:「私たちの目的は、非常に似通っている」
黒戸 三四:「けれど、決して。“同じ”ではない」
黒戸 三四:「私、戦いたくないな、と思うのは矢鳴さんですけど」
黒戸 三四:「誰を敵に回すか、って考えるとね。あなたが一番、恐ろしい」
遊火丸 クヲン:「あら、そう。」
遊火丸 クヲン:その額に、軽く口付けをする。アルコールの匂いの混じった吐息が、黒戸の鼻孔を軽くくすぐって
遊火丸 クヲン:「………忘れちゃ嫌よ、アンタが仕事を熟せるかどうかは、私に懸かってる」
黒戸 三四:きょとんとした顔の後。
黒戸 三四:「むぅ」
遊火丸 クヲン:「そして私も、仲間は多い方が良い」
遊火丸 クヲン:「───”お互い様”って事で、これからも御贔屓に♡」
黒戸 三四:「………ううん」
黒戸 三四:「私、あんまり。私の知っている遊火丸さんと。“アカリさん”のイメージが合致しなかったんですけれど」
黒戸 三四:「でも、流石本職だ。思わずドキッとしてしまいました」
黒戸 三四:「そっちの趣味、ないと思ってたんだけどなあ、私」
遊火丸 クヲン:「ちょっと止めてよ、私も別にないわよ」
黒戸 三四:「ええ」
黒戸 三四:「なきゃ、チューなんてしなくないですか?」
遊火丸 クヲン:「あはは」
遊火丸 クヲン:「スれたようで、ポエミーだったり初心だったり」
遊火丸 クヲン:「ほんと、私が捨てたものばっかり持ってて羨ましいわ。」
黒戸 三四:「………」
黒戸 三四:「どれもこれも、この街で拾ったり、頂いたものですから」
黒戸 三四:「ヘンテコなモノだったり、場所だったり。お世辞にも、治安もあんまりよろしくなかったりするけれど」
黒戸 三四:「これでもね、私。この街は結構、大事に思っているんですよ」
黒戸 三四:「だからね」
黒戸 三四:「私。何だって、やってみせますよ」
遊火丸 クヲン:「…………」
遊火丸 クヲン:「そ。」
遊火丸 クヲン:何か言葉を続けようとして開けた口に、再びチョコレートを放り込み
遊火丸 クヲン:「アンタの頑張り次第じゃ」
遊火丸 クヲン:「”そっちの趣味”に目覚める可能性だってあるかもね」
遊火丸 クヲン:手近なテーブルに、コンビニの袋を置いて
遊火丸 クヲン:「じゃ、おやすみー」
黒戸 三四:「あ、こら」
黒戸 三四:「歯は磨いて寝てください」
遊火丸 クヲン:「えー?めんどくさーい」
黒戸 三四:「それと、いくらアルコールの分解速度に優れているであろうからといって、やはり先程は少々飲み過ぎですよ」
黒戸 三四:「普段は出不精なのも感心しませんね。普段より、適度な運動をおすすめします」
黒戸 三四:「病は気から、ですからね」
遊火丸 クヲン:はぁ とため息を吐く
遊火丸 クヲン:「口は災いの元、ね」
遊火丸 クヲン:「嘉平」
松来 嘉平(従者):「はい、こちらに」二人分のトラベルグッズをポン と置いて
松来 嘉平(従者):「では、私はこれで」
松来 嘉平(従者):風に攫われるように、その場から立ち去る
黒戸 三四:「どうも、お疲れ様です」ぺこりと頭を下げて。
黒戸 三四:「……おや、二人分?」
遊火丸 クヲン:「はぁ?人に言っといて自分は何もしないって事ないでしょう?」
遊火丸 クヲン:「私が磨くんだから、アンタも歯磨いて寝なさいよ、じゃあね」
遊火丸 クヲン:そう言うと徐に立ち上がり、洗面台の方へと足を向ける。
黒戸 三四:「………」
黒戸 三四:「やっぱり、敵わないなあ」
黒戸 三四:苦々しく呟いた、正面の姿見に映った己の表情は。少しだけ、微笑んで見えた。
遊火丸 クヲン:────さて、後は
遊火丸 クヲン:この情報を、このまま彼女を縛る鎖として使うか
遊火丸 クヲン:それとも、魚を釣る餌に使うか
遊火丸 クヲン:(どうしましょうかね)
遊火丸 クヲン:シャカ シャカ シャカ
遊火丸 クヲン:光の下 交わらぬ相手 水気を含んだ擦過音
遊火丸 クヲン:誰にも知られぬ思いと共に
遊火丸 クヲン:その夜は深く、更けていく。

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【第二サイクル:矢鳴ヤモリ】

GM:【第二サイクル:矢鳴ヤモリ】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
矢鳴ヤモリ:登場希望は鬼衆ヤツル、シーンは……
矢鳴ヤモリ:666番、で。
GM:はあい
GM:====
GM:──篠伏町・██
GM:錆びた鉄格子。打ち捨てられた鍵。地下に続く階段。
GM:その先に、じめとした空気が流れている。
GM:だが、その空間は奇妙に清潔を保っていた。埃や黴に侵されることなく、ただ停滞している。
GM:シャーレ、冷蔵庫、何かの溶剤。そして乱雑に放置された資料。
GM:消毒液の匂いが鼻を突いた。
GM:矢鳴ヤモリは、【プライズ】「銀のケース」を獲得します。
矢鳴ヤモリ:もーらい。
鬼衆ヤツル:「──わざわざ、ここに呼びつけるか」
鬼衆ヤツル:矢鳴が下ってきた階段の上、逆光を受けた影がある。
鬼衆ヤツル:「今度は何をねだるつもりだ、矢鳴?」
矢鳴ヤモリ:この空間に似つかわしくない調子外れの鼻歌――流行りのポップソング。
矢鳴ヤモリ:「呼びつけ、っちゃあ呼びつけか」
矢鳴ヤモリ:「わざわざ侵入したことを教えるように動いたからな」
矢鳴ヤモリ:「馴染みの顔だ、嬉しいねえ」
矢鳴ヤモリ:「嬉しいかね?」一呼吸置いて、首を傾げる。
鬼衆ヤツル:「……嬉しい、とは異なっているが」
鬼衆ヤツル:「ある種の到達は感じている」
矢鳴ヤモリ:「ま、それはすぐにわかるこったな」
矢鳴ヤモリ:情報判定を行います、対象は鬼衆ヤツルの【秘密】。
矢鳴ヤモリ:指定特技は鬼衆ヤツルをここへと呼び寄せた一種の符丁、《暗号術》で。
GM:おっと……どうぞ!
矢鳴ヤモリ:2D6>=5 《暗号術》 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
矢鳴ヤモリ:んふw
GM:あららら
GM:ロールが ロールが……
矢鳴ヤモリ:「知っての通り、ヤモさんせっかちだからよ」
矢鳴ヤモリ:「迅速に、いかせてもらうぜえ」そう言って腰を低く構える。
鬼衆ヤツル:煙草を指ではじく。
鬼衆ヤツル:煙草が落下を始めるより前に、細い指には刀の柄が握られている。
矢鳴ヤモリ:「……」ぐ、とその足に込められたちからが……ふ、と緩む。
矢鳴ヤモリ:「……ちぇ」
矢鳴ヤモリ:「やめだやめ、準備万端じゃねえか」
矢鳴ヤモリ:「んだよ、怪獣でも相手しようって用意の良さじゃねえか」
鬼衆ヤツル:「怪獣とは。随分自分を可愛らしく評価している」
鬼衆ヤツル:煙草の火が地に着くと同時、壁の一面が光を発し、消える。呪的な結界が張られている。
矢鳴ヤモリ:「よっぽど、大事みたいじゃねえか」
矢鳴ヤモリ:「【秘密】にしてることがよお」
鬼衆ヤツル:「いずれは明かされるだろう。しかし」
矢鳴ヤモリ:「あの小僧か?それとも、これの中身か?」銀色のケースを掲げる。
矢鳴ヤモリ:そう、ここには既に来ている。
矢鳴ヤモリ:今ここにいるのは、侵入者を咎める存在を呼び寄せるために。
鬼衆ヤツル:「ここは少し暗すぎる。そうは思わないか」
矢鳴ヤモリ:「そうかい?うちらみたいな闇の住人にゃあ似合いだと思うが」
鬼衆ヤツル:「……ああ」
鬼衆ヤツル:「私たちには、似合いだ」
鬼衆ヤツル:懐から新たに一本を取り出す。火を点ける。
矢鳴ヤモリ:「日差しに惹かれる気持ちもわかる」
矢鳴ヤモリ:「いいぜい、出ようか」地上に続く階段を顎でしゃくる。
鬼衆ヤツル:「そうだな。明かされるなら日の下だろう」
鬼衆ヤツル:「そう構えるべきではない。これでも私は、お前を信頼しているんだ」
鬼衆ヤツル:ぎい、と鉄格子を押して開く。
鬼衆ヤツル:「ただ、私は私の信念のため、動いている」
鬼衆ヤツル:「理解してもらえるか?」
矢鳴ヤモリ:「理解してもらいてえのかい?」
矢鳴ヤモリ:「あいにくこのヤモさん、信念なんてもんは持ち合わせてなくてね」
矢鳴ヤモリ:「あるのは悪運ばっかりってもんさ」
矢鳴ヤモリ:「羨ましいとは思うがね、信念に迷い惑えてよ」
鬼衆ヤツル:「信念が無いというのも、一つの信念だろう」
鬼衆ヤツル:「理解してくれたようで、感謝する」
鬼衆ヤツル:出口に寄りかかり、出るように促す。
矢鳴ヤモリ:「おうおう、お先にどうぞってか、後ろからグサっとやらないでくれよい」
矢鳴ヤモリ:最後の段を踏み上がり、陽光に目蓋を絞る。
矢鳴ヤモリ:「ん~~、色々サクッと暴いてやろうかと思ったが」
矢鳴ヤモリ:「アテが外れたもんだや、やあっぱ向いてねんだよなあこういう分野はよう」
矢鳴ヤモリ:「引き金引いて、殺して、それでハイ終わりってのが気楽でいいやい」
鬼衆ヤツル:「そうだな。お前は、そういう人間だ」
鬼衆ヤツル:「矢鳴」
鬼衆ヤツル:「すまない。世話をかける」
鬼衆ヤツル:目を伏せ、煙草を深く吸う。
矢鳴ヤモリ:「なあにを世話してるって言うんだよ」
矢鳴ヤモリ:「あの蛹の事か?」
矢鳴ヤモリ:「だったらありゃ、ヤモさんがやりたいからやってることさ」
矢鳴ヤモリ:「そうやって、己の目論見を助けるようにヤモさんが動いてるって思いこんでるとよ」
矢鳴ヤモリ:「いざ魂胆がズレてたときに、ガッカリするぞい?」
鬼衆ヤツル:「そのときは、そのときだ」
鬼衆ヤツル:「失望しても、先に続くものがある。それが信念だろう」
矢鳴ヤモリ:「融通もきかねえ、愛想もねえ」
矢鳴ヤモリ:「よくまあ忍びやれてるもんだぜ、きーやんよ」
矢鳴ヤモリ:「まあ、そこがアンタの美徳なんだろうな」
矢鳴ヤモリ:「そいとこに信を置ける、そう考えるやつもいらあな」
矢鳴ヤモリ:「決して裏切らない、という姿勢を見せるにゃあ」
矢鳴ヤモリ:「己自信を裏切らない、それを見せるのが一番だ」
矢鳴ヤモリ:「やっぱ鞍馬だねえ、落ちこぼれのヤモさんとは違ってさあ」真意の伺い知れぬ、軽薄な笑み。
矢鳴ヤモリ:「それじゃ、お互い頑張ろうや」
矢鳴ヤモリ:「応援してるぜい、アタシの銃口を遮るその時までは、な」
鬼衆ヤツル:「ああ。銀のケースは……失くすなよ」
鬼衆ヤツル:深く息を吐く。煙が地下からの空気に押され、漂っていく。
矢鳴ヤモリ:「約束はできねえな、裏切らねえ自信がねえや」
矢鳴ヤモリ:「そんなに大事なら、せいぜいこのヤモさんもしっかり見張っておくこった」
矢鳴ヤモリ:そう言って、カチャカチャと小さな《戦果》を揺らして人波へと。
矢鳴ヤモリ:するりと、影に紛れて見失う。
矢鳴ヤモリ:あとには穏やかな太陽の下、いつもと変わらぬ日常の風景があるのみ。
GM:====
GM:第二サイクルを終了します。
GM:第三サイクルを開始します。

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【第三サイクル:巳六針助】

GM:【第三サイクル:巳六針助】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
巳六針助:登場希望は矢鳴ヤモリのみ。シーン表は都市シーン表を選択します。
矢鳴ヤモリ:あいよー
巳六針助:CST 都市シーン表(3) > 閑静な住宅街。忍びの世とは関係のない日常が広がっているようにも見えるが……それも錯覚なのかもしれない
巳六針助:ヤモヤモ~♡
巳六針助:何々 住宅街とな…
GM:====
GM:──篠伏町・住宅街
GM:再開発に伴って、郊外地に建設された住宅街は、常ならば活気に満ちている。
GM:だが、近辺で凄惨な殺人事件が発生したという報道を受けてだろうか。往来には寒々とした風が流れるばかりだった。
GM:枯葉が、足元でかさと音を立てた。
巳六針助:「んお……全然見つかんねえ」
巳六針助:「どこ行ったんだあの人~~~」
巳六針助:マンションの屋上に(無意味に)座り込んで、住宅街を見下ろしている。
巳六針助:「どうしても……見付けなきゃなんない」
巳六針助:「よし、後もうひと踏ん張りすっぞ」ぱん、と頬を叩き気合を入れた所で――
矢鳴ヤモリ:「見つかんないの?たいへんだねえ」
矢鳴ヤモリ:「んで、誰探してんのさ」
矢鳴ヤモリ:唐突に声。
巳六針助:「……」錆び付いた機械のように振り返る。
巳六針助:「あ~……探す必要、なくなったッス」
矢鳴ヤモリ:「ん~~~?」にまりと笑う。
巳六針助:「マジでどこにでも現れるなあ。自由な人」くすりと笑う
巳六針助:「あーもう」頭を掻いて
巳六針助:「ヤモさん、探してたんスよ。欲しいモンあって……」
矢鳴ヤモリ:「えー、何なに?」
矢鳴ヤモリ:「誰かの首?ヤモさんにあげられるもんなんてそれくらいなもんだけど」
巳六針助:「ラン&ガンなんて、今どき映画じゃシンプルッスよ」
巳六針助:「群像劇の方が好きなんス、オレ」
巳六針助:「まだるっこしいの好きじゃないと思うンで、聞きますけど……ヤモさん、【銀のケース】持ってるッスよね?」
巳六針助:「交渉しませんか」
矢鳴ヤモリ:「おやおや、しばらくみないうちにずいぶん染まってきちゃってまあ」
巳六針助:若干気まずそうに頬を掻く。
矢鳴ヤモリ:「交渉たあ随分だな、これの代わりに何くれるってえんだい?」
矢鳴ヤモリ:懐から取り出したケースをカツカツと叩く。
巳六針助:「このままじゃ、皆死ぬかも知れないんスよね」
矢鳴ヤモリ:「穏やかじゃあないねえ、皆ってえのはどの範囲までを言ってんだよ」
矢鳴ヤモリ:「なに?人類滅亡?」
巳六針助:「……どこまで広がるかは、オレにも読めないッス」
巳六針助:「でも、少なくとも、これは運でどうにかなる問題じゃない」
巳六針助:「…………」しばらく逡巡して。
矢鳴ヤモリ:「ふうん、人類の命運背負っちゃってんだ」
矢鳴ヤモリ:「男の子だね~~」
巳六針助:「そんなんじゃないスよ。オレ、自分のこと、今でもアホな男子高校生だって思ってて」
巳六針助:「だからこそ、ヤモさんにも……死んでほしくない」
巳六針助:「恋ヶ窪先輩の態度、おかしいと思いませんでしたか」銀のケースを見ながら。
矢鳴ヤモリ:「んー?」
矢鳴ヤモリ:「カタギと闇の間で生きるハンパもんがこっちの領域に足をずぶっと突っ込んだんだ」
矢鳴ヤモリ:「態度がおかしくなるのが普通ってもんじゃねえかい?」
矢鳴ヤモリ:ししし、と笑う。
巳六針助:つられてくすりと笑う。
矢鳴ヤモリ:「ま、いいや」
矢鳴ヤモリ:「ほらよ」そう言って、放る。銀のケースを。
矢鳴ヤモリ:「やるよ、欲しいんだろ?」
巳六針助:「んえっ!?」ぱっと空中で、何度か手の内にバウンドさせながら掴み取る。
巳六針助:まだ人肌のぬくもりが残っていた。
巳六針助:「……良いンすか? 大事なモンじゃ……」
矢鳴ヤモリ:「良くはねえなあ」
矢鳴ヤモリ:「忍びにとって、【情報】や【戦果】は命よりも大事なもんだ」
矢鳴ヤモリ:「タダで放るなんて、馬鹿でもやりゃしねえ」
矢鳴ヤモリ:「恩だって売れねえわな、渡すほうが馬鹿なんだからよ」
巳六針助:「……ヤモさん、馬鹿じゃないでしょ」
矢鳴ヤモリ:「だけど、キミにゃあ売れる、そうだろ?」
矢鳴ヤモリ:「生ぬるい表のルールが身体に染み付いている」
矢鳴ヤモリ:「通用しちまうだろうね、恩義を感じることが避けられない」
矢鳴ヤモリ:「良いよなあ、甘っちょろくて」
矢鳴ヤモリ:「そういうやり取り、普段はできねえからよう」
巳六針助:「馬鹿!こんなことされなくたって、助けに……!」
巳六針助:思わず叫んでから、はっとした表情を見せる。
矢鳴ヤモリ:「ひ、ひ」
矢鳴ヤモリ:「ついそんなこと言っちゃうような隙をそう何度も見せるから」
矢鳴ヤモリ:ずい、と距離を詰める。
矢鳴ヤモリ:両の手で、巳六針助の顔を挟み、頭上から覗き込む。目と鼻の先。
矢鳴ヤモリ:「わあるい忍びに付け込まれるんだぜえ?」
巳六針助:はあ と 吐息が掛かる。
矢鳴ヤモリ:「いいよ、やるよ、使いな、必要なんだろ?」
矢鳴ヤモリ:「世界を守ると良い、キミのことはヤモさんが守ってやるよ」
矢鳴ヤモリ:「"運"が良かったなあ、少年?」
巳六針助:「……」
巳六針助:「『疑え』」
巳六針助:その手を払いのける。
巳六針助:「舐めるなよ、矢鳴ヤモリ」
矢鳴ヤモリ:「おいおい、つれねえなあ」小さな子供をあやすような苦笑。
矢鳴ヤモリ:「いいじゃねえかよ、何も疑わず、自分の信じる道ってやつを行きなよ」
巳六針助:「子供扱いしてるだろ。確かにこれ、子供の論理だけど……ヤモさんに守られるだけじゃ、ヤだよ」
矢鳴ヤモリ:「大人になるってなあ、ヤなもんだぜ」
矢鳴ヤモリ:「大人なんてもんはよ、みいんな賢いフリしてるだけの子供みたいなもんだ」
矢鳴ヤモリ:「そんなもんよか、子供のほうがずっと良い」
矢鳴ヤモリ:「何より、キラキラしてやがる」
矢鳴ヤモリ:「なあ巳六針助クンよ」
矢鳴ヤモリ:「キミは、特別なんだよ」
矢鳴ヤモリ:「少なくともヤモさんにとっては、とびきりだ」
巳六針助:「……ヤモさん」
巳六針助:払いのけたはずの手は、まだ少しだけ絡まっている。
矢鳴ヤモリ:「闇の中に居るってのに、煌々と輝いてやがる」
矢鳴ヤモリ:「いいか、そのままでいろ」
矢鳴ヤモリ:「それ邪魔するものは、アタシが刈り取ってやるから、さ?」
矢鳴ヤモリ:なだめるように、そう言う。
巳六針助:「ヤモさんはさ」
巳六針助:「オレが敵になるの、怖い?」
巳六針助:「”そのままでいろ”って、ずっと言ってくれるからさ」
矢鳴ヤモリ:「それが、"今のキミ"の信念が選ぶ結果なら」
矢鳴ヤモリ:「ちっともこわかねえな」
矢鳴ヤモリ:「"そのままでいろ"ってのは、そういうこった」
巳六針助:「解った」ぎゅ、とその手を握りしめる。
巳六針助:「オレはさ。今のオレが、これで良いのかって、ずっと考えてるし……多分、この先も考え続けると思う。その境界を踏み外さないために、人に色々な物を贈りたいって、ずっと思ってたんだ」
巳六針助:「良いことをしたら、自分がちょっとだけ、良い奴だって思えるでしょ。その繰り返しで、オレは多分頑張れてる」
巳六針助:「だから……何て言うかな。オレはヤモさんを一人にしたくないし、死んでほしくもないんだよな」
巳六針助:「素直にそう思ったんだよ」
巳六針助:「ヤモさんだけじゃなくて、黒戸さんにも、遊火丸さんにも、鬼衆さんにも、皆幸せでいて欲しい」
巳六針助:「何にも疑わないんじゃ、そりゃメクラの夜守(ヤモリ)と同じだ」
巳六針助:「だからオレは、オレが疑い続けることを、疑いたくない」
矢鳴ヤモリ:「ひひ」
矢鳴ヤモリ:「忍ぶ者、刃で心を殺し、事を成す」
矢鳴ヤモリ:「幸福なんてものは、こちらの世界にありゃしないんだぜ」
矢鳴ヤモリ:「ありゃあしないから、それを望んだ者はよ」
矢鳴ヤモリ:「"表"から分けてもらうしかねえんだ」
矢鳴ヤモリ:「でもよ、分けてくださいなんてよ、言えるか?」
矢鳴ヤモリ:「だからよ、分を超えてちまったやつはな……」
矢鳴ヤモリ:「奪うんだよ」
矢鳴ヤモリ:「世界に害を成すのさ」
矢鳴ヤモリ:「そういうのを、何ていうのか前に教えたよな」
矢鳴ヤモリ:「『バケモノ』って、そう言うんだよ」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんはよ、この先も、運が許すならまあまあ生きるつもりだからよ」
矢鳴ヤモリ:「幸せなんてものは望まねえ」
矢鳴ヤモリ:「それは、キミが噛みしめると良い」
矢鳴ヤモリ:「それができるし、許される」
矢鳴ヤモリ:「"特別"だからな」
巳六針助:「……」
矢鳴ヤモリ:「だからよ、こっちに歩み寄ろうだなんて考える必要はこれっぽっちもねえんだぜ」
矢鳴ヤモリ:「近くで眺めさせてくれや」
矢鳴ヤモリ:「そしたらよく似た気持ちがこの空っぽの中身に湧いてくることもあるかもだ、幸福ってやつによ」
巳六針助:「…………」
巳六針助:「アンタは、空っぽなんかじゃない」
巳六針助:手を解く。そのまま、軽く抱擁する。
巳六針助:「オレは特別なんだろ。だったら、オレの”幸せ”をヤモさんに分ける」
矢鳴ヤモリ:「……」
巳六針助:「だから、そんな」
巳六針助:「近くで眺めさせてくれなんてこと、言うな……」
巳六針助:す、と――黒い針をその手に握らせる。
巳六針助:「……恋ヶ窪先輩が、オレたちに隠してたことがある」
巳六針助:「体に刺したら解るようになってる。使ってくれ――ヤモさんが生きるために」
巳六針助:最後に一度だけ強く抱きしめて、
巳六針助:眩しそうな目で、矢鳴ヤモリから離れる。
巳六針助:「ヤモさんは、色々なものをオレにくれたよ」
巳六針助:「ビルのてっぺんの景色があんなに最高だなんて、オレ知らなかったんだ」
矢鳴ヤモリ:「タダで良いって言ってんのによ……」
巳六針助:「うっさい。ちょっとは贈られるのにも慣れろよ」
矢鳴ヤモリ:「男の子ってのは見栄っ張りだねえ」
巳六針助:「守りたい人の前なら、見栄も張るよ」
矢鳴ヤモリ:「蛹の分際で、言いやがる」
矢鳴ヤモリ:「自分の言ったこと、やったこと」
矢鳴ヤモリ:「責任持つんだよ?軽い気持ちだったじゃあもう済ませねえからな」
GM:では「銀のケース」を巳六さんに。
恋ヶ窪ヨーコの【秘密】を矢鳴さんに。

GM:恋ヶ窪ヨーコの【秘密】は公開情報になります。

・恋ヶ窪ヨーコの【秘密】
恋ヶ窪ヨーコが率いる『伏竜会』は本来、犯罪界に位置する組織ではない。
彼らは古来から町に存在し、妖魔を討ってきた狩人の血盟だ。忍びのような高速機動はできないが、妖魔の撃退には蓄積された経験がある。
そして浦内獅子雄は、数年前まで『伏竜会』の中核メンバーであり、次期団長とも目されている人物だった。
忍びとの技術交換を提案した人物でもあり、忍びと組んで多くの妖魔を討っていた様子は、恋ヶ窪ヨーコにとっても憧れであった。


しかし「人狼」という妖魔を追い始めた浦内は、次第にかの妖魔に異常な執着を見せ、『伏竜会』の指示を無視するようになる。
そして最後には、妖魔武器を複数『伏竜会』から強奪し、忍びの流派へと脱走したのである。
この事件がきっかけで『伏竜会』にとって忍びとの溝は決定的なものとなり、浦内についての話は禁句となった。


しかし恋ヶ窪ヨーコは、浦内獅子雄の真意を知りたいと思っている。
『伏竜会』は影の世界の組織であるため、構成員は自らの私生活については秘匿することも許されている。しかし、組織の長に対してはその限りではない。
この【秘密】を獲得したキャラクターは、自分がシーンプレイヤーであるドラマシーンに恋ヶ窪ヨーコを登場させることができる。そのとき、シーン表を振らずにシーンを「浦内邸」に指定してよい。

GM:そして、「銀のケース」が巳六針助の手に渡ったとき。
GM:その複雑な施錠構造が、金属であるにも関わらず。まるで精巧な手縫細工のようであると認識します。
GM:留めている糸を抜くように。指先一つで綻びは広がっていき、「銀のケース」は解錠されます。
GM:「銀のケース」の【秘密】を送ります。感情共有が発生します。
GM:送りました。
GM:====
GM:ある【情報】が更新されました。
GM:====
巳六針助:「……浦内さん。あいつは、危険だ」銀のケースの中を見て――こめかみに手を抑えながら言う。
矢鳴ヤモリ:「結局よ、まだわからねえことだらけだ」くるくると指先で針を回し。
矢鳴ヤモリ:「ただ、ひとつ……ヤモさんは鼻が良い」
矢鳴ヤモリ:「やっぱり、一番場違いな存在は得てして物事の中心だったりする」解けたケースを見る。
矢鳴ヤモリ:「どうしてそいつを開けられるのか」
矢鳴ヤモリ:「どうしてあの場にいたのか」
矢鳴ヤモリ:「どうしてきーやんはキミに目をかけているのか」
矢鳴ヤモリ:「わからねえが、結局ものごとはキミを中心に動いてる」
巳六針助:「……そう、だね」目を伏せて、静かに頷く。
矢鳴ヤモリ:「ならよ、今回の件最後まで一緒に居てやるよ」
矢鳴ヤモリ:「それで渦中に居られる、そうにちげえねえな」
巳六針助:「……うへへへ」目尻を擦って、顔を上げた。
巳六針助:「決まりだね。オレとヤモさん、仲間だ」
巳六針助:「……オレのこと、怖がらないでね」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんの持ってる情報でそれを決めるのは早計ってもんだが」
矢鳴ヤモリ:「キミがアタシを仲間と思う事を否定する気はねえし」
矢鳴ヤモリ:「怖いこともねえよ」
巳六針助:「……安心したよ」微かに、そう呟く。
巳六針助:「ホラ、オレ結構強いじゃん?」ぱっと顔を上げて、にかりと笑った。
矢鳴ヤモリ:「強いのはよ……」
矢鳴ヤモリ:そっと、髪を撫ぜる。
矢鳴ヤモリ:「そう珍しいもんでも何でもねえ」
矢鳴ヤモリ:「そういうのはいくらでもいるし、アタシがやりゃあいいことだ」
矢鳴ヤモリ:「キミが特別だってのは、そういうことじゃねえんだ」
矢鳴ヤモリ:「だから……」
矢鳴ヤモリ:続く言葉はない。
矢鳴ヤモリ:放たれたのならば、それはきっと祈るような震えを伴っていただろう。
矢鳴ヤモリ:「……じゃあ、またな」ぱっ、とその身を離し。
矢鳴ヤモリ:「渦中で会おう」
矢鳴ヤモリ:そう言って、飛び降りる。
巳六針助:「……」
巳六針助:「ヤモさんの運が悪くても、迎えに行くよ」
巳六針助:風に撫ぜるようにそれだけを呟いた。
矢鳴ヤモリ:返事はない。
矢鳴ヤモリ:女は去った。その時のために。
巳六針助:手番を消費して判定します。
巳六針助:対象は鬼衆ヤツルの【秘密】。判定特技は針術。
巳六針助:影の糸を、傍受基地として町中に張り巡らせていました。
GM:ふむ……いいでしょう
GM:判定どうぞ
巳六針助:しゃす!!
巳六針助:あっそうだ!感情修正くれますかヤモさん!
矢鳴ヤモリ:あげるー
巳六針助:ヤモヤモ……
巳六針助:うおおおイクゾッ 忍者のパワーを全開だッ
巳六針助:2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 5[1,4]+1 > 6 > 成功
巳六針助:ヒエ~~~ッwwwwww
GM:成功ですね。
GM:では鬼衆ヤツルの【秘密】を送ります。矢鳴さんと黒戸さんにも感情共有されますね。
黒戸 三四:わあい
巳六針助:しゃあ!
矢鳴ヤモリ:いえい

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【第三サイクル:矢鳴ヤモリ】

GM:【第三サイクル:矢鳴ヤモリ】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
矢鳴ヤモリ:とりあえず針助くんには出てきてもらうかな
巳六針助:ッス
矢鳴ヤモリ:流石に修正が欲しい…
GM:ロールしないで存在だけ登場してもらうってことは可能にしてます
巳六針助:そっちでも大丈夫よ!
矢鳴ヤモリ:じゃあNPCは……ヨーコくんの方に出てきてもらおっかな
恋ヶ窪ヨーコ:出ます。
矢鳴ヤモリ:んじゃ浦内邸行っちゃおかな、折角だし。
巳六針助:張り切ってGOGO!
GM:おっ浦内邸だ 了解です
GM:====
GM:──篠伏町・住宅街
GM:郊外は再開発されたが、すべてが都合よく新しくなるとはいかない。
GM:とくに温泉街に近い土地などは、改めて開発がされる部分は少なかった。古い利権の問題が絡んだためだ。
GM:廃墟となった家屋がそのまま残されている場所も少なくなかった。
恋ヶ窪ヨーコ:「浦内の家は、この地域にある」
恋ヶ窪ヨーコ:緊張した面持ちで、矢鳴に告げる。
矢鳴ヤモリ:「……んひひ」その様子を、笑って見ている。
恋ヶ窪ヨーコ:「本来『伏竜会』同士でも家の情報なんかは言わない。妖魔に狙い撃ちされるのを防ぐためにな」
恋ヶ窪ヨーコ:「だけど、団長であればある程度の情報は知っている」
恋ヶ窪ヨーコ:「……何がおかしいんだ」
矢鳴ヤモリ:「いやなに、部下の目から解放されりゃ、年相応さが増したなって」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんそっちのが好きだぜい」
矢鳴ヤモリ:「安心しな、そういうの見せてくれるとよ、守ってやりたくなるんだよアタシは」
恋ヶ窪ヨーコ:「偉そうに言うな、そもそもどうしてお前が知っているんだ」
恋ヶ窪ヨーコ:「それも忍びの情報収集力、なのか?」
恋ヶ窪ヨーコ:瞳には少し不安を混ぜた色をして、問う。
矢鳴ヤモリ:「これでも忍びだからねえ、落ちこぼれなりにも知れることはあるってなもんさ」
矢鳴ヤモリ:「さてさて、"罠師"浦内獅子雄」
矢鳴ヤモリ:「罠ってやつが最初からあるわかってりゃよ、あいにくヤモさんにも罠の心得はあるわけよ」
恋ヶ窪ヨーコ:「罠師?」
恋ヶ窪ヨーコ:「浦内は、前線に出て戦う狩人だったぞ」
恋ヶ窪ヨーコ:「今は罠を使っているのか」
矢鳴ヤモリ:「そりゃあ随分様変わりしたもんだねえ」
矢鳴ヤモリ:「杖突いてひいこら歩いてたよ、それもブラフか知れたもんじゃあねえがな」
恋ヶ窪ヨーコ:「杖を……」
恋ヶ窪ヨーコ:思案する。
恋ヶ窪ヨーコ:「いや……今考えても詮無いことだった」
恋ヶ窪ヨーコ:「確かに、変わるような何かがあったのだろう」
矢鳴ヤモリ:「んだよい、びっこ引いてる心当たりでもあんのかい?」
矢鳴ヤモリ:「ま、詮無いってなら詳しくは聞かねえけどよ」
恋ヶ窪ヨーコ:「ああ……着いたぞ」
恋ヶ窪ヨーコ:二階建ての家屋の前で立ち止まる。
恋ヶ窪ヨーコ:がん、と柵を殴り開ける。
恋ヶ窪ヨーコ:「よし、開いてる」
矢鳴ヤモリ:「ここはあんたら以前に漁ったことはあんのかい?」
恋ヶ窪ヨーコ:「いや、無いと思う」
恋ヶ窪ヨーコ:「さっきも言ったが、構成員の家は団長くらいしか知らないんだ」
恋ヶ窪ヨーコ:「当時の父は、浦内に対しては穏健というか……放置していたような様子だった」
恋ヶ窪ヨーコ:扉を引く。木が軋む音がして、開く。
矢鳴ヤモリ:「じゃあ、ヤモさんより前には出なさんな」
矢鳴ヤモリ:「アタシの知ってるあの男は罠師さ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……私も狩人だぞ」
矢鳴ヤモリ:「バケモノを狩ったことはあっても、忍びを狩ったことはねえだろい?」
矢鳴ヤモリ:ニヤリと笑う。
恋ヶ窪ヨーコ:「……先に行け」
矢鳴ヤモリ:「お邪魔しますよいっと」
矢鳴ヤモリ:警戒を促した割には無造作に、無警戒にも見える動きで歩を進めていく。
GM:室内も廃屋、という様子だった。
GM:壁紙は剥がれ、埃が積もっている。一見して、何ら足を踏み入れられたような気配はない。
矢鳴ヤモリ:「言ったようによ、ヤモさんにも罠の心得ってやつがある」
矢鳴ヤモリ:「あらかじめあるってわかった上で探しゃあよ……逆に教えてくれるわけだ」
矢鳴ヤモリ:「ここを守ってますよ、ここに隠したいものがありますよーってな」
矢鳴ヤモリ:というわけで、情報判定を行います。
GM:はい、どうぞ!
矢鳴ヤモリ:対象は浦内獅子雄の【秘密】。使用特技は《罠術》
GM:どうぞ~
矢鳴ヤモリ:修正を……おくれ
矢鳴ヤモリ:頼んます、ええ、ぜひ
巳六針助:ヤモさん……オレはヤモさんの仲間だよ
矢鳴ヤモリ:へへ、ありがてえや
巳六針助:修正1あげちゃう!
矢鳴ヤモリ:2D6+1>=5 《罠術》 (2D6+1>=5) > 6[1,5]+1 > 7 > 成功
矢鳴ヤモリ:うっし
巳六針助:やったね!
GM:お見事。浦内獅子雄の【秘密】を送ります。
GM:巳六くんにも感情共有。
巳六針助:ほお~~~~~ん
矢鳴ヤモリ:ほほーん
GM:では続きをどうぞ。
恋ヶ窪ヨーコ:「何かわかったのか」
恋ヶ窪ヨーコ:ゆっくりと後ろをついてきていた、恋ヶ窪ヨーコが尋ねる。
矢鳴ヤモリ:「ふうむ」
矢鳴ヤモリ:「ここだな」
矢鳴ヤモリ:ずしゃりとおもむろに、背負っていた釣り用のロッドケースを地べたに放る。
矢鳴ヤモリ:重たい金属音を奏でたそれのファスナーを開け、取り出したのは黒光りのする散弾銃。
恋ヶ窪ヨーコ:「お前、それは」
矢鳴ヤモリ:壁へ向け――引き金を引く。
恋ヶ窪ヨーコ:「うわあ!」
矢鳴ヤモリ:撃つ、撃つ、撃つ。
矢鳴ヤモリ:不思議なことに、発砲音はない。
矢鳴ヤモリ:あろうことか、壁が砕ける破壊音すら消え失せる。
矢鳴ヤモリ:「ッッ――――」
矢鳴ヤモリ:「ふう。」
矢鳴ヤモリ:銃口を下げる。もうもうと立ち込める土煙の向こう。
矢鳴ヤモリ:小さな、とても小さな部屋が現れる。
恋ヶ窪ヨーコ:「おっ、お前なあ!」
恋ヶ窪ヨーコ:無音の破壊劇に目を白黒とさせながら、それでも怒りを露わにする。
矢鳴ヤモリ:「4つまでは何とか解けたが最後のやつはちいと手強かったな」
矢鳴ヤモリ:「強引に壊しちまって、これだい」掲げた腕から血が一筋、流れ落ちる。
恋ヶ窪ヨーコ:「あれは罠の解除だったとでも言うつもりか……?」頭を押さえる。
矢鳴ヤモリ:「それよか収穫だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……いや、そうだな。隠し部屋か」
矢鳴ヤモリ:答えることもなく、進みゆく。
GM:部屋の構造はいたってシンプルだ。
GM:棚と机。それらと反対の壁には、獣の肉体を加工したかのようなオブジェがいくつかかけられている。
矢鳴ヤモリ:矢鳴ヤモリはその中央で一冊のノートを手にしている。
矢鳴ヤモリ:「誰にも見せるわけにはいかないが」
矢鳴ヤモリ:「内に留めりゃ、死に至る毒となる」
矢鳴ヤモリ:「どうしてもこうして外に書き出さにゃあならなかった」
矢鳴ヤモリ:「まさに――"弱み"……【秘密】ってやつだあな」
矢鳴ヤモリ:「読みたいかい?」振り返って、少女を見る。
恋ヶ窪ヨーコ:「う……」
矢鳴ヤモリ:「よおく考えることだねい」
恋ヶ窪ヨーコ:「あとで確認させてもらう。預かるぞ」
恋ヶ窪ヨーコ:眼を反らしつつ、ノートに手を伸ばす。
矢鳴ヤモリ:「こういうのに触れると……同じ怒りを抱えていられるとは限らなくなっちまう」
矢鳴ヤモリ:「憎い相手を憎み続けるにもコツってのがある」
矢鳴ヤモリ:「相手を"知らねえこと"だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……!」
矢鳴ヤモリ:「そういうのをよおく考えた上で、扱うこった」
矢鳴ヤモリ:ぽん、と手渡す。
恋ヶ窪ヨーコ:「……わかった。読む」
恋ヶ窪ヨーコ:「私は『伏竜会』の長だ。あいつを憎みたいわけじゃない」
恋ヶ窪ヨーコ:「ただ、知りたいだけなんだ」
恋ヶ窪ヨーコ:ぱらぱらと、ノートに目を通していく。
矢鳴ヤモリ:「代理にしちゃあ、なかなか出来た長じゃねえか」
恋ヶ窪ヨーコ:「うるさい。黙ってろ」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、可愛げってものはもちっと勉強が必要みてえだねえ」
恋ヶ窪ヨーコ:「うるさいっ」
恋ヶ窪ヨーコ:乱雑にノートを捲る。
恋ヶ窪ヨーコ:「……」
矢鳴ヤモリ:「さてさて、ヤモさんの方はこれで一歩前進だねえ」
矢鳴ヤモリ:「狩人として、狩るべきものを見極めにゃあだ」
矢鳴ヤモリ:「まだ、足りてない」
矢鳴ヤモリ:「運が良けりゃあ、それに到れるだろってさ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……思い出した」
恋ヶ窪ヨーコ:ぼそり、と口にする。
矢鳴ヤモリ:「ん?」
恋ヶ窪ヨーコ:「何年前だ。祝い事だった」
恋ヶ窪ヨーコ:「妖魔に関係のない、花見みたいな」
恋ヶ窪ヨーコ:「そうだ、そこで見たんだ!」
恋ヶ窪ヨーコ:「『伏竜会』のメンバーが集まっていた! そこで……!」
恋ヶ窪ヨーコ:ノートに貼られたメモ用紙の間から、一枚の写真を取り出している。
浦内獅子雄:そこには浦内獅子雄が写っていた。横には同年代の女性が立っている。妻だろう。
GM:そして、二人の間には。
憂野ユチカ:緋色の捩子くれた髪の、少女が不安そうにこちらを覗いていた。
GM:こつん。
GM:物音。
GM:ローファーが、床を踏む音。
矢鳴ヤモリ:「……」
憂野ユチカ:「あ」
憂野ユチカ:「バレちゃった」
憂野ユチカ:憂野ユチカが、はにかみながら廊下に立っていた。

【目次へ戻る】

【第三サイクル:マスターシーン】

GM:【第三サイクル:マスターシーン】
憂野ユチカ:「えーっと、初めまして、でいいのかな?」
憂野ユチカ:「憂野ユチカです。恋ヶ窪ヨーコちゃんだよね」
憂野ユチカ:「お隣のあなたはどなた?」
矢鳴ヤモリ:「狩人さんだよ」
矢鳴ヤモリ:そう言って、くるりと散弾銃を回す。
憂野ユチカ:「わっ! 待って待って」
矢鳴ヤモリ:「撃ちゃあしねえよ、いきなりは」
矢鳴ヤモリ:「アンタはどうやらアタシの依頼人サマの娘さんみたいだしねえ」
憂野ユチカ:「本当? 私身体が弱いから……こほこほ」咳をする。
憂野ユチカ:「ここ埃っぽいね。前はそんなことなかったのに」
矢鳴ヤモリ:「いきなりぶっ放しゃあしねえが、撃たねえとは言ってねえ」
矢鳴ヤモリ:「アンタの目的次第だあな」
憂野ユチカ:「目的ってほどじゃあないよ、ごめんね!」
憂野ユチカ:「私ね、ヨーコちゃんと仲良くなりたいなあと思ってて」
憂野ユチカ:「ちょっと二人でお話をしたいだけ、です!」
矢鳴ヤモリ:「だ、そうで」横目で流し見る。
恋ヶ窪ヨーコ:「は、はあ……!?」
恋ヶ窪ヨーコ:「話をしたいのはこちらも同じ、だが……」
恋ヶ窪ヨーコ:「……二人ではできない」
恋ヶ窪ヨーコ:ぐ、と棒材を握る。
憂野ユチカ:「んもえ」
矢鳴ヤモリ:「おう、ヤモさんもそれが賢明だと思うぜい」
憂野ユチカ:「ショックかも……」
憂野ユチカ:「お友達になれると思ったんだけどなー、うん」
憂野ユチカ:「やっぱり諦めきれないかも……だってその方が絶対いいもんね」
矢鳴ヤモリ:「おいおい、お一人上手なお嬢さんだな」
憂野ユチカ:「だからお友達がほしいのです。ふふっ」
矢鳴ヤモリ:「んなこと言ってるぜ?」
矢鳴ヤモリ:「けどオススメはしねえな」
矢鳴ヤモリ:「ありゃあ……何ていうか」
矢鳴ヤモリ:「獣臭い」
矢鳴ヤモリ:すん、と鼻を鳴らす。
憂野ユチカ:「そーいうの、友だち無くしますよ!」
憂野ユチカ:「朝寄さん、梶木さん。お願いね」
憂野ユチカ:”誰か”に声をかける。
GM:めき、と床材が割れる音がした。
妖魔:「おおおおっっ!」
妖魔:床下から獣が現れ、部屋を引き裂く。
矢鳴ヤモリ:「その顔も、いい加減見飽きてきたねえ」
GM:判で押したように、見慣れた速度の爪が振られる。
GM:紙一重で躱すことは容易い。しかし。
妖魔・弐:「かあああ!」
妖魔・弐:もう一閃。
妖魔・弐:同じ姿の妖魔の、二体目が現れる。
矢鳴ヤモリ:「ぞろぞろっと、こりゃまた」
矢鳴ヤモリ:「アンタの親父にゃ色つけてもらわにゃ、割に合わねえな」
GM:じりじりと妖魔との間合を測る。
矢鳴ヤモリ:ぐにゃり、と足を運ぶ。
GM:一瞬の交錯に、二回の連撃。
GM:僅かな分断の間に、割り込んでいる。
憂野ユチカ:「それは……ちょっとわからないけど」
憂野ユチカ:「お礼はちゃんとしようと思うよ?」
憂野ユチカ:「ね。ヨーコちゃん」
恋ヶ窪ヨーコ:「っ!」
憂野ユチカ:恋ヶ窪ヨーコの腕を抱いて隣に立っている。
憂野ユチカ:「それじゃあ、よろしくね。朝寄さん。梶木さん」
憂野ユチカ:ぐい、と手を引くと、恋ヶ窪ヨーコが吊られるように動く。
妖魔・壱:「店じまいだ」
妖魔・弐:「マーベラス……マーベラス……」
GM:二体の妖魔が、矢鳴の道をふさぐ。
矢鳴ヤモリ:交差の中心にいたはずの矢鳴ヤモリは、不思議と健在である。
矢鳴ヤモリ:その足を運び、動いたはずが彼女が立っているのは先と寸分たがわぬ位置。
矢鳴ヤモリ:その爪は、たしかに彼女の居場所を薙いだはずだが空を切る。
矢鳴ヤモリ:「おうおう、こりゃまた難儀なことで」
矢鳴ヤモリ:「お嬢ちゃんを助ける義理もねえ」
矢鳴ヤモリ:「同業の、プロを名乗ってここへ来たんだ」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんの雇い主ってわけでもねえ」
矢鳴ヤモリ:「だけど、守りたくなっちまうなんて言ってしまった以上」
矢鳴ヤモリ:「見栄を通さねえとよ」
矢鳴ヤモリ:「どうにも幻滅されそうで、嫌な感じだぜい」
矢鳴ヤモリ:「それに、"人狼"はたしかにアタシの獲物だ」
矢鳴ヤモリ:「毎度あり、てな」銃口を向ける。
GM:トリガーが引かれ、弾薬が火花を散らす。それすらも後ろに置いて。
GM:──高速機動が開始された。
GM:====
GM:メイン戦闘を開始します。
矢鳴ヤモリ:乱入はあるのかな
GM:戦闘乱入はありまぁす!
GM:矢鳴さんに感情を持っている人は乱入を宣言できるよ~
巳六針助:乱入します!!!!!!!!!!!!!!
GM:はい。
矢鳴ヤモリ:おう、やっちまおうか
巳六針助:ノしちまおうぜヤモさん
GM:エネミーは「妖魔」が二体。データは前回と同じです。
GM:体力は満タンですが、今回は通常のメイン戦闘として扱いますので、一点でも受ければ脱落です。
矢鳴ヤモリ:お互い様だからそれはそれで怖いねえ
GM:また、妖魔側が勝者となった場合、恋ヶ窪ヨーコが連れていかれます。たいへん。
矢鳴ヤモリ:DMMされちまうねえ
巳六針助:FANZAられる!
GM:戦闘ラウンドは参加者と胴人数なので4ラウンドまで……もし勝者無しでも連れていかれちゃうことにします。
矢鳴ヤモリ:あいよ
巳六針助:りょ!
GM:では、質問がなければ……戦闘開始です!
矢鳴ヤモリ:いけるぜ
巳六針助:わかりのしんすけ
GM:====
GM:【第一ラウンド】

 【第一ラウンド】
 ・巳六針助  生命力8/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健2/2
 ・矢鳴ヤモリ 生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・妖魔・壱  生命力4/4  ・妖魔・弐  生命力4/4

GM:プロットお願いします。妖魔は壱→弐の順で公開。
巳六針助:プロット装填完了。
矢鳴ヤモリ:ok
妖魔・壱:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
GM:ふむ……これならば
妖魔・壱:【覚悟】を使用。
妖魔・壱:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
妖魔・壱:成功。プロットを1上昇して5へ。
巳六針助:来ないで~~~~
妖魔・弐:同じく
矢鳴ヤモリ:あらたいへん
妖魔・弐:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
妖魔・弐:成功
巳六針助:たしゅけてくだちい…

→<プロット5>
(巳六、妖魔・壱)
<プロット4>
(妖魔・弐)
<プロット1>
(矢鳴)

GM:ではプロット5
GM:1D100をどうぞ。
巳六針助:うおおおお
妖魔・壱:1D100 (1D100) > 41
巳六針助:1d100 (1D100) > 58
巳六針助:シャオラッ ダラアッ
GM:では巳六くんから!
巳六針助:【接近戦攻撃】。目標は妖魔・壱。
巳六針助:判定特技は針術。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
巳六針助:じゃあな!
妖魔・壱:回避。目標値は10
妖魔・壱:2d6>=10 (2D6>=10) > 11[5,6] > 11 > 成功
妖魔・壱:ワンワン
巳六針助:君?
巳六針助:ミギー…遁甲符とかない…?
妖魔・壱:won(勝ったな)……
巳六針助:やかましいわ!!
妖魔・壱:ではこちらの手番。
妖魔・壱:まずは【秘翼】。
妖魔・壱:2d6>=6 (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功
矢鳴ヤモリ:調子いいなあ
巳六針助:そろそろ失敗してくれ~~~っ
妖魔・壱:成功。これで戦闘中、《飛術》の特技をもっていないキャラクターは私の攻撃の回避にマイナス1修正だ。
妖魔・壱:そして……もちろんこいつだ、【大咬】!
妖魔・壱:目標は巳六針助!
妖魔・壱:2d6>=6 (2D6>=6) > 11[5,6] > 11 > 成功
巳六針助:オエ~~~ッ
妖魔・壱:成功! 《兵糧術》にマイナス1修正で避けなあ~!
矢鳴ヤモリ:がんばれ♡がんばれ♡
矢鳴ヤモリ:回避に感情修正あげよっか?
巳六針助:い…良いの!?
矢鳴ヤモリ:良いよ、タイミング的にも今が良さそうだし
矢鳴ヤモリ:使いな~
巳六針助:切り時は明らかにここなので お願いしたい…!
巳六針助:ヤモさんの感情修正で相殺!
GM:ではプラマイゼロですねえ
巳六針助:2D6>=10 (判定:遁走術) (2D6>=10) > 11[5,6] > 11 > 成功
GM:ジマ?
矢鳴ヤモリ:やるねぇ
巳六針助:ミ~ロミロミロ
GM:こいつもなかなかの生存力だ……!
GM:ではプロット5は終了。
GM:プロット4!

<プロット5>
(巳六、妖魔・壱)
→<プロット4>
(妖魔・弐)
<プロット1>
(矢鳴)

妖魔・弐:【秘翼】【接近戦攻撃】を巳六針助に!
巳六針助:ファック…
妖魔・弐:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
妖魔・弐:2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
巳六針助:よし!!!!!!!
妖魔・弐:ぐわー! 逆凪!
矢鳴ヤモリ:んひひ
GM:プロット1、矢鳴さんのターンです

<プロット5>
(巳六、妖魔・壱)
<プロット4>
(妖魔・弐)
→<プロット1>
(矢鳴)

巳六針助:やっちまえヤモさん!
矢鳴ヤモリ:んじゃ、雷火。対象は無論②
妖魔・弐:ゆるして
巳六針助:命中判定に感情修正+1あげるね
矢鳴ヤモリ:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功
巳六針助:成功しとる!
矢鳴ヤモリ:間合いは3離れているので、そのままマイナス修正だぜい
妖魔・弐:先ほどプロット値以下の出目を出し、ファンブルしたので……
矢鳴ヤモリ:特技は砲術、おまけに逆凪
妖魔・弐:このラウンド中は逆凪! あらゆる判定に自動失敗する状態です!
巳六針助:ゲヒャヒャ
妖魔・弐:よって回避は不可能! ダメージを受け戦闘脱落です
矢鳴ヤモリ:後の先乗って、射撃点1+1だねい
妖魔・弐:うわ~ん
矢鳴ヤモリ:さいなら~
system:[ 妖魔・弐 ] HP:4 → 2
GM:ではラウンド終了!
GM:【第二ラウンド】

 【第二ラウンド】
 ・巳六針助  生命力8/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健2/2
 ・矢鳴ヤモリ 生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・妖魔・壱  生命力4/4

GM:プロットお願いします!
矢鳴ヤモリ:おっけー
妖魔・壱:OK
巳六針助:プロット装填!
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
妖魔・壱:なにっ これは……
妖魔・壱:ともかく【覚悟】だ!
妖魔・壱:【覚悟】とはッ! 暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだ!
妖魔・壱:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
矢鳴ヤモリ:ちぃ
妖魔・壱:成功! プロット6へ
巳六針助:あっクソコイツ!
妖魔・壱:これで【黒絃】の間合からも逃れたぞ
巳六針助:コイツ~~~
GM:ではプロット6、1D100どうぞ
妖魔・壱:1D100 (1D100) > 87
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 3

→<プロット6>
(妖魔・壱、矢鳴)
<プロット3>
(巳六)

巳六針助:ヤ…ヤモさんッ
妖魔・壱:先手はもらった!
妖魔・壱:貴様が真実に到達することは決してない! 矢鳴ヤモリを目標に【大咬】!
妖魔・壱:2d6>=7 (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功
巳六針助:オエ…
妖魔・壱:成功! 《兵糧術》にマイナス1修正!!
矢鳴ヤモリ:おやおや、厄介だねえ
矢鳴ヤモリ:これは修正欲しいかなあ
巳六針助:待っていたぜ…その言葉を
巳六針助:感情修正+1 持って行きな!回避に!
矢鳴ヤモリ:2d6>=9 (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗
矢鳴ヤモリ:おやおや
巳六針助:ヤモさん…!
妖魔・壱:命中……! 接近戦ダメージ1点と、故障の変調を与える!
妖魔・壱:これでこのプロット終了時、貴様の脱落は確定だ!
矢鳴ヤモリ:だが、まあまだ動けはするってなあ
妖魔・壱:絶対防御などが飛び出したりしない限りはなァ~
GM:では、矢鳴さんの手番ですね!
矢鳴ヤモリ:そいじゃ、同じく雷火。
矢鳴ヤモリ:2d6>=7 (2D6>=7) > 10[4,6] > 10 > 成功
矢鳴ヤモリ:あいよ、砲術で避けてもらおうかね。
妖魔・壱:《走法》から10! 同プロットなのでマイナス修正はないぞ
妖魔・壱:2d6>=10 (2D6>=10) > 11[5,6] > 11 > 成功
巳六針助:君?
妖魔・壱:ワン
矢鳴ヤモリ:んだとぉ
妖魔・壱:ちなみにまだ故障は入ってない状態だよ~
矢鳴ヤモリ:んー、そいじゃ使わせてもらうぜ
矢鳴ヤモリ:特殊忍具、【弾倉】を使用。
矢鳴ヤモリ:回避判定を振り直しな。
妖魔・壱:何ッ!?
巳六針助:あっ!それは…!
妖魔・壱:それは自分の射撃戦の攻撃忍法の命中判定か、目標の回避判定を振り直させる特殊忍具……弾倉!
矢鳴ヤモリ:おうともよ。
妖魔・壱:なぜ貴様がそれを……振り直します。
妖魔・壱:2d6>=10 (2D6>=10) > 3[1,2] > 3 > 失敗
妖魔・壱:ギャワーン!
矢鳴ヤモリ:おさらば
巳六針助:故障キツイなあ
巳六針助:やった!
矢鳴ヤモリ:ダメージを受けるぜい。
矢鳴ヤモリ:1d6 (1D6) > 5
妖魔・壱:1点かな。こちらも戦闘脱落!
system:[ 妖魔・壱 ] HP:4 → 3
矢鳴ヤモリ:戦術か、まあ軽傷の範囲内だねい。
system:[ 矢鳴ヤモリi ] 戦術:1 → 0
GM:では、戦場に残っているのが巳六くんだけになったので、戦闘終了。巳六針助が勝者になります。
巳六針助:Won…(勝ったな)
GM:勝者は「戦果」として、敗者の中から一人の【秘密】を獲得するか、任意の感情を結ぶ・結ばせることができます。
巳六針助:う~~~ん
巳六針助:よし ヤモさんの【秘密】を獲得します。
矢鳴ヤモリ:まー、参戦してるNPCいない以上そうなっちゃうんだよなあ。
巳六針助:ごめんよお……
GM:妖魔君に愛情とってもいいよ
GM:ともあれ秘密を送ります。
GM:黒戸さんにも共有されました。
黒戸 三四:いただきましたァン
巳六針助:ははあ………
GM:では、演出に入ります。
GM:====
GM:バァン、と壁材が弾け飛ぶ。
GM:散弾によるものではない。妖魔が壁を蹴った反動だ。
妖魔・弐:「マーッ、ベラス!」
妖魔・弐:射線を乱すように三次元に飛び跳ね、天井から矢鳴に襲い掛かる!
矢鳴ヤモリ:「そりゃ、ね」
矢鳴ヤモリ:「何度も見せてもらったわけで」
矢鳴ヤモリ:散弾銃を向ける。
矢鳴ヤモリ:その引き金に指をかけ。
矢鳴ヤモリ:「―――ちぃ」
矢鳴ヤモリ:それを逸らす。
矢鳴ヤモリ:発砲。
矢鳴ヤモリ:弾が向かった先は、もう一匹と若い忍びの交差点。
矢鳴ヤモリ:――牙が迫る。
矢鳴ヤモリ:放った弾の結果は見ず、目の前の脅威に対し。
矢鳴ヤモリ:「(しょうがねえ、虎の子だ)」
矢鳴ヤモリ:頭を揺する、帽子の中から滑り出た"とっておき"を自由落下のスピードに逆らい装填。
矢鳴ヤモリ:じゃきりと銃身が回る。
矢鳴ヤモリ:「ばぁん」
矢鳴ヤモリ:その声が獣の耳を叩く前に、弾は届いている。
矢鳴ヤモリ:"とっておき"が弾け、飛び散る火花を覆い隠すように――並んだ乱杭歯が視界いっぱいに。
矢鳴ヤモリ:「(しゃあねえ――、守ってやるって言ったもんな)」
妖魔・弐:「マッ、ギャブッ」
妖魔・弐:「ばああっ!」
妖魔・弐:弾けた頭部が四肢の制御を奪い。
妖魔・弐:自由落下と変わらないまま、顎だけを大きく開く。
矢鳴ヤモリ:狙いの首を守るように空いた腕を突き出す。
妖魔・弐:ばつん。
妖魔・弐:ばね仕掛けのように閉じた顎が矢鳴の前腕を砕き──そのまま動かなくなった。
妖魔・壱:視界の先では、後頭部に紅い花を咲かせたもう一体が、ぐらりと崩れ落ちている。
矢鳴ヤモリ:「……っち」
矢鳴ヤモリ:腕を振る。妖魔の頭が床を転がるが――。
矢鳴ヤモリ:「(牙が残ってやがる、こりゃあ……専用の道具でもねえと簡単にゃあ抜けそうにねえな)」
矢鳴ヤモリ:だくだくと流れる血を無感動に眺める。
矢鳴ヤモリ:すぐさま顔を上げ、呆然とこちらを見る巳六針助に向け叫ぶ。
矢鳴ヤモリ:「いっちょ前に心配か半人前が!いいから、キミはお嬢さんを助けんだよッ」
巳六針助:「――」
巳六針助:矢鳴ヤモリと妖魔の交錯に合わせて、浦内邸に飛び込むまでが一秒。
巳六針助:その交錯の瞬間、”もう一匹”の妖魔とかち合い――爪が胸に届く寸前、弾丸がそれを弾き飛ばしたのも一秒。
巳六針助:残りの覚悟を決めるのには――矢鳴ヤモリの声に答えることにだけは、一秒もかからなかった。
巳六針助:恋々窪ヨーコに接近している妖魔の後ろから、抱き込むように飛びつく。手には影の糸が弦のように張られている――それをふわりと、獣の首にかけ
巳六針助:「ごめん」
巳六針助

 つ
  ん 

巳六針助:丸太のような悍ましい頸が、地に落ちる。最後の一秒。息を吐く。
憂野ユチカ:「あっ、針助くん」
巳六針助:「……憂野、さん」
巳六針助:だらりと血まみれの糸を落として、妖魔を放った女を見た。
憂野ユチカ:「こっちが二対一になっちゃった。うーん」
憂野ユチカ:「仕方ないか! 勝負は時の運だもんね」
憂野ユチカ:とん、と恋ヶ窪ヨーコの背中を押す。
恋ヶ窪ヨーコ:「ぐっ……げほ、ごほっ」
恋ヶ窪ヨーコ:地に伏せって咳き込む。細腕に抱かれていただけなのに、呼吸すら困難になっていたようだ。
巳六針助:「先輩!」庇うように前に出る。矢鳴ヤモリが守ろうとした人間だ。そうせずにはいられなかった。
巳六針助:「憂野さん……貴女がやったことについて、どうこう言うつもりはない。オレに、そんな資格はない」恋々窪さんの背中をさすりながら。
巳六針助:「けど、オレだけじゃなくて、先輩やヤモさんを巻き込むんだったら……オレは容赦出来ないかも知れない」
憂野ユチカ:「あ、大丈夫だよ」
憂野ユチカ:「針助くん一人なら前もなんとかできたし。うん、容赦しなくていいよ」
巳六針助:「……だったら猶更、ここでやり合うつもりはないでしょ。そっちにも」
巳六針助:「ヤモさんはオレみたいに甘くはないよ」
憂野ユチカ:「乙女心をわかってくれるねえ」
憂野ユチカ:「ご覧の通り、病弱な女の子ひとりだから……ここはさがらせてもらうね」
憂野ユチカ:こほこほ、と口元に手を当て、わざとらしく咳をする。
巳六針助:「そうして貰えると、ありがたい」じり、と退がりながら。
巳六針助:「こっちにも、守りたい人間が居るんだ」
巳六針助:「……すまない」低く、押しつぶすような声で。
憂野ユチカ:「針助くん、守りたい人が多いみたい」
憂野ユチカ:「一人くらいにしておいた方がいいよ」
憂野ユチカ:「それじゃあね」
憂野ユチカ:廊下を歩く。ローファーが床を鳴らす。
憂野ユチカ:普段通りに登校するかのように、玄関を押して出ていく。
巳六針助:「っ、は…………!」全身からどっと汗が吹き出し、気付けば膝を付いている。人の身ならざる圧力だった。
巳六針助:「あー、……」
巳六針助:「ヤモさん、先輩……無事ッスか?」
巳六針助:「無事みたいなら、良かったスけど」
恋ヶ窪ヨーコ:「私は、大事ないが……矢鳴!」
矢鳴ヤモリ:「命があることを無事って言うなら」
矢鳴ヤモリ:「まあ無事だあな」
巳六針助:「すみません。手、オレのせいで……」
矢鳴ヤモリ:「やあ、今回も生き延びちまったぜ」ケラケラと笑ってぷらぷらと手を振る。
矢鳴ヤモリ:「お?なんだキミ、いつからそんな自分のせいにできるほど偉くなったわけ?」
巳六針助:「ウッ」
矢鳴ヤモリ:「助けてくれてありがとうございます、だろ?」
巳六針助:「た……助けて、くれて」少し俯きながら。
巳六針助:「ありがとう。ヤモさん……」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、ばあか」
矢鳴ヤモリ:「そんなとき忍びならな、こう言うんだよ」
矢鳴ヤモリ:「『知った事か、お前が勝手にヘマをしただけだろう』ってな」
矢鳴ヤモリ:「やあっぱいいねえ、針助少年は」
矢鳴ヤモリ:ニタニタと笑う。
巳六針助:「ヤモさんはオレに、そんなこと言わなかったくせに」
巳六針助:軽くため息を吐く。その笑みに、僅かに彼女の真意を垣間見た気がした。
矢鳴ヤモリ:「さて、と」
矢鳴ヤモリ:「ま、傷が浅いわけじゃあねえ、弱ってることはたしかだ」
矢鳴ヤモリ:「これ以上見られたら、キミみたいな蛹相手でも洗いざらいまろびでちまうってなもんだ」
巳六針助:「エッチ」
矢鳴ヤモリ:「どっちがだよう、棚ぼた野郎。今日のところは"それ"で勘弁しておけやい」
巳六針助:「……解ってるよ。先輩はオレが”恋庵”まで送ってくから」
矢鳴ヤモリ:「このヤモさんを丸ごとひん剥きたかったら、もっと頼りがいのある男になるこった」
矢鳴ヤモリ:「ま、そんなもんになってもらわなくて良いんだがな」
矢鳴ヤモリ:「そいじゃあとは任せたぜい」
巳六針助:「ま、丸ごとって、ちょい……!」
矢鳴ヤモリ:ひらりと、崩れた壁から飛び出していく。
巳六針助:「……むかついた。絶対吠えヅラかかせてやる」
巳六針助:頭を振って、恋々窪ヨーコを見る。
巳六針助:「ごめんね。先輩、怖かったろ。もちろん、覚悟して来てるとは思うけど」
巳六針助:「それとこれって、やっぱ別だからさ。オレも未だに怖いよ」
恋ヶ窪ヨーコ:「お前に同情されるためにここに来たんじゃない」
恋ヶ窪ヨーコ:「さっきの……憂野ユチカと、浦内獅子雄は親子だった」
恋ヶ窪ヨーコ:巳六に写真を見せる。
恋ヶ窪ヨーコ:「このことをどう判断するかはお前たちに任せる」
巳六針助:写真を手に取る。「……解った、ありがとう」
巳六針助:「……親子、か」
巳六針助:「怖いって気持ちはさ、多分」
巳六針助:「知らないものを知ろうとしたり、知ってるものが実は知らないことだったり」
巳六針助:「そう言う所から来るんだろうな……」
巳六針助:「だから、オレたち忍者は」
巳六針助:「【秘密】を集めることでしか、それに対抗できない。でも、先輩は自分一人でそれに立ち向かった」
巳六針助:「……真実を知る為に」
巳六針助:しばらく、独り言のように続けて。
巳六針助:「……家まで送るよ、先輩。オレは狼じゃないから、安心して」
恋ヶ窪ヨーコ:「なんだそれ」疲れた様子で笑う。
恋ヶ窪ヨーコ:「文字通り送り狼じゃないか……まあいい」
恋ヶ窪ヨーコ:「助かった。矢鳴にも……礼を伝えておいてくれ」
巳六針助:「うん。ヤモさん喜ぶよ」
巳六針助:「あの人、年下大好きだから。……うへへへ」
恋ヶ窪ヨーコ:「はあ? ……行くぞ」
GM:二人は浦内邸をあとにした。
GM:廃屋に篭っていた秘密は溢れ、再び静寂だけが残る。
GM:真相はまた、闇の中へと。
GM:====
GM:「浦内邸」のマスターシーンが終了したため、憂野ユチカを情報判定・感情判定の対象に取れるようになりました。

【目次へ戻る】

【第三サイクル:黒戸三四】

GM:【第三サイクル:黒戸三四】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
黒戸 三四:登場希望はPC全員で~
巳六針助:出るぜ出るぜ
矢鳴ヤモリ:うーい
遊火丸 クヲン:はーい
黒戸 三四:おシーン表を振りますわ
黒戸 三四:CST 都市シーン表(9) > 商店街を歩く。人ごみに混じって、不穏な気配もちらほら感じるが……。
GM:NPCは出しますか?
黒戸 三四:そうだな~
黒戸 三四:ヤツルさんはお願いしたいです!
GM:はあい
GM:====
GM:──篠伏町・R&B商店街。
GM:下町の空気と南米の文化を色濃く表現した、篠伏のメインマーケットである。
GM:褐色肌の中年男性──通称”ビッグボブ”のソウルフルな歌声が、今日も人混みに活気を与えている。
黒戸 三四:異国情緒豊かな雰囲気と、古来よりの日本文化が調和し、篠伏独自の文化が形成されているような、このストリートは。
黒戸 三四:黒戸三四のお気に入りの散歩コースのひとつ。
黒戸 三四:にこやかに歩みを進めていたその足は。しかしぴたりと止まり。
黒戸 三四:「動いた」
黒戸 三四:ぽつりと呟き。また、二、三歩歩いたと思えば。立ち止まり。
黒戸 三四:こつこつ、とスニーカーの爪先を地面に打ち付ける。
黒戸 三四:街中に“糸”を巡らせているのは、“彼”に限った話ではない。
黒戸 三四:三四を中心として、蜘蛛の巣のように広がる、地脈のエネルギー。
黒戸 三四:常人には決して視認出来ないであろうそれは、光よりも早い速度で。
黒戸 三四:この街にいる、特異な力を持った存在。即ち。己から、忍びに対してのメッセージ。
黒戸 三四:“私はここに居ます”。
巳六針助:ご しゃああああんっ
巳六針助:「ギャアアアアアア!!!!」黒戸三四の背後から悲痛な叫び声が聞こえる。
巳六針助:「ぐ……グロ”ド ザン”」
巳六針助:「オ”デ……ゴゴダヨ”」ぬらり、と ゴミにまみれた蓑虫のような影が立ち上がった。
黒戸 三四:「君、私と会うときだけいつも騒々しくない?」
黒戸 三四:ハンカチを手渡しながら言葉をかける。
遊火丸 クヲン:巳六の脇を素通りして、黒戸の方に歩み寄る影が一つ
遊火丸 クヲン:「……何、アンタ全員呼んだの?」
巳六針助:「ア”リ”ガド……また、着地ミスって……何かメチャクチャ入り組んでんだよここ!」全身のゴミを振るい落としながら。
巳六針助:「んお、遊火丸さんだ」
黒戸 三四:「二人きりの方が良かったです?」
遊火丸 クヲン:「それはアンタ次第じゃない?」
巳六針助:(あ)
巳六針助:(怪しい……)
遊火丸 クヲン:「……ともかく、どういう考え?」
黒戸 三四:「それについては」
黒戸 三四:「もう少々お待ちを。残りの方々は、少々遠くにおられるようで」
鬼衆ヤツル:「……『隠密こそを尊しとせよ』と、君の前でもそう伝えたはずだが」
鬼衆ヤツル:人混みを潜り抜けるようにして、正面から現れる。
鬼衆ヤツル:「無差別に情報を撒くのは、あまり賢い行動とは言えない」
矢鳴ヤモリ:「師として軽んじられてんじゃねの?」
矢鳴ヤモリ:肩越しに顔を出す。
巳六針助:「んお、鬼衆さんとヤモさん」
巳六針助:「……オレは二人とも師匠だと思ってるスよ」
鬼衆ヤツル:「私は師ではない。今のは黒戸に言った言葉だ」
矢鳴ヤモリ:「ゴミ箱着地の話かと思った」
巳六針助:「アレは生存術ッス。最大限着地の衝撃を和らげるための……」
黒戸 三四:「ご忠告、痛み入ります。けれど、形振り構っていられなかったのも事実ですから、何卒ご容赦のほどを」
矢鳴ヤモリ:「きーやんは教えてくれてないよだから今度ヤモさんが教えてあげんよ」
鬼衆ヤツル:「私の言葉に重きを感じていないのは構わない。むしろ正当だ」
巳六針助:「ンモー!そこで取り合いしないで! つか、一旦これで全員集合っぽい?」黒戸さんの方を見て。
矢鳴ヤモリ:そう言ってぽいぽいと手元のたこ焼きを口の中に放り込む。
黒戸 三四:「………そのようだね」きょろきょろと辺りを見回して。僅か、残念そうに息を吐く。
黒戸 三四:「では、僭越ながら」
黒戸 三四:「“憂野ユチカ”に会ったそうだね?」
遊火丸 クヲン:「………」じろり と声の先に視線を向ける
矢鳴ヤモリ:「あー、あっひゃあっひゃ」
矢鳴ヤモリ:もごもご。
巳六針助:「あ、ちょっとちょっと。水買って来てるっスから……うげ」ヤモさんにペットボトルウォーターを手渡しながら。
黒戸 三四:「火傷しては大変ですよ」
矢鳴ヤモリ:「ごくごく」
矢鳴ヤモリ:ぺろりと唇を舐めて。
黒戸 三四:「“もう遅かった”かな?」
矢鳴ヤモリ:「おう、会ったが」
矢鳴ヤモリ:「それが?」
矢鳴ヤモリ:にい、と首を傾ける。
黒戸 三四:「忍びが揃いも揃って。ここまで一切の手掛かりを掴めなかった彼女が」
黒戸 三四:「ここに来て、姿を現した」
黒戸 三四:「これは。彼女の狙いを探る、またとないチャンスでも有り」
黒戸 三四:「同時に。“リミット”が近いという証左でもある。というのが、私の考えです」
矢鳴ヤモリ:「追っていたわけでもねえヤモさんに先を越されるなんたあご愁傷さまだ」
矢鳴ヤモリ:「それで、アタシら仲良しクラブでもなんでもねえんだ」
矢鳴ヤモリ:「何か"お願い"があるってのかい?」
巳六針助:「ちょい、ヤモさん!」若干諫めるように。
巳六針助:「……でも、今回の事件の全体像が見えてる奴なんて……多分、まだ、一人もいないってのは……うん。間違いないよな」
巳六針助:「ヤモさんの言う通り、何かワケあるんでしょ。黒戸さん」
矢鳴ヤモリ:「んなこと言ったってなあ」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさん別に探偵でも何でもねえ」
矢鳴ヤモリ:「依頼がこなせりゃ、誰が何企んでようが関係ねいわけだ」
黒戸 三四:「矢鳴さんを通して、浦内さんには手酷いしっぺ返しを頂いたもので」
黒戸 三四:「専門家でもない、私は。彼の邸宅に踏み入るのを躊躇しておりました」
黒戸 三四:「私は。今から“憂野ユチカ”が僅かでも残したであろう、彼女の気の残滓を元に、その正体を探るつもりでいますが」
黒戸 三四:「もし、浦内さんが。至極、一般の価値観を持っているような……娘を思う、優しい父親像をしているのであれば」
黒戸 三四:「娘を守るため、彼女自身に、侵入者への対策を施している可能性も。否定出来ないですよね」
巳六針助:「……そうだね」
巳六針助:「そういうことは、やれる。アイツはそういう人間だ」
遊火丸 クヲン:(……ふーん)巳六の口振りに、どこか思う所を感じ
矢鳴ヤモリ:「そんな真っ当な奴がこっちの世界にわざわざ踏み入って来たんなら」
矢鳴ヤモリ:「元がどうあれ、もうとっくにおかしくなってるだろうよ」
黒戸 三四:「元から、そう在る人よりも」
黒戸 三四:「私としては。転がり落ちるでもなく」
黒戸 三四:「自らの意志で、こちら側に踏み入った、“日向”の人間の方が恐ろしい」
巳六針助:「……」
黒戸 三四:「それに足る覚悟がないと、出来ませんものね」
黒戸 三四:「長々と喋ってしまったな。悪い癖だ」ぽりぽりと頬をかく。
黒戸 三四:「本当はね。ミシンくんにも、お願いしたいところだったけれど」
黒戸 三四:「どうやら、今の君に渡せるものは、私には無いようだから」
黒戸 三四:「主に、矢鳴さんに対してのお願いかな?」
矢鳴ヤモリ:「ふうん?」
黒戸 三四:「“憂野ユチカ”の情報と引き換えに。“浦内獅子雄”の情報が欲しい」
黒戸 三四:「本当は、探る前に頂きたいところでしたけれど……」ちらり、と。小首を傾げて、彼女の表情を伺ってみる。
矢鳴ヤモリ:「そりゃ、皮算用ってもんだなあ」
矢鳴ヤモリ:「まずは見せてみなって、取引相手に相応しいってとこをよ」
鬼衆ヤツル:「前もって話を通しておいた方が話が早い」
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんそういうせせこましいの苦手だからよお」
矢鳴ヤモリ:「現物主義なわけ」
矢鳴ヤモリ:「おかげでケチな借り物繰り返しちまうのはご愛嬌だがな」
巳六針助:「『目的のものは、戦って勝ち取れ』」
巳六針助:「『ただし、そのための準備は怠るな』……ってことじゃない」にこりと笑う。
巳六針助:「二人の師匠の教えを総合するとね。オレ、黒戸さんの”準備”、見ても良いかなと思ってるよ」
巳六針助:「もちろん決めるのヤモさんだから、これ以上口は挟まないけど」両手を上げる。
黒戸 三四:「私としても、これ以上、下手な所は見せられないからね。忍びの先輩としても」巳六くんに胸を張りながら。
矢鳴ヤモリ:「ひひ」
矢鳴ヤモリ:「少年、教えておいてやるよ」
矢鳴ヤモリ:「情報ってのは、ただ隠しておくだけが得ってもんでもねえ」
矢鳴ヤモリ:「明かしておいたほうが都合がいい、そういう質のものだってある」
矢鳴ヤモリ:「なら、黙ってても舞い込んでくる可能性のあるものを取引に呑んだんじゃあ……あまり賢い動きたあ言えねえわけだ」
巳六針助:「んお……」
矢鳴ヤモリ:「だから、ここではいとは言えねえな、中身の分かんねえもの相手によ」
黒戸 三四:「至極真っ当なご意見ですし。皮算用であることもまた事実」
黒戸 三四:「万が一、ここでも醜態を晒したり、虎の尾を踏んでしまうようであれば」
黒戸 三四:「まあ、正直。仕方ないのかな、と。今はそう思います。いや。そう思うことが出来る、かな?」
黒戸 三四:「その際は。頼りになるお姉さんに、後を託しますよ」遊火丸さんに、人懐こい笑みを浮かべてみせる。
黒戸 三四:「餞別と言ってはなんですが、これを」
遊火丸 クヲン:その言葉に、特に口は挟まない。少し眉を顰めるようにして答える
黒戸 三四:遊火丸さんに、銀のケースの秘密をお渡しします。
GM:では公開情報になります。

・「銀のケース」の【秘密】
ケースの内には、小さな注射器が入っている。
注射器を配置するスロットは5つあるが、残っているのは1本だけだ。
注射器には『スロープ』と銘打たれていた。

『スロープ』の【概要】
人狼に関する記憶を抹消する薬品。
この薬品を使用され、効果を発揮した場合、そのキャラクターの該当する記憶は『黒塗り』に変わる。

戦闘に勝利したときか、使用されることに同意した相手を目標にしたときいつでも使用できる。
目標一人を選び(戦闘に勝利したときは敗者から)、「人狼」に関する記憶を失わせる。
このとき、目標が「人狼」に感染していれば、妖魔から人間に戻す。
またPC1が『スロープ』を使用した場合には、より詳細に、失わせる「人狼」に関する記憶の範囲を操作できる。

遊火丸 クヲン:受け取りました
遊火丸 クヲン:「………ふぅん」
巳六針助:「……」
遊火丸 クヲン:「なるほどね。まぁ、予測ならいくらでも立てられるけど」
遊火丸 クヲン:「アンタ達の会話から察するに、憂野から情報を引き出すのは必須事項な訳でしょ」
巳六針助:「まずは、黒戸さんが、成功するか、失敗するか……全部そこ次第ってコトか」
遊火丸 クヲン:頷いて「必須事項が共通事項なら、結局のところやるしかないでしょ。全員が損するんだったら、私が得する方を選ぶわ。」
黒戸 三四:「ごもっとも」そっと膝を曲げて、地面にしゃがみこむ。
黒戸 三四:ひんやりとした、冷たいアスファルトを通して。この地に根ざす、脈々とした流れに触れる。
黒戸 三四:意中のそれを探し、探り当てるため。
黒戸 三四:生来病弱だというその身体、緋色の髪房、妖魔の血。そんなものよりも。
黒戸 三四:己の脳裏に映し出されている、彼女の体内の、滞った気流が。
黒戸 三四:片時も、離れて止まないのだ。
黒戸 三四:憂野ユチカさんの秘密を探りたいと思います。指定特技は《記憶術》。
GM:どうぞ!
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:記憶術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
黒戸 三四:もうだめだ
GM:ホホホw
GM:誰か振り直しは……あるんでしょうか??
矢鳴ヤモリ:遁甲符があるかもしれねえが
矢鳴ヤモリ:なんか腕に牙が刺さっててよお
GM:かわいそう
黒戸 三四:オッケー、では続きやりますね。
黒戸 三四:─────掴んだ。
黒戸 三四:これで、ようやく。
黒戸 三四:普段なら、決して抱かないもの。
黒戸 三四:己のような者が、そんなものを。
黒戸 三四:決して抱いては、ならないのだと。
黒戸 三四:誓ったはずなのに。
黒戸 三四:確かにその手の中にあったものが、こぼれ落ちていく。
黒戸 三四:希薄になっていく、暖かなものを。うっすらと、見届けて。
黒戸 三四:「やっぱり」
黒戸 三四:「私は、君のことなんて。何一つ、分かっていなかったんだな」
黒戸 三四:ぱんぱん、と膝を叩いて。
黒戸 三四:「ごめんっ!」両手を合わせて、皆の前で頭を下げる。
黒戸 三四:「ダメでしたっ」
鬼衆ヤツル:「先に伝えておいた方が、話は早い」
鬼衆ヤツル:「君の提案は約束ではなかった」
鬼衆ヤツル:「それが無効になっただけだ……謝罪の必要性はない」
遊火丸 クヲン:ため息を吐いて
遊火丸 クヲン:「これで、アンタの頼みの綱は私しか居なくなった訳ね」
巳六針助:頷く。「……遊火丸さん」
巳六針助:「憂野さんのこと、頼む。黒戸さんの言う通り、もう時間がない」
巳六針助:GM
巳六針助:遊火丸クヲンの【秘密】の黒塗り部分を消去します。
GM:了解しました。
GM:『黒塗り』部分が消去されます。

・PC3の【秘密】・追憶
『伏竜会』は影の世界へのコネクションを持っている組織ではない。
それでもあなたが繁華街に訪れ、依頼を受けたのは別に理由があるためだ。
あなたは比良坂機関、麝香会総合病院から、盗み出された「アンプル」を回収する密命を受けている。
何らかの試料を封じた「アンプル」であるらしいが、詳しい内容は知らされなかった。

盗人の名は憂野ユチカ。隠忍の血統に所属し、テロ活動を幾度となく首謀してきた危険人物である。彼女の足跡はこの繁華街で途絶えている。
『伏竜会』の名を借りれば、繁華街の内情をスムーズに調べることができるだろうと踏んだあなたは、彼らの依頼を受けることにしたのである。


しかしあなたは、追跡の過程で憂野ユチカの策謀により、「アンプル」の内容物を封入したカプセルをあなた自身に使用されてしまった。
その内容物は「狼憑き」と呼ばれるウイルスであるらしい。あなた自身が、月光の下で狂暴化する、妖魔になるのだと告げられた。

月光を受け、自分の肉体と精神が変貌していく感覚の中。あなたを抱きとめる者がいた。PC1だ。
PC1はあなたに何かを注射した。恐らく、記憶を消すことで妖魔化を遅らせる薬だったのだろう。
今その効力は消えてしまった。あなたの中に、妖魔の声が胎動するのを感じている。
だがそれよりも、あなたを満たしているのは怒りだった。
「アンプル」を既に回収できない以上、任務ではなく、自らの信念のために戦うのだ。
あなたの【本当の使命】は、憂野ユチカを倒すことだ。

あなたはクライマックス戦闘中、妖魔忍法(基本172p)からランダムに選んだ一種を獲得し、特例修得する。
あなたはクライマックスフェイズ終了時に「治療薬」を使用されていなければ、弱点【劣勢因子】(基本127p)を獲得する。(功績点は獲得できない)

遊火丸 クヲン:ほう
巳六針助:加速。
巳六針助:遊火丸クヲンの耳に、細い影の針を突き込む。
巳六針助:記憶とは神経の絃とシナプスの綿の編み物だ。遊火丸クヲンの中で、『繋がらない』ように組み替えられていた”それ”を――正しい位置に”編み戻す”。
巳六針助:減速。影の針が旋回し、手元に戻る。
巳六針助:「このままじゃ、皆死ぬ」
巳六針助:「……そうはさせない。オレが、助ける」
巳六針助:「今ならわかる。オレの『信念』は、この時のためにあったんだ」
矢鳴ヤモリ:「ふうん」
巳六針助:「……頼む。遊火丸さん」
巳六針助:「貴女の身体は、既に貴女のものじゃない。だから……憂野ユチカを倒す必要がある」
巳六針助:「信念に従うんだ。この世界に住む誰もが、そうしてきた」
遊火丸 クヲン:記憶の違和と融和を飲み込むように、一度瞳を閉じると、黒戸の方を軽く一瞥し
遊火丸 クヲン:(………そ。)
遊火丸 クヲン:(アンタもそうだった訳ね)
黒戸 三四:含んだ笑みを彼女に返す。
遊火丸 クヲン:そしてそのまま、巳六針助を睨みつけるように
遊火丸 クヲン:「───アンタ、それをよりによって私に言う?」
遊火丸 クヲン:「言われなくてもそうするわ。もう何十年生きてると思ってんのよ」
巳六針助:「……そう言う人だからこそ、託せるんだよ」にやりと笑う。
遊火丸 クヲン:くつくつと笑って「ええ、何たって」
遊火丸 クヲン:「───負けず嫌いだものね」

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【第三サイクル:遊火丸クヲン】

GM:【第三サイクル:遊火丸クヲン】
GM:登場希望とシーン表をどうぞ。
遊火丸 クヲン:そうですね、登場希望もシーンも引き続きこのままで
GM:了解しました。ではビッグボブの歌をBGMにしながら。
GM:====
遊火丸 クヲン:「アンタ、索敵はどの範囲まで広げてたの?」
遊火丸 クヲン:黒戸三四に問いかける
黒戸 三四:「厳密には、索敵とは異なるんですが……」まあ似たようなものか、との言葉のあと。
黒戸 三四:「およそ、私を中心として。この街内を覆えるくらい、でしょうかね」
矢鳴ヤモリ:「器用だねえ」
遊火丸 クヲン:「そ。ならもう一つ聞くわね」
遊火丸 クヲン:「さっきのアンタの動作からして…触れた場所を起点に、範囲内に働きかけるものでしょ?」
遊火丸 クヲン:「どこで止まったの?それ」
遊火丸 クヲン:「聞き方が悪いか、”範囲内で言うとどの辺で”ね。ここから何mぐらいとか、方角はどうとか。そういうの」
黒戸 三四:「少々お待ち下さい」
黒戸 三四:ジャージのポケットからスマートフォンを取り出して。地図アプリを起動し、す、す、と幾らかスワイプしてみせたあと。
黒戸 三四:「う~ん。この……地下鉄の駅から」
黒戸 三四:「この……百紋浜まで。でしょうか」とんとん、と指を叩いて。ぐるりと指で円を描いていく。
遊火丸 クヲン:「上々。」微笑みかけるように
遊火丸 クヲン:「”その中には居る”って事よね」そう言いつつ、携帯端末の画面を忙しなくタップし、誰かと連絡を取り合いながら
遊火丸 クヲン:「なら、後は」
遊火丸 クヲン:───蝶を象る炎が四つ、その掌から飛び立って
遊火丸 クヲン:「人海戦術あるのみね」
遊火丸 クヲン:遊火丸クヲンの姿形へと変化し、方々へと散る
遊火丸 クヲン:じゃあここで判定します
遊火丸 クヲン:対象は憂野ユチカの秘密について、《分身の術》で
GM:良いですね どうぞ!
遊火丸 クヲン:頼むぞマジで……
黒戸 三四:感情修正もわたしま~す!+1
遊火丸 クヲン:ありがとーう
遊火丸 クヲン:2D6+1>=5 (2D6+1>=5) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
遊火丸 クヲン:はぁ はぁ
巳六針助:うおおおおおお!!!!!!!
GM:危なげなく成功しましたね。
黒戸 三四:ちゅき♡
巳六針助:ママ・・・
GM:では憂野ユチカの【秘密】を遊火丸さんと、黒戸さんに。
矢鳴ヤモリ:目を細める。
矢鳴ヤモリ:「手に入れたようじゃねえかい」
矢鳴ヤモリ:「なら、ようやく交渉ができるってわけだ」
遊火丸 クヲン:ご 苦 労 様
遊火丸 クヲン:そのメッセージを送信した後、端末から顔を上げて
遊火丸 クヲン:「そうね」
遊火丸 クヲン
矢鳴ヤモリ:「おおっと」
矢鳴ヤモリ:「アタシはアンタに言ってんだぜ、お嬢さん」そう、黒戸三四へと言葉をかける。
遊火丸 クヲン:「ふぅん」
矢鳴ヤモリ:「ひひ」愉快そうに笑う。
黒戸 三四:「おや」
巳六針助:「……ある意味じゃ、”最初の形に戻った”とも言えるよな。結果的にはだけど」
矢鳴ヤモリ:「話を最初に持ちかけてきたのはお嬢ちゃんだ」
矢鳴ヤモリ:「それに、人のちからを使うのも実力のうち」
矢鳴ヤモリ:「違うかい?」遊火丸クヲンに笑いかける。
遊火丸 クヲン:「別に違わないわ。最初にテーブルに座ったのはこの子、それは確かにそう」
黒戸 三四:「さんざ啖呵を切って恥を晒し、結局は遊火丸さんに甘えた形となってしまった小娘相手に、皆さん随分とお優しい……」
黒戸 三四:「いや」
黒戸 三四:「何だか拗ねてるみたいだな、これ。素直に言います」
黒戸 三四:「助かりました、遊火丸さん。ありがとうございます」
巳六針助:「あは。”先輩”、そっちのがやっぱらしいよ」
遊火丸 クヲン:「別に、アンタを助けなきゃ私も困るもの」
矢鳴ヤモリ:「おいおい、それがアンタの売り込み方かねい」
矢鳴ヤモリ:「目の前にいるのは、商談相手だぜい?」
矢鳴ヤモリ:「吊り上げてみろよ、己と持ち札の値段をよ」
遊火丸 クヲン:「──商談と言う割に、何故上手でいけると思い込んでいるのかしら」
矢鳴ヤモリ:「そっちが勝手に下がったんだろい」
遊火丸 クヲン:「あら、そうなの?世間知らずにも程が無いかしら」
遊火丸 クヲン:「”商売相手”ってそういうものじゃない?敬意さえ捨て去ったら、ゴロツキの会合と何も変わらないでしょ?」
遊火丸 クヲン:「それとも、この期に及んでまだ後の先で喋る気かしら」
矢鳴ヤモリ:「ひひひ、随分と世話を焼くじゃねえか」
矢鳴ヤモリ:「情がうつったかい?健気な少女によ」
巳六針助:「ヤモさん!」焦ったように矢鳴ヤモリを見るが。
遊火丸 クヲン:「もう一度言いましょうか」
遊火丸 クヲン:「”商談”と言ったのはアンタよ。矢鳴ヤモリ」
遊火丸 クヲン:「とっととカードの価値をアピールしたら?」
矢鳴ヤモリ:「その必要があるのかい?」
矢鳴ヤモリ:「そちらが最初に欲しがったんだ、その時点で値札は貼られたと」
矢鳴ヤモリ:「そう思ってたんだがなあ」口の端を吊り上げる。
矢鳴ヤモリ:「なあ、おい、何とか言ったらどうなんよ」
矢鳴ヤモリ:「甲斐甲斐しく喋ってもらってばっかりじゃ」
矢鳴ヤモリ:「格好がつかねいだろう?黒戸三四」
巳六針助:「……状況を整理しよう。大前提として、オレとヤモさんも……憂野ユチカの情報は欲しい」
巳六針助:「その上で、黒戸さんが、どうしたいか、だ」
黒戸 三四:珍しく困ったような表情で、遊火丸さんと矢鳴さんを見たあとで。
黒戸 三四:「勿論、私とて安く売り込むつもりはありません」
黒戸 三四:「……遊火丸さんの力を通して、私と彼女は。“憂野ユチカ”の狙い、大凡の目的が判明したと言えます」
黒戸 三四:「前もって言っておきますが」
黒戸 三四:「私の目的も、遊火丸さんの目的も。“憂野ユチカ”の悲願とは相対するものです」
巳六針助:「同じではないが、似てはいる……」
黒戸 三四:「彼女との直接対決はもう、避けられないでしょう」
矢鳴ヤモリ:「いいのかい?そこの巳六針助ってフラフラしているガキンチョが最後にどっちにつくかは知れねえが」
矢鳴ヤモリ:「浦内獅子雄は仮にもアタシの雇い主さ」
矢鳴ヤモリ:「その手を明かして仇となる」
矢鳴ヤモリ:「そんな結果もあるいは、だ」
遊火丸 クヲン:「ああ、そっか」
遊火丸 クヲン:「アンタ、そいつの事何も知らないのね」
遊火丸 クヲン:とだけ喋って、口を閉ざす
矢鳴ヤモリ:「おお、怖い怖い」おどけたように肩をすくめる。
矢鳴ヤモリ:「それで、それでも欲しいのかい?憂野ユチカをこの矢鳴ヤモリに教えて、尚」
黒戸 三四:少しの間、黙した後。巳六くんに視線を向ける。
巳六針助:「……」
黒戸 三四:「私はね、ミシンくん。鬼衆さんの“秘”を、垣間見て」
黒戸 三四:「思ったんだ。“ああ、やっぱりな”、って」
巳六針助:「――そうだね」
巳六針助:「オレのこと、怖い? 黒戸さん」
黒戸 三四:「君が私たちに見せてくれたその手練手管。全てがまさに、理外のもの」
黒戸 三四:「うーん。どっちかっていうと。懐かしい、とか。そういった方向の感情だったんだけれど」
黒戸 三四:「でもね、それでも。君、言ったでしょう」
黒戸 三四:「最後に、信じてくれれば、ってやつ」
巳六針助:表情が歪む。
巳六針助:「……気持ちは、今でも、変わってない」
黒戸 三四:ふふ、と笑って。
黒戸 三四:「おそらく。この場の誰一人として、君の背景に何があったのか、本当に知る人間は、君以外に居ないだろう」
黒戸 三四:「でも、これまでの君が。私たちに見せてくれた姿は」
黒戸 三四:「私が見た、ちょっとカッコつけたがりで。器用なんだか、不器用なんだか、分からない。“巳六針助”はね」
黒戸 三四:「信用に値する人間だと、私は思っている」
黒戸 三四:「らしくないことをしているのは、分かっているけどさ」
黒戸 三四:「君の力になった上で……」
黒戸 三四:「私は、私の目的を果たしたい。“憂野ユチカ”の企みを阻止したい」
黒戸 三四:「そのためには……“浦内獅子雄”のネタが、必ず必要になるだろうと、踏んでいます」
巳六針助:目を閉じる。
巳六針助:「ごめん、鬼衆さん」
巳六針助:「オレ、初めて自分から、貴女の教えを破るよ」
巳六針助:「……黒戸さん。信じる」
巳六針助:「そんで、ごめん。ヤモさん」
巳六針助:「……貴女に死んで欲しくない。その思いは変わってない」
巳六針助:「浦内獅子雄は。危険だ」
巳六針助:「……条件が一つだけ」
巳六針助:「遊火丸さん。黒戸さんのこと、多分本人以外で一番よく知ってるの、貴女だ」
遊火丸 クヲン:「………」やや納得はしていない顔をしつつも、反論はない
黒戸 三四:「言うまでも無いことですが」
黒戸 三四:「それは、貴女が勝ち取ったものです」
黒戸 三四:「貴女のご随意に、全てお任せします」
巳六針助:「……その秘密が、黒戸さんの命に関わるもので」
巳六針助:「そこに、遊火丸さんに仕掛けられていたような”ノイズ”があるなら――何とかできるかも知れない」
巳六針助:「情報の価値ってのに一番詳しい忍者がいるとしたら、貴女でしょ。遊火丸さん」
巳六針助:「黒戸さんとオレは、秘密を交換する。でも、もうひとつ目の”条件”については――任せる」
巳六針助:「……遊火丸さんはずっと、信頼できる大人だったよ」
矢鳴ヤモリ:「おいおい、ちょい待て」
矢鳴ヤモリ:「何勝手に割り込んでるんだよ」
矢鳴ヤモリ:「こっちにも面子ってもんがあるだろがい」
巳六針助:「じゃ、ヤモさんが黒戸さんから憂野ユチカの情報を貰う? さっきやっただろ、それ」
矢鳴ヤモリ:「その話をしてたんだろがい、今!」
鬼衆ヤツル:「矢鳴」
矢鳴ヤモリ:「はぁ……まったく、調子狂うったらありゃしねえ」
矢鳴ヤモリ:「まあい、興が削がれた」
矢鳴ヤモリ:「好きにしな、見ててやるからよ」
巳六針助:「……ヤモさん」
鬼衆ヤツル:頷く。
巳六針助:「ありがとう。そう言う所、好きだよ」
矢鳴ヤモリ:「お前な」
巳六針助:「貴女に会えて、オレはきっと運が良かったんだろうな」微笑みかける。
巳六針助:「ヤモさんは、運が悪かったってことで」
矢鳴ヤモリ:「流石にこれは、問答無用で鉛玉撃ち込んでるとこだぞ、普段ならよぉ」
矢鳴ヤモリ:「それで、アンタはいいのかい黒戸三四」
黒戸 三四:「……でもね、彼女の言う通りだ、ミシンくん。矢鳴さんの言い分は、最もだ」
黒戸 三四:「反故にしてもいい交渉の卓に、再びついてくれた彼女の面子が、立たないだろう」ゆっくりと膝を折り。
黒戸 三四:「矢鳴さん」
黒戸 三四:「私は、この街を守るためなら」
黒戸 三四:「何でもします」
黒戸 三四:地に頭を付ける。
巳六針助:「……黒戸さん」
黒戸 三四:「どうか、力を貸してください」
矢鳴ヤモリ:「……ふぅん」
矢鳴ヤモリ:「そういうの、そこの少年には効くかもしれねえけどさ」
矢鳴ヤモリ:「あいにく、ヤモさんは忍びなわけ」
矢鳴ヤモリ:「はした金であろうと、報酬ってもんがいらあ」
矢鳴ヤモリ:「それで、お代はいくらほどいただけるわけで?」
遊火丸 クヲン:ピン と500円玉を指で弾いて渡す。
矢鳴ヤモリ:それを、2つ指で挟みとる。
遊火丸 クヲン:「───面子を気にするアンタなら、今下げてるこいつの頭と、その駄賃で十分分かるでしょ。」
遊火丸 クヲン:「それとも、他人のものには無頓着なのかしら」
矢鳴ヤモリ:「ひひ」
矢鳴ヤモリ:「あいにくとこの矢鳴ヤモリ、自分の生にすら無頓着ときたもんだ」
矢鳴ヤモリ:「だが、お代はたしかにいただいた」クルクルと、硬貨を手のひらで弄ぶ。
矢鳴ヤモリ:「お値段以上は、働かねえぞい」
黒戸 三四:「ありがとうございます」伏せていた顔をぱっ、と上げる。
遊火丸 クヲン:「………巳六針助」
矢鳴ヤモリ:「しゃしゃり出たんだ、うまく運んでみな」
矢鳴ヤモリ:「言ったように……見ててやるからよ」
矢鳴ヤモリ:そう言って、集った忍びに背を向ける。
遊火丸 クヲン:「アンタが条件を付けるのなら、私からも条件を付ける」
遊火丸 クヲン:「”何とか出来るかもしれない”じゃない」
遊火丸 クヲン:「”何とかする”と、そう言いな。」
巳六針助:胸を撫で下ろしていたのを、ぐ、と
巳六針助:遊火丸クヲンの方に、向ける。
遊火丸 クヲン:「────」その様子を、ただ眺めている。
巳六針助:「……怖いな」
巳六針助:絞り出すように吐き出す。
巳六針助:「……怖いのは、嫌だ。黒戸さんも、ヤモさんも、遊火丸さんも……何とか出来なかったときのことを、考えると」
巳六針助:耳元に手を当てる。
巳六針助:「やってやる」
巳六針助:「怖いのは、死んだ時くらいで充分なんだ。もう」
巳六針助:「……全部、助けてみせる。だから、力を貸してくれ」
巳六針助:「オレに、貰ったものを返す手伝いをして欲しい。……お願いします」
巳六針助:深く頭を下げる。
遊火丸 クヲン:「………」静かに頷いて
遊火丸 クヲン:こちらも頭を下げる
遊火丸 クヲン:「───毎度あり」
遊火丸 クヲン:「私の命を、アンタに預ける。」
遊火丸 クヲン:先程得た憂野ユチカの秘密と、黒戸三四の秘密を巳六君に渡します。
巳六針助:受領します。
GM:巳六くんからは何を渡すの
巳六針助:黒戸三四に対して、浦内獅子雄の秘密を渡します。
GM:了解
GM:ではそれらが全体公開になりますね。

・PC4の【秘密】
あなたが繁華街に消えた憂野ユチカのことを心配しているのは、ただその地域の治安が悪いことのみが理由ではない。
昨今では繁華街に『ライカン』と呼称される違法なドラッグが流通しつつある……そしてそれを販売したのは、他ならぬあなたなのだ。

『ライカン』には依存性があり、乱用もされているようだ。しかし本来は『狼憑き』という未知の感染症の、予防のために作られた薬品である。
『狼憑き』の感染者が繁華街に現れたという情報を得たあなたは、感染の拡大を防ぐため、苦肉の策として『ライカン』を流通させたのである。

だが、予防のみでは感染を遅らせることしかできない。
「治療薬」を手に入れなければならない。それが████にあることを、████████████████████いる。
あなたの【本当の使命】は、『狼憑き』の「治療薬」を手に入れることだ。

・浦内獅子雄の【秘密】
実は「人狼」とは、特定の個体の妖魔を指す名前ではない。
「人狼」の本質を直接仕留めなければ、討伐したことにならないと彼は知っている。

「人狼」は人間を妖魔に変えてしまう力を持っている。
妖魔に変えられた人間は、月光の下で仮面を着けた獣のような姿の「狼憑き」に変身するようになる。
圧倒的な膂力の反面、理性や知性は低下し、強い殺戮衝動に囚われるようになるのだ。
PC2とともに討伐した妖魔はこの「狼憑き」であり、「人狼」の本体ではない。

だが、妖魔の力への適性が高い者ほど、知性を高く保つことができる。
最も適性の高い者が「人狼」という、群れのリーダーである存在になるのだ。
複数の「狼憑き」の中で、同時に存在できる「人狼」は一体だけである。それを仕留めれば、「人狼」を討伐したと言えるだろう。

浦内獅子雄は「人狼」によって妻を失っており、強い憎しみを抱いている。
彼は████と共に「人████████████████████████████████████████████

・憂野ユチカの【秘密】
憂野ユチカは、「人狼」になろうと計画している。
人間としての知性を保ちつつ、妖魔の強靭な肉体を手に入れられる手段として選んだようだ。
そのために、麝香会総合病院に保管されていた、「人狼」になるためのウイルス、「狼憑き」を封じ込めた「アンプル」を無断で借りた。

しかし「狼憑き」の感染者の内の一人、群れのリーダーだけが本当の意味での「人狼」であり、高い知性を保てるのだと知った。
PC1が現在の「人狼」である情報を得た憂野ユチカは、彼が開発していた「治療薬」を奪い、彼自身に投与して「狼憑き」を消そうと考えた。

しかし現在も依然として、「人狼」はPC1のままであるようだ。
憂野ユチカは次は彼を殺害しようと考えたが、自分を妨害しようとする忍びが追ってきていることを察し、準備を整えることにした。
彼女は「アンプル」の内容物を「カプセル」として加工しなおし、繁華街の住人の肉体に埋め込んでいる。
新月の夜になれば、溶けだしたカプセルが人間を「狼憑き」に変える。
その騒ぎに乗じて、改めて彼女はPC1を討つつもりである。


憂野ユチカの【本当の使命】は、「人狼」になることだ。
そのための障害を、全て排除するつもりである。

巳六針助:では 黒戸三四の黒塗りを消去します。
GM:了解しました。

・PC4の【秘密】・追憶
あなたが繁華街に消えた憂野ユチカのことを心配しているのは、ただその地域の治安が悪いことのみが理由ではない。
昨今では繁華街に『ライカン』と呼称される違法なドラッグが流通しつつある……そしてそれを販売したのは、他ならぬあなたなのだ。

『ライカン』には依存性があり、乱用もされているようだ。しかし本来は『狼憑き』という未知の感染症の、予防のために作られた薬品である。
『狼憑き』の感染者が繁華街に現れたという情報を得たあなたは、感染の拡大を防ぐため、苦肉の策として『ライカン』を流通させたのである。

だが、予防のみでは感染を遅らせることしかできない。
「治療薬」を手に入れなければならない。それが自分の頭の中にあることを、あなたは知っている。
あなたはかつてPC1とともに、「狼憑き」を治療するための研究を行っていた。
医学についてはあなたの方が専門家だ。旧知の友であるPC1の危機に、あなたは尽力していた。
しかし彼は、あなたの身を感染の危険に晒すことを避けるため、「治療薬」の開発の目途が立ったところで、あなたのPC1に関する記憶を消し去ったのだ。

あなたは「治療薬」の完成品の作り方を知っている。
恐怖を消す薬品『ライカン』と、「人狼」についてのみ記憶を消す薬品『スロープ』。この両方の効能を合わせた薬こそが、本当の「狼憑き」の特効薬、『ライカンズロープ』(狼を吊る縄)になるだろう。
二つの薬効を合わせるためには、もう一つ必要な材料がある。
まだ月光を受けて変貌していない、「狼憑き」の感染者の血液だ。

あなたの【本当の使命】は、『ライカンズロープ』を手に入れることだ。
あなたはクライマックス戦闘の終了時、『スロープ』と「まだ妖魔になっていない『狼憑き』の感染者の血液(生命力1点)」を消費すれば、『ライカンズロープ』を作成することができる。

GM:では〆のロールをどうぞ。
遊火丸 クヲン:「────成程ね。」
遊火丸 クヲン:「特に、やる事に変わりがなさそうで良かったわ。ステップが増えただけでね」
巳六針助:ば ちっ
巳六針助:針を袖口に瞬時に収納する。黒戸三四の脳髄に巣食う、その記憶を編み直して整除したのだ。
巳六針助:「……憂野ユチカだ。彼女を何としても、止める必要がある」
黒戸 三四:脳髄まで響く音。ちかちかと火花が散る感覚。
黒戸 三四:「………そのようだね」
黒戸 三四:「そうか。……未だに実感が、何だか湧かないけれど」
巳六針助:「それでも、皆はオレを信じてくれた。……なら、さ。勝てるよ」
巳六針助:「人狼ゲームさ、あるだろ。オレも修学旅行のバスとかで結構やってさ」
巳六針助:「オレってアホだから……そういう時、疑わないくらいの方が、何でかよく勝てたんだ」
巳六針助:そう言って、矢鳴ヤモリと同じ方向へ歩き出す。
巳六針助:「疑わない、じゃないな」
巳六針助:「……信じること」
遊火丸 クヲン:「────ふん」徐々に遠のくその背を視線で追うように、立ち上がる
遊火丸 クヲン:「だから”信念”って呼んでるのよ、それ。」
遊火丸 クヲン:ポツリと零して、同じ方向に歩きだした。

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【第三サイクル:鬼衆ヤツル】

GM:【第三サイクル:鬼衆ヤツル】
GM:登場は巳六針助のみです。
GM
巳六針助:登場します。
GM:====
GM:──篠伏町・絵波通り
GM:かつて高名な日本画家が暮らしていた、という触れ込みの通りだ。
GM:再開発によって、その痕跡は看板に残っているばかりだ。
GM:歴史は、忘却の彼方にあった。
GM:黄昏時の長い影が、赤と青を隔てている。
鬼衆ヤツル:「先の交渉は、あまり上手くはなかった」
鬼衆ヤツル:暗がりの側から、あなたに声をかける。
鬼衆ヤツル:煙草の先端に、紅い焔が宿っている。
鬼衆ヤツル:「なぜだと思う」
巳六針助:「……結局、ヤモさんみたいに上手くは出来なくて。”信じてくれ”って。そう言うしかなかったから……ッスかね」
巳六針助:鬼衆ヤツルに背を向け、青ざめた、暁の影の中に佇んでいる。
鬼衆ヤツル:「そうだな」
鬼衆ヤツル:「だが、信じてくれ、と言うしかなかったから悪いわけではない」
鬼衆ヤツル:「相手を見ていなかったからだ」
巳六針助:「……眩しいンすよね、皆」
鬼衆ヤツル:「相手に適した手段を取る。話は簡潔にまとめる。非情になることを躊躇わない」
鬼衆ヤツル:「言うべきは多い。だが私は、君の師であるつもりはない」
鬼衆ヤツル:「……眩しいのは」
鬼衆ヤツル:煙草を吸う。先端が明かりを増す。
鬼衆ヤツル:「我々が影の世界にいるからだ」
鬼衆ヤツル:「暗がりでは、弱い火がより明るく見える」
鬼衆ヤツル:「なあ、巳六針助」
鬼衆ヤツル:「私が君にしたい話は、このことだ」
巳六針助:「……」振り返る。
巳六針助:「たばこ」
巳六針助:「一本貰っても、良いですか」
鬼衆ヤツル:「……」
鬼衆ヤツル:首を振る。
鬼衆ヤツル:「君は未成年だ。ああ、これもまた、そうだ」
鬼衆ヤツル:「私たちは超人かもしれない。しかし聖人ではない。勇者ではない。英雄ではない」
鬼衆ヤツル:「影の世界で、影の仕事を生業としている。望まれるべきでない存在」
鬼衆ヤツル:「巳六針助。君は、実に”運が良い”」
鬼衆ヤツル:巳六の胸を指さす。そこには「銀のケース」が入っている。
鬼衆ヤツル:「君には、影の世界を捨てる選択肢があるのだから」
巳六針助:「そりゃ……」胸元にある、託されたケースを見る。
巳六針助:「ここでこれを捨てれば」
巳六針助:「全部、なかったことになるってコトですか?」
巳六針助:「オレだけが、また、夜から帰れるって」
鬼衆ヤツル:「いや、それでは記憶が残るだろう」
鬼衆ヤツル:「それを自分に打つんだ」
巳六針助:「……『スロープ』」
巳六針助:記憶に作用する薬剤。その最後の一本。
鬼衆ヤツル:「君はそれで、忍びではなくなる」
鬼衆ヤツル:「夜から帰るのではない。影の世界にいなかったことになる」
巳六針助:「……鬼衆さん」
巳六針助:「あんた、自分の言ってることが……どんなに変か、解るだろ」
巳六針助:「オレを助けた、鬼衆ヤツルなら」
巳六針助:「生憎だけど、もう照らしちゃった人が居るんだ」
巳六針助:「爬虫類だからさ。ちゃんとあったかくしてあげないと、いつ死ぬか解ったもんじゃないし」
巳六針助:「オレ、裁縫屋の孫だよ。寒い人が居たら、あったかくするのが仕事だよ」
巳六針助:「……でも、そうか」
巳六針助:「贈るってのは、理屈じゃないもんな」
巳六針助:「遊火丸さんは、多分それを知ってたんだろな……」
巳六針助:鬼衆さんの瞳を見つめたまま、言う。
巳六針助:「鬼衆ヤツルさん」
巳六針助:「ごめん。オレは、いなかったことにはなれない」
巳六針助:「託されたものがあるんだ。この街を守りたいって、頭を下げたヒトを見た」
巳六針助:「全部……全部背負って、ここに居るよ。オレは」
巳六針助:「だから、今まで……」頭を下げる。
巳六針助:「お世話になりました」
巳六針助:「師匠」
鬼衆ヤツル:「……」
鬼衆ヤツル:「師匠であったつもりは、無い」
鬼衆ヤツル:歩み寄る。
鬼衆ヤツル:「一つ贈ろう。罪の味を」
鬼衆ヤツル:巳六の顎を取り、口づけをする。
鬼衆ヤツル:煙の匂いが、流れ込む。
鬼衆ヤツル:感情判定を行います。指定特技は《火術》。
GM:GM権限により、自動成功とします。
鬼衆ヤツル:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
巳六針助:ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
鬼衆ヤツル:憧憬を獲得します。
巳六針助:愛情を選択します。
鬼衆ヤツル:「……は」
鬼衆ヤツル:口を離す。息が漏れる。
巳六針助:ぽかん、と口を開けている。煙の臭いが、まだ脳裏に残っていた。
巳六針助:「ん、な……」
巳六針助:「ヤ……」
巳六針助:「ヤツル、さん」
巳六針助:呻くように。
鬼衆ヤツル:「質問は受け付けない。もう私と君は、袂を分かったのだろう」
巳六針助:「馬鹿ッ!卑怯だぞ!」
鬼衆ヤツル:「言っただろうに」
鬼衆ヤツル:「忍びは正々堂々の英雄じゃない」
鬼衆ヤツル:「秘密を抱える。狙いを隠す。相手を欺く」
鬼衆ヤツル:「これも」
鬼衆ヤツル:唇を指でなぞる。
鬼衆ヤツル:「君の動きを縛るための鎖だ」
鬼衆ヤツル:「最後にひとつ、教えを改めよう。四つ目だ」
鬼衆ヤツル:「『隠密こそを尊しとせよ』……これでは身体の動きだけだ」
鬼衆ヤツル:「刃の下に心を隠せ」
鬼衆ヤツル:「明かされて都合の良い情報があるように」
鬼衆ヤツル:「その逆もまた真である」
鬼衆ヤツル:「『情報は秘されてこそ価値がある』」
鬼衆ヤツル:「以上だ」
巳六針助:「……」思い返してみる。全ての情報が最初に解っていたら、どうなっていただろうか。
巳六針助:自分と鬼衆ヤツルが過ごした、あの短いながらも穏やかな時間はあっただろうか?
巳六針助:「……合ってるよ。ヤツルさん」
巳六針助:「でも」
巳六針助:「オレ、忍者らしくないって人に言われるんだ」
巳六針助:「居場所とかすぐバレるし、交渉も駄目駄目だし」
巳六針助:「……その教えだけは聞いてやらない」
巳六針助:「鬼衆さんのことも、何とかする。あんた、それだけのこと、オレにしたんだぞ」
巳六針助:「……それじゃ」
巳六針助:「渦中で会おう」
巳六針助:「強がりなんだ。受け取る度量くらい、見せてくれよ。元”師匠”」
鬼衆ヤツル:「……」
鬼衆ヤツル:「そうだな。忍びらしくないよ、君は」
鬼衆ヤツル:「それがわかっていればいい」
鬼衆ヤツル:煙草を消す。
鬼衆ヤツル:表情は暗がりの中に、消える。
GM:====
GM:第三サイクル終了。
GM:矢鳴さんは「故障」の解除判定をどうぞ。
矢鳴ヤモリ:ハァーーーー
矢鳴ヤモリ:何なら今セッション一番重たい判定だなあ、これ
GM:頑張って! 
矢鳴ヤモリ:やるかー
矢鳴ヤモリ:2d6>=7 (砲術) (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
矢鳴ヤモリ:おう
GM:ああ、惜しい……!
巳六針助:ギャ……
GM:では、解除は失敗
GM:クライマックスフェイズを開始します。

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【クライマックスフェイズ】

GM:【クライマックスフェイズ】
GM:──篠伏町・畏れ通り
GM:新京極繁華街の北東部に位置する、神社へと続く通りである。
GM:和洋折衷の文化が根付く篠伏町において、祭事となればとりあえず、という様子で、この道へと詰め込まれてきた。
GM:桜・笹・銀杏・樅の木をまとめて一か所に植樹している奇妙な場所だ。しかし本日最も目を惹くのは、橙色の南瓜だった。
群衆:「ハロウィン! ハロウィン!」
群衆:「トリックオアトリート!」
群衆:「お菓子をよこせ! さもなくば凄惨な結末が貴様を待ち受けることになる」
GM:聖なる日の前夜祭として、脅迫・強奪・器物破損・詐欺・騒乱の全てが赦される日。
GM:繁華街は文字通りに、悪魔のような賑わいを見せていた。
憂野ユチカ:「わぁ……」
憂野ユチカ:目を輝かせながらその様子を見ている。
仮装客:「お嬢さん、お菓子はいるかい?」
仮装客:南瓜の被り物をした仮装客が、キャンディを差し出す。
憂野ユチカ:「えっありがとう! どれどれ……」
GM:しかし、それを遮る手。
喬烏有:「……」
喬烏有:大柄な男が南瓜頭を睨みつける。
仮装客:「ヒェッ」
仮装客:仮装客は慌てて逃げ出していく。
憂野ユチカ:「ああっ。もう、どうして邪魔するの?」
憂野ユチカ:不満げに唇を尖らせる。
喬烏有:「俺たちは戦いを迎えている。奴らのことだ、どこに毒やら罠やらを仕込んでいるかわからない」
喬烏有:「お前こそその自覚はあるのか」
憂野ユチカ:「う~ん……自然体が一番というか」
憂野ユチカ:「これくらいは、日常だから」
憂野ユチカ:にこりと微笑む。
憂野ユチカ:「ああ、冷えてきちゃった……早く来ないかな」
憂野ユチカ:何かを待つように空を見上げる。
GM:月の無い薄暮に、星が瞬き始めている。
矢鳴ヤモリ:街を行き交う人々に混じり、軽い足取りで現れる。
矢鳴ヤモリ:星型のラムネが散りばめられた小さな綿菓子を左手に、右にはこの場には不釣り合いなロッドケース。
矢鳴ヤモリ:「いよう、来たぜい」
矢鳴ヤモリ:まるで予め待ち合わせでもしてたかのように、くったいなく笑いかける。
憂野ユチカ:「矢鳴さんだ。傷大丈夫?」
矢鳴ヤモリ:「大丈夫なわけあるかよう」
矢鳴ヤモリ:「でもまあ、忍びなんてもんはそんなもんだ、いつでも万全の状態で事に挑めるなんて思ってる奴ぁいねえさ」肩をすくめる。
矢鳴ヤモリ:「遠くから狙い撃ちにでもして、スパーンって終わらせられりゃあスマートなんだろうがな」
矢鳴ヤモリ:「あいにくヤモさん、銃の扱いってやつが下手っぴでよ」
矢鳴ヤモリ:「こうして顔の見えるとこまで来てやったわけだ」
矢鳴ヤモリ:ずしゃりと、袋が地べたに擦れる。
矢鳴ヤモリ:「ちょいと早えが、始めちまうか?」
矢鳴ヤモリ:「狩人はせっかちでね、どうにも」
喬烏有:「いい覚悟だ、正面から挑むとはな」
喬烏有:ぐ、と左手に骨細工のような武器を握る。
喬烏有:「己を狩人だと思っているのであれば、獲物の愚かしさと言うほかないが」
矢鳴ヤモリ:「オッサンがどうしてここにいるのか……不思議には思うが」
矢鳴ヤモリ:「別に知りたいとは思ってねえ、ま、存分に『精一杯やった』って思う程度にはがんばってくれやい」
黒戸 三四:「やあ、これは」
黒戸 三四:一瞬即発の空気の中。場違いに明るい声が通りに響く。
黒戸 三四:「折角の景色や仮装にも目も向けず。一目散に走ってきたのに」
黒戸 三四:「出遅れちゃったな」にか、と笑ったのち。“彼女”に視線を移す。
黒戸 三四:「こんばんは、憂野くん。また会ったね」
憂野ユチカ:「三四ちゃん! 無事だったんだね」
憂野ユチカ:「どうしてこんなところに……あっもしかして」
憂野ユチカ:「私のこと追いかけてきてくれた?」
憂野ユチカ:小首をかしげる。
黒戸 三四:「もちろんだとも。私と君の仲だろう」
黒戸 三四:「君の素性と、目的を知った時は大層驚いたものだけど」
黒戸 三四:「憂野くんはさ」
黒戸 三四:「“人狼”になりたいんだって?」
憂野ユチカ:「うん」
憂野ユチカ:「けっこう大きい夢でしょ……気恥ずかしくて」
憂野ユチカ:頬に触れる。
黒戸 三四:「君の身体の事と、関係があるのかい?」
黒戸 三四:「例えば、なんだけど」
黒戸 三四:「もし、それが理由なら。今後、私は君の体調、体質の改善に。全力を尽くす事を誓おう」
黒戸 三四:「自慢じゃないが私は。“未知の奇病”すらも正してみせる力がある」
黒戸 三四:「………だから、君の目的を」
黒戸 三四:「諦めてくれたり、する?」
憂野ユチカ:「ありがとう、三四ちゃん」
憂野ユチカ:「偏っているのを見ると、正したくなっちゃうんだもんね」
憂野ユチカ:髪の毛を弄ぶ。妖魔の血が混じっている証左となる、緋色の毛束が揺れる。
憂野ユチカ:「私はもっとどちらかに寄りたかった」
憂野ユチカ:「正しい状態が、常に最も安定しているわけじゃないし……」
憂野ユチカ:「それじゃなくても、私は「人狼」になる目的もあるしね」
憂野ユチカ:「ごめんなさい、また今度ね」
憂野ユチカ:息を漏らして笑う。
黒戸 三四:「そうか」寂しげに呟いて、首を振る。
黒戸 三四:「やはり、こんな皮算用。一流の忍び相手には通用しないな」
矢鳴ヤモリ:「切羽詰まった問題があってよ」
矢鳴ヤモリ:「それを前にした時、自分でやるか、誰かにやってもらうかだと」
矢鳴ヤモリ:「自分でやる、の方しかどうしたって選びたくねえ」
矢鳴ヤモリ:「そういうのはよく分かるぜ、ヤモさんもそうだからよ」
矢鳴ヤモリ:「アンタはどうだよ、切羽詰まった問題を前にして」
矢鳴ヤモリ:「何をしたい?何に怒ってる?」
矢鳴ヤモリ:消えゆく夕暮れに交じる、カボチャの橙灯り。
矢鳴ヤモリ:"表"の人々の向こう、その暗がりに向かって問いかける。
遊火丸 クヲン:───カツ カツ
遊火丸 クヲン:硬いソールが地面を叩く音と共に、燃え盛る焔、飛び散った血液を彷彿とさせる真紅の装束を身に纏った女がゆらりと顔を出す
遊火丸 クヲン:「そうね」
遊火丸 クヲン:「許せないのは、こんな小娘にしてやられた事」
遊火丸 クヲン:「だから……」チラリ と周囲を見渡して
遊火丸 クヲン:「選ばせてあげるわ」
遊火丸 クヲン:「苦しんで死ぬ(トリック)
遊火丸 クヲン:「オア」
遊火丸 クヲン:「楽に死ぬ(トリート)
遊火丸 クヲン:「それぐらいの我儘は聞きましょう」
憂野ユチカ:「言ったもの勝ちだよ~」
憂野ユチカ:「今日は新月だけど。月光を受ければクヲンさんも「狼憑き」の一体になる」
憂野ユチカ:「今夜ですべてが終わるなんて思わないでね」
遊火丸 クヲン:「ええ、それは勿論。」
遊火丸 クヲン:「まぁアンタたちはここで終わるんだけど」
遊火丸 クヲン:「ねぇ?」喬烏有を一瞥する
喬烏有:「……やはり、貴様を呼ぶことを許すべきではなかった」
喬烏有:「後悔させてやる。あの時身を引かなかったことを」
喬烏有:「終わるのは貴様だ……!」
喬烏有:歯を剥きだして唸る。犬歯は大きく尖っている。
矢鳴ヤモリ:「ひひ、良いねえ」
遊火丸 クヲン:くつくつと笑って「そ。むしろこっちは感謝してるぐらいよ」
遊火丸 クヲン:「だってアンタ、私のためにここに来てくれたんでしょ?」
遊火丸 クヲン:「──ありがとう。安心したわ」
遊火丸 クヲン:「いい席が」
遊火丸 クヲン:「ひとつ」
遊火丸 クヲン:「空きそうで」
遊火丸 クヲン:そう言って咥えた煙草がおもむろに発火し、ウィルオウィスプじみた火球が、夜の闇に浮かび上がる
GM:対比するように、空の色が暗くなる。
GM:日はすっかりと姿を潜めていた。
GM:ザザ……とノイズが流れる。
恋ヶ窪ヨーコ:『総員、聞こえるか』
恋ヶ窪ヨーコ:『街中で、「人狼」の感染者らしき人間が発見されている!』
恋ヶ窪ヨーコ:『獣のように暴れるが、月光を浴びなければ妖魔にはならない!』
恋ヶ窪ヨーコ:『各自、周囲事件に対処せよ──根源を叩くのは、忍びに託している!』
GM:恋ヶ窪の声がトランシーバーから流れる。
喬烏有:「喬、了解」
喬烏有:胸元に付けられた『伏竜会』に配給されたトランシーバーに応答する。
喬烏有:「──雑魚を見つけました。掃討にかかります」
喬烏有:トランシーバーを握り潰し、捨てる。
黒戸 三四:「やれやれ。先輩には、どう伝えたものかな」
黒戸 三四:「刻限もそう無いだろうし、始めちゃう?」天を仰ぐ。
黒戸 三四:空を見ているのではない。
黒戸 三四:「(二度あることは三度あると言うが。仏の顔も三度まで、だ)」
黒戸 三四:「(そろそろ、カッコよくキメて欲しいものだけど)」
憂野ユチカ:「ん~、そう言えば」
憂野ユチカ:「針助くんはどこ?」
憂野ユチカ:「……忍びやめちゃったのかな」
憂野ユチカ:いいけど、と小石を蹴る。
憂野ユチカ:「じゃあ、先に始めちゃおうか」
憂野ユチカ:ぱ、と指先からカプセルを取り出す。内部には、人間を獣に転じるウイルスが込められている。
憂野ユチカ:それを無造作に、ひょいと高く放り投げる。
喬烏有:同時、サングラスを外し、天を直視する。
喬烏有:月光がなければ、獣に転じることはない。だがそれは、病状の進行度による。
喬烏有:めきめきと肉体が変容する。仮面のような器官が顔面上に作られていく。

「狼憑き」:「ぐはぁああ……」
「狼憑き」:巨大な影が、複数の紅い眼を、ぎょろりとあなたたちに向けた。
GM:ザ、ザザーーー
浦内獅子雄:「あー、獣を発見いたしました」
浦内獅子雄:「浦内、了解」
浦内獅子雄:トランシーバーの応答ボタンを押すことなく、口にする。
浦内獅子雄:人の速度に紛れたまま、糸を引く。
GM:====
GM:──暗闇。
鬼衆ヤツル:「──さて」
鬼衆ヤツル:煙草に火を点ける。一瞬、明るみになる。

鬼衆ヤツル:「私のスタンスを再度提示しておこう」
鬼衆ヤツル:「この事件の解決に、君は必要ない」
鬼衆ヤツル:「子供は寝る時間だ。表の世界に帰りなさい」
鬼衆ヤツル:「さもなければ」
鬼衆ヤツル:抜刀する。黒塗りの刃が僅かに光り、闇に融ける。
鬼衆ヤツル:「君を殺す」
巳六針助:ばらり と、蛇のように、糸くずのように、のたくる影が闇へと落ちる。
巳六針助:それらはひとりでに編み込まれて人の形を取り、そうしてぬらりと音もなく一人の少年が姿を現した。
巳六針助:「巳六針助」
巳六針助:「流派はハグレモノ、影絵座、って所かな」
巳六針助:「……鬼衆ヤツル。貴女は行かせない。危険だからだ」
巳六針助:「実力は、貴女の方が上だろう。それは間違いない」
巳六針助:「けど、壊れたものを見たらほっとけないタチでさ。……ヤツルさん、オレ治すとき、無理したろ」
鬼衆ヤツル:「……」
巳六針助:「ぶっ倒してでも、貴女を直す」
巳六針助:「そんで、ヤモさんたちを助けに行く」
巳六針助:「貴女の信念が『弱さを許さない』ってことなら……オレも、それに付き合ってやる」
巳六針助:「一つ目の教えだ。鬼衆ヤツル」
巳六針助:針を抜く。それは影を纏って伸長し、苦無のような鋭利な形状へと。
巳六針助:「――『信念に従え』」
巳六針助:刃の下に心を隠し、少年は師へと針を向ける。
鬼衆ヤツル:「ああ」
鬼衆ヤツル:「──汝は人狼なりや」
巳六針助:「――貴女を、狩人にはさせない」
GM:煙が静止する。炎が、騒ぎが遠くに置いていかれる。
GM:──高速機動が、開始された。
GM:====
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:戦場が二つに分かれています。
GM:PC1と鬼衆ヤツル、PC234とエネミーの二つです。
GM:第一の戦場の戦闘終了条件は「鬼衆ヤツルの戦闘脱落」、第二の戦場の戦闘終了条件は「憂野ユチカと「狼憑き」の戦闘脱落」となります。
GM:また、第一の戦場の勝者は、戦闘が終了した次ラウンドから第二の戦場に合流することができます。
GM:NPCのキャラシを公開します。
GM:・鬼衆ヤツル(キャラシート
GM:・憂野ユチカ(キャラシート
GM:・「狼憑き」(キャラシート
GM:・浦内獅子雄(キャラシート
GM:では質問はありますか?
巳六針助:なし!
黒戸 三四:浦内くんの行動スタンスって教えてくれたりします?
浦内獅子雄:自分以外をランダムに狙います。
黒戸 三四:ニャ~~~ン なるほどね。
GM:では始めてまいります。
GM:第一戦場→第二戦場の順に処理していきます。
GM:====
GM:【第一ラウンド:第一戦場】

 【第一ラウンド・第一戦場】
 ・巳六針助  生命力8/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健2/2
 ・鬼衆ヤツル 生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖

GM:プロットお願いします。
巳六針助:プロット装填。
鬼衆ヤツル:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
GM:0
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

→<プロット4>
(鬼衆)
<プロット3>
(巳六)

GM:プロット4から。
鬼衆ヤツル:【陽炎】【想斬羽】を巳六針助に対して使用。
巳六針助:き…来やがった
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
鬼衆ヤツル:成功。《手裏剣術》にマイナス2修正で回避……
巳六針助:うわっどっちも成功してやがる
巳六針助:クソ!回避イクゾッ!
鬼衆ヤツル:そこに【口合気】。このサポート忍法には判定は無い。
鬼衆ヤツル:相手の判定にマイナス1修正をつける。
鬼衆ヤツル:これで回避には合計マイナス3修正。
巳六針助:この鞍馬って流派強くないですか?師匠…
巳六針助:気合でスペシャル出せばいいンスよね!?うおおお!!
巳六針助:2D6>=9 (判定:遁走術) (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗
巳六針助:ギャ…
鬼衆ヤツル:命中したな。振り直しはあるか?
巳六針助:ちょっと待ってね
巳六針助:振り直しはなし。そのまま射撃戦一点ダメージ喰らいます。
鬼衆ヤツル:では【想斬羽】の効果で射撃戦ダメージ1点。さらに「忘却」の変調を与える。
鬼衆ヤツル:ランダムに持っている感情一つを消去しなさい。
巳六針助:ではそこに【兵糧丸】。
巳六針助:忘却の変調を回復します。
system:[ 巳六針助 ] 忍具:2 → 1
GM:なるほど。射撃戦ダメージはどの分野に受けますか?
巳六針助:頑健の生命点で受ける!
system:[ 巳六針助 ] 頑健:2 → 1
GM:了解です。
GM:プロット4終了。プロット3、巳六くんどうぞ。

<プロット4>
(鬼衆)
→<プロット3>
(巳六)

巳六針助:【接近戦攻撃】【痛打】。
巳六針助:対象は鬼衆ヤツル。
巳六針助:まず痛打の判定。針術で。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
巳六針助:続いて接近戦攻撃。これも針術。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功
巳六針助:師匠!針術で回避ッスよ!
鬼衆ヤツル:《手裏剣術》から7。
鬼衆ヤツル:2d6>=7 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗
鬼衆ヤツル:ふむ
巳六針助:逆凪だオラッ!
鬼衆ヤツル:接近戦2点を受ける。
鬼衆ヤツル:2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10
鬼衆ヤツル:謀術と妖術。支障はない。
system:[ 鬼衆ヤツル ] 妖術:1 → 0
巳六針助:受け上手がよ~~!!!
system:[ 鬼衆ヤツル ] 謀術:1 → -1
system:[ 鬼衆ヤツル ] 謀術:-1 → 0
GM:ラウンド終了。
GM:====
GM:【第一ラウンド:第二戦場】

 【第一ラウンド・第二戦場】
 ・矢鳴ヤモリ   生命力5/6 器・体・忍・謀・・妖
 ・遊火丸クヲン  生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・松来嘉平(従者)生命力1/1 
 ・黒戸三四    生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・憂野ユチカ   生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・「狼憑き」   生命力12/12
 ・浦内獅子雄   生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖

GM:プロットお願いします。プロット時使用忍法があればそちらもどうぞ。
浦内獅子雄:【斎垣】。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
浦内獅子雄:成功。プロット2を宣言。
浦内獅子雄:プロットOK。
矢鳴ヤモリ:おっけー
黒戸 三四:このラウンドでプロット2になったものは射撃戦ダメージ1点てことかよ!
黒戸 三四:プロットOK。
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
浦内獅子雄:【斎垣】はそういう効果!
遊火丸 クヲン:マジかよ
黒戸 三四:遊火丸さんは序盤遊ぶからな
憂野ユチカ:おっけー
「狼憑き」:OK
遊火丸 クヲン:従者共にプロットOK
GM:では
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

→<プロット5>
(松来)
<プロット4>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット3>
(憂野、黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(浦内、矢鳴)

GM:プロット5、松来さんからですね
松来 嘉平(従者):はい
松来 嘉平(従者):【接近戦攻撃】を狼憑きに。指定特技は潜伏術
松来 嘉平(従者):2D6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
「狼憑き」:目標値8。
「狼憑き」:2d6>=8 (2D6>=8) > 4[2,2] > 4 > 失敗
「狼憑き」:ぐわああああ
黒戸 三四:おっと!
憂野ユチカ:流石に使うね……遁甲符
松来 嘉平(従者):おのれ~~
「狼憑き」:ありがとう……
「狼憑き」:2d6>=8 (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功
「狼憑き」:成功!
松来 嘉平(従者):チッ……
GM:プロット4。1D100どうぞ
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 30
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 6

<プロット5>
(松来)
→<プロット4>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット3>
(憂野、黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(浦内、矢鳴)

GM:遊火丸さんから。
遊火丸 クヲン:では【接近戦攻撃】を憂野ユチカに。指定特技は火術。
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
憂野ユチカ:きゃあ~目標値9!
憂野ユチカ:2d6>=9 (2D6>=9) > 4[1,3] > 4 > 失敗
憂野ユチカ:流石にダメかあ 逆凪じゃないだけマシ
黒戸 三四:あざといぞ!
憂野ユチカ:1D6 (1D6) > 2
憂野ユチカ:体術! 特技無いよ~
system:[ 憂野ユチカ ] 体術:1 → 0
system:[ 憂野ユチカ ] 忍具:2 → 1
「狼憑き」:こちらの手番だ。【大権現】を使用。
「狼憑き」:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
「狼憑き」:成功。生命点を1点消費し、以降戦闘中、命中と回避のダイスは3つ振って好きな二つを選ぶ。
「狼憑き」:そしてこの忍法は手番を消費しない……遊火丸に【接近戦攻撃】。
system:[ 「狼憑き」 ] HP:12 → 11
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 8[2,2,4] > 8
「狼憑き」:あぶね……2・4で成功。
「狼憑き」:指定特技は《異形化》。
遊火丸 クヲン:異形化遠い~~~
遊火丸 クヲン:2D6>=11 (2D6>=11) > 5[2,3] > 5 > 失敗
遊火丸 クヲン:そりゃあそうだよ
黒戸 三四:アッ!
黒戸 三四:感情修正あるからね~!のやつです 次から気をつけるぜ
「狼憑き」:妖魔武器【鬼手袋】の効果で接近戦ダメージ1点を追加。接近戦ダメージ2点だ。
遊火丸 クヲン:うすうす
遊火丸 クヲン:接近戦2点キツイな…
GM:ランダムに選んでくださいね~
遊火丸 クヲン:2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12
遊火丸 クヲン:1d6 (1D6) > 4
system:[ 遊火丸 クヲン ] 妖術:1 → 0
system:[ 遊火丸 クヲン ] 謀術:1 → 0
GM:プロット4終了、プロット3。1D100どうぞ。
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 24
憂野ユチカ:1D100 (1D100) > 73

<プロット5>
(松来)
<プロット4>
(遊火丸、狼憑き)
→<プロット3>
(憂野、黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(浦内、矢鳴)

憂野ユチカ:お先貰うね~
黒戸 三四:どうぞ。
憂野ユチカ:えいっ【眷属】!
憂野ユチカ:2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
黒戸 三四:ガハハ
憂野ユチカ:ぎい~
憂野ユチカ:仕方ないね 攻撃の代わりに使う忍法なので以上!
黒戸 三四:では貰います。
黒戸 三四:「狼憑き」に接近戦攻撃。指定特技は《医術》
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:医術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
黒戸 三四:こいつ……
黒戸 三四:以上。
憂野ユチカ:三四ちゃん♡
GM:プロット1、1D100どうぞ
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 9
浦内獅子雄:1D100 (1D100) > 83

<プロット5>
(松来)
<プロット4>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット3>
(憂野、黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
→<プロット1>
(浦内、矢鳴)

浦内獅子雄:ではお先に。【呪刀】を使用。
浦内獅子雄:目標を3体まで選びます。
矢鳴ヤモリ:良い妖魔武器持ってるじゃん
矢鳴ヤモリ:それちょっと貸してくれよ
黒戸 三四:コストたりる?
浦内獅子雄:おっと、そうですね。妖魔武器【神面瘡】の効果で使用可能コストが3増えているので、足ります
黒戸 三四:理解です! やるなあ
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野]) > 遊火丸
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野]) > 憂野
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野]) > 「狼憑き」
浦内獅子雄:ではこの3体に……
黒戸 三四
浦内獅子雄:プロット0に移動し、そのタイミングで攻撃します。
GM:矢鳴さんどうぞ。
矢鳴ヤモリ:あいよー
矢鳴ヤモリ:雷火、目標は憂野ユチカ
矢鳴ヤモリ:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
矢鳴ヤモリ:成功だね、後の先乗っけて射撃2点だよう。
憂野ユチカ:それ当たったら痛いやつだよね~
憂野ユチカ:奥義を使用するよ!
矢鳴ヤモリ:んだとぉ
憂野ユチカ:『誘き灰乱』。判定妨害!
憂野ユチカ:指定特技は《幻術》。4の目を1にして失敗だよ~
矢鳴ヤモリ:しゃあねえ、引っ張り出しただけ良しとすらあ
矢鳴ヤモリ:以上!
浦内獅子雄:では改めて私の手番です。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
浦内獅子雄:成功。指定特技は《言霊術》です。
憂野ユチカ:痛い!
「狼憑き」:目標値6。
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 5[1,1,3] > 5
「狼憑き」:?
「狼憑き」:痛い!
GM:遊火丸さんも回避どうぞ!
遊火丸 クヲン:意気で代用
遊火丸 クヲン:2D6>=8 (2D6>=8) > 7[3,4] > 7 > 失敗
黒戸 三四:あっ…
浦内獅子雄:接近戦ダメージ1点です。
遊火丸 クヲン:感情修正めっちゃ忘れる
憂野ユチカ:1D6 (1D6) > 2
憂野ユチカ:もう消えてる! 忍術消すね
system:[ 憂野ユチカ ] 忍術:1 → 0
遊火丸 クヲン:1d6 (1D6) > 2
system:[ 「狼憑き」 ] HP:11 → 10
system:[ 遊火丸 クヲン ] 体術:1 → 0
GM:では、第一ラウンド終了。
GM:====
GM:【第二ラウンド:第一戦場】

 【第二ラウンド・第一戦場】
 ・巳六針助  生命力7/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健1/2
 ・鬼衆ヤツル 生命力4/6 器・体・忍・・戦・

GM:プロットお願いします。
鬼衆ヤツル:OK。
巳六針助:プロット装填
GM:OK。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

→<プロット5>
(巳六)
<プロット4>
(鬼衆)

GM:ではプロット5、巳六君どうぞ。
巳六針助:オス!やはりヤツルさんは忍術を連打するタイプだからそこから動かない…!
巳六針助:ん~ ここは【黒絃】【痛打】を使用。対象は鬼衆ヤツル。
GM:どうぞ
巳六針助:まずは痛打の判定。針術で目標5。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
巳六針助:っし
GM:あ
GM:逆凪です
巳六針助:えっ!?
GM:プロット値以下の出目なので
巳六針助:な…なるほどな…!
巳六針助:…
GM:ファンブル、ということだ
GM:振り直しがなければな
巳六針助:はい!神通丸使います!
system:[ 巳六針助 ] 忍具:1 → 0
巳六針助:Good bye
巳六針助:改めて判定。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
巳六針助:ンモ~~~~
GM:逆凪ですね……
巳六針助:ヤダ~~~~~!!!!
GM:ダイスに言ってね
巳六針助:ハアハア シノビガミダイス君……!振り向かせて見せるぜ……!
GM:では、プロット4

<プロット5>
(巳六)
→<プロット4>
(鬼衆)

鬼衆ヤツル:【陽炎】は不要だな。【想斬羽】を巳六針助に。
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
巳六針助:おっぶね
鬼衆ヤツル:成功。回避は不可能だ。
鬼衆ヤツル:射撃戦ダメージ1点と、忘却を受けよ。
巳六針助:ごめん皆……!
巳六針助:射撃戦ダメージは謀術で受ける。
GM:【頑健】まだ残ってません?
巳六針助:忘却は…
巳六針助:残ってるけど 次喰らう時のことを考えると…頑健一個空けときたいなって
system:[ 巳六針助 ] 謀術:1 → 0
GM:いや、それできないみたい
巳六針助:あっそうなの!?了解です そしたら頑健からで!
巳六針助:で、忘却が
GM:基本36p、追加生命力の欄参照です
system:[ 巳六針助 ] 頑健:1 → 0
system:[ 巳六針助 ] 謀術:0 → 1
GM:忘却はランダムです。
巳六針助:choice[矢鳴,黒戸,鬼衆] (choice[矢鳴,黒戸,鬼衆]) > 鬼衆
巳六針助:うわあああ
鬼衆ヤツル:ふむ。
巳六針助:い…嫌だ 忘れたくねえ
鬼衆ヤツル:【想斬羽】のもう一つの効果を伝えておこう。
鬼衆ヤツル:忍法の使用者……この場合私への感情を「忘却」させた場合、私の攻撃に対する回避判定にさらにマイナス1修正がつく。
鬼衆ヤツル:この効果は「忘却」が残っている限り続く。
巳六針助:マジか…………
GM:ラウンド終了。
GM:====
GM:【第二ラウンド:第二戦場】

 【第二ラウンド・第二戦場】
 ・矢鳴ヤモリ   生命力5/6 器・体・忍・謀・・妖
 ・遊火丸クヲン  生命力3/6 器・・忍・・戦・
 ・松来嘉平(従者)生命力1/1 
 ・黒戸三四    生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・憂野ユチカ   生命力4/6 器・・謀・戦・妖
 ・「狼憑き」   生命力10/12
  →【大権現】、【鬼手袋】
 ・浦内獅子雄   生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
  →【神面瘡】

GM:プロットお願いします。
浦内獅子雄:【斎垣】を使用いたします。
遊火丸 クヲン:【影分身】
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
矢鳴ヤモリ:失敗しろ!!
矢鳴ヤモリ:成功してんじゃねえ!
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
黒戸 三四:やったッ
浦内獅子雄:プロットは2を宣言しましょう
矢鳴ヤモリ:成功おめでと♡
浦内獅子雄:プロットOK
黒戸 三四:プロOK。
矢鳴ヤモリ:おっけー
憂野ユチカ:おーけー
「狼憑き」:OK
遊火丸 クヲン:OK
GM:では。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
遊火丸 クヲン:うーむ
GM:ではプロット4、1D100どうぞ
GM:あっまだ決まってないか
遊火丸 クヲン:1でいきます
GM:はあ~い

→<プロット4>
(松来、黒戸)
<プロット3>
(憂野、狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

GM:あらためて1D100どうぞ!
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 54
松来 嘉平(従者):1d100 (1D100) > 77
GM:松来さんから!
松来 嘉平(従者):先程と同じく【接近戦攻撃】で憂野ユチカを攻撃
松来 嘉平(従者):指定特技は潜伏術
憂野ユチカ:困る!
松来 嘉平(従者):2D6>=5 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
憂野ユチカ:ありがと♡
松来 嘉平(従者):ひひ~ん
黒戸 三四:敵は取ったるで!
黒戸 三四:手番生きます。
黒戸 三四:「狼憑き」に接近戦攻撃。指定特技《医術》。
黒戸 三四:頼むぞ~
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:医術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
黒戸 三四:こいつやる気ないのかな。
GM:………
GM:ドンマイです……
黒戸 三四:申し訳ないが手番以上!
遊火丸 クヲン:ちょい待ち!
GM:なにっ
黒戸 三四:なにっ
遊火丸 クヲン:遁甲符投げます
黒戸 三四:す、遊火丸さん………!
system:[ 遊火丸 クヲン ] 忍具:2 → 1
GM:何ィ~~~~ッ!?
黒戸 三四:うおおおおお!!! 黒戸行きます!!!!!
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:医術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
黒戸 三四:成功した……?
GM:せ、成功したァ~~!?
GM:感情修正なしで……5以上を出しやがったァ~~~!?!?
黒戸 三四:ド ン !
憂野ユチカ:三四ちゃんおめでとう♡ えらいえらい♡
黒戸 三四:あんぎゃ~♡
憂野ユチカ:【慢心】するね♡
黒戸 三四:ギャアア!!!!
憂野ユチカ:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
憂野ユチカ:成功。「野望」の変調を受けてね。
黒戸 三四:クソ女!!!!!
憂野ユチカ:命中判定にプラス1修正、それ以外のあらゆる判定にマイナス1修正!
「狼憑き」:で、《召喚術》で回避か
「狼憑き」:目標値6ですね……
黒戸 三四:ちがうよ~
黒戸 三四:医術だよ~
「狼憑き」:何ッ!?
「狼憑き」:【接近戦攻撃】だった
「狼憑き」:目標値8!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 12[1,5,6] > 12
黒戸 三四:おし。
「狼憑き」:5・6を選んで……11で回避!
黒戸 三四:あっ……
黒戸 三四:そうだったね……
「狼憑き」:すまんな。
GM:ではプロット3

<プロット4>
(松来、黒戸)
→<プロット3>
(憂野、狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

憂野ユチカ:1D100 (1D100) > 48
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 43
憂野ユチカ:【眷属】を使用するよ
黒戸 三四:まちな
憂野ユチカ:むっ
黒戸 三四:【点楔】します。
GM:どうぞ!
黒戸 三四:2D6-1>=5 (判定:針術) (2D6-1>=5) > 8[4,4]-1 > 7 > 成功
黒戸 三四:成功。眷属の指定特技が妖術から1d12振った特技になります。
GM:2d6かな?
黒戸 三四:そうです(ペロ)
GM:ではどうぞ!
黒戸 三四:あっあたしがふるのか じゃあふります
黒戸 三四:2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9
黒戸 三四
憂野ユチカ:《瞳術》……目標値は6!
憂野ユチカ:2d6>=6 (2D6>=6) > 8[3,5] > 8 > 成功
黒戸 三四:だめか。
憂野ユチカ:流石に成功するよ。
憂野ユチカ:次ラウンドから忍犬を一体呼びだします。
「狼憑き」:俺の手番だ。
「狼憑き」:まずは【獣化】
「狼憑き」:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
「狼憑き」:成功! これで以降の戦闘中、俺の攻撃に接近戦ダメージ1点が乗る。
「狼憑き」:で……【接近戦攻撃】を打つか。
「狼憑き」:黒戸三四に【接近戦攻撃】!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 13[3,4,6] > 13
「狼憑き」:4・6を選んで成功!
「狼憑き」:《異形化》だ
黒戸 三四:回避~!
黒戸 三四:2D6-1>=6 (判定:召喚術) (2D6-1>=6) > 10[5,5]-1 > 9 > 成功
黒戸 三四:敗北を知りたい
GM:やるやん
GM:プロット1、1D100どうぞ!
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 12
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 84
浦内獅子雄:1D100 (1D100) > 2

<プロット4>
(松来、黒戸)
<プロット3>
(憂野、狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
→<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

GM:では遊火丸さんから
遊火丸 クヲン:【接近戦攻撃】で浦内さん殴ります。指定特技は火術
浦内獅子雄:こちらか
遊火丸 クヲン:あ
遊火丸 クヲン:というかすっかり忘れてたんだけど
遊火丸 クヲン:HO効果で妖魔忍法一個取れるんですよね
黒戸 三四:あっ秘匿してたのかとおもった
GM:スーパー・カンペキ・忘れGMでした
遊火丸 クヲン:今取ります
GM:173pからランダムに1個取れます!
遊火丸 クヲン:チョイスして1d6でいいかな
遊火丸 クヲン:choice[A,B,C] (choice[A,B,C]) > B
遊火丸 クヲン:1d6 (1D6) > 2
遊火丸 クヲン:付喪神
GM:げげっ
遊火丸 クヲン:………
GM:マヒをばらまく危険なやつだ
黒戸 三四:中々……ええやん
遊火丸 クヲン:まだ振ってないから宣言変えてもいい…?
GM:勿論いいですよ!
遊火丸 クヲン:これ指定特技とかないけど
遊火丸 クヲン:宣言すれば使えるって事でいいのかな
GM:妖魔忍法は判定なしで使える奴ばっかりです!
黒戸 三四:コワ~~~……
GM:2d6で判定に使わせる特技だけ決めてください
遊火丸 クヲン:悪魔の力じゃん…
GM:そうだよ
遊火丸 クヲン:押忍。では今取得した【付喪神】を使用
遊火丸 クヲン:2d6 (2D6) > 7[1,6] > 7
遊火丸 クヲン:衣装術ね
GM:対象はどなたですか!
遊火丸 クヲン:浦内、憂野、狼憑きの三名です。
憂野ユチカ:あああああ!
憂野ユチカ:けれどざんねん。《衣装術》はピン持ちです。
矢鳴ヤモリ:おうおう、やったれやったれ
憂野ユチカ:2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
憂野ユチカ:余裕!
矢鳴ヤモリ:このガキァ
「狼憑き」:《壊器術》から10……
「狼憑き」:2d6>=10 (2D6>=10) > 6[1,5] > 6 > 失敗
「狼憑き」:うあああ!
黒戸 三四:ワハハ
「狼憑き」:1D6 (1D6) > 4
「狼憑き」:《異形化》が!!!!
黒戸 三四:最高~~~~~
「狼憑き」:俺の【接近戦攻撃】をよくも
矢鳴ヤモリ:ヒャハハ
遊火丸 クヲン:散々殴ってきた礼じゃい!
「狼憑き」:殺してやるぞ黒戸三四
黒戸 三四:なじぇえ…
浦内獅子雄:では私も 《対人術》から10
浦内獅子雄:2d6>=10 (2D6>=10) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
浦内獅子雄:ごっつぁんです
遊火丸 クヲン:お前なんなん?
浦内獅子雄:無傷でしたね はっはは
黒戸 三四:荒らし 混乱のもと
GM:では矢鳴さんどうぞ!
矢鳴ヤモリ:雷火ユチカ
憂野ユチカ:ゆるせ
矢鳴ヤモリ:2d6>=5 (砲術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
矢鳴ヤモリ:間合い2分修正あり、よろしくぅ
憂野ユチカ:よいしょ~『誘き灰乱』! 《幻術》!
黒戸 三四:奥義破り!
矢鳴ヤモリ:当然破る
遊火丸 クヲン:こちらも!
黒戸 三四:クヲンさんも破るなら感情修正で+1どうぞ。
浦内獅子雄:ぼんやりします
黒戸 三四:とっとく?
黒戸 三四:幻刀あるかもだし
黒戸 三四:呪刀か
遊火丸 クヲン:あー…
遊火丸 クヲン:そうですね…取っときましょう
矢鳴ヤモリ:とりあえずこちらは振らせていただくぜ
黒戸 三四:了解
矢鳴ヤモリ:2d6>=8 (結界術) (2D6>=8) > 6[3,3] > 6 > 失敗
黒戸 三四:2D6>=7 (判定:記憶術) (2D6>=7) > 4[1,3] > 4 > 失敗
矢鳴ヤモリ:だめか
遊火丸 クヲン:2D6>=9 (2D6>=9) > 5[1,4] > 5 > 失敗
黒戸 三四:凪
矢鳴ヤモリ:おおっとぉ
憂野ユチカ:生命
矢鳴ヤモリ:いい位置だなあ、幻術
憂野ユチカ:では5の目を1に変えて、失敗ですね。
黒戸 三四:言霊親父がサボりやがるからよ~ッ
浦内獅子雄:すみません……
黒戸 三四:いいよ♡
浦内獅子雄:ありがとう……【呪刀】します
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来]) > 黒戸
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来]) > 松来
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来]) > 松来
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,「狼憑き」,憂野,松来]) > 憂野
黒戸 三四:マツ大人気
遊火丸 クヲン:マツを何回殺す気なんだよ
浦内獅子雄:黒戸さん、松来さん、憂野
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功
浦内獅子雄:成功です。《言霊術》でどうぞ
松来 嘉平(従者):逆凪です
黒戸 三四:凪なのでいただきます。
憂野ユチカ:2d6>=6 (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗
憂野ユチカ:あぎゃぎゃ
黒戸 三四:憂野くん♡
憂野ユチカ:うわーん!
浦内獅子雄:接近戦ダメージ1点です。
黒戸 三四:1d6 (1D6) > 5
黒戸 三四:ギャッ 戦術
system:[ 黒戸 三四 ] 戦術:1 → 0
浦内獅子雄:松来さんは死亡させません。
松来 嘉平(従者):なにっ
黒戸 三四:つまり……どういうことだってばよ?
浦内獅子雄:私の罠は人を狩るためのものでは無い……
憂野ユチカ:1D6 (1D6) > 3
system:[ 松来 嘉平(従者) ] HP:1 → 0
黒戸 三四:脱落はするが……死亡はしない……ってことだってばよ?
憂野ユチカ:忍術は消えてる! 戦術消すね
system:[ 憂野ユチカ ] 戦術:1 → 0
GM:そういうことです! 具体的に何とは言いませんが
GM:死亡者が出ると火力が上がりそうな人がいるので……
遊火丸 クヲン:【業火】の効果で攻撃に射撃戦ダメージ+1されます
GM:はい……
GM:では、ラウンド終了。
GM:====
GM:空気が泥のように立ち尽くす。暗闇が形を持ってそこに在る。
GM:静止した時間には、彼ら以外の全てが取り残されている。
GM:静と動の間には須臾のみがある。
GM:激突音。
GM:影の針と黒塗り刃が赤い火花を散らし、再び闇に融けた。
鬼衆ヤツル:「……ふっ」
鬼衆ヤツル:足元に砂煙を僅かに上げる。
鬼衆ヤツル:胴部に数点、血が滲んでいる……しかし動きを損なうほどではない。
巳六針助:傷口は深い。だが、その切創を影の糸が綴じることで、超常の運動能力を維持している。
巳六針助:(――一瞬足を止めたらやられる)
巳六針助:(居合か?術か?……解らねえけど、嫌な予感がする。ヤツルさんに寄ったらまずい、早さを”ずらして”、何とか攻略の糸筋を見付けないと)
鬼衆ヤツル:「精度が高い。いい術だ」影の縫合を見て零す。
鬼衆ヤツル:「だが、高速機動は体力を奪う」
鬼衆ヤツル:一歩踏み出す。右手は無造作に煙草を摘まんでいる。
巳六針助:「く」脳裏に過ぎる罪の味。一瞬の躊躇。
鬼衆ヤツル:「瞬発力、術の精度、仕込みの残数……それ以上に、集中力が欠けていく」
鬼衆ヤツル:「あまり精神を揺らさないことだ」
鬼衆ヤツル:す、と煙草の火を向ける。
巳六針助:「師匠が、良いからね……!」即座に両指に影の弦を構える。ふたたび加速。輪郭が毛玉のように解け、影に何千条とぶれていく。
GM:違和感。
GM:すぐに気づく。弦を繰る掌に、何かが突き刺さっている。
鬼衆ヤツル:「暗闇だと、煙草の火はよく目立つ」
鬼衆ヤツル:闇に隠れた左手から、棒手裏剣を投擲していた。
巳六針助:(これも――火術!)
巳六針助:超常の技を繰り、静止した時間を越えることだけが忍びの技ではない。
巳六針助:言葉で敵を計り、動きで敵を謀ることもまた、一つの『術』なのだ。
巳六針助:そう気付いた時には、既に崩れ落ちている。脳に楔を打ち込まれたように。
巳六針助:(――頭を弄られる!)半ば本能的に、影の針を自身の耳に突きこもうとするが。
巳六針助:「……あれ」
巳六針助:何で忘れたらいけないんだっけ?
巳六針助:何を忘れようとしていたんだっけ?
巳六針助:青ざめる。
巳六針助:「……ふ、ざ、けるな」
巳六針助:「オレの……大事な……」
巳六針助:言葉はない。その先に続く名前が、既に失われているからだ。
巳六針助:ただ祈るように、闇に向かって針を構える。
鬼衆ヤツル:「一時的なものだ」
鬼衆ヤツル:「今はな」
鬼衆ヤツル:空気が冷える。闇が広がっていく。
GM:====
GM:====
GM:【第三ラウンド:第一戦場】

 【第三ラウンド・第一戦場】
 ・巳六針助  生命力6/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健0/2
  →変調:忘却・鬼衆  ・鬼衆ヤツル 生命力4/6 器・体・忍・・戦・

GM:プロットお願いします。
鬼衆ヤツル:OK
巳六針助:プロット装填。
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
GM:同プロットですね。
GM:1D100どうぞ!
巳六針助:童子攻撃!
巳六針助:1d100 (1D100) > 93
鬼衆ヤツル:1D100 (1D100) > 49

→<プロット4>
(巳六、鬼衆)

GM:では巳六君から
巳六針助:では、【痛打】【黒絃】を鬼衆ヤツルに使用します。
巳六針助:まずは【痛打】から。
巳六針助:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
巳六針助:っし
巳六針助:続いて【黒絃】。判定特技は《隠形術》。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
巳六針助:よ~~~~~し
鬼衆ヤツル:回避の目標値は8……
鬼衆ヤツル:2d6>=8 (2D6>=8) > 10[4,6] > 10 > 成功
鬼衆ヤツル:成功。
巳六針助:まっじか
巳六針助:ん~~~
GM:何かありますか?
巳六針助:ちょっとまってね
巳六針助:やっぱり何もないです!お待たせしてすみません!
GM:いえいえ
鬼衆ヤツル:ではこちらの手番だ。
鬼衆ヤツル:【陽炎】【天狗】を巳六針助に対して使用。
system:[ 鬼衆ヤツル ] 忍術:1 → 0
鬼衆ヤツル:【天狗】の効果で忍術を消費。
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
鬼衆ヤツル:【陽炎】は成功。
巳六針助:クソ!
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
鬼衆ヤツル:【天狗】も成功。
巳六針助:危なげなく成功しやがってよ~~~
鬼衆ヤツル:【口合気】を巳六針助の回避判定に対して使用する。
巳六針助:ンギャ~~~
鬼衆ヤツル:【口合気】は目標が「忘却」か「行方不明」の変調を受けていれば、マイナス修正が1から2になる。
鬼衆ヤツル:【想斬羽】【陽炎】の効果も合わせて、回避判定にマイナス5修正。
巳六針助:もうムチャクチャだ
巳六針助:ハアハア やってやるよ
鬼衆ヤツル:指定特技は《飛術》だ
巳六針助:2D6>=12 (判定:分身の術) (2D6>=12) > 5[1,4] > 5 > 失敗
巳六針助:だめどす
鬼衆ヤツル:【天狗】はプロット値と同点の接近戦ダメージを与える。接近戦ダメージ4点だな……
巳六針助:仕方がない。ここは切り時だ……
GM:何ッ
巳六針助:『巳針』。絶対防御。
巳六針助:指定特技は幻術。
巳六針助:接近戦ダメージ4点を1点まで軽減します。
GM:では、ダメージを4点軽減ですね……!
GM:無傷です
巳六針助:あれ?全部軽減できるんだこれ!?
GM:4点までなら。
巳六針助:つよすぎ
GM:では、ラウンド終了。
GM:【第四ラウンド:第一戦場】

 【第四ラウンド・第一戦場】
 ・巳六針助  生命力6/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健0/2
  →変調:忘却・鬼衆  ・鬼衆ヤツル 生命力3/6 器・体・・戦・

GM:プロットお願いします。
巳六針助:プロット装填。
鬼衆ヤツル:OK
GM:OK。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

→<プロット4>
(鬼衆)
<プロット3>
(巳六)

鬼衆ヤツル:ふむ、先手を譲ったか
巳六針助:お先にどうぞだぜ 師匠…!
鬼衆ヤツル:では、【陽炎】【接近戦攻撃】を使用。
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
鬼衆ヤツル:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
鬼衆ヤツル:両方成功だ。
巳六針助:やる!
鬼衆ヤツル:【接近戦攻撃】の指定特技は《刀術》。
鬼衆ヤツル:回避判定には【口合気】を使用。これで回避判定にはマイナス5修正
巳六針助:2D6>=12 (判定:分身の術) (2D6>=12) > 7[1,6] > 7 > 失敗
巳六針助:くっ
鬼衆ヤツル:接近戦ダメージ1点だ。
巳六針助:『巳針』。絶対防御。
巳六針助:使用特技は幻術です。破ってみろ!
鬼衆ヤツル:《暗号術》から9。
鬼衆ヤツル:2d6>=9 (2D6>=9) > 6[3,3] > 6 > 失敗
鬼衆ヤツル:む……
巳六針助:っしゃあ!無傷!
GM:ではプロット3!

<プロット4>
(鬼衆)
→<プロット3>
(巳六)

巳六針助:イクゾ~~~~~
巳六針助:【痛打】【黒絃】を鬼衆ヤツルに対して使用。
GM:【黒絃】はコスト3なので足りないですね~
巳六針助:てへ
巳六針助:【痛打】【接近戦攻撃】でよかですか…?
GM:勿論いいですよ
巳六針助:ふむ
GM:判定どうぞ
巳六針助:まずは【痛打】から。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功
巳六針助:続いて【接近戦攻撃】。特技は針術。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
巳六針助:うおおお
巳六針助:オラッ回避しなやっつん!使用特技は針術だぜ!
鬼衆ヤツル:《針術》は目標値7。
鬼衆ヤツル:2d6>=7 (2D6>=7) > 5[1,4] > 5 > 失敗
鬼衆ヤツル:ぐ……
巳六針助:回想シーン効果を使用します。
GM:では、接近戦ダメージ1点を追加ですね。
GM:第四ラウンドなので【飢渇】の効果が乗って、接近戦ダメージ3点に射撃戦ダメージ1点。
鬼衆ヤツル:最後の忍具は兵糧丸だったが……それ込みでも、耐えられない。
鬼衆ヤツル:戦闘脱落する。
system:[ 鬼衆ヤツル ] 器術:1 → 0
system:[ 鬼衆ヤツル ] 体術:1 → 0
system:[ 鬼衆ヤツル ] 戦術:1 → 0
GM:【第一戦場:戦闘終了】
GM:====
GM:====
「狼憑き」:「グオオオオッ!!」
「狼憑き」:巨大な人型の獣が、大きく吠え猛る。
GM:仮装の人混みの中でも、一目でそれとわかる異常な光景。しかし誰も足を止めることすらなく。
GM:静止した世界と切り離された忍びたちは、跋扈する。
GM:影の中から、一息早く踏み出した影がひとり。
遊火丸 クヲン:チラリ と視線を外し
松来 嘉平(従者):その逆側から、銀光が奔る。
松来 嘉平(従者):短刀を構えて走る。ただそれだけの動作だが
松来 嘉平(従者):前提が忍びの速度である以上、それは命にも届きうる一撃となる。
「狼憑き」:「おおっ……!?」
「狼憑き」:複数の眼がぎょろりと動きを追う。咄嗟に防御姿勢を取る。
憂野ユチカ:「やっぱりまだ、速さに慣れてないのかな?」
憂野ユチカ:指を振る。
「狼憑き」:「がっ……!」
「狼憑き」:すると、身体を縛られたように硬直する。
「狼憑き」:短刀が、深々と身体に突き刺さった。
松来 嘉平(従者):肉をくり抜くように刃を捻りながら、その身体を蹴り飛ばして距離を取る。
遊火丸 クヲン:(───まだ浅い)
「狼憑き」:「………」
「狼憑き」:「くくく、はははははっ」
「狼憑き」:「ぬるい、ぬるいぞ忍びども!!」
「狼憑き」:大きく身体を反らし、哄笑する。
「狼憑き」:「これが貴様らの剣か!? ああ……やはりだ!」
「狼憑き」:「貴様らは影でこそこそと、策を弄することしかできない羽虫どもだ!!」
「狼憑き」:疵がじわりと、目に見える速度で塞がっていく。
「狼憑き」:筋線維が何重に厚みを増す。闘気が漲っていく。
「狼憑き」:「見せてやる、これが、本当の」
「狼憑き」:ばつんッ、と、空気の弾ける音がした。
「狼憑き」:「狩人の剣だ!!」
「狼憑き」:遊火丸に肉薄。振りぬかれた拳が爆発を与える。
遊火丸 クヲン:「────!」
遊火丸 クヲン:理外の速度と質量を備えて放たれたその拳は、回避のために振られた左側頭部を易々と抉り飛ばした
遊火丸 クヲン:バ シュ
遊火丸 クヲン:血が噴き出るよりも早く肉を焼き、止血する。
黒戸 三四:「狼憑き」が振り抜いた拳の先、およびその身体の正中線。
黒戸 三四:爆発のような衝撃音に紛れ、きらりと光る幾本の鍼が、変貌を遂げた身体に突き刺さる。が。
黒戸 三四:「並の妖魔なら、これで十二分なんだけど」
「狼憑き」:「効、かんッ!!」
「狼憑き」:大振りに、腕を薙ぎ払う。技術も何もない、払うための一撃。
「狼憑き」:それですら致命傷になり得ると、直感できるような空気の断層が肌を撫でる。
「狼憑き」:「俺たちがどれほど妖魔を狩ったと思っている? 弱点も、強さも、全て理解している!!」
「狼憑き」:「ヒト相手の小細工が通用すると思うなよ、忍び!!」
黒戸 三四:身体を捻り宙へ飛ぶ。文字通り、紙一重。毛髪が吹き飛び、どっと汗が吹き出たままに。
黒戸 三四:「確かに、あなたは精通しているようだ。妖魔に」
黒戸 三四:「けどね。あなたは、理解しているとは。到底言えないな」
黒戸 三四:「忍びの話じゃあない」
黒戸 三四:「彼女の……“根”の話です」
遊火丸 クヲン:「赤火(シャッカ)
遊火丸 クヲン:ボウ という音と共に、煙草の先に灯る明かりが、質量を持って地に落ちる。
遊火丸 クヲン:水を張った容器に赤色の絵の具を垂らしたようなその紋様が、みるみるうちに広がると
遊火丸 クヲン:───一頭の狼を象る。
遊火丸 クヲン:地に落ちた照明。下から照らされた遊火丸クヲンの左側頭部には
遊火丸 クヲン:まるで侵蝕するように、陰陽の仮面が張り付いている。
遊火丸 クヲン:彼女の炎は、生物の命を媒介とする炎。
遊火丸 クヲン:であるならば
遊火丸 クヲン:妖魔の力を取り込むことで、まるで一個の生命のような炎を産み出す事が出来るようになろうと、なんら不思議ではない
遊火丸 クヲン:「………よく分かったわ」
遊火丸 クヲン:「”狩られる側”に立ったことがないって事は、ね。」
遊火丸 クヲン:狼を象る火炎が地を蹴る。
遊火丸 クヲン:当然、迎撃を試みるだろう。質量を備えているという事は、物理的な干渉が可能という事なのだから。
「狼憑き」:「アア……?」
「狼憑き」:深く根付いた体毛は炎熱も通さないだろう。
「狼憑き」:何かしようとしているなら、その前にとどめの拳を加えればよい。踏み込み、炎の狼を蹴散らそうとする。
憂野ユチカ:「あっ」
遊火丸 クヲン:炎に、拳が触れた。
遊火丸 クヲン:「蒼火(ソカリ)
憂野ユチカ:「嘘、あの時感染したのに?」
憂野ユチカ:大きく炎から飛びのいている。
遊火丸 クヲン:赤から、蒼に変色した炎は、突き出された腕に纏わりつくように、その身体を駆け上がり
遊火丸 クヲン:表皮ではなく、内部を
遊火丸 クヲン:膨張した筋肉を焼き払う
「狼憑き」:「うごっ……おおおお!?」
「狼憑き」:痛みは、命の危機は感じない。しかし何か、肉体の維持のために必要なものを奪われている。
遊火丸 クヲン:「妖魔相手の力押しが」
遊火丸 クヲン:「人間に通用すると思われても困るわ。」
「狼憑き」:「何をした、貴様……!」
遊火丸 クヲン:「何かをくれたのはあなた達でしょ?」
遊火丸 クヲン:「貢ぎものをどう使おうと、それは私の勝手よ。」
「狼憑き」:「ふざけるな……!」
「狼憑き」:再び足に力を込める。
憂野ユチカ:「待って、ね!」
妖魔:どっ、と「狼憑き」に、別の妖魔が体当たりをする。
妖魔:「ハロウィン!」
憂野ユチカ:「頭に血を昇らせないで! 別の攻撃方法を……」
憂野ユチカ:ウイルスの詰まったカプセル。それに感染した民間人を、妖魔として覚醒させたのだろう。
憂野ユチカ:身体が弱く、直接戦闘に向かない。
憂野ユチカ:だからこそ、戦場をより混乱させる。
憂野ユチカ:術理が乱れれば、力押しが通るのは妖魔の方だ。
矢鳴ヤモリ:場所を、少し離れる。
矢鳴ヤモリ:開戦するやいなや、人混みにその姿を隠していたのは矢鳴ヤモリ。
矢鳴ヤモリ:息を潜め、得物を構え、標的をまっすぐに見続けている。
矢鳴ヤモリ:「まったく、まったく愉快なオッサンだぜ」
矢鳴ヤモリ:「狩人を拳闘士かなんかと勘違いしてるんじゃねえか」
矢鳴ヤモリ:視界の中心で血と、炎とが弾ける。
矢鳴ヤモリ:「人間サマが狼より弱いのは、当たり前の話だろうがよう」
矢鳴ヤモリ:「だからこうして、影でこそこそと策を弄するわけだねい」
矢鳴ヤモリ:人類の策、その現状における到達点の一つ ――銃火器。
矢鳴ヤモリ:安易で安価な外付けの強大な暴力装置、その銃口が獲物を見続けている。
矢鳴ヤモリ:「ヤモさんさ、今日は月で二番目に強い日だからよ」
矢鳴ヤモリ:「厄介だと思うぜ、結構な?」
矢鳴ヤモリ:弾は込められている。
矢鳴ヤモリ:彼女の使うそれは特別性だ。火薬に矢鳴ヤモリの血液を混ぜ込まれた弾丸は、月の属性を帯びている。
矢鳴ヤモリ:「満月の夜には犯罪数が増加する」という俗説があるように。衛星の軌道で海面がその高度を上下させるように。
矢鳴ヤモリ:月の気とは【惹きつける、引き付けるちから】だ。
矢鳴ヤモリ:「鉄砲なんてよ、当たりゃいいんだよ」
矢鳴ヤモリ:「ご同輩さんらみてえにあんな一生懸命腕ブンブン振らなくってもよ」
矢鳴ヤモリ:それに、やろうと思っても元よりかようなことを為しうる能力もない。
矢鳴ヤモリ:「(落ちこぼれた、出来損ないだからよ)」
矢鳴ヤモリ:だから矢鳴ヤモリは彼女に可能なことで代用する。
矢鳴ヤモリ:大げさに動く必要はない。
矢鳴ヤモリ:そんなことをしなくてもこの世には強い力が満ち溢れているのだ。
矢鳴ヤモリ:今も夜空を通して降り注ぐそれを身の内でねじり、まとめ、一点へと向かわせる。
矢鳴ヤモリ:体術とは体を使い力の流れを操る術。骨も、筋肉も、血潮も全ては道具に過ぎない。
矢鳴ヤモリ:ヤモリはそれを行うことには長けており、銃という追加の身体に適応を見せている。
矢鳴ヤモリ:「フ―――ッ」息を止め、引き金を引く。
矢鳴ヤモリ:破裂音を飛び越えて、常理を超えたスピードで弾が疾走る。
矢鳴ヤモリ:それは目標へと引き寄せられるように、そして獲物は凶弾に惹き寄せるように。
矢鳴ヤモリ:それが矢鳴ヤモリのわざ。
矢鳴ヤモリ:今宵は新月。満月の日に次いで彼女のちからが高まる狩りの夜である。
矢鳴ヤモリ:「手勢に気を配るのは結構だがよ」
矢鳴ヤモリ:「肝心のアンタが隙だらけだぜい」
矢鳴ヤモリ:狙いは――、憂野ユチカ。
矢鳴ヤモリ:寸分違わず、頭蓋を叩く。
矢鳴ヤモリ:そのはずの一撃が迫り。
憂野ユチカ:赤い華が咲く。
憂野ユチカ:「心配してくれるの?」
憂野ユチカ:砕けた口蓋が、鈴を転がすような声で返す──実像がブレる。
GM:ごろ、と南瓜が転がった。内部から赤い砂糖菓子が零れる。
憂野ユチカ:「ねえ、どうして私が、今夜を待っていたと思う?」
憂野ユチカ:「新月は狼憑きに言うことを聞かせやすいから。祭りに人が集まれば、混乱を起こしやすいから」
憂野ユチカ:「けど、それだけじゃないんだよ」
GM:げらげらげら。
GM:中身を零した南瓜が、裂けた口から笑う。
GM:周囲の南瓜も同様に、異様に眼を光らせて、耳障りな笑い声を上げる。
憂野ユチカ:「従順なオーディエンスがいた方が、見せたいものを見せられるでしょう?」
憂野ユチカ:視界がブレる。髪が焼ける匂いがする。
憂野ユチカ:妖魔の血の証である、緋色の髪のひと房が、焦げ失われている。
矢鳴ヤモリ:「……ち」
憂野ユチカ:「『誘き灰乱』」
憂野ユチカ:「強い相手に策を弄するのは、お互い様だね」
矢鳴ヤモリ:遠くでその唇が紡ぐ言葉を読む。
矢鳴ヤモリ:「まったく、病弱な引きこもりが承認欲求膨らませやがってよい」
矢鳴ヤモリ:悪態をつく、こちらも読まれているだろうが知ったことではない。
矢鳴ヤモリ:命中したはずだ、その感触がある。
矢鳴ヤモリ:ならば捻じ曲げられたのは結果の方。
矢鳴ヤモリ:忍びにはあるのだ。修練によって、あるいは力を求めた異形の精神が到達する、あり得ざることを成すちから。
矢鳴ヤモリ:【奥義】、と呼ばれるもの。
矢鳴ヤモリ:「見せたな」
矢鳴ヤモリ:見た、それを。
矢鳴ヤモリ:ならば対応して見せるまで。
矢鳴ヤモリ:次は当てる、当たらなくとも、更にその次は当てる。
矢鳴ヤモリ:当たるまで、やり続ける。
矢鳴ヤモリ:「オーケイ、やろうじゃねえか」
矢鳴ヤモリ:そう言って、再び人波へと身を投げる。
矢鳴ヤモリ:狩りははじまったばかりだ。
GM:──瞬息。
GM:亜光速への到達から、常人の時間分解能の上限すれすれまで。
GM:激しい攻防が行われ、それは静止した時間には影響をもたらさない。
GM:だが、静と動。
GM:その刹那の間を歩く者がいる。
浦内獅子雄:「一、二の」
浦内獅子雄:杖を突く。
浦内獅子雄:「散」
浦内獅子雄:杖先が、極細いワイヤーを切り離す。
GM:南瓜の一つが両断された。
GM:静止した世界に与えた影響は、それだけだ。
GM:だが、高速で動く者の何人かは、速さゆえ罠に激突する。
「狼憑き」:ぶしゅう、と肩の肉が裂ける。
「狼憑き」:ぎろぎろと周りを見渡す。炎が傷を焼くために、かえって肉の塞がりは遅くなっている。
松来 嘉平(従者):直後、好機 と見て攻勢に入るも意識の外に置かれた刃が、その身体を袈裟懸けに切り裂いた。
松来 嘉平(従者):(────ッ…何だ、あの二体によるものでは…ない)
松来 嘉平(従者):崩れ落ちるように地面を転がった身体は、主人の元へ。
黒戸 三四:右肩、左腿裏の肉が削ぐように落とされる。どれも骨まで達するもの。忍びであれば致命傷には至らない、が。
黒戸 三四:「(松来さん……!)」
松来 嘉平(従者):「………………」荒い息遣いと共に、遊火丸を見上げる
松来 嘉平(従者):(……潮時…か)
松来 嘉平(従者):そして、続けて口走ろうとした言葉を
遊火丸 クヲン:白く細い指が遮る
遊火丸 クヲン:「………約束したはずよ。」
松来 嘉平(従者):「しかし、アカ………」
松来 嘉平(従者):「………」
松来 嘉平(従者):「……少しお暇をいただきます。クヲン様。」
遊火丸 クヲン:「それでいい」
遊火丸 クヲン:血を掬い上げるように、傷口を撫でて、止血を施し
遊火丸 クヲン:赤い炎が、松来の身体を戦場の外へと運び出す
遊火丸 クヲン:そして、その血を舌先に乗せ、体内に取り込んだ。
遊火丸 クヲン:───炎が変質し、仮面が陽炎のように波打つ。
遊火丸 クヲン:「───ブッ殺す」
浦内獅子雄:こつ、と杖を突く音を最後にして。
浦内獅子雄:静止した人波の向こうに、歩いて消える。
GM:====
GM:【第三ラウンド:第二戦場】

 【第三ラウンド・第二戦場】
 ・矢鳴ヤモリ   生命力5/6 器・体・忍・謀・・妖
 ・遊火丸クヲン  生命力3/6 器・・忍・・戦・
  →【業火】  ・黒戸三四    生命力5/6 器・体・忍・謀・・妖
  →変調:野望
 ・憂野ユチカ   生命力3/6 器・・謀・・妖
 ・「狼憑き」   生命力10/12
  →変調:マヒ(異形化)
  →【大権現】【獣化】、【鬼手袋】
 ・浦内獅子雄   生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
  →【神面瘡】
  ・妖魔(忍犬)  生命力3/3
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1 (脱落)

GM:忍犬が戦闘に参加します。
GM:プロットお願いします。
浦内獅子雄:【斎垣】を使用します。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功
浦内獅子雄:成功。プロットは2を宣言。
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
妖魔(忍犬):忍犬のプロットはランダムで決めることにします。
黒戸 三四:プロットOK
憂野ユチカ:おーけー
「狼憑き」:OK
浦内獅子雄:OK
遊火丸 クヲン:OK
矢鳴ヤモリ:おっけーい
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
妖魔(忍犬):1D6 (1D6) > 3
遊火丸 クヲン:1にします
GM:ではプロット5。
憂野ユチカ:1D100 (1D100) > 80
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 18

→<プロット5>
(憂野、狼憑き)
<プロット4>
(黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

憂野ユチカ:う~ん 【改霊】を使用。
憂野ユチカ:対象は……生命力があるうちに自分に使用かな。
憂野ユチカ:《医術》で判定!
憂野ユチカ:2d6>=6 (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功
憂野ユチカ:成功! 妖術を消費して【痛打】を修得するね。
system:[ 憂野ユチカ ] 妖術:1 → 0
憂野ユチカ:【痛打】【集団戦攻撃】を矢鳴ヤモリに使用。
矢鳴ヤモリ:凪れ!!!
憂野ユチカ:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
憂野ユチカ:2d6>=6 (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功
憂野ユチカ:成功! 《九ノ一の術》!
黒戸 三四:つよすぎる
GM:回避どうぞ~
矢鳴ヤモリ:どしよっかなー
矢鳴ヤモリ:しゃあねえ、安全策だ。
矢鳴ヤモリ:防御訓練を使うよ。
GM:何ッ
矢鳴ヤモリ:受けを宣言。
GM:回避判定に+2修正をつけて「受け」を行うとは……!
GM:この回避判定に成功すれば攻撃は命中するが、ダメージは1点軽減だ……!
矢鳴ヤモリ:これで集団戦は通っちまうが痛打分は無効化できるって寸法よ。
矢鳴ヤモリ:2d6+2>=9 (走法) (2D6+2>=9) > 7[2,5]+2 > 9 > 成功
矢鳴ヤモリ:あっぶねえ
GM:や、やる……
GM:では集団戦ダメージ1点をどうぞ!
矢鳴ヤモリ:1d6 (1D6) > 6
矢鳴ヤモリ:げ
GM:呪いか
矢鳴ヤモリ:1d5 (1D5) > 1
矢鳴ヤモリ:接近戦攻撃が潰れ、まあ……まだなんとか
憂野ユチカ:むうっ あんまり美味しくない!
憂野ユチカ:あっ【慢心】あげるね~
憂野ユチカ:2d6>=6 (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功
黒戸 三四:9大好きガール
憂野ユチカ:成功、「野望」の変調を与えます
「狼憑き」:ではこちらの手番だ。
「狼憑き」:黒戸三四に対して【必中】!
黒戸 三四:点楔します。
「狼憑き」:うおおお
黒戸 三四:2D6-1>=5 (判定:針術) (2D6-1>=5) > 6[2,4]-1 > 5 > 成功
黒戸 三四:成功。
黒戸 三四:2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3
黒戸 三四:ゲッ
「狼憑き」:《砲術》から……《砲術》に!!!
黒戸 三四:手裏剣かな?
黒戸 三四:あっうそ
黒戸 三四:合ってます。
「狼憑き」:数えづらいよね、特技表の一番上が2だから
「狼憑き」:では振ります スペシャルだすよ
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 18[6,6,6] > 18
「狼憑き」:ほらな
遊火丸 クヲン:www
黒戸 三四:は?
遊火丸 クヲン:嘘だろお前
巳六針助:なんやこいつ
矢鳴ヤモリ:なん、これ
「狼憑き」:回避どうぞ
黒戸 三四:どうぞじゃねえよ!!! スペチェかな。
憂野ユチカ:野望でマイナス1!
黒戸 三四:2D6-1>=8 (判定:針術) (2D6-1>=8) > 11[5,6]-1 > 10 > 成功
黒戸 三四:いいんだけどね~~~
黒戸 三四:必中なんで失敗ですね。
「狼憑き」:ではダメージ
「狼憑き」:【獣化】がのるぞ
「狼憑き」:1d6+1 (1D6+1) > 4[4]+1 > 5
「狼憑き」:まあこんなところか
「狼憑き」:射撃4、接近1だ
黒戸 三四:ん~~~
遊火丸 クヲン:ヤバ
矢鳴ヤモリ:何言ってんのぉ
黒戸 三四:しょうがねえ 信じるか
黒戸 三四:全部食らって落ちます。
黒戸 三四:で、奥義使用。
遊火丸 クヲン:おお
GM:何ッ!!
黒戸 三四:【腑學三十六経・逃げるに仇為す(ふがくさんじゅうろっけいにげるにあだなす)】 不死身/《針術》
黒戸 三四:特になければ回します。
GM:どうぞ!
黒戸 三四:1d6-1 (1D6-1) > 6[6]-1 > 5
黒戸 三四:よし。
GM:ゲゲエ~ッ!?
GM:最大値を出すなんて……!!?
GM:本当に黒戸三四か貴様!?
黒戸 三四:紛らわしいので一括で操作しよう。忍術だけ消してあと全快しますね。
黒戸 三四:切り札は最後まで取っておく、これね。
黒戸 三四:最後かこれ??
system:[ 黒戸 三四 ] 戦術:0 → 1
system:[ 黒戸 三四 ] 忍術:1 → 0
矢鳴ヤモリ:まだピンピンしてんぞ連中
黒戸 三四:たちゅけてください
「狼憑き」:くそっ……!
「狼憑き」:以上だ。
GM:プロット4!

<プロット5>
(憂野、狼憑き)
→<プロット4>
(黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

黒戸 三四:ん~~そうね。ここは……
黒戸 三四:【雷電】を妖魔に。
黒戸 三四:コストは現在、【気骨】で+1、
GM:ギャハハ! さっき4コストの【点楔】を使わなきゃ足りていたのによぉ~!
黒戸 三四:特殊忍具、【呪紋】で妖術のスロットが存在時、+1の合計+2になります。
黒戸 三四:なので使用可能!ケヒャ~~~!!
GM:ほげええええ!?
黒戸 三四:くたばりやがれ~~~ッ
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
黒戸 三四:射撃1,マヒ!
「狼憑き」:だが、【大権現】で回避は容易……
黒戸 三四:ちがうよ!
黒戸 三四:対象は3プロの妖魔くん!
妖魔(忍犬):あっこっちですか?
妖魔(忍犬):赦してくれませんか?
黒戸 三四:そう!ごめんね言い方紛らわしかった
黒戸 三四:だめです。
妖魔(忍犬):クツでもケツでも舐めるからァ~!
黒戸 三四:召喚術で回避しな!
妖魔(忍犬):はい……
妖魔(忍犬):えっ遠い スペシャルのみですね
妖魔(忍犬):2D6>=12 (判定:見敵術) (2D6>=12) > 6[3,3] > 6 > 失敗
妖魔(忍犬):クゥ~ン
妖魔(忍犬):射撃1点で残り2点。マヒは……
妖魔(忍犬):1d3 (1D3) > 1
妖魔(忍犬):【接近戦攻撃】が……! 唯一の攻撃手段!
黒戸 三四:おいC
妖魔(忍犬):当然【連撃】もカスの役にも立たなくなってしまった
system:[ 妖魔(忍犬) ] HP:3 → 2
GM:ではプロット3ですが……忍犬は何もできません。パスですわ~!
GM:ではプロット1! 1D100!
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 40
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 90
浦内獅子雄:1D100 (1D100) > 39

<プロット5>
(憂野、狼憑き)
<プロット4>
(黒戸)
<プロット2>
【斎垣】
→<プロット1>
(遊火丸、矢鳴、浦内)

GM:遊火丸さんから!
遊火丸 クヲン:おいすー
遊火丸 クヲン:じゃあ【付喪神】を憂野、狼憑き、妖魔、浦内に
遊火丸 クヲン:2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10
遊火丸 クヲン:拷問術
妖魔(忍犬):あっさっきのマヒ間違えた 消えるのは特技ですね 《走法》なので【接近戦攻撃】使えないのは変わらないですね
妖魔(忍犬):そして目標値ヤバいですね
黒戸 三四:理解!
妖魔(忍犬):2D6>=14 (判定:見敵術) (2D6>=14) > 4[1,3] > 4 > 失敗
妖魔(忍犬):はい 特技無しの犬コロの完成です
黒戸 三四:カワイソ…
矢鳴ヤモリ:かわいー
「狼憑き」:《拷問術》なら6だ
「狼憑き」:2d6>=6 (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗
「狼憑き」:魂の殺人をされています!!!!!
遊火丸 クヲン:ギャ ヒ
憂野ユチカ:8だよ~
憂野ユチカ:2d6>=8 (2D6>=8) > 9[3,6] > 9 > 成功
憂野ユチカ:よいしょっと
黒戸 三四:グラサイか?
浦内獅子雄:11ですね
浦内獅子雄:2D6>=11 (判定:流言の術) (2D6>=11) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
浦内獅子雄:なんと……!
矢鳴ヤモリ:ヒャハハ
「狼憑き」:1D5 (1D5) > 5
遊火丸 クヲン:ざまぁねぇな
「狼憑き」:呪術が消えた
浦内獅子雄:1d5 (1D5) > 4
浦内獅子雄:《流言の術》です 特に影響はありませんね
矢鳴ヤモリ:ちい
GM:では矢鳴さん!
矢鳴ヤモリ:ん~~~
矢鳴ヤモリ:流石に鬱陶しいんだよなあこの依頼人
浦内獅子雄:おやおや……
矢鳴ヤモリ:ランダムプロットじゃない以上今のところ完全にこちらを害する動きしかしていないわけだからなー
矢鳴ヤモリ:目標ランダムは言い訳にゃあならないぜ、生かしておく理由が一切ない
浦内獅子雄:それは柔軟にプロットを選ばないそちらにも原因があるのでは? ホホホ…
矢鳴ヤモリ:柔軟性を削ぐ忍法を積んでおいてよく言うぜ
矢鳴ヤモリ:責任を取ってもらおうじゃねえか
矢鳴ヤモリ:ハァー、こんなところで使う予定じゃあ無かったんだがよ
矢鳴ヤモリ:奥義を使用、『月鉱剣』。効果はクリティカルヒット。
GM:ひええっ
矢鳴ヤモリ:対象は浦内獅子雄。
矢鳴ヤモリ:邪魔でしかねえや。
浦内獅子雄:防御手段なし。ランダム4点受けましょう……
浦内獅子雄:4d6 (4D6) > 14[1,2,5,6] > 14
浦内獅子雄:忍術謀術は残りました。まだ動けますが……【呪刀】は使いにくい
system:[ 浦内獅子雄 ] 器術:1 → 0
system:[ 浦内獅子雄 ] 体術:1 → 0
system:[ 浦内獅子雄 ] 戦術:1 → 0
system:[ 浦内獅子雄 ] 妖術:1 → 0
GM:ちなみに指定特技は?
矢鳴ヤモリ:おっと言い忘れてたぜ、指定特技は《第六感》だ。
GM:了解です
浦内獅子雄:さて、私の手番ですね
浦内獅子雄:【呪刀】を使用します。
浦内獅子雄:choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,忍犬] (choice[矢鳴,遊火丸,黒戸,忍犬]) > 矢鳴
浦内獅子雄:矢鳴さん以外を目標にします 今殴られたのに!?
浦内獅子雄:で、プロット0タイミングでの攻撃になるので、指定特技の《言霊術》が消えています
浦内獅子雄:なので、奥義を使用しましょう。
浦内獅子雄:『誘術・黒塗網』。《罠術》の完全成功です。
黒戸 三四:ハハァ……
浦内獅子雄:《言霊術》で回避をどうぞ。
妖魔(忍犬):わんわん
黒戸 三四:遊火丸さん感情修正いります?
遊火丸 クヲン:感情修正おくれ
黒戸 三四:どうぞ。
遊火丸 クヲン:あざす!
黒戸 三四:2D6>=8 (判定:記憶術) (2D6>=8) > 5[1,4] > 5 > 失敗
遊火丸 クヲン:意気から8
遊火丸 クヲン:2D6+1>=8 (2D6+1>=8) > 6[1,5]+1 > 7 > 失敗
妖魔(忍犬):スぺのみなので判定は放棄でいいや
矢鳴ヤモリ:oh……
system:[ 妖魔(忍犬) ] HP:2 → 1
黒戸 三四:惜しいっちゃね
遊火丸 クヲン:うーむ
遊火丸 クヲン:神通丸使います。これ以上削れるの流石に痛い
GM:どうぞ!
system:[ 遊火丸 クヲン ] 忍具:1 → 0
遊火丸 クヲン:2D6+1>=8 (2D6+1>=8) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
黒戸 三四:やる~!
遊火丸 クヲン:よしよし
GM:やりよる
黒戸 三四:1d6 (1D6) > 1
黒戸 三四:ヒッ 器術が逝きます
system:[ 黒戸 三四 ] 器術:1 → 0
GM:Oh
GM:では、ラウンド終了。
GM:====
GM:【第四ラウンド:第二戦場】

 【第四ラウンド・第二戦場】
 ・矢鳴ヤモリ   生命力5/6 器・体・忍・謀・・妖
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力3/6 器・・忍・・戦・
 ・黒戸三四    生命力4/6 ・体・・謀・戦・妖
 ・憂野ユチカ   生命力2/6 器・・謀・
  →改霊:【痛打】
 ・「狼憑き」   生命力10/12
  →変調:マヒ(異形化、呪術)
  →【大権現】【獣化】、【鬼手袋】
 ・浦内獅子雄   生命力2/6 ・忍・謀・
  →変調:マヒ(流言の術)
  →【神面瘡】
  ・妖魔(忍犬)  生命力1/3
   →変調:マヒ(走法)
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1 (脱落)

GM:プロットお願いします。
浦内獅子雄:【斎垣】を使用します。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
浦内獅子雄:成功。プロットは2を指定。
遊火丸 クヲン:こいつ…
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
「狼憑き」:OK
憂野ユチカ:OK
浦内獅子雄:OK
黒戸 三四:OK
遊火丸 クヲン:OK
矢鳴ヤモリ:おっけー
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
妖魔(忍犬):1D6 (1D6) > 3
遊火丸 クヲン:5にいきます
妖魔(忍犬):3わん
GM:では、プロット5遊火丸さんからどうぞ!

→<プロット5>
(遊火丸)
<プロット4>
(憂野)
<プロット3>
(狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(黒戸、矢鳴、浦内)

遊火丸 クヲン:【百燐】を使用。間合い2以内に居るキャラクターを全て対象にします
GM:やれやれ、敵味方全てを巻き込む攻撃とはね……
遊火丸 クヲン:指定特技は火術
GM:……間合内エネミーしかおらんやんけ!!!
憂野ユチカ:ヤメロー!
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
矢鳴ヤモリ:理解らせてやろうぜぇ
憂野ユチカ:えーい 判定妨害! 指定特技は《幻術》です
黒戸 三四:破ります~ッ
矢鳴ヤモリ:破るぜ
GM:感情修正や、回想シーンはあるかな?
遊火丸 クヲン:破る!
黒戸 三四:あ~~~ん
遊火丸 クヲン:感情をくれ…黒戸三四…
黒戸 三四:い、いいんだけど
黒戸 三四:あたし回想入れようか迷ってる
遊火丸 クヲン:あ、回想します?
遊火丸 クヲン:幻術近いものね
憂野ユチカ:黒戸さん7だよ~ 野望いれて8
矢鳴ヤモリ:クリヒがある分回想はどちらかというと防御に回したい
黒戸 三四:次の狼憑きの必中が遊火丸さんに行く可能性かんがえると 修正まだ残したほうがいいのかな? って感じ
矢鳴ヤモリ:そんな感じだ、よろしくな
黒戸 三四:こっち狙う可能性もぜんぜんあるけどね
黒戸 三四:で、不死身で野望は回復してます。
憂野ユチカ:大変失礼いたしました。
遊火丸 クヲン:そうじゃん
黒戸 三四:じゃあ……入れるか!回想。
矢鳴ヤモリ:とりあえず振るぜ
遊火丸 クヲン:先こっち判定だけしちゃおうか
憂野ユチカ:これで目標値……4に!?
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=8 (結界術) (2D6-1>=8) > 9[3,6]-1 > 8 > 成功
黒戸 三四:ふります~
遊火丸 クヲン:あ、いや…振るの怖いな…
矢鳴ヤモリ:おう
黒戸 三四:2D6+3>=7 (判定:記憶術) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
遊火丸 クヲン:成功してた
遊火丸 クヲン:じゃあ止めときます
黒戸 三四:そういうこともあるね。
GM:破る宣言はしちゃったから振ってね!
遊火丸 クヲン:チッ…
矢鳴ヤモリ:あ、ビガミはファンブルするリスクがある以上
遊火丸 クヲン:2D6>=9 (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗
GM:シノビガミでは誰かの判定見てから振るかどうかは変えられないのだ
矢鳴ヤモリ:宣言先行なのさね
黒戸 三四:だが凪ではない! 偉いぞ!
憂野ユチカ:ちえ~!
遊火丸 クヲン:おらっ!射撃ダメージ2点!
憂野ユチカ:回避の前に……遊火丸さんに【慢心】だ!
憂野ユチカ:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
憂野ユチカ:また9でてる……野望どうぞ
矢鳴ヤモリ:9大好きガールか??
憂野ユチカ:憂野9チカ
遊火丸 クヲン:おのれ…
黒戸 三四:ノーカン・・・っ! ノーカン・・・っ!
遊火丸 クヲン:そういえばまだみんな回避振ってなかったな
憂野ユチカ:回避の目標値は9! 今の私なら余裕ですね
憂野ユチカ:2d6>=9 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗
憂野ユチカ:?
黒戸 三四:ギャハハ!
遊火丸 クヲン:げらげら
矢鳴ヤモリ:いーひひ
「狼憑き」:目標値8
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 14[4,5,5] > 14
「狼憑き」:どの三つを選んでも成功だ……
矢鳴ヤモリ:このワンコロはよぉ
遊火丸 クヲン:お前はいい加減喰らえよ!
「狼憑き」:さっきから【大権現】とか関係ない気がするんだよな
黒戸 三四:そうだね。
妖魔(忍犬):俺は死ぬワン
遊火丸 クヲン:そう、0になるので
妖魔(忍犬):【かばう】を宣言!
遊火丸 クヲン:ちゃんと殺します
妖魔(忍犬):憂野ユチカが受けるダメージを肩代わりします!
妖魔(忍犬):えっこんなかわいいワンちゃんを……?
遊火丸 クヲン:そして
憂野ユチカ:私をかばってくれる献身的なワンちゃんを……?
遊火丸 クヲン:キャラクターが戦闘中に死亡したので
遊火丸 クヲン:更に射撃戦ダメージ1点が攻撃に加算されるぜ
憂野ユチカ:やっ……べえ~~~………
矢鳴ヤモリ:コロソ コロソ
妖魔(忍犬):ほな……
system:[ 妖魔(忍犬) ] HP:1 → 0
遊火丸 クヲン:グッバイワンちゃん…
憂野ユチカ:ワンちゃ~ん!
黒戸 三四:R.I.P.
GM:プロット4ですが、憂野ユチカは逆凪。
憂野ユチカ:あれっこの状況まずくない!?
憂野ユチカ:いや、自分を信じるのよ憂野ユチカ
憂野ユチカ:勇気の待機です
GM:プロット3!

<プロット5>
(遊火丸)
<プロット4>
(憂野[逆凪])
→<プロット3>
(狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
<プロット1>
(黒戸、矢鳴、浦内)

「狼憑き」:さ~て、さんざん囃し立てられたから返してやろう
「狼憑き」:【必中】を矢鳴ヤモリに。
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 14[4,4,6] > 14
黒戸 三四:456サイ使ってる?
「狼憑き」:4・6を選んで成功。 回避の目標値は10だ!
矢鳴ヤモリ:何なんだよだからさっきから
矢鳴ヤモリ:んー、使わせてもらうぜ防御訓練
矢鳴ヤモリ:2d6+2>=10 (砲術) (2D6+2>=10) > 3[1,2]+2 > 5 > 失敗
矢鳴ヤモリ:わお
「狼憑き」:ギャハハ! 射撃接近1ダメ!
矢鳴ヤモリ:アタシの弾倉……どうして
矢鳴ヤモリ:1d6 (1D6) > 6
矢鳴ヤモリ:妖術ちょっと痛いな…
矢鳴ヤモリ:あとは器術で
矢鳴ヤモリ:これで残りみっつだ
system:[ 矢鳴ヤモリi ] 器術:1 → 0
system:[ 矢鳴ヤモリi ] 妖術:1 → 0
「狼憑き」:ハハハ! 狩人はどっちだろうなァ~!
GM:ではプロット1! 1D100!
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 92
浦内獅子雄:1D100 (1D100) > 65
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 70

<プロット5>
(遊火丸)
<プロット4>
(憂野[逆凪])
<プロット3>
(狼憑き)
<プロット2>
【斎垣】
→<プロット1>
(黒戸、矢鳴、浦内)

GM:では黒戸さんから
黒戸 三四:はあい
黒戸 三四:【雷電】を憂野くんに。
黒戸 三四:気骨でコスト+1されてます。
憂野ユチカ:ゆ、許してチカ……
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
憂野ユチカ:え~ん! 逆凪で回避できないよ~!
黒戸 三四:ゆるざん゛゛゛゛゛
黒戸 三四:悲しいかな、射撃1です。
黒戸 三四:あとマヒね。
憂野ユチカ:射撃は器術に……
system:[ 憂野ユチカ ] 器術:1 → 0
憂野ユチカ:1D6 (1D6) > 6
憂野ユチカ:《幻術》が逝ったか……
黒戸 三四:イマイティ
GM:では矢鳴さんどうぞ!
矢鳴ヤモリ:雷火、対象はユチカ。
憂野ユチカ:えっこっちなの~!?
憂野ユチカ:許す気持ち!
矢鳴ヤモリ:逆凪なんだから当然だろがいよ
憂野ユチカ:もしくはそこの狼憑き!
矢鳴ヤモリ:2d6>=5 (砲術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
矢鳴ヤモリ:おらよ
憂野ユチカ:んぐぅ
矢鳴ヤモリ:後の先乗って射撃2。
憂野ユチカ:最後の忍具は兵糧丸だったんだけど……【後の先】込みだと耐えられない……!
憂野ユチカ:んもお~!
憂野ユチカ:戦闘脱落!
黒戸 三四:これがワシらのコンビネーションや。
浦内獅子雄:では私ですね。
浦内獅子雄:choice[矢鳴,黒戸,「狼憑き」,憂野] (choice[矢鳴,黒戸,「狼憑き」,憂野]) > 「狼憑き」
浦内獅子雄:狼憑き以外を狙います。
黒戸 三四:クソカス~ッ!
浦内獅子雄:なんか可哀想になってきた
矢鳴ヤモリ:これなんだよな
矢鳴ヤモリ:生かしておく理由がねんだよほんと、最初っからなあ
浦内獅子雄:プロット0に移動して……
憂野ユチカ:このタイミングで落ちます ノン
黒戸 三四:おやすみ~
浦内獅子雄:命中判定は奥義です。『誘術・黒塗網』。指定特技は《罠術》
矢鳴ヤモリ:おう、大人しくしてんだぞ
矢鳴ヤモリ:当然破る。
黒戸 三四:破るぞ~
遊火丸 クヲン:破る!
黒戸 三四:遊火丸さんの奥義破りに
黒戸 三四:感情修正。プラス1
遊火丸 クヲン:あざす!
遊火丸 クヲン:潜伏術から7
遊火丸 クヲン:2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=5 (罠術) (2D6-1>=5) > 4[2,2]-1 > 3 > 失敗
黒戸 三四:じゃまわします
黒戸 三四:2D6>=7 (判定:医術) (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
矢鳴ヤモリ:あっぶね
黒戸 三四:助かった~~~!
GM:あぶない!
浦内獅子雄:では、命中判定が失敗に。
遊火丸 クヲン:よしよし
浦内獅子雄:残念ですね。
矢鳴ヤモリ:怖い出目だな……助かった
GM:ラウンド終了。
GM:====
GM:====
GM:煙の匂いが充満している。
GM:芳しい、と言えるのかもしれない。同時に危うさを感じさせる空気が、ゆっくりと流れている。
巳六針助:「……貴女の、持ってる刀」瞳は、黒い髪を張り巡らせたように底冷えていた。もはや、未熟な”蛹”のそれではない。
巳六針助:無造作に――ともすれば不用心に、鬼衆ヤツルへと足取りを進める。まるで散歩でもするかのように。
鬼衆ヤツル:「”夜鶴”という」
鬼衆ヤツル:刀を返す。黒塗りの刃が明かりを反射することはない。
鬼衆ヤツル:しかし煙の揺らぎから、刀が返された気配を感じる。
鬼衆ヤツル:「私はこの剣を……気に入っている」
鬼衆ヤツル:煙が流れる。巳六と同じように歩み寄っているのだ。
巳六針助:(来る)
巳六針助:反射的に防御姿勢を取るが。
鬼衆ヤツル:「この剣は、揺らがない」
鬼衆ヤツル:「私の信念の形だ」
鬼衆ヤツル:煙が揺らぐ。
鬼衆ヤツル:それこそが錯覚。交わした言葉すらも、奇妙に反響していたのか。
鬼衆ヤツル:巳六針助の背後から。
鬼衆ヤツル:袈裟切りに、ただ揺らがない一刀が振り下ろされていた。
巳六針助:「”一魔降”という刀を知っているか」
巳六針助:煙の中で、ただ針だけが光っている。
巳六針助:「貴女が”忘れさせて”くれたお陰で、思い出す余裕が出来た。鞍馬の鬼衆と言えば、古夜は十九川の分家」
巳六針助:「その魔剣は……食った妖魔を、術者との相対を代償に吐き出す権能を持つのだと、オレは解釈している」
巳六針助:ず が
巳六針助:天狗風じみた突風が、鬼衆ヤツルを横殴りに吹き飛ばした。忍びの速度、膂力でも、抗うことはできない。
鬼衆ヤツル:「!」
巳六針助:それは、忍びの技で空気そのものに編み込まれた糸による、地上に現出した乱気流であるからだ。
巳六針助:「……なら、分家の筋である貴女が、それと似た忍具を有していてもおかしくはない」
巳六針助:「なぜ、最初から”夜鶴”の一太刀を使わなかったか。その刀にも、恐らく代償があるからだ」
巳六針助:命、気力、あるいは存在に関わる”何か”。それが鬼衆ヤツルの足を止めていたのだと、巳六針助は考えた。
巳六針助:「だから、”撃たせた”」
巳六針助:”夜鶴”の一撃は、背をわずかに掠めたばかりだった。
巳六針助:「――『巳に針とぞ 縫われける』」
巳六針助:忍びの針術の本懐は、戦闘縫製などではない。その実態は、目には見えないものこそを縫い、相手の慮外からの攻撃/防御を”結実”することにある。
巳六針助:影、空気、煙。巳(すで)に、戦場の全てが彼の針の中にあった。
鬼衆ヤツル:「……なるほど。その結論は間違っていない」
鬼衆ヤツル:「だが”夜鶴”はただの太刀だ。妖刀は……いくつもは無い」
巳六針助:「……マジかよ。ただの太刀であんなバケモノじみた芸当を?」思わず口調が崩れる。
鬼衆ヤツル:血が滴る。刀を握る腕が、自壊し始めている。
鬼衆ヤツル:「鬼衆は降魔の忍びだ。妖魔の力を真似る……そういった剣術がある」
鬼衆ヤツル:「それだけだ」
鬼衆ヤツル:刀を構えなおす。煙の流れは、既に空気ごと読まれている。
鬼衆ヤツル:それでも、揺らぐことはない。
鬼衆ヤツル:人の弱みを、妥協を許さない。
鬼衆ヤツル:「それが『信念』だ」
鬼衆ヤツル:再度、剣が奔る。
巳六針助:「……」目を閉じる。
巳六針助:「だったら、貴女はどうして」
巳六針助:「”人狼”のオレを――放っておけばすぐに死ぬ子供を、助けたんだ」
巳六針助:「……貴女も、オレに、何かをくれようとしたのか?」
巳六針助:回想シーンの効果で、自身の【秘密】を公開します。
GM:了解しました。

・PC1の【秘密】
あなたは目覚めて以来、記憶に欠落があるように感じている。
鬼衆ヤツルがあなたを忍びとして鍛えようとしている、その理由に関係しているのだろうか。

あなたが特定の条件を満たすことで、この【秘密】は追記される。

████「感情判定に成功する」ことで追記████

・PC1の【秘密】追記①

感情の揺らぎが、あなたの記憶を呼び起こす。

あなたはずっと前から、忍びであった。あなたの忍びの力は急に発現したものではない。鍛錬の末に手にした力が、眠っていたものだ。

あなたはこの力を用いて、人の世を守るために、妖魔を討伐していた。一人でではない……浦内獅子雄という男と組んで、討伐を行っていたはずだ。
詳細な記憶は思い出せないが、最後に狩ろうとしていた妖魔の名は覚えている。
「人狼」と呼ばれていた。

████「戦闘の勝者になる」ことで追記████

・PC1の【秘密】追記②

戦いの感覚。勝利の実感があなたの記憶を呼び起こす。

あなたは「人狼」に勝利した。人間の女性に憑依していたかの妖魔を、宿主ごと始末した。
そのはずだった。
「人狼」の正体は、病として存在する妖魔である。
そして、恐怖を感染経路としている。
あなたは地に伏せる「人狼」から、そのことを告げられた。そして、この妖魔を倒すすべは存在しないのだという宣言に……恐怖した。

あなたは「人狼」の本体、感染源である。
浦内獅子雄に対しては、そのことを伝えずに去った。彼は「人狼」を憎んでおり……バディであろうと躊躇なく殺すだろう。
あなたは学生の表の顔を作り、篠伏町に潜伏した。
ただ隠れ生き延びるためではなく、「人狼」の治療薬を作るために。

治療薬の作成は難航したが、予防薬は完成した。恐怖を感じる脳の回路を一時的に麻痺させる薬物だ。感染の拡大を避けるため、あなたはその流通を協力者に託した。
薬物の名を、『ライカン』と言う。

████「『銀のケース』を手に入れる」ことで追記████

・PC1の【秘密】追記③

「銀のケース」はあなたが作成したものだ。それが開くとき、あなた自身の記憶も蘇る。

あなたは「人狼」について研究を繰り返し、その正体が「狼憑き」という情報生命体であることを確かめた。
「狼憑き」は恐怖という情報に媒介に自己増殖する、異世界のウイルスなのだ。
『スロープ』は記憶、情報を消す薬だ。感染者に使用することで、「人狼」は一時的に封印され、人間として生きることができるようになった。
あなたは安全に研究を続けるため、自分と深く関わった者たちの記憶を消した。

だがそこで、あなたの潜伏場所は、憂野ユチカに襲撃された。
彼女の目的は不明である。あなたから何かを奪おうとしていたらしい。
あなたは戦闘に敗北し、『スロープ』の一本を奪われ、あなた自身に使用された。
あなたは「人狼」について……「人狼」の本体である、自分自身の忍びとしての記憶と力について忘却していたのである。

そして、その記憶は完全に蘇った。
憂野ユチカは再びあなたを狙うだろう。次は命を。
急がなければならない。情報を集めなければ。


あなたは【秘密】に『黒塗り』が記載されているキャラクターと同じドラマシーンに登場しているとき、その『黒塗り』を、消すことができる。

巳六針助:――『ヤモさんは、オレのこと怖くない?』
――『オレ、狼じゃないからさ』
――『オレのこと、怖がらないでね』

巳六針助:演じる必要があった。
巳六針助:情に脆く、不用心で、忍のことなど何も知らない一般人を。
巳六針助:誰かが自分に対して恐れを抱けば、それが次の”人狼”となる。そんなことはさせない。憂野ユチカに記憶を消される間際、最後の”抵抗”として考えたのが、そのことだった。
巳六針助:……だが、一度墨を流した水が、二度と元には戻らないように。今の巳六針助の人格は、”スロープ”の効果によって、決定的に変質している。
巳六針助:記憶がよみがえった時点で、”蛹”の巳六針助とも、”忍者”の巳六針助とも、連続性は失われていた。
巳六針助:獣と人の境のように。
巳六針助:「黒戸さんさ……オレと一緒に研究してる時も、『おばあちゃん大切にね』って、何度も言ってくれてさ。答えの見えない問いに、『考えろ』とも」
巳六針助:闇に告解のような独り言が反響する。
巳六針助:「だから、嬉しかったんだろうな。また、オレに同じことを言ってくれて」
巳六針助:「獅子雄にも、悪いコトした……相棒だったんだ。人狼を殺して、何も言わずに身を隠して」
巳六針助:「……でも、オレの使命は、今でも変わってない」
巳六針助:「ヤツルさん。貴女を倒して、オレは忍者になる」
巳六針助:「そして、ヤモさんたちを助けに行く」
巳六針助:「これまでずっと、そうして来たように……オレも、信念に従うよ」
巳六針助:「だから」
巳六針助:身を沈め、
巳六針助:次の瞬間、影に消える。否。闇を、狼のように、蛇のように、縦横無尽に駆け回っている。
巳六針助:影の内に張り巡らせた闇の糸。最も単純で、最も確実な罠。
巳六針助:かつて浦内志々雄が彼に見せたそれと同じ技術だ。
巳六針助:「【千盗縫(ちどりぬい)】」
巳六針助:糸が鬼衆ヤツルの全身を引き裂いた。
鬼衆ヤツル:「がっ……!」
鬼衆ヤツル:肉体が制御を失う。
鬼衆ヤツル:がしゃ、と床に崩れ落ちる。
巳六針助:「っ……ヤツルさん!」抱き起こす。
巳六針助:「ごめん。ごめん、オレ……」
巳六針助:「……」言葉を呑み込んで、首を振る。
鬼衆ヤツル:床に落ちた煙草の火が消える。
GM:暗闇に、僅かに月光が差し込んでいる。

巳六針助:「……解ってるかも、知れないけどさ」
巳六針助:「”蛹”の巳六針助は、アンタのこと、好きだったんだよ」
鬼衆ヤツル:「そうか……」
鬼衆ヤツル:「それは、嘆くべきことなのだろうな」
巳六針助:「殺せばよかったんだ。あんな、何も出来ない子供」
巳六針助:「……他人の弱さを許したくせに、自分の弱さに蓋をし続けるなんて、ずるいよ」
鬼衆ヤツル:鮮血を青白く照らされて、細く笑う。
巳六針助:「……」
鬼衆ヤツル:「私は、信念に従ったまでだ……妥協はしたくなかった」
鬼衆ヤツル:「処刑忍は、罪のある者を裁く。罪もわからぬ子供を殺して……終わりにはできない」
鬼衆ヤツル:「だが、そうだな。結果的にこうして、自分が倒れるのだから」
鬼衆ヤツル:「君が正しかったのかもしれない」
巳六針助:「……ほんっと、不器用だ。ヤモさんの言った通りだ」
巳六針助:「そうだよ。オレが正しい。アンタなんて嫌いだ。アンタが弱かったから負けたんだ、くそっ」
巳六針助:哀しみを塗り込めるように、一つ、また一つと嘘を付いて行く。
巳六針助:彼女の血を和らげるように、涙が。
巳六針助:「……それでも」
巳六針助:「ヤツルさんが居なければ、オレは死んでた。運が良かったんだ」
巳六針助:袖口から、何かを取り出す。口に含む。
巳六針助:「だから、一つ返す。罰の味ってやつを」
巳六針助:そのまま鬼衆ヤツルに口づけた。
巳六針助:こく、こく、と。喉が動く。何かが、彼女の喉に落とされる。
鬼衆ヤツル:「……」
巳六針助:「……最後の兵糧丸だよ。それで、死ぬってことはない」口を離し、銀の橋を拭ってそっぽを向く。
鬼衆ヤツル:「……そうか」
鬼衆ヤツル:「なら、早く行きなさい」
鬼衆ヤツル:「『忍びには……』」
鬼衆ヤツル:息を吸う。
鬼衆ヤツル:「『敬意を』」
鬼衆ヤツル:「最後の教えだ」
巳六針助:頷く。黙って、深々と地に頭を付ける。
巳六針助:「師匠」
巳六針助:「お世話になりました」
巳六針助:「……それと、”蛹”の巳六針助から伝言です」頭を上げる。
巳六針助:「”愛してるッス、ヤツルさん”」
巳六針助:立ち上がる。
巳六針助:「ヤツルさんは、最高の師匠でした」
巳六針助:「また会えたら、今度は……」
巳六針助:言葉を切る。
巳六針助:「さよなら」
鬼衆ヤツル:「ああ……」
巳六針助:「イヤホンは、拾ってるなら」
巳六針助:「貴女にあげます」
巳六針助:「親の形見だけど。オレには、もう必要ないから。大切な人に持ってて欲しいんです」
巳六針助:「理屈じゃないんで……お守りにでも、して下さい」
巳六針助:ぱしゃり、と糸のように影が解ける。闇に紛れて、少年は消えた。
GM:ーーーー
鬼衆ヤツル:「……ふふ」
鬼衆ヤツル:地に伏せながら、薄く笑う。
鬼衆ヤツル:続けざまに、ごぼ、と大量の血を吐き出す。
鬼衆ヤツル:(悪くない最期だったと)
鬼衆ヤツル:(言うべきなのだろうな)
鬼衆ヤツル:死に瀕した巳六針助を、自らの生命力を賦活する奥義を捻じ曲げて使用し、救った。
鬼衆ヤツル:忍びの生命力は常人を遥かに超える。
鬼衆ヤツル:だが、失われた四肢が蘇り、内臓の傷が綺麗に塞がるようなものは──
鬼衆ヤツル:(『ただしをまつる』)
鬼衆ヤツル:妖魔の術理だけだ。妖魔狩りの一族に、密かに伝わるような。
鬼衆ヤツル:肉体が崩壊していく。
鬼衆ヤツル:コートのポケットに手を入れる。
鬼衆ヤツル:イヤホンがそこに入っていた。ような気がした。
鬼衆ヤツル:(悪くない)
鬼衆ヤツル:視界が。
鬼衆ヤツル:暗くなる。
GM:ーーーー
GM:月夜に伏せる、剣士がひとり。
GM:そして。
仮装客:「……」
GM:それを見下ろす、影がひとり。
GM:====
GM:====
GM:橙色の明かりが、夜を貪っている。
GM:昼と夜の境。誰そ彼の曖昧さ。
GM:逢魔が時の幻が、笑い声をあげる。
憂野ユチカ:「銃で撃っても倒せない」
憂野ユチカ:「そういう妖魔だっているでしょう?」
憂野ユチカ:髪に触れる。遠くを指さす。
憂野ユチカ:群衆の影が、ぞわりと身震いして、起き上がる。
憂野ユチカ:それらが形のないまま、矢鳴ヤモリに向けて殺到した。
矢鳴ヤモリ:「怒らせちまったようだ」
矢鳴ヤモリ:回避は難しい、ならば。
矢鳴ヤモリ:「昔取った杵柄、ってね」
矢鳴ヤモリ:蝋燭を孕んだ南瓜を手に取る。
矢鳴ヤモリ:瞬間、空気、炎、流れるちからをかき回し。
矢鳴ヤモリ:一瞬にて、それを燃やし尽くし――光にて影を乱す。
矢鳴ヤモリ:だが群れの一部はそれをすり抜けて。
矢鳴ヤモリ:「っぐ――」牙の食い込む腕に、新たな呪いを穿ち込んでいる。
憂野ユチカ:(軽減された)
憂野ユチカ:「銃以外も使えるんだね──でも」
憂野ユチカ:攻撃の術を手放したものは、それが一瞬であっても、その時は”狩人”ではない。
憂野ユチカ:「狙って」
「狼憑き」:「ガアアアアア!」
「狼憑き」:足を留める。アスファルトに爪が喰いこむ。
「狼憑き」:大振りの攻撃だけで、命を屠ることができる膂力。
「狼憑き」:更に”それ”は、その力の効率的な使い方を、身に着けている。
「狼憑き」:「終わり、だァ!」
「狼憑き」:ぐば、と真空が開いた。
「狼憑き」:無空の弧の先端。死域に黒戸三四を巻き込んで。
「狼憑き」:一拍遅れて、衝撃が奔った。
黒戸 三四:「(しま────)」った、と心中で漏らした後には。既に己が身は宙を舞っている。
黒戸 三四:想定の上、さらにその上を嘲笑うかのような、人智を越えた、正に理外の一撃。
黒戸 三四:どう、と音を立てながら地に強く身体を打ち付ける。意識を繋ぎ止める事が辛うじて出来たのは、その衝撃故。
黒戸 三四:「───────」
黒戸 三四:主要な臓腑の幾つかが破裂し、防ぐことを試みた両腕はあらぬ方向へと折れ曲がっている。
黒戸 三四:忍びの身ですら、遠からん内に死に至るもの。
黒戸 三四:致命傷。
黒戸 三四:「(鍼──────握れないか)」
黒戸 三四:己の意志に反し、ぴくりとも動かない指先を。朦朧とする意識の中、薄目で睨み。
黒戸 三四:ひゅう、と。穴の空いた肺で息を取り込んで。“それ”を行使する。
黒戸 三四:「(ギャンブルは)」
黒戸 三四:「(嫌いなんだけどな)」
黒戸 三四:“運が悪ければ”、死んでしまうだろう。
黒戸 三四:己は、星詠みの一族の系譜を辿る、御釘衆の徒でありながら。
黒戸 三四:占星術の才が。天運を知る術の適性が、まるで無かったから。
黒戸 三四:けれど。
黒戸 三四:同時に。彼らと相対し、交流を通している内に、気づいたものがある。
黒戸 三四:彼らが口にする、その言葉は。
黒戸 三四:運否天賦に身を委ねる、諦めの言葉ではない。
黒戸 三四:流れに逆らわず、その時が来るのを。しかと見定め、見極めて。
黒戸 三四:事に全力で命を賭し、来るべきその沙汰から。決して目を逸らさない。
黒戸 三四:「覚悟の言葉だ」
黒戸 三四:陰陽論という思想がある。
黒戸 三四:曰く、この全宇宙に存在するもの一切は。隠と陽の対立した二つの性質を持ち、それぞれがバランスを保っている。
黒戸 三四:月と闇、女が表わすのは「隠」。
黒戸 三四:衣服を裂かれた隙間から見える、血に濡れる女の肌に。黒い痣のような紋様が浮かぶ。
黒戸 三四:蠢くように動いた呪いの痣が、左半身を蠢いて。
黒戸 三四:糸に吊られたマリオネットのように、懐から取り出した鍼を己が身に突き立てていく。
黒戸 三四:日の出から日没まで。陽の光を浴びせ続けること百二十八日。
黒戸 三四:陽の気を孕みに孕んだ鍉鍼を。
黒戸 三四:だが足りない。欠けたそれを補うには────────。
黒戸 三四:己の身中。渦を巻き、今の尚、己の命を食い破ろうとするものが。
黒戸 三四:あるではないか。
黒戸 三四:今し方この身に受けた男の、極上の闘気が。
黒戸 三四:肝、心、脾、肺、腎。
黒戸 三四:五臓の経穴に注いでいく。その数締めて三十六。
黒戸 三四:ごぎり、ぐぎりと。骨が軋み、肉が蠢き、臓腑が揺れる。
黒戸 三四:「──────────」
黒戸 三四:ひとりの忍びの奥義の発現から、ひとりの女が。声にも鳴らない、悲鳴のような雄叫びをあげるまで。
黒戸 三四:その全て、時間にして全ての忍びが瞬く間。
黒戸 三四:ぱちぱち、と瞬きの後。寝転がった体勢のまま、くるりと跳躍し。
黒戸 三四:何事もなかったかのように。
黒戸 三四:「私はね」
黒戸 三四:「いの一番に、死んでしまっては。いけないんだ」
黒戸 三四:「忍びであると同時に」
黒戸 三四:「医術の心得を持った、この場で唯一の人間なのだから」
黒戸 三四:はは、と場違いに笑って。
黒戸 三四:黒戸三四は、立っている。
「狼憑き」:「どういうことだ……?」
「狼憑き」:確かに手ごたえを感じていた。
「狼憑き」:傷を受けていることも間違いがない。だが、傷は残っていない。
「狼憑き」:「忍びが、傷を癒す……そんな力を」
「狼憑き」:「妖魔の力を、振るってたまるか!」
「狼憑き」:咆哮する。動揺をかき消そうと。
黒戸 三四:血に濡れた前髪を耳にかけて。女は涼やかに言う。
黒戸 三四:「你要错多久呢?(いつまでも勘違いしやがって)
黒戸 三四:それは。此処とは、海を隔てた。異国の言葉。
黒戸 三四:彼と私にしか通じないであろう言葉。
黒戸 三四:「这个城市是我的领土。(この街は私の“縄張り(シマ)”だ)
黒戸 三四:「人、疾病和生命、无所不包。(人も、病も、いのちも。何もかもすべて)
黒戸 三四:「我打破它,我治愈它,我使它正确。(私が壊し、私が治し、私が正す)
黒戸 三四:「这就是这个城市的历史。这是我要创造的流动。(それがこの街の歴史になる。私が作る流れだ)
黒戸 三四:ばち、と空気を裂く稲光。
黒戸 三四:先の折。“五行”に対応する五臓、木の属性を持つ肝の経絡を強く活性化させたのは。
黒戸 三四:体表を纏う静の性質を持つ電気を。動的に作動させるため。
黒戸 三四:風は嵐を呼び。嵐は雷を生む。
黒戸 三四:女の手元から光線が放たれた後には。幾本もの針が、剣山のように妖魔の身体を貫いて。
黒戸 三四:「明白吗?狗养的。(理解したか? 犬っころ)
黒戸 三四:「如果你明白,(分かったンなら)──────」
黒戸 三四:「快点死吧。(さっさとくたばっちまえ)
黒戸 三四:追撃二連。歪に折れ曲がった針が、妖魔の両目を深々と抉る。
「狼憑き」:「ギッ……」
「狼憑き」:「アアアアアア!! 何だ、なんだ貴様は……!」
「狼憑き」:身を捩る。抉れた目を爪で掻き出す。
「狼憑き」:「狩人は……狩人は俺だ……!」
「狼憑き」:「足掻きに意味は無い、これは小手先のまやかしだ、アアアア……!!」
遊火丸 クヲン:ポウ と掌に灯った明かりに
遊火丸 クヲン:ふぅ と蒲公英の綿毛を飛ばすように、息を吹きかける。
遊火丸 クヲン:明滅する淡雪じみた粒子が、空間一帯に散らばり
遊火丸 クヲン:────バシュ ッ
遊火丸 クヲン:脇に置かれたジャック・オ・ランタンの内部から伸びた、赤い炎の刃が、幾本も
遊火丸 クヲン:妖魔の肉体へと突き立てられる
「狼憑き」:「ぐっ!?」
「狼憑き」:拳を振る、咄嗟に炎を掻き消す。
「狼憑き」:だが警戒は遅れていた。余波を周囲に残している。
妖魔(忍犬):「ギャァッッ!」
遊火丸 クヲン:───吹き飛ばされた赤燐が、紫色に染まる。
妖魔(忍犬):丸ごと炎に包まれ、即座に黒く変わっていく。
遊火丸 クヲン:「篝明紫炎(シカガリ)
遊火丸 クヲン:喰らい尽くすように包んだ炎は、妖魔の存在そのものを内部に溶かし
遊火丸 クヲン:再び火の粉となって、遊火丸の元へと遡行する。
遊火丸 クヲン:───また一つ
遊火丸 クヲン:生命が、炉心に焼べられた。
矢鳴ヤモリ:命が燃えていく。
矢鳴ヤモリ:立て続けにいくつものことが起きた。
矢鳴ヤモリ:事態は大きく進行しつつある。
矢鳴ヤモリ:「(アタシも動かにゃあだな)」
矢鳴ヤモリ:しかし、先程から周囲には見えない糸が張り巡らされ――この身を縛り付けている。
矢鳴ヤモリ:「どうにもこれは……やりにくい」
矢鳴ヤモリ:黒戸三四の存在には肝が冷えた。
矢鳴ヤモリ:「(まさか鍼師がいるたあね……)」
矢鳴ヤモリ:見るだけならまだしも、念入りに触られでもしたら矢鳴ヤモリという忍びの"正体"が明るみに出てしまっていただろう。
矢鳴ヤモリ:だが、もう隠す必要はない。
今こそが見せる時、あり得ざるを為すちからを。

矢鳴ヤモリ:===
矢鳴ヤモリ:望月家の起こりは室町時代に遡る。
矢鳴ヤモリ:裏巌流(りがんりゅう)創始者望月永道(もちづき・ながみち)が月より舞い降りた天の使いに武芸を認められてひと振りの刀を賜る、それが始まりであると。
矢鳴ヤモリ:しかしことの真相はこうも囁かれている。月より飛来したのは実は凶悪な妖魔であり、討伐した"ソレ"のちからを取り入れることで望月は今の力を手に入れたのだ、と。
矢鳴ヤモリ:そして後者が概ねの事実だと彼女は知っている。
矢鳴ヤモリ:何故なら裏巌流の"魔"に対峙し、それによって望月家を事実上滅ぼしたのが他ならぬ彼女自身であるからだ。
矢鳴ヤモリ:その刀は隕鉄を材に打たれたと言われ、当代最強の剣士が手にする望月家の象徴である。
矢鳴ヤモリ:かつて夜空を流れる箒星が天狗と呼ばれたことから、月よりの流星をもとにしたそれは月狗(げっこう)と名付けられた。
矢鳴ヤモリ:ひと目でわかった、それが魔"そのもの"であると。
矢鳴ヤモリ:ならばかつて飛来したという妖魔は、鉱物の如き身体を有していたのだろう、妖しげにかがやくその刃紋を眺めぼんやりとそんなことを思ったものだ。
矢鳴ヤモリ:そして当代最上の才覚を持つと目された望月ヤナリはその実力を違えず刀に認められた。いや、魅入られてしまったのだ。
矢鳴ヤモリ:次代家長の"認めの儀"、意識を取り戻した彼女の目に映ったのは折れた魔剣と血溜まりの中でうごめく肉の塊。
矢鳴ヤモリ:審判者として相対した五忍のうち三は既に息はなく、残りの二もまた忍びとしての命は絶たれたも同然の状態であった。
矢鳴ヤモリ:刀とは結局のところひとを殺傷するための道具でしかなく、剣術とはそのための業。
ヤナリはそれにひどく適応しきっていた。天賦の才、そう評するしかない。魔剣との共鳴は今思えば自明の流れだ。

矢鳴ヤモリ:『斬るべき者の区別すらつかぬとは……、お前は剣士ではない、バケモノだ』
矢鳴ヤモリ:そうしてヤナリはその身の経脈の重要点を念入りに潰され放逐された。
矢鳴ヤモリ:肝、心、脾、肺、腎。
五臓の経穴、その数締めて三十六。

矢鳴ヤモリ:箸を握るのにも難儀する、常人以下の身体へと成り果てた彼女を"運良く"奇特な女が拾った。
矢鳴ヤモリ:鞍馬神流下位流派、バヨネット『サンセットモーテル』支配人。
矢鳴ヤモリ:「腕を振って弾速を速めるだなんだ言ってるがね、それは結局小手先のことよ」
矢鳴ヤモリ:「銃の本質ってのはな、非力な存在にその上限を超えた殺傷能力を与える、それに尽きるわけだ」
矢鳴ヤモリ:その思想は非力な当時のヤナリに合っていた。
矢鳴ヤモリ:体術とは力の流れを操る術、骨も、筋肉も、血潮も全ては道具に過ぎない。
矢鳴ヤモリ:ヤナリは人を殺すことに長けており、銃という新たな道具にすぐ適応を見せた。
矢鳴ヤモリ:かつて砕けた刀身の欠片は身の内に溶け込み、鉄によく似た性質からヤナリの体内細胞内ミトコンドリアとの合一を果たしている。
そこから生まれる月の気を高速機動へと転じ、銃という助けを得て彼女は忍びとしての第二の生を辛うじて掴んだ。

矢鳴ヤモリ:新たなる名は未練がましくもゲッコー……すなわちヤモリを選んだ。
矢鳴ヤモリ:だが、かつてのものが完全に失われたわけでは無い。
矢鳴ヤモリ:それは満月と新月の宵にのみ天空を通じて活性をする。
矢鳴ヤモリ:肉を裂いて、刃。胸の内より現れた骨で編まれた柄を掴み取る。

矢鳴ヤモリ:抜刀するは血濡れの『月狗』。
矢鳴ヤモリ:ヤナリの刀は天賦の殺人剣、超直感と月の魔物の本能によってその場で最も危険となるものを半ば反射的に切り裂く。
矢鳴ヤモリ:裏巌流は寄せては返す潮(うしお)の剣。
矢鳴ヤモリ:干と潮、月と太陽が織りなす陰陽調和の末に到達するはずのそれに、壊れた彼女は至れない。
矢鳴ヤモリ:だから矢鳴ヤモリは彼女に可能なことで代用する。
代わりに得たもの、過大なる月の陰気を用いた独自の究極点。

矢鳴ヤモリ:【奥義、裏巌流月鉱剣、彼岸潮】
矢鳴ヤモリ:かつて、落伍者の烙印を押された"認めの儀"でそうであったように。
矢鳴ヤモリ:がお、う、と斬撃が吼えた。
浦内獅子雄:「……はは、これはこれは」
浦内獅子雄:「私は”運が悪かった”のでしょうか?」
矢鳴ヤモリ:それは獰猛な捕食者のごとく、その存在を限りなく薄め身を潜めていた罠を嗅ぎつけた。
矢鳴ヤモリ:矢鳴ヤモリにとっての、この場における最大級の障壁。それをたしかに切り裂いた。
吹き上がる血潮を昆虫の如き無機質な瞳で眺めている。

矢鳴ヤモリ:「忍務の達成、それが全てにおいて優先する」
矢鳴ヤモリ:「アンタも目的のためならば何だって殺す、そうだろう?」
矢鳴ヤモリ:「それが例え昔の相棒であろうと、今の相棒であろうと、な」
矢鳴ヤモリ:「忍びの狩り場にいるってことは、そういうこったな」
浦内獅子雄:仕込んだワイヤーの大半が、無理やりに巻き取られ、千切られた。
浦内獅子雄:その破壊の余波は、罠の起動を支配する杖と……右腕を狂おしく挽き潰している。
浦内獅子雄:「勿論です」
浦内獅子雄:「私は……全てを狩るつもりで来ていますよ」
浦内獅子雄:「私は……」頭を押さえる。
矢鳴ヤモリ:「ハハ」獰猛に笑う。
浦内獅子雄:「今までも。一人で屠ってきたのですから」
矢鳴ヤモリ:「やっぱ、そうじゃなくっちゃな」
矢鳴ヤモリ:「薄汚え闇の住人なんてものはよ」
矢鳴ヤモリ:「いくらでも引き返すチャンスはあったはずだ」
矢鳴ヤモリ:「だが、アンタはこちら側に来た」
矢鳴ヤモリ:「やろうぜ、悔いのないようになあ」
浦内獅子雄:「ははは」
浦内獅子雄:左手で宙を握る。血が吹き出す。
浦内獅子雄:ワイヤーが仕組まれている。皮と肉を裂きながら、強引に引き絞る。
浦内獅子雄:「やはり私は”運が良い”。死ぬ前に、新しい猟法を試せそうです」
浦内獅子雄:ワイヤー同士が互いを切り結ぶ。
浦内獅子雄:それらは予測不可能な斬撃を伴って。
浦内獅子雄:戦場の一面に、とめどなく斬線を撒き散らしていく。
浦内獅子雄:「どうしてでしょうね」
矢鳴ヤモリ:死線が見せた新たなる境地。
浦内獅子雄:「『黒塗網』。私はこの技を……そう名付けると知っていたように思います」
矢鳴ヤモリ:忍びのわざの到達点、【奥義】と呼ばれうるもの。
矢鳴ヤモリ:『月狗』が自動的に、反射的に斬線を切り払う。
矢鳴ヤモリ:だが、範囲はあまりに広大。
矢鳴ヤモリ:「ッ……」
矢鳴ヤモリ:そのわざは乱雑に見えて繊細。予めマーキングされた、忍びたちを目指し周囲を駆け巡るが。
矢鳴ヤモリ:「500円だ、わざわざそっちの面倒見てやる価格じゃねえ」
矢鳴ヤモリ:己の目的のため、斬り漏らしたそれには目もくれず戦場へと飛び込んでいく。
遊火丸 クヲン:「───あら、そう」近付いてきたワイヤーが、片端から焼け落ちていく。先ほど撒き散らした火の粉は、攻撃のためのものというだけではない。
遊火丸 クヲン:「思ったより良心的ね」
黒戸 三四:空を切る音を頼りに、妖魔を盾にその身を防がんとするも。その間隙を縫うように。指の幾本が根本から切断されて。
黒戸 三四:「ちぇ。もう奢ってあげませんからね」ふ、と息を吐いて微笑んでいる。
矢鳴ヤモリ:「ひひ」
矢鳴ヤモリ:「今度はこっちが奢ってやるよ、報酬をパーっと使っちまうのは得意なんでね」
浦内獅子雄:「……」ふたたび左腕を引くが。
憂野ユチカ:「あのう、浦内獅子雄さんだよね」
憂野ユチカ:その前に立つ。
憂野ユチカ:罠を強引に潜り抜けたのだろう、脚の肉が削がれ、肉は焼けている。
憂野ユチカ:「私とも戦ってくれる?」
浦内獅子雄:「……」
浦内獅子雄:じろりとその姿を見るが、表情は動かない。
浦内獅子雄:「私は……悔いのないように、戦うために来た」
浦内獅子雄:「「人狼」と、それに与する忍び、それ以外に興味はありません」
憂野ユチカ:「……そっか」
憂野ユチカ:息を吐く。
憂野ユチカ:「やっぱり順番があるよね、焦っちゃった、良くない癖だ……」
憂野ユチカ:ぶつぶつと口ずさむ。
憂野ユチカ:「まずは針助くんが来るまで待とう。その前に、整理しておかなきゃ」
憂野ユチカ:火を灯す。
憂野ユチカ:緋色の髪が灼けていく。
憂野ユチカ:灰が空気に混ざる。吐き気と心地よさをもたらす香りがする。
憂野ユチカ:「ねえ、三四ちゃん」
憂野ユチカ:像がブレる。
憂野ユチカ:「いらないものを消していけば正しくなれるのかな?」
黒戸 三四:脳の奥まで広がっていくような甘い陶酔感。
黒戸 三四:「いらないもの、ね」
黒戸 三四:「それは。君にとって、私にとって。本当に“いらないもの”なのか?」
黒戸 三四:「私はね。足りないものだらけだから」
黒戸 三四:「だから。そうだね─────」
黒戸 三四:「今はいらないものだって感じるものでも。必要だと思うよ」
黒戸 三四:「正しくあるためにはね」
憂野ユチカ:「そっか」
憂野ユチカ:精一杯の笑顔を向ける。
憂野ユチカ:「やっぱり私、正しくあるのは向いてないみたい」
憂野ユチカ:「だって、あの人は──いらないものをすべて切り捨てたまま」
憂野ユチカ:ちら、と浦内獅子雄に目を向ける。
憂野ユチカ:「満ち足りているんだもん」
憂野ユチカ:「窮屈な正しさなんて、贈られなくてもいいや」
憂野ユチカ:髪の火が身体まで燃え移る。緋色の炎が灰を呼ぶ。
憂野ユチカ:『誘き灰乱』。
憂野ユチカ:混濁と幻惑、愛と死が、無差別に広がっていく。
黒戸 三四:緋色にして灰色。眼前を二色に埋め尽くされ。女は静かに目を閉じた。
黒戸 三四:最早、視覚器官に頼る探知は意味を成すまい。
黒戸 三四:こんこん、とスニーカーの爪先をアスファルトに打ち付けて。
黒戸 三四:網目上の光が、蜘蛛の巣のように地を走った。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:此処より、海を隔てた大陸で。生を受けた。
黒戸 三四:己を生んだ筈の母親の記憶も、父に手に抱かれた記憶も、己には存在しない。
黒戸 三四:思い出せる限りの最古の記憶は、凍てつくような寒さと空腹に耐えかね口に運んだ泥の味。
黒戸 三四:だが、自分を特別不幸だと感じた覚えもまた無かった。
黒戸 三四黒戸(ヘイフー)張三李四(どこにでもいるひと)など。
黒戸 三四:別段、珍しい話でもないだろう。
黒戸 三四:それに己は、どうやら人と違う力を持っていたから。
黒戸 三四:生きるためなら何でもやってやった。
黒戸 三四:一握りの残飯のために手を汚し、血に塗れた両手で。
黒戸 三四:いつものように、身包み剥がそうとした爺が、私と同じような力を持っていたとは思わなかったけど。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:師は。口を開けば、同じ事ばかり口にする男だった。
黒戸 三四:『お前は、忍びとして。致命的なものが欠けている』
黒戸 三四:私が睨みつけると、場違いに。
黒戸 三四:心底面白くて堪らないといったように笑う師のその顔が、私は嫌いだった。
黒戸 三四:『お前は、目的の為なら手段を選ばない』
黒戸 三四:『影の世界の住人として聞こえはいいが。実質、お前の場合。忍びとしちゃ、下の下以下だわな』
黒戸 三四:『手札が尽きりゃ、形振り構わず。お前は誰で在ろうと平気で媚を売り、同情を引いて見せる』
黒戸 三四:『心底まで染み付いた奴隷根性故だろうなあ』
黒戸 三四:『壊れちまってる』
黒戸 三四:『お前には』
黒戸 三四:『確固たる我も、人を思いやる情も、己の欲を律する意志も、私欲を挟まぬ忠義も、尊ぶべき和も』
黒戸 三四:『何もかもが無い』
黒戸 三四:『人を壊す才はある』
黒戸 三四:『それを治す才も然り』
黒戸 三四:『ただ』
黒戸 三四:『お前が“それ”に、心惹かれて止まないのはな』
黒戸 三四:『凶り歪んだ、てめぇのこころを慰めたいが為だろう?』
黒戸 三四: 
黒戸 三四:みんなが、当たり前に持っているそれが。
黒戸 三四:私には欠けている。
黒戸 三四:壊れたものは、元には戻らないと“彼”は言った。
黒戸 三四:その通りだと思った。
黒戸 三四:幾ら、それを補おうと。こう在らんと己を正しても。
黒戸 三四:土台、無理な話だ。
黒戸 三四:だって。己は、元々がこうなのだから。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:「(けどね)」
黒戸 三四:「(こんなもの。忍びには、有り触れた話)」
黒戸 三四:「(私は、十分過ぎるほどに貰っている)」
黒戸 三四:結局。大海の広さを知らない蛙が。井の中の狭さを、窮屈に感じていたに過ぎない、そんな話。
黒戸 三四:運命を乱すものを正す。
黒戸 三四:それが我ら斜歯忍軍・御釘衆の使命なら。
黒戸 三四:為さねばならぬことがある。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:彼には、大切にしてほしかったからね。
黒戸 三四:今となっては、私の気を引く作り話……だったのかもしれないけれど。
黒戸 三四:それを証明する彼は、此処には居ないし。
黒戸 三四:それは。
黒戸 三四:私には決して手の届かないものだったから。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:「私はきっと」
黒戸 三四:「羨ましかったんだろうな。君が」
黒戸 三四:幻惑と混乱の渦中。微かなそれを探り当てる。
黒戸 三四:今度は。
黒戸 三四:「逃さない」
黒戸 三四:灰を切り裂く紫電が一閃。
黒戸 三四:確かにそこに居る。憂野ユチカ、彼女の右肘内側に。
黒戸 三四:橙色の光に照らされ、艷やかに輝く一本の長針が刺さっている。
黒戸 三四:そこは。“尺沢”と呼ばれる経穴。
黒戸 三四:肺の気の流れを操作し、咳や喘息を治めるためのもの。
黒戸 三四:彼女が行使する理は。彼女の生まれ持った身体に由来するものだ。
黒戸 三四:人と妖魔のちからの天秤が、安定していない。
黒戸 三四:だから。それを、一時的にでも。
黒戸 三四:正してやった。
黒戸 三四:凪いでいるように静かな人の気に、漣を。
黒戸 三四:猛り狂う嵐のような妖魔の気に、快晴を。
黒戸 三四:術理を乱すものではない。
黒戸 三四:体の淀みを除かれ、思考は冴え渡っていくだろう。
黒戸 三四: 
黒戸 三四:決して満たされない己の乾きを、幻で慰める必要など。ないのだとでも、言うように。
黒戸 三四:────故に。彼女は。
黒戸 三四:考慮してしまう。ほんの少しだけでも。
黒戸 三四:“考えて”しまう。
黒戸 三四:そしてそれは。
黒戸 三四:狩人が狙いを定め、引き金を引く時間には。
黒戸 三四:「十分だろ?」
矢鳴ヤモリ:「ああ、十分さ」
矢鳴ヤモリ:その腕を振りかぶる。
矢鳴ヤモリ:指先には血液によって練り上げられた刃弾。
矢鳴ヤモリ:満ちた月鉱のちからをねじり、まとめ、一点へと向かわせる。
矢鳴ヤモリ:裏巌流と砲術の合一に至り、たった今開眼した境地。
矢鳴ヤモリ:「なあんか、ごちゃごちゃ言ってたけどよ」
矢鳴ヤモリ:「正しいとか正しくないとかそういうものは、お天道様の下で生きてる連中のものであってよ」
矢鳴ヤモリ:「アタシらみたいのがそういうの、口にするのも烏滸がましいや」
矢鳴ヤモリ:言うと同時。
矢鳴ヤモリ:全身そのものを砲身とし、引き金が引かれる。
矢鳴ヤモリ:刃は獲物に引かれるように、獲物は刃に惹かれるように。紅い箒星となって疾走る。
矢鳴ヤモリ:「次は当てる、そう決めていたんでね」
矢鳴ヤモリ:音も、気配も、殺気も。
矢鳴ヤモリ:全てを置き去って、それは届く。――今度こそ。
憂野ユチカ:「……」
憂野ユチカ:刃は、炎の中にある、致命的な器官を貫いた。
憂野ユチカ:風穴の開いた身体を見下ろしている。
憂野ユチカ:「ああ、ここまでみたい」
黒戸 三四:誘き出されるように、ふらふらとした足取りで彼女の傍へと歩いていき。
黒戸 三四:「そのようだね」
黒戸 三四:「……ねえ、憂野くん」
黒戸 三四:「私ね」
黒戸 三四:「あの日、あの保健室で」
黒戸 三四:「君が、私の治療を受けてみたいって、言った時」
黒戸 三四:「嬉しかったよ」
黒戸 三四:「本当に、嬉しかったんだ」
憂野ユチカ:「受けておけばよかったかも」
憂野ユチカ:ごぼ、と咳き込む。
憂野ユチカ:「そうしたら……三四ちゃんと、ヤモリさんじゃなくて」
憂野ユチカ:「お父さんに……殺してもらえたかもね」
憂野ユチカ:「ざんねん」
憂野ユチカ:地面に倒れる。
憂野ユチカ:赤い焔が、死してなお実体の残る肉体に、宿り続けていた。
矢鳴ヤモリ:「……」
矢鳴ヤモリ:ふたりを、見下ろす。
矢鳴ヤモリ:「死ってのは、それだけはおんなじだ」
矢鳴ヤモリ:「物言わぬむくろになって、中に入ってたはずのものは世界に溶けて、消えちまう」
矢鳴ヤモリ:「それだけはおんなじことなんだよ」
矢鳴ヤモリ:「陽の光を浴びて生きていようが、影の中で生きていようが」
矢鳴ヤモリ:「金持ちだろうが、貧乏人だろうが」
矢鳴ヤモリ:「幸福だろうが、不幸だろうが」
矢鳴ヤモリ:「それはよ、結構良いことに思えるんだぜ、ヤモさんはな」
黒戸 三四:今まで耳にした中でも、その彼女の声色は。安らぎを覚えるかのようで。
矢鳴ヤモリ:「正直な、忍びなんて全部いなくなっちまえば良いと思ってるよ」
矢鳴ヤモリ:「でもこの瞬間だけはな、言ってやれんのよ」
矢鳴ヤモリ:「お疲れ、おやすみってよ」
黒戸 三四:「(────)」ぼそり、と。唇を動かした。
黒戸 三四:眠るように焔に包まれる彼女へ。
黒戸 三四:友達に、なれるかもしれなかった子へ。
黒戸 三四:またね。
矢鳴ヤモリ:「……」それを眺める表情に、悲しみが湛えられていたのかは返り血で伺い知れない。
矢鳴ヤモリ:「ただなあ、困ったことによ、死にたくねえんだよなあ」
矢鳴ヤモリ:「なあ、アンタもそうだろい?」
矢鳴ヤモリ:顔を上げ、順に眺める。
矢鳴ヤモリ:燃える女。
矢鳴ヤモリ:残った僅かな命を糸へとほどく男。
矢鳴ヤモリ:怒り狂う、獣の姿。
矢鳴ヤモリ:そうして、最後に――、
巳六針助:月に飛ぶ、一人の影。
巳六針助:ず どん!
巳六針助:焔を纏う異形の祝祭に、その忍びは着弾する。
巳六針助:「……助けに来たよ、ヤモさん。約束通り」
巳六針助:血を流し、全身を影の糸で繋ぎ止め、それでも。
矢鳴ヤモリ:「非道い男だねえ、あんな面倒くさくていじらしい女置き去りにして」
矢鳴ヤモリ:「言うじゃねえかよ、いっちょ前気取りでよぉ」
矢鳴ヤモリ:「でもよ、言ったろい」
矢鳴ヤモリ:「守ってやるのは、ヤモさんの方よ」
矢鳴ヤモリ:「キミの中にゃあたしかに陽の光がある」
矢鳴ヤモリ:「それは、ニセモンだとかホンモンだとか、そういう話じゃねえ」
矢鳴ヤモリ:「感じた暖かさ、それがすべてさ」
矢鳴ヤモリ:「だから、守ってやるのよそれを」
矢鳴ヤモリ:「巳六針助という、闇の住人……忍びからもな」
矢鳴ヤモリ:ニヤリと、歯をむき出しに笑う。
巳六針助:「……」
巳六針助:「うへへへ」
巳六針助:場にそぐわない、緊張感の抜けた声で、同じく笑う。
巳六針助:「参ったな。オレが気にしてたこと、全部言われちゃった」
巳六針助:「……しんどそうだけど、まだやれる? オレに守られるなんてこと、ないようにね」
巳六針助:「ありがとう、ヤモさん」
巳六針助:「オレ、ヤツルさんと、ちゃんと決着着けて来たから」
巳六針助:「だから、後は……」
巳六針助:言葉を切って、影の苦無を構える。
巳六針助:「……獅子雄」満身創痍の、かつての相棒を見る。
巳六針助:「色々ごめん。だけど、オレ、お前をやらないとならない。託されたものがあるんだ」
巳六針助:「……だから、勝負だ」
矢鳴ヤモリ:「ククク」
矢鳴ヤモリ:「きみってやつぁとことんヤモさんのやったことの最後の美味しいとこだけ持ってくのが好きみてえだな」
矢鳴ヤモリ:「いいさ、見ててやるよ」
矢鳴ヤモリ:「アタシもアタシで、このがらくたみてえな体が動く限りはやるだけさ」
矢鳴ヤモリ:「"運が良ければ"、一緒に朝日を拝めるかもだあな」
浦内獅子雄:「……「人狼」か」
浦内獅子雄:がしがしと頭を掻く。長髪が緋く、染まっていく。
巳六針助:(……見ようよ。その後は、オレのこと、貴女の好きにしてくれて良いからさ)心の中で答えて、浦内獅子雄に向かい合う。
浦内獅子雄:「こちらも狩りの準備が整いました」
浦内獅子雄:「悔いの無きよう、殺します」
「狼憑き」:「貴様らが拝める明日は来ない」
「狼憑き」:「すぐに憂野ユチカの、後を追わせてやろう」
「狼憑き」:「全員だ!」咆哮する。
GM:====
GM:【第五ラウンド】

 【第五ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力6/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力3/6 器・・忍・・戦・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力4/6 ・体・・謀・戦・妖
 ・「狼憑き」   生命力10/12
  →変調:マヒ(異形化、呪術)
  →【大権現】【獣化】、【鬼手袋】
 ・浦内獅子雄   生命力2/6 ・忍・謀・
  →変調:マヒ(流言の術)
  →【神面瘡】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
浦内獅子雄:【斎垣】を使用します。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
浦内獅子雄:成功。プロットは4を指定します。
黒戸 三四:プロットOK
矢鳴ヤモリ:おっけー
巳六針助:プロット装填。
遊火丸 クヲン:OK
浦内獅子雄:OK
「狼憑き」:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
遊火丸 クヲン:5に行きます
GM:ではプロット5、1D100どうぞ
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 63
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 93

→<プロット5>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット4>
【斎垣】
<プロット3>
(黒戸、巳六、矢鳴)
<プロット1>
(浦内)

GM:遊火丸さんから!
遊火丸 クヲン:【接近戦攻撃】を狼憑きに。指定特技は火術
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
「狼憑き」:《火術》は目標値8だ。
「狼憑き」:2d6>=8 (2D6>=8) > 10[5,5] > 10 > 成功
「狼憑き」:あっ間違えた ふりなおし
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 13[4,4,5] > 13
「狼憑き」:4・5を選んで成功!
遊火丸 クヲン:チィ
「狼憑き」:こちらの手番だ……奥義を使用する。
黒戸 三四:!?
遊火丸 クヲン:なにっ
「狼憑き」:『白眼凶狼』。《異形化》の不死身だ!
「狼憑き」:生命点を回復……
「狼憑き」:1D6-1 (1D6-1) > 4[4]-1 > 3
「狼憑き」:よし全回復。そしてマヒを解除!
system:[ 「狼憑き」 ] HP:10 → 12
黒戸 三四:変調回復、コラーッ!
「狼憑き」:《異形化》と《呪術》が戻ったぞ……!
「狼憑き」:だがまたマヒを喰らうわけにも行かんよなァ
「狼憑き」:【接近戦攻撃】を遊火丸クヲンに!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 11[1,4,6] > 11
「狼憑き」:4・6を選び成功! 《異形化》だ!
遊火丸 クヲン:遠いよ~~
遊火丸 クヲン:潜伏術から11
遊火丸 クヲン:2D6-1>=11 (2D6-1>=11) > 4[1,3]-1 > 3 > 失敗
巳六針助:ここは切り時だな
遊火丸 クヲン:さっき慢心の補正足すの忘れてた
GM:命中判定時は+ですからね
GM:巳六針助が不穏な動き
巳六針助:『巳針』。絶対防御。特技は幻術。
遊火丸 クヲン:何か…あると言うのかい?
矢鳴ヤモリ:実際タイミングはここっきゃねえな
黒戸 三四:きた!盾きた!メイン盾きた!
「狼憑き」:グッ……初見の奥義は破れない!
巳六針助:そのダメージを軽減し、0点にします。
「狼憑き」:当たれば接近戦ダメージ3点だったというのに!
遊火丸 クヲン:ありがとー
矢鳴ヤモリ:黄金の鉄の奥義に勝てるわけがない
黒戸 三四:鉄はヤモさんなんだよな
巳六針助:フハハ 初見奥義は破れまい
GM:ではプロット5は以上! プロット3!
GM:1D100どうぞ~
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 82
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 38
巳六針助:1d100 (1D100) > 38
巳六針助:お揃い♡
GM:同値やん
矢鳴ヤモリ:仲良しか?
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 91
黒戸 三四:イチャイチャしてんじゃね~~~!!!
巳六針助:1d100 (1D100) > 99
巳六針助:www
矢鳴ヤモリ:まさかこの数字で負けるとは
GM:黒戸さん→巳六くん→矢鳴さんで

<プロット5>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット4>
【斎垣】
→<プロット3>
(黒戸、巳六、矢鳴)
<プロット1>
(浦内)

黒戸 三四:私を見下ろすな!!
GM:どうぞ
黒戸 三四:あっわたしから? 了解
巳六針助:頼むズェ……黒戸さァン…
黒戸 三四:う~~ん ここは
矢鳴ヤモリ:やっちまってくださいよぉ
黒戸 三四:兵糧ケアだな 獅子雄さんに【雷電】
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
黒戸 三四:ホッ
浦内獅子雄:《罠術》から10ですね
浦内獅子雄:2d6>=10 (2D6>=10) > 10[4,6] > 10 > 成功
黒戸 三四:マ?
浦内獅子雄:よろしい。
黒戸 三四:手番以上。
GM:巳六くんどうぞ!
巳六針助:【黒絃】を浦内獅子雄に。
巳六針助:指定特技は分身の術。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
巳六針助:オラッ避けてみろ!
浦内獅子雄:《対人術》から9
浦内獅子雄:2d6>=9 (2D6>=9) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
黒戸 三四:???????
浦内獅子雄:よろしい。
巳六針助:は?
黒戸 三四:イチャついてんのか?
浦内獅子雄:妖術を回復しましょう。
system:[ 浦内獅子雄 ] 妖術:0 → 1
GM:矢鳴さんどうぞ!
矢鳴ヤモリ:うーん、依頼人様は素直に譲ればいいかと思っていたが
矢鳴ヤモリ:ちいと困った事態だな
矢鳴ヤモリ:でもまあ後の先優先するか。
矢鳴ヤモリ:雷火、目標「狼憑き」
巳六針助:やったれ!
矢鳴ヤモリ:2d6+1>=5 (砲術) (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功
黒戸 三四:狼くんの回避に点楔いる?
「狼憑き」:《砲術》は近いぞ
矢鳴ヤモリ:おう、間合いは2修正だぜい。
黒戸 三四:あいや!
黒戸 三四:とっておこう。
「狼憑き」:黒戸さん【雷電】してたから……あっこのラウンドから足りるのか?
黒戸 三四:浦内くんの呪刀あるからね。
「狼憑き」:とっておく了解
矢鳴ヤモリ:ファンブルリスクもあるんだ、ここはお前さんでいいだろうさ。
黒戸 三四:コストは気骨で+2,呪紋で+1だからつかえるはずだぜ
「狼憑き」:ひえ~
「狼憑き」:では回避!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 7[1,2,4] > 7
「狼憑き」:アッ……
黒戸 三四:ホホ…
矢鳴ヤモリ:おおっとぉ
「狼憑き」:どの目を選んでもファンブルか……!
「狼憑き」:2点受ける……!
矢鳴ヤモリ:もらっとけい。
system:[ 「狼憑き」 ] HP:12 → 10
浦内獅子雄:ではプロット1、私の手番ですね

<プロット5>
(遊火丸、狼憑き)
<プロット4>
【斎垣】
<プロット3>
(黒戸、巳六、矢鳴)
→<プロット1>
(浦内)

巳六針助:来やがれ!!
浦内獅子雄:【呪刀】を宣言。対象は……巳六針助を確定で選びます
浦内獅子雄:残りは間合内からランダムに……矢鳴さんと黒戸さんですね
黒戸 三四:オス 攻撃判定は普通にします?
浦内獅子雄:妖術が回復したので普通に行いましょう。
黒戸 三四:では【点楔】。
黒戸 三四:ミシンくん感情修正貰えるかな。
巳六針助:無論あげちゃう!+1持って来な!
黒戸 三四:あっ器術ないじゃん
浦内獅子雄:そうでしたね
黒戸 三四:兵糧丸食べます。
system:[ 黒戸 三四 ] 器術:0 → 1
黒戸 三四:では判定。
黒戸 三四:2D6+1>=5 (判定:針術) (2D6+1>=5) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
巳六針助:偉い
黒戸 三四:ではダイスを振るぜ~
黒戸 三四:2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9
浦内獅子雄:《瞳術》……!
黒戸 三四:ちょっとマシになったかな。
浦内獅子雄:目標値7ですね
浦内獅子雄:2d6>=7 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗
黒戸 三四:ホホ
浦内獅子雄:むう……!
巳六針助:黒戸さんナイス!!!
矢鳴ヤモリ:あっぶねー
黒戸 三四:見たか我が忍法の力!!!
矢鳴ヤモリ:スペシャル以外当たるんだよな、この状況
GM:ではラウンド終了。
GM:【第六ラウンド】

 【第六ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力6/8 器・体・忍・謀・戦・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力3/6 器・・忍・・戦・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力5/6 器・体・・謀・戦・妖
 ・「狼憑き」   生命力10/12
  →【大権現】【獣化】、【鬼手袋】
 ・浦内獅子雄   生命力3/6 ・忍・謀・・妖
  →変調:マヒ(流言の術)
  →【神面瘡】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
遊火丸 クヲン:【影分身】
浦内獅子雄:【斎垣】を使用します。
浦内獅子雄:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
黒戸 三四:あててきよるわ
浦内獅子雄:成功。プロットは3を宣言します。
黒戸 三四:あー!?
巳六針助:なるほどね
浦内獅子雄:OK
巳六針助:覚悟のプロット装填
「狼憑き」:OK
矢鳴ヤモリ:おっけー
遊火丸 クヲン:OK
黒戸 三四:おうけい
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
遊火丸 クヲン:6にします
GM:ではプロット6、遊火丸さん!

→<プロット6>
(遊火丸)
<プロット4>
(黒戸、狼憑き)
<プロット3>
【斎垣】
<プロット2>
(矢鳴、巳六)
<プロット1>
(浦内)

遊火丸 クヲン:【付喪神】対象は狼憑きと浦内で
遊火丸 クヲン:2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
「狼憑き」:き、貴様ー!
遊火丸 クヲン:縄術
黒戸 三四:ちょっといいとこみてみたい
「狼憑き」:目標値8……! ぐぐぐ
「狼憑き」:余裕よ!
「狼憑き」:2d6>=8 (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功
「狼憑き」:ぜえはあ
黒戸 三四:いいとこ見せるな!
浦内獅子雄:目標値11
浦内獅子雄:2d6>=11 (2D6>=11) > 4[2,2] > 4 > 失敗
浦内獅子雄:くっ
巳六針助:ギャ ヒ
浦内獅子雄:1d4 (1D4) > 3
浦内獅子雄:《対人術》か……
GM:ではプロット4!
GM:1D100どうぞだよ
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 39
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 38
「狼憑き」:僅差で負けた
黒戸 三四:僅差!

<プロット6>
(遊火丸)
→<プロット4>
(黒戸、狼憑き)
<プロット3>
【斎垣】
<プロット2>
(矢鳴、巳六)
<プロット1>
(浦内)

黒戸 三四:ではもらいます。
黒戸 三四:浦内さんに【雷電】。
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
黒戸 三四:っぶね~
浦内獅子雄:目標値10……
浦内獅子雄:2d6>=10 (2D6>=10) > 7[2,5] > 7 > 失敗
浦内獅子雄:ぐおっ
黒戸 三四:ヤッヒヒ
黒戸 三四:射撃1とマヒをプレゼントだ
浦内獅子雄:う~む……
浦内獅子雄:ここは体術を消費しましょう。
浦内獅子雄:マヒは……
浦内獅子雄:1d3 (1D3) > 3
浦内獅子雄:くっ 《言霊術》
黒戸 三四:ホッホッホ
遊火丸 クヲン:よしよし
巳六針助:ヤッピ~
浦内獅子雄:あれ、なんか体術消えてるな
黒戸 三四:あれま
浦内獅子雄:どこかで間違えたか……? かわりに忍術を消しておきます
system:[ 浦内獅子雄 ] 忍術:1 → 0
「狼憑き」:では俺の手番だ。
「狼憑き」:引導を渡してやろう、浦内獅子雄、お前もまとめてな……
「狼憑き」:奥義を使用。
黒戸 三四:なにっ
巳六針助:ヤダ~~~ッ
「狼憑き」:『落花狼藉』。《壊器術》の範囲攻撃だ!
矢鳴ヤモリ:来やがったな
「狼憑き」:目標は勿論自分以外の全員!
黒戸 三四:私は普通に食らいますが
黒戸 三四:皆さんどうするかはお任せしますヨ
矢鳴ヤモリ:打つ手はないぜ
矢鳴ヤモリ:一応ギリで1は残るな
黒戸 三四:体術と戦術かな。
浦内獅子雄:兵糧丸を使用して1点相殺! 謀術を残します
system:[ 黒戸 三四 ] 体術:1 → 0
system:[ 黒戸 三四 ] 戦術:1 → 0
system:[ 浦内獅子雄 ] 忍具:1 → 0
system:[ 浦内獅子雄 ] 妖術:1 → 0
遊火丸 クヲン:巳六君の奥義次第みたいな所ある
巳六針助:う~ん ここは…絶対防御。
GM:誰を?
system:[ 黒戸 三四 ] 忍具:2 → 1
巳六針助:矢鳴ヤモリに対して『巳針』/絶対防御/幻術を使用します。2点軽減。
矢鳴ヤモリ:やってくれるぜ
黒戸 三四:うおおお~~~!!
「狼憑き」:初見の奥義でなければ……破れるんだぜ
「狼憑き」:《幻術》は近いな、7だ!
巳六針助:破ってみろ!幻術だぞ最強だぞお前!
GM:あっ《幻術》でいいの?
巳六針助:フフフ
巳六針助:よくない
GM:よくなかった
巳六針助:背景効果の切り札を使用。
黒戸 三四:出た!
矢鳴ヤモリ:便利ぃ
巳六針助:奥義の使用特技を一度だけ選び直します。
GM:何ィ~~~!
GM:自分の修得している特技からどの特技に変えるんだい!
巳六針助:針術に変更!
「狼憑き」:《針術》は10だな、くそっ!
矢鳴ヤモリ:キテるねえ
「狼憑き」:2d6>=10 (2D6>=10) > 7[2,5] > 7 > 失敗
「狼憑き」:出るわけがない!
巳六針助:っしゃああああああ
黒戸 三四:幻術じゃなくてよかった
「狼憑き」:《幻術》だったら破ってたね
巳六針助:そのための切り札よ~~!!
GM:じゃああとは巳六くんと遊火丸さん、2点受けましょう
巳六針助:謀術と戦術で受けるッス
system:[ 遊火丸 クヲン ] 器術:1 → 0
system:[ 巳六針助 ] 謀術:1 → 0
system:[ 遊火丸 クヲン ] 戦術:1 → 0
system:[ 巳六針助 ] 戦術:1 → 0
遊火丸 クヲン:器術と戦術で受けます
GM:では、プロット2!
GM:1D100どうぞ
巳六針助:1d100 (1D100) > 65
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 85

<プロット6>
(遊火丸)
<プロット4>
(黒戸、狼憑き)
<プロット3>
【斎垣】
→<プロット2>
(矢鳴、巳六)
<プロット1>
(浦内)

矢鳴ヤモリ:おおっと、悩ましいな
矢鳴ヤモリ:奥義ぶっこんで確実に落とすか
矢鳴ヤモリ:少年を信じて狼を叩くか
GM:矢鳴さんですね~ どうぞ悩んでください
矢鳴ヤモリ:まあ、それも運よな
矢鳴ヤモリ:宣言どおり、決めてみな
矢鳴ヤモリ:雷火、対象「狼憑き」
矢鳴ヤモリ:2d6+1>=5 (砲術) (2D6+1>=5) > 4[2,2]+1 > 5 > 成功
GM:こっこれは
GM:「野望」の修正で成功だと!?
黒戸 三四:ユチチチチ……
矢鳴ヤモリ:野望に感謝する日が来るとはねえ
矢鳴ヤモリ:というか感情修正貰えるのも忘れてたぜ
黒戸 三四:点楔する?(点楔マン)
「狼憑き」:舐めたマネを……回避してやるぞ……
黒戸 三四:やめとくか……? 奥義破りあるしな 凪こわいし
矢鳴ヤモリ:とっといていいんじゃねえかな
黒戸 三四:あい
「狼憑き」:では回避します マイナス2修正で
「狼憑き」:目標値は8。
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 6[1,1,4] > 6
「狼憑き」:???
巳六針助:ギャハハ!!
矢鳴ヤモリ:おおっと、どうしたどうした?
黒戸 三四:いいね~
「狼憑き」:1・4を選べば逆凪にはならん……
矢鳴ヤモリ:じゃあちくっと追加だ、2点だぜ
system:[ 「狼憑き」 ] HP:10 → 8
「狼憑き」:鬱陶しいマネを!
GM:では巳六くんどうぞ
巳六針助:では……やっていきます やっていきますよ
矢鳴ヤモリ:ここは決めにゃあならんからな
矢鳴ヤモリ:修正も乗っけるぜ。
巳六針助:やって見せるよヤモさん
矢鳴ヤモリ:もう防御は考えねえことにするからよ
巳六針助:【接近戦攻撃】。対象は浦内獅子雄。
巳六針助:使用特技は針術。
巳六針助:2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功
巳六針助:っし
浦内獅子雄:一応《罠術》から11ではありますか……
巳六針助:喰らえ!飢渇も乗って接近1射撃1だ!
浦内獅子雄:いえ、ここは
浦内獅子雄:完全成功を使用して回避します。
浦内獅子雄:『誘術・黒塗網』。指定特技は《罠術》。
黒戸 三四:奥義破りします。
矢鳴ヤモリ:破るぜ
巳六針助:奥義破り。
黒戸 三四:ここは……針助くんかな。感情修正で+1
遊火丸 クヲン:こちらは無しで
矢鳴ヤモリ:貰えるなら貰っておこうかなこちらも
巳六針助:ヤモさんに感情修正投げるぜ!
GM:では判定どうぞ!
矢鳴ヤモリ:あいよ、あとでナデナデしてやるぜ
矢鳴ヤモリ:2d6-1+1>=5 (罠術) (2D6-1+1>=5) > 4[2,2]-1+1 > 4 > 失敗
巳六針助:遁走術より6
矢鳴ヤモリ:うっそだろ
黒戸 三四:2D6>=7 (判定:医術) (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功
巳六針助:2d6+1>=6 (2D6+1>=6) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
巳六針助:じゃあな!
巳六針助:あばよ、相棒
浦内獅子雄:ここまでですか。
浦内獅子雄:戦闘脱落します。
system:[ 浦内獅子雄 ] 謀術:1 → 0
GM:ラウンド終了。
GM:====
GM:星が明るくなったように感じる。
GM:それは、夜の闇が同時に深くなったことを意味している。
GM:ジャックオーランタンの灯が、憂野ユチカの作り出した劇場が消えていく。
GM:それは確かに幻の発生源を討つ、切っ掛けであった。
GM:しかし同時に。彼女が首輪をかけようとしていたのは、忍びだけではないと。
「狼憑き」:濃くなった暗闇の、眼が訴えていた。
「狼憑き」:「コォォ……」
「狼憑き」:息吹。全身に氣を漲らせ、生命力を賦活する、人間の技。
「狼憑き」:既存の生命体と違う肉体は、その技術をも柔軟に取り込んでいる。全身を縛っていた炎の楔が消える。
「狼憑き」:「ぐ、」
「狼憑き」:体が沈む。地面に手を突く。
「狼憑き」:「ロォッ!!」
遊火丸 クヲン:(────マズい)
「狼憑き」:警戒をも間に合わさず。逆立ちしての回し蹴りを周囲に放つ。
「狼憑き」:二本の後脚が、破壊の嵐となって忍びたちを襲う!
遊火丸 クヲン:再び、体内を焼く蒼い炎を狼憑きにぶつけようといするが
遊火丸 クヲン:(───無駄ね。間に合わない)
遊火丸 クヲン:轢き潰されたように半身がひしゃげ、地面を転がる
矢鳴ヤモリ:『月狗』が疾走る、半ば反射的に、自動的に。
矢鳴ヤモリ:"危険"を打ち払おうと。
矢鳴ヤモリ:しかし――、
矢鳴ヤモリ:「(どうにも、まいったね……)」
矢鳴ヤモリ:血を、使いすぎた、時が経てば月の"引力"に惹かれ我が内へと戻ってくるだろうが。
矢鳴ヤモリ:やせ細った刀身が粉々に砕け散るのが見える。
矢鳴ヤモリ:橙の灯りと、月鉱と、赤い血潮とが混ざり合って――視界を彩る。
黒戸 三四:「ぐっ、───────」咄嗟に構えた両腕がみしみし、と音を立て砕け散る。豪脚の衝撃を僅かでも逸らさんと後ろに跳びながら。
黒戸 三四:くらりとする頭、歪む視界の先で、その絶技を見る。
巳六針助:「ごっ、ぶげ」
巳六針助:暴威に直撃され、木の葉のように体が宙を舞った。痛打。凡百の狼憑きとは桁の違う、この世にあり得ざる力だ。
巳六針助:(……痛かったよな)
巳六針助:黒戸さんも。遊火丸さんも。ヤモさんも。こんなものを何度も喰らって。
巳六針助:皆、どこかしらが壊れていた。忍が戦い合うように出来ている以上、それは運命なのだろう。だが。
巳六針助:「……これ以上、は」
巳六針助:空気の断層。”縫う”べき筋が、超常の知覚と触覚にはっきりと捉えられる。
巳六針助:「『巳針』」
巳六針助:ガ ぐォン
巳六針助:巳に全ては針の内に。空気を縫製し、在り得ざる真空状態を遊火丸クヲンと矢鳴ヤモリの眼前に作り出す。
巳六針助:それは何物の呼吸と行動をも拒む、絶死の領域。絶対の縫製。
巳六針助:(……精度だ。オレは、皆とは違う。ただ、心を籠めることしか出来ない)
遊火丸 クヲン:「────」
遊火丸 クヲン:ケホッ ケホッ と血反吐を吐いて、眼前に展開された領域を一瞥し
遊火丸 クヲン:言葉よりも先に、体勢を立て直す。
遊火丸 クヲン:「………追撃を…もらってたら、終わりだった。」
遊火丸 クヲン:「……その調子で頼むわ」
巳六針助:「う、へへ」にやりと笑う。
矢鳴ヤモリ:「っひ――」
矢鳴ヤモリ:礼など言わない。なぜなら己は忍びだからだ。
矢鳴ヤモリ:馬鹿なガキが、勝手にやったことだ。
矢鳴ヤモリ:だから、今やるべきことは、この絶対好機を形にすることだ。
矢鳴ヤモリ:それを礼と受け取るかどうかなどあちらが勝手にやれば良い。
矢鳴ヤモリ:"弾"を絞り出す。
矢鳴ヤモリ:飛び、撃つ、撃つ、撃つ。
矢鳴ヤモリ:「倒れるまで、何度でもくれてやるからよぉ!」
「狼憑き」:「妖魔の力か、これも……!」
矢鳴ヤモリ:「ばあか」月のない夜空を舞い踊る。
矢鳴ヤモリ:「これはな、『裏巌流』にして『サンセットモーテル』が忍び」
矢鳴ヤモリ:「矢鳴ヤモリさまの純然たる《体術》よぉ!!」
「狼憑き」:「認めんぞ、それが磨いた技術などと」
「狼憑き」:仮面の一部が砕ける。どろりと黒い血液が流れる。
「狼憑き」:「忍びごときが! 狩人に敵うことはない!」
矢鳴ヤモリ:獣の注意を引き付ける。
矢鳴ヤモリ:"彼"が、己の戦場へと向かえるように。
矢鳴ヤモリ:是非もない、元より人狼は最初から己の獲物だ。
巳六針助:「――」
巳六針助:「ありがと、ヤモさん」
巳六針助:「……お礼は言うよ。好きになりたい相手だからさ、受け取り方も自分で決めるんだ」
巳六針助:それだけを残して、走り抜ける。彼女が撃ち抜いた死地を越えて、”罠師”の元へと歩み寄る。
浦内獅子雄:「……」
浦内獅子雄:破壊の嵐を如何に潜り抜けたのか。浦内獅子雄もまたそこに立っている。
浦内獅子雄:右腕は潰れ、左腕も夥しく出血している。
浦内獅子雄:だが、未だ死んでいない。
浦内獅子雄:「──『人狼』!」
巳六針助:(あいつはやる。どんな状態からでも)
巳六針助:(生き残る限り、諦めない。そう言う奴だ。オレの諦めの悪い部分は、アイツから貰った)
巳六針助:「……ぶっ飛ばしてやるよ、”狩人”!!」
浦内獅子雄:ワイヤーが弾かれる。脚を刈り取るように地を這う。
巳六針助:ばらり
巳六針助:全身が腕を残して影の糸に。
巳六針助:彼の糸を瞬時に自身に縒り込み、編み直しながら、異様な速度でワイヤーを巻き取って浦内獅子雄の元へと迫る。
巳六針助:再び組み上げられたその体は、鉄線で全身を補強した、影の狼の形を取っていた。
巳六針助:『……オレは、お前の思う通りのヤツだ』
巳六針助:静止した時間の中で、くぐもった声だけが。
巳六針助:『だから、お前はオレを恨んでいい』
巳六針助:『……美味かったぜ。お前の奥さんの、血』
巳六針助:人狼を倒すことは出来ない。その真実を、全てを捨てた浦内獅子雄に与えるよりも。
巳六針助:最後まで、彼の”敵”となる。
巳六針助:壊れてしまった絆は最早戻らない。
巳六針助:人狼と狩人として、この物語を編み括るしかない。
浦内獅子雄:「くは……『黒、塗』」
浦内獅子雄:左腕が千切れる。
浦内獅子雄:そうして、初めて見える。彼の秘奥は、空気中に張り巡らされたワイヤーなどではなく。
浦内獅子雄:体内の血管。毛細の全てを、一度きりの『罠』に作り変えた網。
浦内獅子雄:自分自身を、獣を捕らえるだけの機能を満たす、『罠』として結実させる。
浦内獅子雄:「『あ、み』」
浦内獅子雄:胸元近くまでがばらばらと解ける。
浦内獅子雄:そして、赤黒い糸は編まれ、捻じり合わされて。
浦内獅子雄:影の狼の首を括る、絞首台となる。
浦内獅子雄:「じん、ろぉおお!!」
黒戸 三四:僅か、指先一つ。
黒戸 三四:浦内獅子雄が捻るだけで、処されるであろうその執行が。
黒戸 三四:ぴたりと止まる。
黒戸 三四:糸を掻い潜って飛来した、一本の針が。憎しみの色に満ちた彼の瞳の指先二つ分下、深々と刺さっている。
黒戸 三四:「あなたの事情を、測り知ることは」
黒戸 三四:「私には出来ない」
黒戸 三四:「それでも……」
黒戸 三四:「“それ”は」
黒戸 三四:「あなたにとって、本当にいらないものだったの?」
黒戸 三四:浦内獅子雄の視界が、歪んでいく。
黒戸 三四:相対する“狼”の像は揺れて。
黒戸 三四:覆う色は、黒ではない。
黒戸 三四:一面の赤、紅、朱にして。
黒戸 三四:麗しいほどに、艶めいた緋色。
巳六針助:『……黒戸さん。ありがとう』
巳六針助:『オレが、やらなきゃいけなかったことだから』
黒戸 三四:『お礼を言う必要など無いよ、ミシンくん』
黒戸 三四:『私は私のやりたいことをやっただけ』
黒戸 三四:『君は、君のやりたいように、やるといい』
黒戸 三四:『信じているからね』
巳六針助:一際吠える。狼は黒い綱線、蛇となり、絞首台を火の輪のように潜り抜けて。
巳六針助:浦内獅子雄の瞼を、脳髄の致命的な部分を通貫して縫い合わせる。
巳六針助:……記憶とはシナプスの節と神経細胞の糸のパッチワークだ。
巳六針助:恨みも捨て、憎しみも捨て、ただ幸せだったころの記憶の刺繍画が彼の最期を彩るように。
:『あなた』
:『そろそろ、行きましょう。ユチカが待ってるわ』
巳六針助:それが真実であったかは解らない。嘘であったかどうかも。
巳六針助:巳六針助により、黒塗りで潰された彼の人生に穿たれた、たった一つの白線なのだ。
巳六針助:彼の人生はここで終わり、ここから始まる。
浦内獅子雄:「……」
巳六針助:「お前なら」
巳六針助:「今度は捨てずに、やり直せる」
巳六針助:「……………………………オレの、相棒なら」
巳六針助:糸の扱いは、浦内獅子雄から教わった。
巳六針助:不明な物腰と柔軟な思考で、いつでも固く鋭い針のような自分を助けてくれた――糸のような男だったと、今になって思い返している。
浦内獅子雄:「次は、無い」
浦内獅子雄:「返してもらう…………」
浦内獅子雄:腕を伸ばすように肩を動かすと、びくん、と痙攣して、倒れた。
巳六針助:「……」
巳六針助:「運がなかったな」
巳六針助:「お互いに」
巳六針助:瞼を縫い合わせていた糸を抜き取る。彼にはもう必要ない。
巳六針助:狩人は死んだ。影の苦無を、三度構える。最後の敵に。
巳六針助:最後の”狼”に。
GM:====
GM:【第七ラウンド】

 【第七ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力4/8 器・体・忍・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6 ・忍・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力3/6 器・・謀・・妖
 ・「狼憑き」   生命力8/12
  →【大権現】【獣化】、【鬼手袋】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
遊火丸 クヲン:しゃーなし
黒戸 三四:ああお!
GM:おやおや
「狼憑き」:OK
巳六針助:プロット装填
黒戸 三四:OK
矢鳴ヤモリ:おっけ
遊火丸 クヲン:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
GM:ではプロット6。

→<プロット6>
(狼憑き)
<プロット4>
(遊火丸、矢鳴)
<プロット3>
(巳六、黒戸)

「狼憑き」:確実に数を減らしてやろう
「狼憑き」:【必中】を遊火丸クヲンに!
黒戸 三四
黒戸 三四:使っておこう。
黒戸 三四:いや!すいません。やめておきます。
「狼憑き」:では振ります スペシャルを出すよ
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 16[4,6,6] > 16
「狼憑き」:ほらな
巳六針助:嘘やろ
遊火丸 クヲン:こいつマジでなんなの?
矢鳴ヤモリ:なんなんだよだから
遊火丸 クヲン:一応避けるよ
黒戸 三四:スペろ!
黒戸 三四:あ
「狼憑き」:6・6でスペシャルだよ
黒戸 三四:感情修正ここかな
黒戸 三四:意味ないのか? もしかして
遊火丸 クヲン:必中だからね…
黒戸 三四:クゥン…
GM:達成値勝負だから
遊火丸 クヲン:2D6>=6 (2D6>=6) > 7[2,5] > 7 > 成功
遊火丸 クヲン:無理だよ~
「狼憑き」:ダメージ!
「狼憑き」:1d6 (1D6) > 5
黒戸 三四:無駄に出目がいい!
遊火丸 クヲン:めっちゃ良い出目出すじゃん
巳六針助:おファックですわ~~
「狼憑き」:【獣化】と合わせ6点ですわ~!
矢鳴ヤモリ:これ絶対防御貫通してくるな
黒戸 三四:いや無駄じゃねえ! そうじゃん!
巳六針助:いぎ~~~ きっつ
遊火丸 クヲン:そうなのよね
巳六針助:4点は軽減できる!…が!
遊火丸 クヲン:まず巳六君の奥義が通らなきゃお話にならない…
巳六針助:ここは…通させて貰う!
GM:まあそうなるよね
GM:まずも何も【絶対防御】ひとつじゃあ貫通しますよ!
GM:軽減は4点までなので!
巳六針助:『巳針』/絶対防御/隠形術。
遊火丸 クヲン:なのでこちらも奥義使うって話よ
黒戸 三四:なにっ
GM:何ッ
巳六針助:遊火丸さんへのダメージを軽減して2点に。
矢鳴ヤモリ:おお
遊火丸 クヲン:【奥義】『白日灯篭”ハクビ”』
遊火丸 クヲン:指定特技火術の絶対防御です
GM:絶対防御が二枚!!
「狼憑き」:だが、奥義破りはさせてもらう
「狼憑き」:《針術》だったか
巳六針助:こちらには『切り札』がある!
巳六針助:既に判定特技を…隠形術に変更している!
黒戸 三四:あれ 針術に変えてなかったっけ
巳六針助:あ、逆だわ 幻術➡針術だ
GM:ですね。《針術》に変更してます
巳六針助:ごめんなさい記憶違いでした!!!来やがれ!!!
「狼憑き」:目標値は10!
「狼憑き」:2d6>=10 (2D6>=10) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
「狼憑き」:ほげっ……?
黒戸 三四:ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ
遊火丸 クヲン:ざまぁねぇな
巳六針助:ギャ ヒ
「狼憑き」:う、うわあああ! 逆凪!
遊火丸 クヲン:大権現にかまけるからこういうことになるんですよ
矢鳴ヤモリ:んき
「狼憑き」:貴様らぁ~~~!
「狼憑き」:あっさっき忘れてたのでスペシャルの回復はしておきますね
system:[ 「狼憑き」 ] HP:8 → 9
GM:ではプロット6終了……「狼憑き」は逆凪に!
GM:プロット4、1D100どうぞ!
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 72
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 31

<プロット6>
(狼憑き)
→<プロット4>
(遊火丸、矢鳴)
<プロット3>
(巳六、黒戸)

遊火丸 クヲン:ではこちらから
遊火丸 クヲン:【付喪神】を狼憑きに
遊火丸 クヲン:2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3
遊火丸 クヲン:水術
「狼憑き」:逆凪で自動失敗!
「狼憑き」:1d6 (1D6) > 5
「狼憑き」:《封術》が消えた
矢鳴ヤモリ:4でファンブルだし修正はいらないな
矢鳴ヤモリ:雷火。
矢鳴ヤモリ:2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
巳六針助:ナイス!
矢鳴ヤモリ:おらよ、2点食べな。
「狼憑き」:ぐあああ
system:[ 「狼憑き」 ] HP:9 → 7
GM:ではプロット3! 1D100どうぞ
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 24
巳六針助:1d100 (1D100) > 97

<プロット6>
(狼憑き)
<プロット4>
(遊火丸、矢鳴)
→<プロット3>
(巳六、黒戸)

GM:巳六くんから。
巳六針助:間合い外なので庭の草弄ってます
巳六針助:付喪神なんてインチキ忍法はない!
GM:これだから若造はよ……
GM:では黒戸さん
黒戸 三四:は~い
黒戸 三四:【雷電】 狼憑きくんに。
黒戸 三四:ミシンくん感情貰えるかな
巳六針助:一点あげちゃう♡
黒戸 三四:わ~い
黒戸 三四:2D6+1>=5 (判定:召喚術) (2D6+1>=5) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
巳六針助:ないしゅ
黒戸 三四:射撃1とマヒだっちゃダーリン
「狼憑き」:1点でよかった
system:[ 「狼憑き」 ] HP:7 → 6
巳六針助:マーヒ!マーヒ!
「狼憑き」:1d5 (1D5) > 2
「狼憑き」:《騎乗術》……まずいな 【必中】が
黒戸 三四:ダメージ時に【武器破壊】するね~
「狼憑き」:あっ!
巳六針助:うほほ
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:壊器術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
黒戸 三四:ホホホ……
「狼憑き」:許さんぞ……!!
黒戸 三四:命中判定に-2永続だぜ!
黒戸 三四:不死身でも解除できないねえ!
「狼憑き」:ぐわあああ七ラウンド目にして初めての永続デバフ
矢鳴ヤモリ:いーひひ
GM:ではラウンド終了!
黒戸 三四:あっそうだ
黒戸 三四:不死身しておきますね。
GM:おい!
巳六針助:ギャ ヒ
GM:逆凪はバーゲンセールちゃうぞ!
黒戸 三四:1d6-2 (1D6-2) > 2[2]-2 > 0
黒戸 三四:クスン
巳六針助:あっ…
矢鳴ヤモリ:これが不死身だよ
矢鳴ヤモリ:よく見とけ
矢鳴ヤモリ:よく覚えておけ
GM:随分お手頃価格な不死身ねえ~!
遊火丸 クヲン:不死身はこれがあるから…
黒戸 三四:不死身をバカにするな!
巳六針助:ヤンクミ…!
GM:====
GM:【第八ラウンド】

 【第八ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力4/8 器・体・忍・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6 ・忍・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力3/6 器・・謀・・妖
 ・「狼憑き」   生命力6/12
  →変調:マヒ(騎乗術)
  →【大権現】【獣化】【武器破壊】、【鬼手袋】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
遊火丸 クヲン:【影分身】
巳六針助:プロット装填。
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
「狼憑き」:OK
黒戸 三四:ok
矢鳴ヤモリ:おっけー
遊火丸 クヲン:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
遊火丸 クヲン:6にします
GM:うおおお
GM:ではプロット6、1D100どうぞ
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 41
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 15

→<プロット6>
(狼憑き、遊火丸)
<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(矢鳴、黒戸)

「狼憑き」:こちらが先手……
「狼憑き」:よし、まずは『白眼凶狼』。《異形化》の不死身を使用する!
黒戸 三四:やぶるよ~
GM:奥義破りはあるかな?
矢鳴ヤモリ:破るよ
巳六針助:破るぞ
遊火丸 クヲン:申し訳ないがここは…頼んだ…!
黒戸 三四:ミシンくんに感情修正+かな~
GM:遊火丸さん振ってもいいんちゃいます?
GM:逆凪してもどうせ同時攻撃だし
遊火丸 クヲン:あー
黒戸 三四:そだねえ
遊火丸 クヲン:それもそうか
矢鳴ヤモリ:それは実際そう
遊火丸 クヲン:じゃあ振ります
GM:では皆さん判定どうぞ~
遊火丸 クヲン:潜伏術から11
黒戸 三四:2D6>=6 (判定:召喚術) (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功
遊火丸 クヲン:2D6>=11 (2D6>=11) > 4[1,3] > 4 > 失敗
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=11 (罠術) (2D6-1>=11) > 2[1,1]-1 > 1 > ファンブル
矢鳴ヤモリ:まじかよ
黒戸 三四:ヤモさんッッ
GM:ヤモさん!
巳六針助:2D6>=8 (判定:結界術) (2D6>=8) > 3[1,2] > 3 > 失敗
遊火丸 クヲン:げげ
GM:ミロピ!
遊火丸 クヲン:げげげ
巳六針助:あっ…
黒戸 三四:死 屍 累 々
矢鳴ヤモリ:みんなどうしたの急に
「狼憑き」:フハハハ
巳六針助:シノビガミのダイスはカス!
遊火丸 クヲン:3/4逆凪マジ?
「狼憑き」:回復はしなかったが、三人逆凪させた!
「狼憑き」:ここで範囲攻撃を使えば……殺せる!
「狼憑き」:『落花狼藉』。《壊器術》の範囲攻撃!
黒戸 三四:破ります。ミシンくん感情修正おくれ
巳六針助:あげる!!頼む黒戸さん!!
矢鳴ヤモリ:んー、使うか
黒戸 三四:おお
矢鳴ヤモリ:回想。
遊火丸 クヲン:おお
矢鳴ヤモリ:これは全滅に繋がるやつだからな
巳六針助:うおおお
黒戸 三四:同プロだからまだみんな凪ってないぜ
「狼憑き」:なにい
黒戸 三四:ちがうんだっけ
「狼憑き」:実は……そう!
遊火丸 クヲン:あ、そうなんだ
GM:まだ凪ではありません!
巳六針助:これ破れるってコト?
矢鳴ヤモリ:そうそうプロット6の処理が全部終わってから
GM:6プロ開始前に宣言してたら逆凪だったけどね
矢鳴ヤモリ:凪に移行する
GM:破れるってこと。
巳六針助:うおおお破る!!どうせ凪は決まっているから怖いモノなどない・・・!
遊火丸 クヲン:私もやるよ
「狼憑き」:くっ……!
矢鳴ヤモリ:というわけで回想込みで破るぜい。
GM:では皆さん判定どうぞ!
巳六針助:2D6>=9 (判定:分身の術) (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功
黒戸 三四:2D6+1>=5 (判定:壊器術) (2D6+1>=5) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功
遊火丸 クヲン:2D6>=9 (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功
遊火丸 クヲン:いっつも-1忘れる
矢鳴ヤモリ:2d6-1+3>=6 (第六感) (2D6-1+3>=6) > 5[2,3]-1+3 > 7 > 成功
GM:出目がいいな諸君
黒戸 三四:ホッ…
矢鳴ヤモリ:大盤振る舞いだねえみんな
巳六針助:先に出せ俺!!!
「狼憑き」:クソっ 俺は以上だ
GM:遊火丸さんどうぞ!
遊火丸 クヲン:うす
遊火丸 クヲン:【接近戦攻撃】を狼憑きに。指定特技は火術
遊火丸 クヲン:黒戸さん感情修正くれ!
GM:さっき巳六くんに渡してなかったかな?
遊火丸 クヲン:あ、そうじゃん
黒戸 三四:うむ……(ペロ)
遊火丸 クヲン:じゃあ普通に振ります
GM:オス
遊火丸 クヲン:2D6+1>=8 (2D6+1>=8) > 4[1,3]+1 > 5 > 失敗
GM:Oh……
遊火丸 クヲン:どっちにせよ駄目!
巳六針助:ン ギャ…
黒戸 三四:6プロつらいぜ
矢鳴ヤモリ:生きるのが上手だなこの狼はよ
GM:プロット6は終了。
GM:プロット4は……逆凪なので無しですね。
巳六針助:凪だ武
GM:ではプロット3.
GM:一応1D100どうぞ
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 37
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 99

<プロット6>
(狼憑き、遊火丸【逆凪】)
<プロット4>
(巳六【逆凪】)
→<プロット3>
(矢鳴【逆凪】、黒戸)

GM:いい出目だ
GM:矢鳴さんから……
矢鳴ヤモリ:うっす
GM:いけ! クリティカルヒットだ!
矢鳴ヤモリ:何しよっかな
矢鳴ヤモリ:タイルの色数えてよっか
矢鳴ヤモリ:数えます
黒戸 三四:かわい~
巳六針助:かわいいね♡
GM:これだから借金持ちはよぉ~~!
巳六針助:一緒に草相撲やろうぜ
GM:では黒戸さんどうぞ!
黒戸 三四:オス
黒戸 三四:【雷電】を狼憑きに。
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
黒戸 三四:成功~
「狼憑き」:回避。
「狼憑き」:《召喚術》は6だ。
黒戸 三四:あ~ん
「狼憑き」:余裕だな……
黒戸 三四:封術消えたし点楔打っとくか
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功
「狼憑き」:ぎゃ
黒戸 三四:2d6 (2D6) > 11[5,6] > 11
「狼憑き」:《憑依術》……《呪術》から6ですね
黒戸 三四:憑依術……
黒戸 三四:クソが代
巳六針助:ギギギ
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 14[3,5,6] > 14
「狼憑き」:5・6を選んで回避成功!
黒戸 三四:うす、手番以上
GM:では、ラウンド終了。
GM:【第九ラウンド】

 【第九ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力4/8 器・体・忍・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6 ・忍・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力3/6 器・・謀・・妖
 ・「狼憑き」   生命力6/12
  →変調:マヒ(騎乗術)
  →【大権現】【獣化】【武器破壊】、【鬼手袋】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
巳六針助:プロット装填
「狼憑き」:OK
遊火丸 クヲン:【影分身】
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
黒戸 三四:プロok
矢鳴ヤモリ:おっけ
遊火丸 クヲン:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
GM:何ッ5を選択しただとっ
GM:ではプロット5、1D100どうぞ
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 30
「狼憑き」:1D100 (1D100) > 31

→<プロット5>
(狼憑き、遊火丸)
<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(黒戸、矢鳴)

「狼憑き」:僅差! ハァハァ
「狼憑き」:ここは……
「狼憑き」:やはり数を減らすしかない! 『落花狼藉』!
「狼憑き」:《壊器術》の範囲攻撃だ!
黒戸 三四:やぶるしかないズラ
遊火丸 クヲン:破ります
巳六針助:破る!
矢鳴ヤモリ:破るよー
黒戸 三四:う~ん ミシンくん貰えるかな 感情
巳六針助:あげるっちゃダーリン
巳六針助:ミシー…防御たのむ
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=7 (第六感) (2D6-1>=7) > 6[3,3]-1 > 5 > 失敗
黒戸 三四:2D6+1>=5 (判定:壊器術) (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功
遊火丸 クヲン:2D6-1>=9 (2D6-1>=9) > 8[2,6]-1 > 7 > 失敗
巳六針助:2D6>=9 (判定:分身の術) (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗
黒戸 三四:こわいよ~~!
「狼憑き」:黒戸三四~~~!
「狼憑き」:貴様ァ~~~!
矢鳴ヤモリ:こわいなー
巳六針助:ヒィ~~~ッ
黒戸 三四:マスカンすぎ
GM:では遊火丸さんどうぞ!
遊火丸 クヲン:火術の【接近戦攻撃】を狼憑きに
遊火丸 クヲン:2D6+1>=8 (2D6+1>=8) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
黒戸 三四:ぐあああ~ッ
遊火丸 クヲン:ダイスがよ~~
「狼憑き」:ククク
巳六針助:あと2…!
GM:では、プロット4。巳六くんどうぞ

<プロット5>
(狼憑き、遊火丸【逆凪】)
→<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(黒戸、矢鳴)

巳六針助:【痛打】【黒絃】。対象は狼憑き。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
矢鳴ヤモリ:ひゅー
巳六針助:ウム……!
黒戸 三四:主人公がよ
GM:何ッ
巳六針助:謀術を回復します。
system:[ 巳六針助 ] 謀術:0 → 1
GM:元気になってくよ~!
遊火丸 クヲン:やっと俺達にも来たじゃねぇか…スぺが…
巳六針助:続いて【黒絃】。使用特技は遁走術。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
巳六針助:はああああああ???????
「狼憑き」:ギャ ヒ
巳六針助:お前……
矢鳴ヤモリ:おやおや
黒戸 三四:つらいぜ
巳六針助:ウフフ
巳六針助:攻撃は失敗…以上
GM:では、プロット3!
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 35
黒戸 三四:1d100 (1D100) > 56

<プロット5>
(狼憑き、遊火丸【逆凪】)
<プロット4>
(巳六)
→<プロット3>
(黒戸、矢鳴)

黒戸 三四:お先~
黒戸 三四:では狼憑きくんに【雷電】
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:召喚術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
黒戸 三四:おしいな~
「狼憑き」:まあ《召喚術》なら楽勝よ
黒戸 三四:点楔は…
黒戸 三四:しとこ。
黒戸 三四:2D6>=5 (判定:針術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
「狼憑き」:ほげええ
黒戸 三四:2d6 (2D6) > 8[3,5] > 8
黒戸 三四:ええんちゃう?
黒戸 三四:幻術だ……
「狼憑き」:《幻術》は……《呪術》から9!
「狼憑き」:9……!?
「狼憑き」:遠いな……!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 11[2,3,6] > 11
黒戸 三四:モ~
巳六針助:お前お前お前
「狼憑き」:あっ! 足りた!
黒戸 三四:では以上。
矢鳴ヤモリ:雷火。
矢鳴ヤモリ:2d6+1>=5 (砲術) (2D6+1>=5) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功
矢鳴ヤモリ:2修正。
「狼憑き」:やれやれ……《砲術》は《騎乗術》が近いと……
巳六針助:ウフフ
「狼憑き」:《騎乗術》消えてる!!!!!!!!
黒戸 三四:その騎乗術……消えるよ
「狼憑き」:目標値……14?
矢鳴ヤモリ:け ひ
「狼憑き」:出ろスペシャル!
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 6[1,2,3] > 6
巳六針助:さよなら…
「狼憑き」:逆凪かい!
矢鳴ヤモリ:かわい~
「狼憑き」:では射撃2点を受け、残り4点。
system:[ 「狼憑き」 ] HP:6 → 4
「狼憑き」:一人でも逆凪しているタイミングを狙っておくか。
黒戸 三四:ラウンド終了時に不死身するね。
「狼憑き」:こちらも不死身!
黒戸 三四:あっオソロっちの波動を感じる
黒戸 三四:宣言しちゃったしこっちからやるか。
「狼憑き」:『白眼凶狼』、指定特技は《異形化》
巳六針助:凪だ武
矢鳴ヤモリ:破るよ
黒戸 三四:1d6-3 (1D6-3) > 6[6]-3 > 3
「狼憑き」:こちらも破るぞ
黒戸 三四:凪じゃない?
遊火丸 クヲン:破る
「狼憑き」:凪でした
黒戸 三四:>狼憑きくん
黒戸 三四:ではなんか 全快します
system:[ 黒戸 三四 ] 体術:0 → 1
system:[ 黒戸 三四 ] 忍術:0 → 1
system:[ 黒戸 三四 ] 戦術:0 → 1
「狼憑き」:元気になってる……
巳六針助:黒戸三四~♡
黒戸 三四:で、狼くんを奥義破りします~
GM:どうぞ!
黒戸 三四:え~と ミシンくんに
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=11 (罠術) (2D6-1>=11) > 4[1,3]-1 > 3 > 失敗
遊火丸 クヲン:2D6-1>=11 (2D6-1>=11) > 10[4,6]-1 > 9 > 失敗
黒戸 三四:感情修正かな。まだなげてなかったはず
GM:ミシンくん凪よ
黒戸 三四:ハハ
巳六針助:凪どしゅ
黒戸 三四:2D6>=6 (判定:召喚術) (2D6>=6) > 4[2,2] > 4 > 失敗
黒戸 三四:ごめ~ん
「狼憑き」:あっ通った!?
巳六針助:ヤバ
矢鳴ヤモリ:3以下出せ!
「狼憑き」:1d6-3 (1D6-3) > 5[5]-3 > 2
「狼憑き」:すまん……強すぎか?
巳六針助:ほああ
矢鳴ヤモリ:こいつ……
遊火丸 クヲン:さっきからこいつはよ~~~!
system:[ 「狼憑き」 ] HP:4 → 6
黒戸 三四:つよすぎてまいっちゃうぜ
「狼憑き」:マヒも全快。
黒戸 三四:これがつらいヨ
GM:ラウンド終了。
GM:【第十ラウンド】

 【第十ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力5/8 器・体・忍・謀・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6 ・忍・
  →変調:野望
  →【業火】
 ・黒戸三四    生命力6/6 器・体・忍・謀・戦・妖
 ・「狼憑き」   生命力6/12
  →【大権現】【獣化】【武器破壊】、【鬼手袋】
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
巳六針助:プロok
黒戸 三四:OK
遊火丸 クヲン:【影分身】
矢鳴ヤモリ:おっけい
「狼憑き」:OK
遊火丸 クヲン:2D6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
遊火丸 クヲン:OK
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 黒戸 三四 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 遊火丸 クヲン ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
遊火丸 クヲン:5にします
GM:では、プロット6、「狼憑き」。

→<プロット6>
(狼憑き)
<プロット5>
(遊火丸、矢鳴)
<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(黒戸)

「狼憑き」:う~~~ん
「狼憑き」:いや、ここは
「狼憑き」:【接近戦攻撃】を矢鳴ヤモリに。
「狼憑き」:見せてやるよ スペシャルってやつを
「狼憑き」:3d6 (3D6) > 10[2,2,6] > 10
巳六針助:こえ~~~
「狼憑き」:くっ 2・6で普通の成功だ
「狼憑き」:《異形化》で回避せよ!
矢鳴ヤモリ:言ってくれるぜ
矢鳴ヤモリ:スペシャルのみ
矢鳴ヤモリ:2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
「狼憑き」:ふははは! 接近戦3点だ~!
矢鳴ヤモリ:たの、たの……
黒戸 三四:誰か~~~!!
巳六針助:『巳針』/絶対防御/針術
巳六針助:ヤモさんへのダメージを3点軽減します。
「狼憑き」:奥義破り 《針術》は10
「狼憑き」:2d6>=10 (2D6>=10) > 4[2,2] > 4 > 失敗
巳六針助:ギャ ヒ
矢鳴ヤモリ:HAHAHA
遊火丸 クヲン:よっしゃあ!!!
「狼憑き」:ハ エ?
黒戸 三四:ホッ
「狼憑き」:逆凪になりますね……
巳六針助:シアター凪ロッソで俺たちと握手!
GM:ではプロット5! 1D100どうぞ
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 75
遊火丸 クヲン:1d100 (1D100) > 100

<プロット6>
(狼憑き)
→<プロット5>
(遊火丸、矢鳴)
<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(黒戸)

矢鳴ヤモリ:すご
GM:「殺意」か?
遊火丸 クヲン:マジ?
遊火丸 クヲン:散々避けられたからな…
GM:遊火丸さんからどうぞ!
遊火丸 クヲン:火術の【接近戦攻撃】を狼憑きに
黒戸 三四:遊火丸さんに感情修正+1
遊火丸 クヲン:あざす!
遊火丸 クヲン:で、回想シーンも使います。判定達成値に+3
遊火丸 クヲン:2D6+5>=8 (2D6+5>=8) > 4[1,3]+5 > 9 > 成功
GM:逆凪ですね
巳六針助:ギャ…
黒戸 三四:ぐぐぐ
遊火丸 クヲン:このダイス捨ててええか…?
矢鳴ヤモリ:これが、高プロットの魔ってやつよい
GM:そういうことだよい
GM:いきなりキングは取れねえだろうよい
GM:では矢鳴さんどうぞ
矢鳴ヤモリ:奥義を使用、『月鉱剣』。 クリティカルヒット/第六感
「狼憑き」:逆凪だから回避手段が……ない……!
「狼憑き」:4点受けるしかない
system:[ 「狼憑き」 ] HP:6 → 2
GM:ではプロット4! 巳六くんどうぞ

<プロット6>
(狼憑き)
<プロット5>
(遊火丸、矢鳴)
→<プロット4>
(巳六)
<プロット3>
(黒戸)

巳六針助:よう ミシン(オレ)だぜ
巳六針助:【黒絃】。対象は狼憑き。
巳六針助:判定は…分身の術から。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
黒戸 三四:よっしゃ
巳六針助:接近射撃ダメージ2点!じゃあな!
「狼憑き」:2点受けよう。生命点は0に。
「狼憑き」:だが……まだこれがある……!
矢鳴ヤモリ:おうおう、足掻いてんじゃね~~
「狼憑き」:『白眼凶狼』! 《異形化》の不死身で0から復活する……!
矢鳴ヤモリ:当然破る
黒戸 三四:破るぜ~
巳六針助:破る!
遊火丸 クヲン:がんばってー
GM:どうぞ!
矢鳴ヤモリ:スペシャルのみ
矢鳴ヤモリ:2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7
黒戸 三四:ミシンくんいつものやつを
矢鳴ヤモリ:うす
巳六針助:感情修正どうぞ黒戸殿
黒戸 三四:ありがと~
矢鳴ヤモリ:少年にはヤモさんがやるよ
巳六針助:頼むぜ
黒戸 三四:2D6+1>=6 (判定:召喚術) (2D6+1>=6) > 11[5,6]+1 > 12 > 成功
巳六針助:2D6+1>=8 (判定:結界術) (2D6+1>=8) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
巳六針助:ヤモさん ありがとう
「狼憑き」:ぐ
黒戸 三四:いいね~!
矢鳴ヤモリ:さらば
「狼憑き」:くそお!
GM:「狼憑き」は戦闘脱落します。
GM:戦闘勝利条件を満たしました。クライマックス戦闘を終了します。
巳六針助:うおおおおお
GM:君たちの……勝利だ!
矢鳴ヤモリ:おっとぉ
GM:おっと?
矢鳴ヤモリ:ちいと聞きたいことがあるんだ
GM:如何しましたか
矢鳴ヤモリ:PC4の秘密には、クライマックス戦闘の終了時『ライカンズロープ』を作成できるってあるだろい。
巳六針助:生命力…1点…!
矢鳴ヤモリ:そいつを、クライマックス戦闘終了後の【戦果】でいただいちまうってのは可能なのかい?
黒戸 三四:なんと
巳六針助:それは…
巳六針助:正直聞きたかった
GM:ふむふむ
矢鳴ヤモリ:誰が使うのかってのを、ちょっとハッキリしておきたくってよ
GM:想定としては、作成者である黒戸三四さんが使用する想定でした!
黒戸 三四:そうだね。作成にはまずミシンくんの銀のケースと、遊火丸さんの承諾を得ないといけないけど…
GM:基本的にクライマックス戦闘には戦果は考えてはいませんが
GM:ルール的には不可能ではないので
GM:矢鳴さんが戦闘の勝者となったうえで奪いたい、ということであれば、戦闘の続行を許可します。
巳六針助:……
矢鳴ヤモリ:ヤモさん人狼の討伐が【使命】だからよ。
矢鳴ヤモリ:やっぱ己の手で掴まねえとな。
黒戸 三四:そうきたか。
矢鳴ヤモリ:というわけで、脱落の意思はないぜ。
巳六針助:俺を守って来たのは
巳六針助:……
GM:他の方は?
黒戸 三四:ありません。私が残ってないとそもそもライカンズロープ、作れないしね。
遊火丸 クヲン:右に同じ
GM:このタイミングで脱落を選んだとしても、功績点獲得の「セッションに最後まで参加した」の条件は満たすものとします。
巳六針助:脱落はしない。
矢鳴ヤモリ:安心しなって、人狼を完璧に殺すのが目的だぜ
矢鳴ヤモリ:薬はちゃんと使ってやるからよ
巳六針助:ヤモさんに手を汚させるわけにはいかない
巳六針助:オレが死ねば、誰かが新しい人狼になる
GM:ええと、話をまとめた結果
GM:『ライカンズロープ』自体は使用することで消費される一個のものではなく、複数作成が可能な「治療薬」の総体としての名前と考えています。
GM:なので奪うとすればその前の『スロープ』でしょうか。
矢鳴ヤモリ:おっけー、了解。
GM:『スロープ』を巳六くんから奪うという予定で?
巳六針助:改めて、戦います。戦闘脱落はしない。
矢鳴ヤモリ:じゃあそれで
黒戸 三四:私の使命達成には影響を及ばさないそうなので
黒戸 三四:前言撤回して申し訳ないんですが、脱落します。
遊火丸 クヲン:こっちも特に戦う理由が無いので降ります
GM:了解しました。
GM:では、エクストララウンドに参りましょうか。
GM:【第十一ラウンド】

 【第十一ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力5/8 器・体・忍・謀・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)
 ・狼憑き     生命力0/12(脱落)
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6(脱落)
 ・黒戸三四    生命力6/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
矢鳴ヤモリ:おっけい
巳六針助:プロット装填。
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
GM:間合を外した……!
GM:プロット4、巳六くん

→<プロット4>
(巳六)
<プロット1>
(矢鳴)

GM:届かないですね?
GM:パスでいいですね?
GM:プロット1、矢鳴さんどうぞ

<プロット4>
(巳六)
→<プロット1>
(矢鳴)

巳六針助:ギギギ
矢鳴ヤモリ:雷火。
矢鳴ヤモリ:2d6+1>5 (砲術) (2D6+1>5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗
矢鳴ヤモリ:うっそだろ
GM:おお……
巳六針助:うおおお
GM:ラウンド終了。
GM:【第十二ラウンド】

 【第十二ラウンド・第二戦場】
 ・巳六針助    生命力5/8 器・体・忍・謀・・妖・頑健0/2
 ・矢鳴ヤモリ   生命力3/6 ・体・忍・謀・
  →変調:呪い(接近戦攻撃)、野望
 ・松来嘉平(従者)生命力0/1(脱落)
 ・妖魔(忍犬)  生命力0/3(脱落)
 ・憂野ユチカ   生命力0/6(脱落)
 ・浦内獅子雄   生命力0/6(脱落)
 ・狼憑き     生命力0/12(脱落)
 ・遊火丸クヲン  生命力1/6(脱落)
 ・黒戸三四    生命力6/6(脱落)

GM:プロットお願いします。
巳六針助:プロット装填
矢鳴ヤモリ:おっけい
GM:OK
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 矢鳴ヤモリ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 巳六針助 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
GM:では、プロット3、1D100どうぞ
巳六針助:1d100 (1D100) > 49
矢鳴ヤモリ:1d100 (1D100) > 64

→<プロット3>
(矢鳴、巳六)

巳六針助:ぐ…!
矢鳴ヤモリ:奥義を使用、『月鉱剣』。 クリティカルヒット/第六感
巳六針助:奥義破り。
巳六針助:2D6>=7 (判定:分身の術) (2D6>=7) > 6[1,5] > 6 > 失敗
巳六針助:ぐ…!
矢鳴ヤモリ:おう
矢鳴ヤモリ:じゃあ次はこっちが破る番だな
巳六針助:【奥義】『巳針』/絶対防御/針術!
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=8 (砲術) (2D6-1>=8) > 5[2,3]-1 > 4 > 失敗
矢鳴ヤモリ:ち
巳六針助:こっちの番だ、ヤモさん
巳六針助:【接近戦攻撃】【痛打】。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
巳六針助:接近戦の分。
巳六針助:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
巳六針助:接近2、射撃1。
矢鳴ヤモリ:2d6-1>=8 (砲術) (2D6-1>=8) > 8[2,6]-1 > 7 > 失敗
巳六針助:……
矢鳴ヤモリ:ユチカァ
巳六針助:オレの勝ちだ、ヤモさん……
GM:戦闘終了。
GM:黒戸三四さんは、『スロープ』と遊火丸さんの生命点1点を消費して、『ライカンズロープ』を作成することができます。
黒戸 三四:はい。ええと
黒戸 三四:もちろん、巳六針助くんと遊火丸クヲンさんの承諾を得ないとないんですが
黒戸 三四:預けてくれるかな
巳六針助:預けるよ、黒戸さん
巳六針助:皆を助けてくれ
遊火丸 クヲン:はーい、残りの生命点を消費してぶっ倒れます
system:[ 遊火丸 クヲン ] 忍術:1 → 0
黒戸 三四:すまん……
巳六針助:その上で
巳六針助:自身には、『ライカンズロープ』を使われることを承諾しません。
黒戸 三四:では、『ライカンズロープ』を作成して……
黒戸 三四:なるほどね。
矢鳴ヤモリ:ほお?
黒戸 三四:ん~
黒戸 三四:まあ私の使命って治療薬を手に入れる、だから
黒戸 三四:狼憑きの根絶が目的ではないんだけど……
矢鳴ヤモリ:まー各自の回想やら何やら演出やらもあるし
矢鳴ヤモリ:そこらへんやって、改めて考えが変わってなかったら言ってくれやい
巳六針助:解ったよ、ヤモさん
黒戸 三四:そうだねえ。
GM:では一旦。
GM:====
GM:高速機動。常人には認識できない世界の戦い。
GM:忍びの主戦場であるが、さりとて無尽蔵に続けられるものではない。
GM:粘ついた空気を泳ぎ、光よりも速い一撃を警戒し続ける。絶息の連続は確実に体力を奪う。
GM:妖魔もまた例外ではない。身体は異形でも、精神が人のそれであれば、猶更。
「狼憑き」:(異様だ)
「狼憑き」:(何発も致命になるように一撃を加えている)
「狼憑き」:狩人として、獲物を嬲るような無駄は無い。
「狼憑き」:殺した。その手ごたえだけを伝えて、しかし命だけは滑るように逃れている。
「狼憑き」:(妖魔でも殺せている! こいつらは人間の身体だぞ……!)
「狼憑き」:あるいは。
「狼憑き」:忍びとは、妖魔以上の強者なのか?
「狼憑き」:「お、お」
「狼憑き」:「おおおおお!!!」
「狼憑き」:咆哮。壁を蹴り、正拳を構える。
「狼憑き」:「そんなことは、在りえない!!」
「狼憑き」:遊火丸クヲンを間合に捉える。
「狼憑き」:(この遊女が、我々を超えるようなことなど)
「狼憑き」:「在りえないのだ!!」
「狼憑き」:弾丸を超える。必中必殺の、鍛え抜かれた一撃。
「狼憑き」:狙いを過たず、突き刺さる。確かに、対象を破砕した手ごたえがある。
「狼憑き」:それなのに。
遊火丸 クヲン:───そう、在りえない。
遊火丸 クヲン:知らない事なのだから、在りえない。
遊火丸 クヲン:まだこの場で、彼女だけが全てを見せていないのだから。
遊火丸 クヲン:在りえない と考える。
遊火丸 クヲン:───攻撃動作が始まる前に、マインドセットは済ませてある。
遊火丸 クヲン:───拳が当たる前に、既に手は打ってある。
遊火丸 クヲン:”最初の炎”は、もう既に
遊火丸 クヲン:狼憑きの視界を埋めている。
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:──(アカリ)
遊火丸 クヲン:周囲に熱を与え、代え難い美しさを持ち、闇を照らす導となるもの
遊火丸 クヲン:その意味を最初に聞かされた時は、"ありきたりで、そのまんまで、つまらない願い"なんて思ったけど
遊火丸 クヲン:私は、そんな自分の名前が好きだった。
遊火丸 クヲン:『お前は今日から"久遠"を名乗れ。』
遊火丸 クヲン:『悠久の時を生き、不変の神秘を持つ不知火の旗頭として、里に人を繋ぎ止め続けるのだ。』
遊火丸 クヲン:──口先だけで奪われるものが
遊火丸 クヲン:『これからは護衛と共に行動しろ。お前はただ守られていれば良い。』
遊火丸 クヲン:この世にはあまりにも多過ぎる。
遊火丸 クヲン:『顔馴染みであれば、気も楽だろう。』
遊火丸 クヲン:そう改めて思い知らされたのは、生まれて20年目の頃。
遊火丸 クヲン:私が、まだ小さな子供だった頃。
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:『人の流出が止められねー以上、お前には前線に出て戦ってもらいたい。』
遊火丸 クヲン:ああ、やはりな という感覚があった。
遊火丸 クヲン:『やっぱ忍びである以上よ、力を示すのが不知火再興の一番の近道だろ?』
遊火丸 クヲン:続く言葉も、なんとなく予想はついていた。
遊火丸 クヲン:『お前が育てた忍び、ありゃ良い。不知火の奥義を会得するまでには至らなかったが、揃いも揃って優秀な奴らだ。』
遊火丸 クヲン:聞きたくない 聞きたくない 聞いてしまえば
遊火丸 クヲン:『連中を従者として連れ立て。話はこっちで付けておく。』
遊火丸 クヲン:「はい」
遊火丸 クヲン:二つ返事で了承する。
遊火丸 クヲン:色々な事に疲れ始めた、40年目の頃だった。
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:「──私ね」
遊火丸 クヲン:「本当は遊火丸灯って言うの。」
遊火丸 クヲン:『えー、なんだよそれ』
遊火丸 クヲン:『急にカミングアウトするな!』
遊火丸 クヲン:『どっちで呼べばいいのか分かんなくなるだろー?』
遊火丸 クヲン:「別に、クヲンのままでいいわよ。」
遊火丸 クヲン:「これはただ、アンタ達には知っといて欲しいっていうだけの、私の我儘。」
遊火丸 クヲン:「ちゃんと覚えときなさい。アンタ達の師匠は、その名前に恥じない生き方をするんだ って。」
遊火丸 クヲン:「約束。ね?」
遊火丸 クヲン:赤
遊火丸 クヲン:青
遊火丸 クヲン:緑
遊火丸 クヲン:黄
遊火丸 クヲン:橙
遊火丸 クヲン:白
遊火丸 クヲン:───人の命には色がある。
遊火丸 クヲン:私はずっと、それを見てきた。
遊火丸 クヲン:不知火の炎が、業の炎だと言うのなら
遊火丸 クヲン:この色彩豊かな、美しい灯こそが
遊火丸 クヲン:紛れもない、私の業だ。
遊火丸 クヲン:私だけが抱えるべき、罪だ。
遊火丸 クヲン:彼らには背負わせない、咎だ。
遊火丸 クヲン:家族、友人、仲間、恋人、師弟
遊火丸 クヲン:多くのものを諦めて、多くのものを捨ててきた。
遊火丸 クヲン:出来る事が減って
遊火丸 クヲン:出来ない事が増えていくばかりの
遊火丸 クヲン:長い、長い、私の生。
遊火丸 クヲン:この命は、既に私一人のものではない。
遊火丸 クヲン:私一人のもので終わらせるには
遊火丸 クヲン:……あまりにも、世界に色が付き過ぎた。
遊火丸 クヲン:ならば、たった一つ。
遊火丸 クヲン:たった一つだけでいい。
遊火丸 クヲン:私自身の導が欲しい。
遊火丸 クヲン:他の全てを捨ててでも
遊火丸 クヲン:貫き通せる、我儘が欲しい。
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:"これ以上、殺したくない"
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:無為に老いさらばえただけの、私の灯で
遊火丸 クヲン:先を逝く彼らの道程を、僅かでも照らしてあげられるのなら
遊火丸 クヲン:───暖かなこの色彩にも、意味があったと言えるのだから。
遊火丸 クヲン: 
松来 嘉平(従者):「──やはり」
遊火丸 クヲン:パチリ、と目を開く。静かなモーターの音が、その向こうにある喧騒を置き去りにするように、車内を満たしていた。
松来 嘉平(従者):「体調が優れませんか?あの忍びとどのような事を話されたのかまで、詮索するつもりはありませんが。」
遊火丸 クヲン:「………別に」
遊火丸 クヲン:"理外のモノすら、己の理に閉じ込めて"
遊火丸 クヲン:「…………」
遊火丸 クヲン:"私は、いつでもあなたの力になりますよ"
遊火丸 クヲン:「………はぁ」
遊火丸 クヲン:前腕で目元を覆うように、座席に大きくもたれかかって
遊火丸 クヲン:「あんなガキんちょに、今更甘えられる訳ないじゃない…」
遊火丸 クヲン:全ての色を混ぜ合わせたような、その瞳で
遊火丸 クヲン:私がとうの昔に諦めたような事を、言の葉に乗せる。
遊火丸 クヲン:……私の肉体(からだ)は、理屈じゃない。
遊火丸 クヲン:……私の能力(ちから)は、理屈じゃない。
遊火丸 クヲン:……私の信念(おもい)は、理屈じゃない。
遊火丸 クヲン:……アンタの理が、私を解する事はない。
遊火丸 クヲン:でも
遊火丸 クヲン:そんな彼女を"妬ましい"と思うこの感情も
遊火丸 クヲン:きっとまた、理屈ではないのだろう。
遊火丸 クヲン:「………嘉平」
遊火丸 クヲン:「あいつの事、調べて。」
松来 嘉平(従者):「畏まりました。」
遊火丸 クヲン:──そっちがその気なら、やってやろうじゃない。
遊火丸 クヲン:アンタが、"やっぱり無駄だ"と悟るまで
遊火丸 クヲン:精々、元気に生き永らえてやる。
遊火丸 クヲン:そしていつか、アンタの今際の際にでも
遊火丸 クヲン:"ざまぁみろ"って笑ってやるわ。
遊火丸 クヲン: 
遊火丸 クヲン:(だから私は、まだ死なない。)
遊火丸 クヲン:私の炎は、命の炎
遊火丸 クヲン:(だから私は、まだ死ねない。)
遊火丸 クヲン:命の炎とは即ち、魂の炎
遊火丸 クヲン:(たかが、長いだけの人生が)
遊火丸 クヲン:魂の炎とは即ち、意志の炎
遊火丸 クヲン:(私に勝てると思うなよ。)
遊火丸 クヲン:意志の炎とは、即ち───
遊火丸 クヲン:ポ ゥ
遊火丸 クヲン:白い炎が、いつの間にか闇夜に浮かんでいる。
遊火丸 クヲン:川の流れに乗るように、空間を揺蕩うだけの
遊火丸 クヲン:何も焼かない、壊さない、力無き炎。
遊火丸 クヲン:───その炎は他者の精神に作用する。
遊火丸 クヲン:それを見た者の意志を揺らがせ、戦意そのものを焼失させる
遊火丸 クヲン:───信念の炎
遊火丸 クヲン:擦り切れるような緊張感の中、長時間の戦闘を行った狼憑き。その、引き伸ばされ、亀裂が露わとなった”人”としての意志に、流れ込むように
遊火丸 クヲン:淡い光が、無意識下でその心を揺るがせる
遊火丸 クヲン:───パス
遊火丸 クヲン:そして、遊火丸クヲンの元へ届いたその拳は
遊火丸 クヲン:最早死に体である遊女に受け止められるほど、か細い一撃となっていた。
遊火丸 クヲン:「恋ヶ窪(あの子)には」
遊火丸 クヲン:「何て説明すればいい?」
遊火丸 クヲン:喋るのがやっと といった様子で、そんな事を口走る。
「狼憑き」:「何を……!」
「狼憑き」:『何も。伝えなくて、いい』
「狼憑き」:妖魔の裡から、声が響く。
「狼憑き」:『狩りに……死者が出るのは……珍しくない』
「狼憑き」:「な、なんだ……これは……!」
「狼憑き」:人としての信念と、妖魔としての欲望の乖離。
遊火丸 クヲン:「………さあね。」
「狼憑き」:身体が震える。二者を繋ぐ怒りが、今、焼け落ちたのか。
「狼憑き」:「妙な真似を、止めろォォ!」
遊火丸 クヲン:微笑むように、嘲笑するように、一度鼻で笑って
遊火丸 クヲン:「私に言わないでよ」
遊火丸 クヲン:「”狼退治”は専門外だもの」
「狼憑き」:「うおおっ」
「狼憑き」:飛び退く。
「狼憑き」:この戦いにおいて初めての、恐れからくる退避行動。
「狼憑き」:それほどの深淵を感じた……否!
「狼憑き」:(強いのは俺だ、私だ、我々だ)
「狼憑き」:「コォォオ……!」
「狼憑き」:息吹。生命力を高めるための構え。
「狼憑き」:(身体に異常を与えられた! それを回復するため、間合いを取ったにすぎない)
「狼憑き」:(すぐに回復する……!)
「狼憑き」:肉体の力が漲る。
「狼憑き」:だが、二つを失念している。
「狼憑き」:一つは既に見せた構えであること。
「狼憑き」:もう一つは、彼我をかき乱す灰も、動きを阻害する罠も。既にこの戦場には、身を隠す遮蔽が無いことだ。
黒戸 三四:ひゅ う ん
黒戸 三四:呼吸を整える間もなく。未だ闘気滾る狼の厚い、肉の鎧に。
黒戸 三四:きらりと光る、一本の鍼が。否。
黒戸 三四:何かを刺された、と異物感を感じる頃には。それは瞬く間に、彼の体表を覆っている。
黒戸 三四:鍼師は。体内に巡る、気と血の通り道─────“経穴”を突くことで、治療を施す他に。
黒戸 三四:古代から現代に至るまで、何千年にも渡り培われたもの。
黒戸 三四:人の歴史から導かれた、“ある疾患に関して特別な効果”があるのだと。
黒戸 三四:経絡上に存在しない、“奇穴”と呼ばれるそれを突くことで、血と気のバランスを保つ治療が存在する。
黒戸 三四:その総数約二千に対し、黒戸三四が刺した鍼の数、三十四本。
黒戸 三四:それは、先刻。憂野ユチカに施した治療とは真逆のもの。
黒戸 三四:脈々と繋ぎ、重ね、積み上げた、人と妖魔としての力の源。
黒戸 三四:陰なる力と陽なる力を、正すのではなく。
黒戸 三四:完膚なきまでに破壊する。
黒戸 三四:結果。
黒戸 三四:傷を癒やし、闘志を再度漲らせる多幸感など。彼に訪れることは無く。
黒戸 三四:在るのは、ただ。脳髄に釘を直接打ち込まれたかのような、埒外の激痛だけ。
黒戸 三四:「そうだ」
黒戸 三四:「私からも、教えを一つ」
黒戸 三四:憎しみも、慈愛も、哀れみも、悦びも。
黒戸 三四:全ての色を混ぜ合わせたような、その“黒(ひとみ)”で。
黒戸 三四:「『優れた忍びに、二度、同じ技は通用しない』」
黒戸 三四:少女は、ぽつりと呟いた。
「狼憑き」:「がおおおっ!」
「狼憑き」:肉体を搔き毟る。骨細工の爪が、分厚い毛皮を傷つけていく。
「狼憑き」:それすらも感じないほどの痛み。地に腕をつく。
「狼憑き」:「ハァーッ、ハァーッ……!」
「狼憑き」:ぎょろぎょろと複数の眼が周囲を見渡す。
「狼憑き」:突破口を探している。この状況を打破する術はないか。
「狼憑き」:──どこか、逃げ道は無いか。
矢鳴ヤモリ:どう、とその肌に銃弾がめり込む。
矢鳴ヤモリ:見るや、いつの間にか拾い上げた猟銃を片手に。
矢鳴ヤモリ:「”狼退治”は専門だい」
矢鳴ヤモリ:「だが、やっぱこりゃ苦手だね」
矢鳴ヤモリ:ぽいと、それを放り投げる。
矢鳴ヤモリ:もう片方の腕、握った骨細工の柄。
矢鳴ヤモリ:もはや短刀のごとき長さとなった、頼りない風体の刃。
矢鳴ヤモリ:「だからこっから先は」
矢鳴ヤモリ:「剣士として相手をしてやるぜい」
矢鳴ヤモリ:はしる。かつてその身に染み込ませた足運び。
矢鳴ヤモリ:距離を取ろうとする相手は不思議と引き込まれるように、駆ける剣士は引き付けるように。
矢鳴ヤモリ:気づけば、間合い。
矢鳴ヤモリ:「しッ――――!!」
矢鳴ヤモリ:刃が食い込む。だが、――浅い。
矢鳴ヤモリ:「やって―――くれたよな」
矢鳴ヤモリ:「散々この嫁入り前の大事な体を抉ってくれちまってよう」
矢鳴ヤモリ:「それで、だ」
矢鳴ヤモリ:「その爪にべったりついてたはずのアタシの血は、何処へ行った?」
矢鳴ヤモリ:それは、月の陰気に引かれ、集っている。
「狼憑き」:「ぐあ……!?」
矢鳴ヤモリ:"狼憑き"の肉体、その中に打ち込まれた無数の弾丸に。
矢鳴ヤモリ:長刃を抜刀する。―――狼憑きのその身の内から引き摺り出すように。
矢鳴ヤモリ:返しに一閃。
矢鳴ヤモリ:二、三と重ねて合計四の線。
矢鳴ヤモリ:「これで、仕舞いだ――」
矢鳴ヤモリ:そうして、最後の一撃を。
矢鳴ヤモリ:「と、言いたいところだがどうにもここが限界だ」
矢鳴ヤモリ:「それに、どうやらそこの小僧は最後の最後まで美味しいところを持っていくのがお上手なようでね」
矢鳴ヤモリ:倒れ込む、射線を空けるように。
巳六針助:次の瞬間、矢鳴ヤモリの斬線を縫うように、
巳六針助:赤黒い糸がひとりでに渡っている。
巳六針助:……戦場に張り巡らされた糸は、全ての血を吸い喰らう。
巳六針助:矢鳴ヤモリの血液を吸った糸もまた、最高速で狼憑きの身体に到達する。
巳六針助:「【末離縫(まつりぬい)】」
巳六針助:名も知らぬ狼憑き。
巳六針助:「【千盗縫(ちどりぬい)】」
巳六針助:戦いの果てに倒れた鬼衆ヤツル。
巳六針助:「【返斯縫(かえしぬい)】」
巳六針助:唯一の拠り所に裏切られた恋ヶ窪ヨーコ。
巳六針助:「【難巳】-【翻返斯】-【千盗】-【末離】-【求死】」
巳六針助:巳六針助の針は止まらない。碇と共に全ての因果を辿る糸は、最早一つの黒い嵐となって。
巳六針助:高速機動すらも超えた、神速の精度の針、技の縫い目が狼憑きに打ち込まれていく。
巳六針助:「――お前は」
巳六針助:「壊した分、壊れろ」
巳六針助:ぶ ばん!
巳六針助:毛穴の一点に至るまでを縫われ尽くした”狼憑き”が、内側に向けて爆ぜる。
巳六針助:「……(いま)だ痛撃、六には至らず。だが、影絵座秘奥【千忍針】」
巳六針助:「ここに成った」
「狼憑き」:返る言葉は無い。
「狼憑き」:物言わぬ肉が、傷一つなく転がっていた。
GM:一陣の風が過ぎる。
矢鳴ヤモリ:「おつかれさん」仕事仲間にでもかけるような、気さくな声で躯に。
矢鳴ヤモリ:いつの間にか、起き上がっていた矢鳴ヤモリが。
矢鳴ヤモリ:最後の”人狼”の前に立っている。
矢鳴ヤモリ:「さあて、いっちょ」
矢鳴ヤモリ:「やること、やりますかい」
巳六針助:「……やめてくれ。オレ、ヤモさんと戦いたくない」
巳六針助:「……オレのこと守って来たの、このためだったのかよ」
矢鳴ヤモリ:「……うーん」
矢鳴ヤモリ:「このためっていうか」
矢鳴ヤモリ:「守ってやるんだよ、今から」
矢鳴ヤモリ:「"人狼"ってものから、か弱いニンゲンをよ」
矢鳴ヤモリ:===

・PC2の【秘密】
「人狼」の討伐は、一筋縄ではいかないだろうとあなたは感じていた。
理由は、繁華街に訪れたあなたの前に、旧知の忍びである鬼衆ヤツルが現れて言葉をかけたことだ。
鬼衆ヤツルは、影の世界を乱す者を捕縛・抹殺する権限を与えられた処刑忍であり、あなたはその実力に一定の信頼を抱いていた。

しかし、先日に出会ったヤツルは深く葛藤している様子だった。
絞り出すようにあなたに伝えられた言葉は、「『人狼』に手を貸してやってほしい」というものだ。
詳しく意図を尋ねようとするあなたに、ある場所の情報だけを伝えて、ヤツルは去った。
あなたは自分がシーンプレイヤーであるシーンで、シーン表を振る代わりに、「666番」のシーンを指定できる。

いずれにせよ、情報を調べることに変わりはないが。
鬼衆ヤツルの言葉は指標にするに足るとあなたは感じている。
あなたは自分の【使命】を、「人狼」を助けることに変更してもよい。(変更後は再度変更できない)

矢鳴ヤモリ:===
矢鳴ヤモリ:矢鳴ヤモリは望月の、鞍馬神流の家に生まれた。
矢鳴ヤモリ:その流儀はシノビガミの復活を阻止することであるが、実際のところそれは彼女にとってピンと来るものではなかった。
矢鳴ヤモリ:「(そもそも、シノビガミって、何なのさ)」
矢鳴ヤモリ:それについてしたためられた書物は読んだ、話も聞いた、だがそんな途方も無いものはどこか異世界の出来事にも思えた。
だから地に足のついた、鞍馬神流の忍びとしてのありふれた【使命】を抱いた。

・望月ヤナリの【使命】
あなたは鞍馬神流の望月家、裏巌流に身を置く忍びだ。
あなたには才能があり、未来への希望に満ち溢れている。
あなたの【使命】は武功を立て、己の【主君】を見出すことである。

矢鳴ヤモリ:【名君】であれば良いと思う。世を太平に、皆を幸福にするような。そう思って毎日剣を振るった。
矢鳴ヤモリ:楽な修行ではない、でも苦にはならなかった。
矢鳴ヤモリ:――暗転。
矢鳴ヤモリ:砕けた魔剣、ドス黒くぬかるんだ血泥の道場。
口下手ながらも情に厚い師範代、劣等感を胸にしまい激励を投げかけてくれた兄弟子、みんな動かない、もう二度と。

矢鳴ヤモリ:全てが一夜にして終わってしまった。
我が身の内に住み着いた"魔"が全てを喰い散らかしてしまったのだ。

矢鳴ヤモリ:しかし、本当の恐怖はそのあとに来た。
矢鳴ヤモリ:全てがおしまいになってしまったのにそれでも人生は続く。続いてしまうのだ。
絶望とは命が終わることではない、最早苦痛しか残されていない生が何の意味もなく続いてしまうことを言うのだ。

矢鳴ヤモリ:薄い毛布にくるまって小さく震えながら夜空を見上げたその時真の孤独を知った。
月光は優しく残酷な暖かさでヤナリを包んでくれたが、やがてまばゆい朝日が照らすはずだった、これから歩く昏い昏い道すじを。

矢鳴ヤモリ:そうして、虚無の中を這い回るだけの生が始まった。
矢鳴ヤモリ:転機が訪れるまで、五年と半。
様々な場所を散々にたらい回しにされた果てに、出会った女が。

矢鳴ヤモリ:『そんなありさまで体をどうやって動かしてるんだ?』
矢鳴ヤモリ:返事はしなかった、というよりもする意味がなかった。望月ヤナリはもはやそういう存在だった。
矢鳴ヤモリ:『いや、そんなんじゃあフツー呼吸できてるのもおかしな話だ。無意識にか……?お前何か変な事やってんだろ』
矢鳴ヤモリ:流れ着いた海辺の安宿には、『サンセットモーテル』と看板が掲げられていた。
矢鳴ヤモリ:それからについては割愛。結果としてヤナリはヤモリとなり、不格好に人生を取り戻した。
矢鳴ヤモリ:新しい人生には新しい【使命】がいる。わかりやすいものが欲しかった。
矢鳴ヤモリ:色々と考えては却下して、候補はふたつに絞り込んだ。
矢鳴ヤモリ:『モーテル』の仕事仲間に、うちのひとつであった「金」を信ずる忍びが居た。それ以外は一切を信用しないと、それが己の生きるすべだと豪語したそいつは目の前で肉の花と散った。
矢鳴ヤモリ:だから、残ったもうひとつにすることにしたのだ。
矢鳴ヤモリ:ばかばかしくて、荒唐無稽。冗談みたいな信念。
矢鳴ヤモリ:世界平和のために戦おう。
表の、穏やかで清らかな人々が、幸せであれるように。
光の下で生きるおさなごが、影に潜む"魔"に、一夜にして全てを奪われないように。

矢鳴ヤモリ:だから妖魔を狩ることにしたのだ。
矢鳴ヤモリ:だけども、それはいつだって手遅れで。
矢鳴ヤモリ:「結局よぉ、血が流れてはじめて呼ばれるわけだからな、アタシらみたいのはな……」
矢鳴ヤモリ:「ショーボウショみてえなもんだ」
矢鳴ヤモリ:必要な行為だ、それはきっと世を良くしている。
だが心には澱が積み上げられていく。

矢鳴ヤモリ:実感が、あかしが欲しかった。
虚無の中からふたたび産声をあげた、だというのに何も残せずこの世界から消え去ってしまうことが最も恐ろしい。

矢鳴ヤモリ:守った誰かに感謝されたかった。往来に立って、アタシがあんたらを守ってやったのだと叫んでやりたかった。
頭を撫でて、褒めてほしかった。

矢鳴ヤモリ:だがそれは望めぬことだ、闇と光、その境界を踏み越えることなどあってはならない。
矢鳴ヤモリ:そんな中、"彼"に会った。
矢鳴ヤモリ:鬼衆ヤツルが持ち込んだ厄介事、ただそうとしか思えなかったそいつは……己と同じ場所影の中に立ち、目線を合わせ話すことが出来る。
矢鳴ヤモリ:だというのに驚くほどに『普通のひと』であった。
矢鳴ヤモリ:それはまるで奈落の暗がりに落ちてきた灯りだ。だからあさましくもそれに飛びついた、灯籠に焼かれる蛾のように。
矢鳴ヤモリ:巳六針助、きみをアタシに守らせてくれ。
矢鳴ヤモリ:出会った頃の、そのままにいてくれ、か弱く、清く、歪まず、普通の……ありのままで。
矢鳴ヤモリ:そうしてアタシに感謝をしてくれ、守ってくれてありがとうと、今までずっとずっと戦ってきてくれてありがとうと。
矢鳴ヤモリ:今まで守ってきたものの、象徴に……、
矢鳴ヤモリ:望月ヤナリではなく、矢鳴ヤモリのたったひとりの【主君】になって欲しいのだ。
矢鳴ヤモリ:『ライカンズロープ』を完成させる。
矢鳴ヤモリ:それを使い"人狼"という魔を完全に誅する。
矢鳴ヤモリ:だが、その前に忘却の薬効を以って我が悲願を達成するのだ。
矢鳴ヤモリ:不安を湛えた瞳でこちらを見つめる少年を睨む。
矢鳴ヤモリ:「そのために、邪魔なものはすべて斬る」
矢鳴ヤモリ:巳六針助、きみを光の世界へと送ってやろう。ほんとの『普通のひと』にしてやろう。
矢鳴ヤモリ:我が【主君】は、ヤモリが守る平和で穏やかな世界で生きて行くのが相応しい。
矢鳴ヤモリ:それがきっと、実感に、ヤモリの生きたあかしになるのだ。
矢鳴ヤモリ:構えを取る。
矢鳴ヤモリ:「言っておくが……」
矢鳴ヤモリ:「手加減はしねえ」
矢鳴ヤモリ:「立ちふさがるって言うなら、決死で来い」
矢鳴ヤモリ:裏巌流奥義。――月鉱剣。
矢鳴ヤモリ:絶死の魔剣の型。
巳六針助:「……」ぎり、と歯を食い縛る。
巳六針助:今まで、彼女とは幾度となく言葉を交わした。
巳六針助:「ふつうの人」なら誰でも良かったのだろうか? 
巳六針助:そうではない。昼と夜の境に、光と闇の境に、人と獣の境に、居場所を持てるのは、自分だけだ。
巳六針助:巳六針助が、己の信念を捨てない以上、その戦いは避けられない。
巳六針助:信念こそが、人を忍びたらしめ、忍びをひとたらしめる。
巳六針助:「……いつも、そうだ。ヤモさんは」
巳六針助:「一緒に居たいんだよ。わかれよ」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、そりゃあ有り難いね」
矢鳴ヤモリ:知ってるよ、の言葉を読み込んで。
巳六針助:「茶化すな! オレがどんな気持ちで、アンタと……」
矢鳴ヤモリ:「だけどな、ヤモさんな、喰っちまうんだ全部」
矢鳴ヤモリ:「大事なものをよ」
矢鳴ヤモリ:バケモノだからな、の言葉を押し殺し。
巳六針助:”忍”の巳六針助ではない。”蛹”の巳六針助でもない。
巳六針助:ただの巳六針助を見てくれた。目の前の、血に塗れても美しいひとは。
巳六針助:「アンタはバケモノなんかじゃない」
巳六針助:「苦しかったんだろ!? だから、オレを守ろうとしてる!」
巳六針助:「それは、ただの壊れた、」
巳六針助:「人って言うんだ」
矢鳴ヤモリ:「ひひ、忍びが人を名乗ろうだなんて」
矢鳴ヤモリ:「烏滸がましいんだよ、"人狼"」
巳六針助:「……断言してやる。”今のオレ”を消したら、ヤモさん一生後悔する……アンタにはそう言う心があるって、いま白状したんだろ」
巳六針助:「粋がるなよ、人間」
巳六針助:「今、壊れたあんたを、直してやる」
矢鳴ヤモリ:『オレがどんな気持ちで、アンタと……』
矢鳴ヤモリ:「(頭にくるぜ、そっちこそ、アタシがどんな気持ちで……)」
矢鳴ヤモリ:最早言葉を返そうとは思わなかった。
巳六針助:祈るように、二本の針を構える。
巳六針助:蟷螂の斧のようだった。交錯は短いものとなるだろう。
巳六針助:――高速機動が、開始された。
矢鳴ヤモリ:ダンッ、とがらくたのはずの脚が石畳を砕き割り。
矢鳴ヤモリ:裂帛の気合とともに躍りかかる、まさしく神速。
矢鳴ヤモリ:月のない夜に三日月の尾をひいて『月狗』が疾走る。
矢鳴ヤモリ:鞍馬神流望月家、その次代当主に目された剣の天才、それが到達したあり得ざるを成す【奥義】。
矢鳴ヤモリ:「ヂェッ、アアアアアアアアアアァァーーーーー!!!!!」
巳六針助:矢鳴ヤモリは尋常の忍びではない。見ていたからと言って、破れるものではない。
巳六針助:――同じく【奥義】の構えを取る! それは流派影絵座ならず、巳六針助の奥義にして、彼の願いを形に昇華した一つの針。
巳六針助:見えないものまでを、直したいと願う。
巳六針助:全てを巳に、針の内に収めたいと願う。
矢鳴ヤモリ:迫る、狙いは心の臓、得物を握る腕、首、機動の要たる脚。
巳六針助:その名を――!
巳六針助:「『巳――針』ッッ!!!!」
巳六針助:月に吠える。二対の獣が。
巳六針助:その針は空間の断層を縫製し、ずたずたに裂傷した。真空の絶死圏が発生する。小細工などない。技と技、信念と信念の衝突。
矢鳴ヤモリ:『ヤナリよ』
矢鳴ヤモリ:『同じ技量の剣士が、剣を交えたとき……勝つのは防御に秀でたほうだ』
矢鳴ヤモリ:『だから望月においては防御の訓練に重きを置いている』
矢鳴ヤモリ:どうして、そんな言葉を思い出したのか。
矢鳴ヤモリ:何故なら目の前で起きたことは、まさにそれであり。
巳六針助:たった一手。
矢鳴ヤモリ:「クッソ、があ!!」
矢鳴ヤモリ:再び剣を振る。
矢鳴ヤモリ:寄せては返す、望月の基本動作にして奥義。
矢鳴ヤモリ:しかし、壊れたヤモリではその動きは満足に行くものではなく。
巳六針助:その横腹を、糸を丸めた散弾が貫いている。
巳六針助:……低速弾丸の”罠”。
巳六針助:それは鞍馬神流、バヨネットたる矢鳴ヤモリであれば、最も知る手の内のはず。
巳六針助:「……」
巳六針助:手にした糸は、矢鳴ヤモリが投げ捨てた
巳六針助:猟銃の引き金に掛けられている。
矢鳴ヤモリ:「ーーーッ」
巳六針助:「……【矢・弦(やつる)】」
巳六針助:その精度。応用性。巳の内に宿された狼の記憶こそが、巳六針助の”切り札”だ。
矢鳴ヤモリ:避けることの出来る一撃のはずだ。
矢鳴ヤモリ:だが、その一撃はどうしようもない致命として迫り。
矢鳴ヤモリ:何故だろうか――殺す気のない相手だから?
矢鳴ヤモリ:あるいは―――未だ腕に食い込む妖牙が取り除けていれば?
矢鳴ヤモリ:もしくは―――その牙に重なるように絡みつく憂野ユチカの呪いがなければ?
矢鳴ヤモリ:まさか―――、
矢鳴ヤモリ:様々な要因が、糸のように絡み合っている。
矢鳴ヤモリ:「運の良いやつだ」
矢鳴ヤモリ:なんて、"強い"敵なのだろう。
目が細まる。眩しい光でも目の当たりにしたかのように。

矢鳴ヤモリ:乱雑に生きてきた。
真っ当というものに触れることが恐ろしかった。

矢鳴ヤモリ:所詮は闇に生きるメクラの夜守(ヤモリ)
忍ぶ者、刃で心を殺す。

矢鳴ヤモリ:隠すのは駄目だ、きっといつかあばかれてしまう。
結局はこのアタシにすがりついた鬼衆ヤツルのように。

矢鳴ヤモリ:「(だっせえ、女だ……)」
矢鳴ヤモリ:それは果たして、誰に向けてか。
矢鳴ヤモリ:殺すのは得意だった、他の誰よりも。
矢鳴ヤモリ:運が良かったとうそぶく己が結局生き延びてこれたのはそれが理由に違いない。
矢鳴ヤモリ:獲物の牙先に、心臓を差し出すような狩りを何度も繰り返した。それでも殺せた、殺して、勝ってを繰り返してここに来た。
矢鳴ヤモリ:打つ手無し――本当にそうだろうか?
矢鳴ヤモリ:『月狗』が唸る、まだやれると、お前の残りすべてを差し出しさえすればと。
矢鳴ヤモリ:「(いいじゃねえか、ここで命を燃やし尽くしても)」
「(殺してやろう、得意だろう?自分ってやつをだ、とうとうそういう順番が来たんだよ)」

矢鳴ヤモリ:良い最後だ、これ以上は望み過ぎなくらいだ。
矢鳴ヤモリ:この少年の中に己を残してこの世から消える。
それでもう、何も怖くはなくなる。

矢鳴ヤモリ:【最後の一撃】を放とう、そう思って構えた腕は――
矢鳴ヤモリ:防御のわざを結んでいた。
矢鳴ヤモリ:自動的に、反射的に。
矢鳴ヤモリ:幼き、在りし日の信念が未来を夢見て何度も何度も繰り返した訓練の、それが。
巳六針助:「ほら」
巳六針助:「……直ったじゃないスか」
巳六針助:「よかった」針を捨て、屈託のない笑みで笑う。
矢鳴ヤモリ:「……」驚いたように、呆れたように、その笑みを見る。
矢鳴ヤモリ:「望んだことも満足に出来やしねえ」
矢鳴ヤモリ:「やっぱ、がらくただよ……」困ったように、笑う。
矢鳴ヤモリ:「二度も、死に損なっちまったじゃねえか……」
矢鳴ヤモリ:「ちっ……」がしがしと頭を掻く。
矢鳴ヤモリ:「お前が勝者だ、あとは好きにしな」
矢鳴ヤモリ:そう言って、地面の猟銃を拾い上げる。
矢鳴ヤモリ:半死半生の様相で、それを杖にフラフラと遠ざかっていく。
矢鳴ヤモリ:「きみが……オマエが狼であり続けるなら」
矢鳴ヤモリ:「それは、アタシの獲物だってことだ」
矢鳴ヤモリ:「じゃあな」
巳六針助:「なら」
巳六針助:「何回でも、ヤモさんに会えるってことでしょ?」
矢鳴ヤモリ:「ハッ」
矢鳴ヤモリ:「次は死んでるよい」
矢鳴ヤモリ:そうして、ヤモリは街へと溶け去った。
巳六針助:「…………」
巳六針助:「守るよ。ヤモさんのこと」
巳六針助:「誰が敵だってどんな秘密があったって」
巳六針助:「……必ず助けに行く」
巳六針助:「誰も、バケモノにはしない」
巳六針助:(オレ以外は)
巳六針助:振り返る。黒戸三四に目線を向ける。
巳六針助:「……ごめん、黒戸さん」級友に宿題を任せるような、軽い声色で。
巳六針助:「ばーちゃんのこと、よろしく」
巳六針助:続いて遊火丸クヲンに。
巳六針助:「ありがとう。遊火丸さん」
巳六針助:「……貴女は、暖かい人だよ。出来るなら、黒戸さんの傍にいてほしい」
巳六針助:「じゃあ」片手を上げる。
巳六針助:「……」そして、頭を下げる。
巳六針助:「『忍びには敬意を』」
巳六針助:ぱしゃり
巳六針助:影の糸となって、解ける。
巳六針助:糸の底には、銀のケースが残されていた。
黒戸 三四:後ろ手に、憮然と立ち。決死の立会いを見届けていた。
黒戸 三四:この地に向かうまでに、己の頭の中で。なんとなく、こんな構図は浮かんでいたような気もする。
黒戸 三四:『ライカンズロープ』を用いれば、この街から『狼憑き』は程なく、根絶出来るだろう。
黒戸 三四:そこに、“人狼”は必要ない。
黒戸 三四:「けどね」
黒戸 三四:「私は……」
黒戸 三四:すん、と鼻を鳴らして。傍らの女性に視線を向ける。
黒戸 三四:「ふざけるなよ」
黒戸 三四:「無責任だろ」
黒戸 三四:「私に全部、尻拭いさせるつもりなのかよ、って」
黒戸 三四:「胸ぐら掴んででも、止めてやろうかなって思ってたんですけど」
黒戸 三四:「なんでかな」
黒戸 三四:「結局、さよなら、の一言すら言えませんでした。私」
遊火丸 クヲン:「…………」
遊火丸 クヲン:随分前から、壁にもたれかかるようにして座り込み、瞳を閉じている。最早目を開ける力も残っていないのだろう
遊火丸 クヲン:その顔が、錆びついた機械のようなぎこちない動作で、目を閉じたまま君を見上げ
遊火丸 クヲン:「───”さよなら”なんか、どうせ歳食ったら嫌って程言う事になるんだから」
遊火丸 クヲン:「別に必要ないでしょ、今は。」
遊火丸 クヲン:そう言うと、潰れたトマトのようにひしゃげ、赤く染まった片腕を差し出し
遊火丸 クヲン:「私……もう動けないから」
遊火丸 クヲン:「やるんなら勝手にやって」
遊火丸 クヲン:「…………あと」
遊火丸 クヲン:「ちゃんと、綺麗なベッドの上に寝かせてね。」
黒戸 三四:ケースを開く。『スロープ』に添えられた、空の注射器を取り出して。
黒戸 三四:懐に仕舞っておいた、最後の鍼を。血に濡れた、彼女の柔らかな肌に打ち込んでいく。
黒戸 三四:「程なく痛みは消え、丸一日は目を覚まさないでしょう」
黒戸 三四:「あなたが柔らかなベッドの上で瞼を開ける頃には、全てが終わっています」
黒戸 三四:「………」
黒戸 三四:「ありがとう」
黒戸 三四:「あなたの(いのち)で……」
黒戸 三四:「私は。この街を、人を」
黒戸 三四:「救うことができる」
遊火丸 クヲン:───カクン
遊火丸 クヲン:まるでその言葉に頷くように、首が落ちて
遊火丸 クヲン:背中を壁でズルズルと擦りながら、地べたに倒れ込む。
黒戸 三四:横たわる彼女の。意識が落ちる、その間際。
黒戸 三四:その額に、暖かで、柔らかなものが触れる。
黒戸 三四:バレたらまた彼女、不機嫌になってしまうかな。
黒戸 三四:そんな、他愛もないような事を考え、悪戯っぽく笑って。
黒戸 三四:「おやすみなさい。アカリさん」

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エンディング

GM:【エンディング】
GM:──篠伏町・呑津鞠温泉。
GM:──料亭『恋庵』。
GM:戦いから一両日が経過した、夕暮れ時。
GM:奥座敷には、4人の影があった。
蕪木リスト:「──と、いうわけで」
蕪木リスト:「治療薬『ライカンズロープ』の繁華街全体への配給はほぼ完了。他地域にも順次対応しているよ」
蕪木リスト:「おおよそ、事件は終息したと見ていい。どう?」
蕪木リスト:資料を広げながら、笑顔で伝える。
恋ヶ窪ヨーコ:「おお……、そうだな」
恋ヶ窪ヨーコ:「団長も、復帰のめどが立ったそうだ」
遊火丸 クヲン:「そう、なら良かったわ。」
恋ヶ窪ヨーコ:「お前にも借りができた。復学する羽目になりそうだな……」
蕪木リスト:「それはそれとして。これは事後の話だからね」
蕪木リスト:「実際の戦いを私が見たわけじゃない」
蕪木リスト:「その報告は、当事者二人に頼むね」
蕪木リスト:掌を上に向ける。
黒戸 三四:背筋をぴんと立て、正座しながらそのやり取りをただ黙して聞いている。
遊火丸 クヲン:「───まぁ。もう簡単には説明したけど、私達は狼憑きの統率個体と交戦したわ」
遊火丸 クヲン:「代理団長さんも知っての通り、狼憑きはかなり広範囲にわたって出現してたから」
遊火丸 クヲン:「全域までカバーする事は出来なかった」
遊火丸 クヲン:「その結果、命を落とした者も居る。」
遊火丸 クヲン:敢えて名前は出さず
恋ヶ窪ヨーコ:「……」
恋ヶ窪ヨーコ:「依頼したことは、薬物の出処の調査だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「成り行きで妖魔との戦闘にはなったが、その結果まであなたたちに求めるつもりは無い」
恋ヶ窪ヨーコ:「……『伏竜会』が互いの私情を意図的に知らないようにしているのは」
恋ヶ窪ヨーコ:「『こういう事態』を覚悟しているからだ」
遊火丸 クヲン:「そう。」
遊火丸 クヲン:「殊勝な心掛けね、続けられるのなら続けるべきよ。そういうの」
遊火丸 クヲン:「………」少しだけ、不機嫌そうな顔を浮かべて
遊火丸 クヲン:「”ライカン”については」
遊火丸 クヲン:「私よりも詳しい人間に話して貰った方がいいでしょ」
遊火丸 クヲン:黒戸さんを一瞥する
黒戸 三四:「私は────」
黒戸 三四:「狼憑きの治療、その研究に携わっていました」
黒戸 三四:「けれど、結局は。今に到るまで」
黒戸 三四:「私は、『ライカンズロープ』を完成させることが出来ませんでした」
黒戸 三四:「人を、妖魔へと変貌させるウイルス」
黒戸 三四:「完治が望めないのであればと」
黒戸 三四:「苦肉の策で、その予防薬を」
黒戸 三四:「『ライカン』を流通させたのが私です」
黒戸 三四:「強い副作用──────感情の極端な高ぶりに、極めて強力な依存性」
黒戸 三四:「それらが在ると分かった上で」
黒戸 三四:「私は、この街に混乱と不和の種をばら撒いた」
黒戸 三四:「そこに言い訳の余地などなく」
黒戸 三四:「どんな沙汰をも受ける次第です」
黒戸 三四:それきり、言葉を切って。恋ヶ窪ヨーコを見る。
恋ヶ窪ヨーコ:「私たちは司法じゃない」
恋ヶ窪ヨーコ:「繁華街の顔役だ。私たちの領域を侵すやつを、殴る」
恋ヶ窪ヨーコ:「妖魔に変身する病、などと言われても信じなかったが」
恋ヶ窪ヨーコ:「妖魔を人に戻す薬を見た今では、疑いようもない」
恋ヶ窪ヨーコ:「礼は言わない。今まで通り狩人とは関係のない、ただの忍びとして扱う」
恋ヶ窪ヨーコ:「それだけだ。」
恋ヶ窪ヨーコ:目を伏せる。
蕪木リスト:「……それじゃあ、話もまとまったところで」
蕪木リスト:「解散にしようか。一食くらいご馳走してくれないかな?」
恋ヶ窪ヨーコ:「お前は指示しただけだろ」
恋ヶ窪ヨーコ:「今日は帰れ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……遊火丸」
遊火丸 クヲン:「………何?」
恋ヶ窪ヨーコ:「今は、立て直しの時期だ。だがいずれ、必ず席を用意する」
恋ヶ窪ヨーコ:「そのときは……お前が好きなだけ、呼ぶと良い」
遊火丸 クヲン:「…………」くつくつと笑って
遊火丸 クヲン:「気が向いたら、ね」
遊火丸 クヲン:「───だから、気が向くまでは」
遊火丸 クヲン:「アンタが代わりに座ってなさい。」
遊火丸 クヲン:そう言うと、黒戸に立ちあがるよう促して
遊火丸 クヲン:「…じゃあね、代理団長さん。」
遊火丸 クヲン:「次に会うときは」
遊火丸 クヲン:「可愛げぐらいは、もう少しでいいから出してよね。」
恋ヶ窪ヨーコ:「……努力する」
黒戸 三四:ゆらりと立ち。彼女の後を追い、奥座敷を去る間際。ゆっくりと振り返り。
黒戸 三四:「副会長」
黒戸 三四:「ありがとうね。憂野くんのこと」
黒戸 三四:「私に任せてくれて、さ」
黒戸 三四:「結局、本当の意味で。彼女の力になることは叶わなかったけど」
黒戸 三四:「それでも、──────」
黒戸 三四:「ここに。残ったものがあったよ」
蕪木リスト:「そう。彼女からの、贈り物だろうね」
蕪木リスト:「大切にしたいならするといい」
蕪木リスト:「いい仕事だったよ。三四ちゃん」
GM:襖が閉じる。
GM:温泉街は黄昏の靄に覆われている。
GM:昼と夜の境の中で、影は朧に。
GM:人と獣の境の上で、信念を保ち。
GM:表と裏の境とともに、それを守る者がいる。
GM:彼らは人ではない。化け物なのかもしれない。
GM:それでも。
GM:得たものをまた、次へと贈るのだ。
GM:贈られた者も、また。
GM:====
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GM:『贈り狼の話』
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マスターシーン

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恋ヶ窪ヨーコ:「──それで?」
蕪木リスト:「ん?」
恋ヶ窪ヨーコ:「とぼけるなよ。お前はメリット無しに動くような女じゃあない」
恋ヶ窪ヨーコ:「私を復学させて、何をするのが狙いだ」
蕪木リスト:「鋭い指摘だね。……これを見てくれる?」
蕪木リスト:一枚の写真を取り出す。
仮装客:ハロウィンの喧噪の中、南瓜頭の仮装をした男が写っている。
仮装客:数人の女性を従え、それらは棺桶を運んでいるように見える。
蕪木リスト:「麝香会総合病院、という忍びの流派がある」
蕪木リスト:「彼ら……いや彼女らと言うべきか。いずれも毒と薬に精通したくノ一を多く擁する、政府お抱えのアヘン窟だ」
蕪木リスト:「同時に、忍び医療の最先端を行く組織でもあることも間違いはない」
恋ヶ窪ヨーコ:「その麝香会が、なんなんだ」
蕪木リスト:「ああ……もう一枚」
蕪木リスト:「そこに写っているのは、麝香会総合病院の”首魁”、麝香院悦楼だ」

麝香院悦楼:被り物を脱いだ男が、カメラに顔を向けている。
麝香院悦楼:流れるような黒髪に妖しい瞳。褐色の肌は夜闇の中でも朱く輝いている様に見える。
蕪木リスト:「麝香会で盗難事件が起こったという情報は以前から掴んでいたけれど」
蕪木リスト:「下手人の憂野ユチカは、当の麝香会に所属している」
蕪木リスト:「つまり身内の犯行ということになるんだが……しかし追い忍を放つわけでない。部外者のハグレモノに、盗難品の回収だけを命じてる」
蕪木リスト:「妙と言えば、鬼衆ヤツルが処刑忍として現れるに至った依頼もまた、麝香会の上位流派である比良坂機関から出されたものだった」
蕪木リスト:「”偶然にも”ターゲットのコードネームは「人狼」だ」
恋ヶ窪ヨーコ:「……つまり?」
蕪木リスト:「ここまでさ。事実として確認できることが、まるで麝香会が裏で糸を引いたかのようであることを示している。それだけ」
蕪木リスト:「けれど罠って言うのは、見えないように張り巡らせるものだろう」
蕪木リスト:「何を目的としているかはわからない。だが目的があるのなら、妖魔が絡んでいることは間違いない」
蕪木リスト:「つまりは、君たち『伏竜会』を巻き込みたかったのさ」
蕪木リスト:「罠への対策として最も有効な手段は、かかっても助けてくれる、仲間がいることだからね」
恋ヶ窪ヨーコ:「よく言う……」深く息を吐く。
恋ヶ窪ヨーコ:「把握した。団長にも伝えるぞ」
蕪木リスト:頷く。
恋ヶ窪ヨーコ:「それにしても、病院が妖魔を使って暗躍か」
恋ヶ窪ヨーコ:「重傷人の治療だの、まっとうなことに忍びの技を使えばいいものを……」
麝香院悦楼:写真の中の青年は何も言わない。
麝香院悦楼:ただ、背後で従者に抱えられた棺桶は、重い覚悟を──信念を湛えている、ようにも見えた。
GM:誰が誰に、何を贈るのか?
GM:刹那に落ちた答えは、誰も知らない。
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